信濃の国からこんにちは このページをアンテナに追加 RSSフィード

三崎隆です。
長野県長野市の信州大学教育学部で『学び合い』(二重括弧の学び合い)を研究しています。
「信濃の国からこんにちは」は私たちの『学び合い』研究室の研究室通信です。
いつでもメールください。メールのやりとりで『学び合い』の考え方を共有しましょう。
メールアドレスは、misakiとshinshu-u.ac.jpを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。
研究室の全体ゼミは参観OKです。
全体ゼミは毎週月曜日18:00-19:30に行っています(次回は10月2日から再開します)。
研究室の『学び合い』ライブ出前授業もOKです。
詳しくは,私たちの『学び合い』研究室をご覧ください。

明日から使える『学び合い』の達人技術
はじめての人のためのアクティブ・ラーニングへの近道

2017-05-14   気心を知っている人ではない方と話すとき

[] 07:35    気心を知っている人ではない方と話すとき - 信濃の国からこんにちは を含むブックマーク    気心を知っている人ではない方と話すとき - 信濃の国からこんにちは のブックマークコメント

気心を知っている人ではない方と話すときは,

 いきなり本音を語り出すことはありません。唐突に本題を切り出すことも勇気のいることです。相手の性格や対応の仕方が分からないと,最初の会話から本題を切り出すことが妥当かどうか判断が付かないからです。それによって,相手を怒らせて人間関係を損なったり交渉が滞って事業が進まなかったりしたら取り返しが付かないことになり,それだけは避けなければなりません。だから,相手の様子をうかがうように折り合いを付ける会話から始めたり当たり障りのない天気や季節の話題から導入したりしながら,相手とコミュニケーションを行います。私くらいの歳ならば,間違いなく,健康の話題が一番です。その上で頃合いを見計らって,本題に移ります。会話を始めてから本題に入るまでの時間は,相手の反応の様子を窺いながら瞬時に判断しますから,導入の話題や折り合いの付け方が適切ならば,短時間で済みますし,そうでなければ結構な時間を要します。

これと同じことが

 授業中にも起きることがあります。自由に会話することが保証されているときの子ども同士のコミュニケーションの取りかかりです。子どもたちでなくても,「分からないから教えてください」と周りの相手に頼むことはハードルの高いことです。気心の知れた仲の良い友達なら,気軽に「分からないから教えて」と言うことができます。しかし,普段なかなかしゃべったことのない友達となると,なかなかその言葉を発することはできません。この感情は,できる人間にはあまり理解してもらえないことです。そのようなときに,最初に周りの友達に対して,折り合いを付けて発する言葉は「理科って難しいよね」だったり「今日のとこっていちだんと難しくない?」がお薦めです。分からないことを聞いたり教えてもらったりするときには,そのほうが普段話さない人との会話に入っていきやすいです。「どう?ここ分かる?」でもいいかもしれません。

いきなり「分かんないんだけど教えてくれない?」

 よりは,間に一呼吸はいるだけに相手の様子,相手が分かっていそうなのか分からなそうなのかを見極める余裕も生じます。特に,あまり親しくない友達に対してはなおさらでしょう。でも,それは「みんなでみんなができる」ための必須事項です。そうやって子どもたちはみんなでみんなができるために何をどうやれば良いかを学んでいくのです。子どもたちはそんなことを自分たちのペースで学んでいきます。教師に押しつけられるペースでは,決してない。「最初にしゃべる言葉は相手の顔色を見て決めろ」などということは誰も教えてくれません。折り合いの付け方は自分で経験を通して学ぶしかないのです。その意味では”授業に関係のない会話”も分からないことを理解するための初期の過程としては意義あることです。”授業に関係のない会話”から授業に関係のある会話に自然に戻ってくるという実証データがあるくらいですから。授業中に見せる子どもたちの会話というのは,無駄なものは一つとしてない。無駄だと錯覚している教師がいるとしたら,評価を変えることを勧めます。”授業に関係のない会話”を除外するのは,卒論をやっている我々だけで十分なのです。

5gatu