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相互依存を追いかける このページをアンテナに追加 RSSフィード

 ハンガリー・カーロリ・ガーシュパール大学の若井誠二(わかいせいじ)です。日本語教師です。10以上年前より学習者自律に関心を持ち、現在は学習者自律を支える「相互依存」を追いかけています。そして『学び合い』が相互依存の1つの形かなと思っています。(ご連絡等はszeidzsiアットマークfreemail.huまでお願いします。)

2015-08-04

他者のリソースとしての利用

| 18:30 | 他者のリソースとしての利用 - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - 他者のリソースとしての利用 - 相互依存を追いかける 他者のリソースとしての利用 - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

学習者は他者をどんなリソースとして利用しているのか・・・という問題ですが、基本的には以下の2つかなと思っています。

1)知らないことを聞いて答えを得るためのリソース(情報リソース

2)学習深化につながる「何か」を得るためのリソース(認知リソース

1)のやりとりは「質問して答えてもらう」です(例えば漢字の読み方を教えてもらう)。でも、そこから何らかの気付きがあれば2)にもなるでしょう。

2)のやりとりは「質問→回答」から発展する議論が典型かなと思いますが、それだけとは限りません。例えばいろいろな人に説明をすることで気付きを得ることがありますし、うまく説明できなくて困っているクラスメートをヘルプするときにも気付きを得ることがあります。あるいは遠くに座っているクラスメートのつぶやきを聞くことも気づきを得るきっかけとなるはずです。

他者リソースとして利用する利点が理解できていれば、(特に好きでもない相手に対しても)話しかけたり、誘ったり、(もっと単純に挨拶したり)、それを確保しようと動くはずです。年配者が「挨拶の大切さ」を若者に唱えるのも、きっとそういうところからくるのだと思います。

2015-07-14

協働!協働!と言うけれど

| 22:21 | 協働!協働!と言うけれど - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - 協働!協働!と言うけれど - 相互依存を追いかける 協働!協働!と言うけれど - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

協働というと「相手をリソースとして利用する」というイメージが強いです。

でも実際に学習者は他者をどんなリソースとして利用しているのか、あと他者リソースとして利用できる状況をつくるためどうしているのか・・・という問題が残ります。

2015-07-13

ポートフォリオの導入の仕方

| 07:10 | ポートフォリオの導入の仕方 - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - ポートフォリオの導入の仕方 - 相互依存を追いかける ポートフォリオの導入の仕方 - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

日本語の教室ポートフォリオを導入している先生の中には、もしかするとこんな感じの先生がいるかもしれません。

学習者が自らの学習を振り返る力(モニタリング力)は学習者自律を構成する重要な能力とされている。そこで教師が自分のクラスに通う学習者のモニタリング力を育成したいと考える。このとき、学習者の持つモニタリング力を偶発的・非効率的な学習コントロールからシステマティックな能力に育てていくための刺激としてポートフォリオを導入する。ポートフォリオの記入形式や方法は教師が考え、教師は各項目の重要性を学習者に伝える。一方、教師ポートフォリオ記入が強制にならぬよう配慮しつつ、教師との対話の意味を強調する。そして実際に学習者のポートフォリオを読み対話を意識しつつ評価をしフィードバックを行う。

私は(ポートフォリオだったら)このやり方はやらないと思います。自分で書いておいてアレですが、強制ではないと言いつつ強制で、対話と言いつつ実はチェックしているだけで・・・というところが見えてしまうのがちょっと・・です。(強制的に書かせて成績に組み込んだ方がまだましかなと思います。)もしこのやり方でやって「生徒がポートフォリオちゃんと書いてくれない。」という事例があったら、それは教師の責任じゃないかなと思います。

一方、下記に近いものやり方ならやると思います。

モニタリングをすることが学習目標を達成するために得であり、モニタリングをするのが当たり前であるという教室文化を形成する。この教室文化の中で学習を進めることにより、「モニタリングには意義がある」という学習観が学習者の規範に内在化される。そして自分だけではなくクラスメート全員の目標達成のために考え・動くことを求め、モニタリングの1つの有効な方法としてポートフォリオを紹介する。学習者が与えられたポートフォリオについてクラスメート全員の目標達成のために有益なものであると考えれば利用する。そうでなければ自分たちで項目を変更したり、項目の変更を教師に求める。(あるいはポートフォリオとは別のものを使う方が効果的だと教師に説明し納得させそれを実行する。)ポートフォリオは自分を含めたクラスメート全員の目標達成のために書かれクラス全員に可視化する道具となる。クラスメートはお互いのポートフォリオを読み合い、学習目標を達成するためにポートフォリオの記述を修正していく。結果、モニタリング力がシステマティックなものとなっていく。

2015-07-10

学習観は人それぞれ

| 23:00 | 学習観は人それぞれ - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - 学習観は人それぞれ - 相互依存を追いかける 学習観は人それぞれ - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

「自らの学習目標達成のために多様な他者リソースとして利用できるように動く」というのは一種の学習観です。私はこの学習観は重要だなと思います。でもだからと言って個々の学生にそれを強要することはできません。人にはそれぞれ(自らの経験に基づいた)学習観があるからです。

でも教室を学習者の多くが「他はともかくここは自らの学習目標達成のために多様な他者リソースとして利用できるように動く場所だよ。」と認識するような場にすれば学習者の行動は変わります。そしてもしかすると「自らの学習目標達成のためにお互いを多様な他者リソースとしてしあえるのっていいねえ。」と思ってもらえるかもしれません。

2015-07-09

相互依存のかわりに

| 04:06 | 相互依存のかわりに - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - 相互依存のかわりに - 相互依存を追いかける 相互依存のかわりに - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

前にも書いたとおり「相互依存」の「依存」という言葉のせいで、そこに学習者による積極的な働きかけの意味合いがとりにくいという問題があります。それで私はこれを「自らの学習目標達成のため、多様な他者リソースとして利用したり建設的な意思決定が行えるような他者との社会的文脈の構築やその活用」と言い直しています。でもこれだと長いので「他者との関係調整」という言葉で表しています。