信濃の国からこんにちは このページをアンテナに追加 RSSフィード

三崎隆です。
長野県長野市の信州大学教育学部で『学び合い』(二重括弧の学び合い)を研究しています。
「信濃の国からこんにちは」は私たちの『学び合い』研究室の研究室通信です。
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2008-09-26  必見!必験!高崎の『学び合い』の凄さ このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

学び合い』文化を共有して

 昨日は、朝から晩まで高崎のS小、T小、O小、そして木ゼミで『学び合い』文化を共有してきました。いやあ、実に凄いものでした。まさに、必見!必験!です。最先端の『学び合い』の実践を立て続けに参観し、先生方の文化を体感することができたことを大変幸せに思います。これもひとえに、take1_No12のご尽力のお陰と、各校の校長先生並びにT市の先生方のご理解とご協力のお陰と、D902iさんの企画力と実行力のお陰です。心から感謝します。また、このような素晴らしいツアーに際して、N先生と、そしてN研の院生の皆さん、私たちの『学び合い』研究室の院生、学生の皆さんとご一緒できたことを光栄に思います。

凄さはなんと言ってもいずれの学校とも子どもたち

 3つの学校を参観したのですが、凄さの一つは、なんと言ってもいずれの学校とも子どもたちです。いずれの学校とも、いずれの学校ともですよ、一貫して「分からない」と発信し続ける子どもたち、決して分かったふりをしない妥協のない学びを見せる子どもたち、いろいろな子どもたちと関わろうとする子どもたちの姿には感動し、涙が出ました。それも3つの学校とも、授業の最後まで集中力がとぎれず、一人として遊んだり目標達成に向けた発話と行動以外の一切がないのです。全く例外なくです。もう、感涙の何者でもありません。『学び合い』なればこその現象です。凄さはそれに尽きます。凄さの二つめは、3つの学校の『学び合い』とも安心してみていることのできるものであった点です。それだけ、教師の『学び合い』の考え方が全くぶれていないということの証です。実に見事です。凄さの三つ目は、いずれの学校とも『学び合い』の授業を参観に来られた先生方が多くおられたということです。教師集団における『学び合い』が起き始めているという証であり、学校コミュニティが形作られていく予感がします。これは木ゼミに集まってこられる先生方の人数も多いことからも高崎での文化の浸透度が高いものであることを証明しています。これだけの実践をされる凄い先生方が学校におられるのですから、ぜひ相互に授業を公開し合って研鑽を積まれることをお奨めしますし、困ったときや悩んだときは支援してくださる3校の授業者の先生にご相談されることをお奨めします。間違いなく、バックアップしてくださるはずです。

「僕の教え方がわるかったのかなあ」

 S小のH先生とA先生の授業。この授業の一番の凄さは、なんと言っても「質問を書けよ」と子どもさんが声をかけて、分からないといっている子どもさんの質問の内容を黒板に書き始めたことです。その周りに何人もの子どもさんたちが集まって議論を始めました。もう、感涙でした。もう一つの一番の凄さは、ある子どもさんが分からないと言っていた子どもさんに教えていて「分からない」と言われて、「僕の教え方がわるかったのかなあ」と考えた場面です。教えてもらって「分からない」と返す子どもさんも凄いですが、自分の教え方を振り返っている子どもさんも凄いです。また、感涙しました。もっと凄いことは、何人もの子どもさんたちに教えてもらっても最後まで「分からない」と言っていた子どもさんの素直さです。決して分かったふりをせず、分かりやすい教え方を求めて教えてもらっている姿に感動しました。その子どもさんが分からなかったことは、「(4÷5=0.8倍となることは分かるのですが)なんで、5より4の方が小さいのに、0.8倍大きいのか、わかんない」ということです。それをずっと聞いていて、教えるというのは本当に難しいことだと思いました。一生懸命教えている子どもさんの中には自動化してしまっている子どもさんもいて、分からなかった子どもさんはなかなか理解できませんでした。中1の数学で「-1大きい」ことの意味が分からずに躓いてしまう子どもさんのことを思い出しました。みなさんなら、どのように教えてあげるでしょうか。授業が終了した後も、3人の子どもさんたちがその子どもさんのところに集まって学びが続いていたことが凄さを物語っています。

「それ、全員が知ってるかなあ。全員が知らないと困るがなあ」

 T小のA先生の授業。この授業の一番の凄さは、なんと言っても、子どもたちが自分たちで課題を書いている点、冒頭の授業者の説明が1分10秒最後の評価が30秒であった点、子どもさんたちが全く先生を頼らずに自主的に『学び合い』をしている点です。あのY小で見た社会科の授業を彷彿させる究極の『学び合い』をまた算数で見ることができました。挙げれば、きりがありません。また感涙でした。「えーっ」と感動したクライマックスは、授業の最後の授業者の発話「それ(本時の課題が達成されていること)を確かめるには何番を宿題にしたら良いでしょう。それも考えておいてください。」です。もう一つ「それ、全員が知ってるかなあ。全員が知らないと困るがなあ」。A先生の可視化は絶妙です。子どもたちの学びの状態を情報公開するのですが、全員に聞こえるような大声ではなく、かつ、誰かに押しつけるわけではなく、かといって遠慮しているものではなくて教師の期待することをずばっと言い当てて、子どもたちからかけ離れているわけではない、そのタイミングと子どもたちとの間隔はまさにこれぞテクニックと思わず思わせてしまうほどの憎らしさを感じます。私にはまねできません。可視化を勉強したいなら、A先生を手本にしてください。たとえば、「これ大事なことだよなあ」「コンパスって、どこ持てばいいんだろう」「みんなに紹介したら?」「できてない人いるじゃん。やばいよ。できてない人がいるよ。」「その説明かあ。初めてすっきりしたよ。」「ねえ、だれが4番の説明したの?」などなど。そうそう、もう二つ。一つは子どもたちが誰とは言わず、床に座り込んで勉強を始めた子どもたちがいたことです。次第に何人もの子どもさんたちが集まって議論が始まっていました。感動です。一つは、絶妙のタイミングで校長先生が問題を出されたことです。教室の空気が変わった瞬間です。おそらく、校長先生はお一人の子どもさんに伝えたのでしょうが、あっという間に子どもさんから子どもさんへ伝わり、「校長先生の問題、解ける?」が合い言葉となっていたことは凄いことでした。

一番の凄さはそれぞれの教室に出かけてきて『学び合い』を始めた点

 O小のT先生とO先生の授業。この授業の一番の凄さは、なんと言っても、2クラスに別れて勉強していた子どもたちがなんとそれぞれの教室に出かけてきて『学び合い』を始めた点です。それも子どもたち自身が最良の手段として選んだ結果ですから凄いことです。2学級の学年を習熟度によって3つに分けて授業を公開してくださったのですが、習熟度によって分けてあるなどとは全く分からないほど、子どもさんたちの『学び合い』が凄かったのです。等質に分けられているものとばかり信じ込んでいたほどですから。授業開始後十数分経つと、エンドユーザーの子どもさんたちが隣のクラスに「分からないから、教えてよ」と言いながらやってきたところから始まりました。またまた感涙です。ゲートキーパーも隣のクラスに行ったり来たり、授業者も行ったり来たり。圧巻は、周りの子どもさんたちに一生懸命教えていた子どもさん(ゲートキーパー)が、周りの子どもさんたちから一生懸命教えてもらっていた子どもさん(エンドユーザー)が「あ、なるほど」と分かったことについて「おまえの書いたの、全部教えて」と発話していた場面です(分かりにくい文章ですみません)。つまり、教え手だった子どもさんが、それまで学び手だった子どもさんから教えてもらっている場面が存在したのです。教え手が学び手になり、学び手が教え手になった場面なのです。凄いことが起きていました。ライブの目の前で,こんな教え手と学び手同士の究極の『学び合い』の瞬間場面に立ち会えたことは最高の幸せです。もう二度と巡り会えないと思います。もう、感涙の連続です。この学年なら、異学年の『学び合い』なら明日からでもできるなあと確信できましたし、『学び合い』を相談してアドバイスを得ることのできる教師集団の『学び合い』の重要性を確信しました。

木ゼミの一番の凄さは悩みや不安、うまくいったところ感動したところを共有しているところ

 最後に木ゼミ。この木ゼミの一番の凄さは、『学び合い』の実践を共有し、その悩みや不安、うまくいったところ感動したところを共有しているところです。毎月集まって困っていることや悩んでいること、不安なことを相談し合って他の先生方の実践の良かったところや感動したところを吸収し合って、自分自身の実践を冷静にモニターし、振り返ることができて次の実践に生かすことができる点が実にうらやましいところです。お疲れのところ、大勢の先生方が集まって議論されていることに敬意を表します。昨日はご一緒できて大変光栄に思います。誰しも、自分の実践していることに不安があったり悩んだりしているときには、背中を押してくれる同志をどれだけ心強く思うことでしょう。それが同じ学校の同じ学年にいれば言うことありません。自分の不安や悩みの相談に乗ってくれて、応援してくれる場が木ゼミになっているのですから、百人力です。毎月たくさんの先生方が参加されることが十分に頷けます。これからも木ゼミを応援したいと思います。

今日の予定

 終日、研究室にて業務です。

D902iD902i2008/09/27 20:22OB1989先生の文章を,ひとつひとつにうなずいて拝見しておりました。
今回,『学び合い』ツアーが実現したのはこれから先,大きな意味を持つと思います。
これからが本当に楽しみですね!

OB1989OB19892008/09/28 07:06D902iさん、コメントありがとうございます。おそらく、可視化できなかった凄さもまだまだあるはずです。授業公開し、志を同じにする者同士が互いに見合うことというのがそれだけ収穫の多いことであるという証でしょう。おっしゃるとおり、これからがますます楽しみにです。

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