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相互依存を追いかける このページをアンテナに追加 RSSフィード

 ハンガリー・カーロリ・ガーシュパール大学の若井誠二(わかいせいじ)です。日本語教師です。10以上年前より学習者自律に関心を持ち、現在は学習者自律を支える「相互依存」を追いかけています。そして『学び合い』が相互依存の1つの形かなと思っています。(ご連絡等はszeidzsiアットマークfreemail.huまでお願いします。)

2019-05-19

大変な作業

| 02:13 | 大変な作業 - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - 大変な作業 - 相互依存を追いかける 大変な作業 - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

昨年より、翻訳担当の先生の指導により、学生が年に1本のペースで広島の被爆者の証言ビデオの翻訳作業を行っています。今学期に担当したビデオはとても長く、内容もかなり衝撃的なもので、きっと学生たちも翻訳に非常に苦労したのではないかと思います。

私は校正の立場なので、無事学生が翻訳した原稿のチェックを行います。文学の翻訳は少し状況が違う可能性がありますが、技術翻訳の場合、自分の頭の中にある語彙や辞書の語彙で翻訳をするのは最も危険です。どうしてもコーパス(グーグル)でそれが使われているかどうかチェックしていかなければなりません。

妻は通訳者なので、2人で1つ1つ言葉をチェックしていく作業が続きます。学生の努力は認めつつ、でも、おそらく原稿はかなり赤くなってしまうと思います。でも、それは被爆者の気持ちが視聴者の方に伝わるようになるためにどうしても必要です。これから長い作業になると思います。

国語に翻訳・字幕化されたビデオは以下のリンクから見ることができます。(広島の博物館でも見られます。)

https://www.global-peace.go.jp/OTHER/ot_index.php

2019-05-17

今学期も終了

| 04:45 | 今学期も終了 - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - 今学期も終了 - 相互依存を追いかける 今学期も終了 - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

春学期の授業も今日で終わりました。1学期の授業数は12で、最後の2つはテストを書かせることが多いです。従って授業回数は10回となります。特に人数の多い学士課程の授業では、履修している学生の学年もバラバラですし、お互いをよく知っているわけでもありません。こんなとき、他者の力を活かそうと述べても、私の力では述べているだけでコースが終了してしまいます。そこで今学期はこれまでより、ウォーミングアップに力を入れました。学生は「日本語で会話する機会が少なすぎる」という不満を常に持っています。ですから、これを利用してウォーミングアップすることで、例年とよりはクラス内の風通しがよくなったような気がします。(そうでなかったクラスもありますが)

今年は、数年ぶりに人の移動が困難なPC教室ではない場所での授業がありました。PC教室だと学生がわからないときにPCを使える・・という利点があったので、少し心配でした。でも、別の教室は多少人の移動が可能だったため、このウオーミングアップでの人の移動が見られました。1つのクラスでは、既に日本語教師としても働いている人がおり、この人がクラス中を動き回るため、それがクラス全体に広がり、本当に助かりました。

今学期もいろいろな発見がありました。10回授業をしたら振出しに戻る・・の繰り返しですが、その中でもできることはいろいろありそうです。

2019-05-10

学生に教えてもらう授業

| 05:32 | 学生に教えてもらう授業 - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - 学生に教えてもらう授業 - 相互依存を追いかける 学生に教えてもらう授業 - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

学士課程の授業は既に試験に入ってしまっていますが、修士課程の授業は来週まで続きます。今学期修士課程の授業では、自分達の置かれている学習環境をよくするにはどうすべきか・・を毎週毎週問いかけて、過去の先輩の調査結果のデータを分析し、プレゼンしてもらい、議論しています。いろいろ意見を出してくれる学生に感謝しつつも、まだまだ「それはもうやってみた」「こういうどうしようもない問題がある」みたいに私が投げ返す場合が多いです。でも、そこから「これだったらいけるかも」というアイデアが出てきます。ここでの議論を受け、私は同僚の教員とインフォーマルな議論(たまにフォーマルな議論)を重ねていきます。ここから本当に多くの「新商品(メタファーです。カリキュラムや授業改善、プロジェクトのことです)」が開発されてきました。新商品の多くは失敗しますし、長続きしないものも多いです。でも商品開発を辞めたら腐ります。学生はつまらないかもしれませんが、私は授業中いろいろ教えてもらえるのでとっても楽しいです。

2017-10-15

価値観の押し付けはまずい

| 05:57 | 価値観の押し付けはまずい - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - 価値観の押し付けはまずい - 相互依存を追いかける 価値観の押し付けはまずい - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

日本語教授法の授業で教科書分析をやったのですが・・

ビジネス日本語を教える教科書の「あいさつ」関する最初の質問が「同僚よりも早く帰りたいときどうするか」でした。答えの選択肢には「同僚の仕事の邪魔にならないよう静かに挨拶して退社する」というものもあったのですが、正解は「同僚を手伝って一緒に帰る。」でした。

「同僚よりも早く帰りたいときのあいさつは何か」の答えが「同僚を手伝って一緒に帰る」というのは衝撃的でした。(かなり最近の教科書です。)

こういう文脈も何も提示しない状況で価値観を一方的に押し付けるような問題を教科書に載せるとは・・・かなりまずいでしょう。

2017-05-28

ないものねだり

| 20:40 | ないものねだり - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - ないものねだり - 相互依存を追いかける ないものねだり - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

クラスで学ぶとき、教師が個人教授の延長でクラス(の1人1人の学習者)を教えようとする、あるいか管理しようとするのは効率もよくないですし、最悪の場合は学習者の学習を乱す結果になります。

クラスで学ぶときはクラスだから可能な(もっとも効率的な、そして学習者が自分に最も合った、そして自分で責任を持って学習できるための)方法を採用すべきです。例えばこの1つが学習者同士の同僚性構築へのサポートと言えます。

この場合でも、教師が個々の学習者に教えることもあるでしょう。でも、それは学習者にとって1つリソースにすぎず、更にその学生を通してクラスにとって利用できる1つのリソースとなればいいな・・と教師が自覚していることが重要です。

個人教授の延長でクラスと接する教師がいる一方で、上記の考えが私自身の規範になっている教師が、(バックにクラスがない)個人に1対1で教えるとどうなるのでしょうか。私自身はそれは苦痛なのですが、どうやってそれを克服すればいいでしょう。

テストのやりかた

| 20:06 | テストのやりかた - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - テストのやりかた - 相互依存を追いかける テストのやりかた - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

私の学科では毎年修士課程の学生が学士課程の学生にアンケート調査を行い学科改善の提言書を日本語で書き、これを教員にあげています。

一昨年「日本語メールの書き方を学ぶ機会がない。これを学習項目に取り入れてほしい」という提言がありました。

これを受けて、現在、私のある1つの授業で「メールの書き方」も扱っています。

語学のテストでも手紙を書くという問題はよく出されます。シチュエーションや文脈を考えて正しく手紙が書けるか・・という問題です。

昔は辞書も使わず書くことが求められることもありましたが、現在は辞書使用が認められることが多いです。

ただ、現実問題を考えると、手書きで手紙を書く機会がほとんどありません。(今の若い人は電子メールを書く機会すら減っていると思います。)また日本人が日本語で手紙を書くときにも「手紙の書き方」に頼ることはまれではありません。ネットが使えるようにいなってからは、ネットを頼りにすることも多いでしょう。

というわけで(幸い私の授業はPC教室でなされることが多いので)今学期の授業では

  • 1.グーグルアカウントをつくる。
  • 2.「シチュエーションや文脈に合わせたメールの書き方」+「メールの基本的なルール」を簡単に説明する(資料を渡す)
  • 3.シチュエーションを提示し、実際に(作成したGメールアドレスに)メールを書かせる。
  • 4.Gメールをスクリーンでうつし、届いたメールを公開チェックする。
  • ことをやりました。メールを書くときは、もちろんネットも自由に使えますし、前の授業に書いたメールのコピペもOKで、クラスメートとも自由に相談してもよしとしました。

    でも今学期もテストでは手書き+辞書になってしまいました。(テストの構成の問題、PCの確保、テスト中の学生同士の情報交換の可能性があり踏み切れませんでした。)

    でも、そろそろ手書きの試験も再考の余地がありそうです。