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イルカたちの夢

 高知県の小学校教員です。 山間の学校の6年生を担任しています。 よろしくお願いいたします。
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2014-11-09

I先生の思い出③ 03:16

I先生の思い出を書いていると、次々に思い出されてくる。

名前を伏せていてもどこかから流れていったらいけないので、ここには書けないエピソードもいくつかあるが(いや、悪いことではなくてプライバシーにも関わることなので)、物語などにでてくるようなことを生でやってる人がいるんだ!と思って毎日がエキサイティングだった。


九州の会で実践発表した時、自分が『学び合い』をすぐに受け入れられた下地となった考えをつくってくれた一人がI先生だったことをお話した。

学び合い』をしている人達が、『学び合い』受け入れる下地になったものを持ち寄れば何か見えてくるかもしれない。


I先生のことをどこかに遺しておくことは意味があると思う。

もう随分以前のことでもあり、脳内の記憶のみで細かなところはあやふやではあるけれども、本筋や伝えたかったことは間違っていないはずなので記しておきたい。



I先生に出会って、教育についての見方を大きく変えられた初めのエピソード。


春の運動会の練習の時だったと思う。

体育主任の私は、雨が降りそうな雲行きだったので、外での練習にするか、体育館での練習に切り替えるか迷っていた。

煮え切らない私を見かねたのかどうかわからないが、I先生が、「よし、外でやろ。」と言って準備を始めた。

数名の先生方が、私に気を使って「あなたが体育主任なんやから、言うとおりにせんで自分で決めてええで。」とおっしゃってくれたが、とにかく外ですることにした。

雲行きはますますあやしくなっている。


そして、練習を始めて少し経ったところで、不安は的中し、雨が降ってきた。


何となく、職員の中に

「あ~ぁ。ほらね。言わんこっちゃない。」

みたいな雰囲気が流れてきた。


判断を誤った私は、子ども達や先生方にもとても申し訳なく思いつつ、体育館への移動を指示しようとした。

その時I先生が、

「高学年、集合!」

と、声をかけた。

ぱっと高学年が集まった。


そこでI先生は、

「ええか、今からすぐテントを張る。下級生を濡らすな!」

と短い指示を出すと(今思えば、ちゃんと目的と行動が入っている)、子ども達は「はい!」と言っててきぱきとテントを張りだした。


その後雨はどうなったか。

結局、雨は本降りになってきてとうとう外での練習はできないまま終わった。


「あ~あ、せっかくテント立てたのに、結局はだめやったか。やっぱり外でせん方がよかったな。判断が間違うちょったなー。」

と落ち込んでいるところへ、自分の学級から帰ってきたI先生が、

「あの後、オレが子どもらに何言うたと思う?」

と話しかけてきてくださった。

「結果は雨が止まんで練習できんかったけど、そんなことはどうでもええ。君らが下級生のために懸命に動けたことは素晴らしい。きっと下級生の心には残ったぞ、言うて喜びおうたわ。」


私はその時、「そうか、そうなんや。」と涙が出そうになった。

それまでの私は、いつも自分の判断に自信がなくて、判断を誤った時には申し訳なくて落ち込んでいた。

そして、行事というものは、教師が様々な配慮をし、的確な判断をして滞りなく終えることがいいと思っていた。

「行事を通して子ども達がどう成長したか」というよりも、「行事が無事済んでよかったね」程度の認識しかなかったのだ。

配慮はもちろん必要だが、その結果がどうなるかをいつまでもぐだぐだ考えたり、思い通りに行かなかったからといって落ち込んだりする必要はないんだということに気づかされた。

「そのことをどう意味づけするか」というものの見方を与える絶好のチャンスなのだ。


I先生は、「ええか、教育に無駄はない。どんなに失敗だと思えることでも、これをこの子達の教育のためにどう結び付けちゃろかと、いつも貪欲に考えるんや。」とおっしゃっていた。

scorpion1104scorpion11042014/11/10 04:22私も、今I先生に学ぶことができました。涙が出ます。行事が、つつがなく滞りなく終えることを目指せば子どもの記憶にもほとんど残らないですね。子どもの成長を促す材料がないのですから、まるで期待できない。大人の都合の教育に気づかせてくださって感謝です。

daitouirukadaitouiruka2014/11/10 07:25ありがとうございます。
私の中だけに留めておかず、こうして書いた甲斐がありました。
お客様に喜んでいただくためのイベントと、学校で子ども達を成長させるための教育の違いを教えられたエピソードでした。

suikanomeisantisuikanomeisanti2014/11/10 10:41そのI先生が自分のクラスの子どもたちに語る様子、それをじっと聞いている子どもたちを想像するだけでジーンときます。琴線に触れるというやつでしょうか。教育につなげる、貪欲に考えるからこそ、いざというとき行動できるんですよね。ありがとうございました。

daitouirukadaitouiruka2014/11/10 15:46そうなんですよ。
子ども達に(大人にも)やる気と勇気を起こさせる語りをしてくれました。
私に語っているわけではないのに、子ども達に語るのを横で聞いてて涙があふれてきたことも1度や2度ではありませんでした。