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相互依存を追いかける このページをアンテナに追加 RSSフィード

 ハンガリー・カーロリ・ガーシュパール大学の若井誠二(わかいせいじ)です。日本語教師です。10以上年前より学習者自律に関心を持ち、現在は学習者自律を支える「相互依存」を追いかけています。そして『学び合い』が相互依存の1つの形かなと思っています。(ご連絡等はszeidzsiアットマークfreemail.huまでお願いします。)

2015-09-13

逆効果な話し合い・グループ活動

| 19:15 | 逆効果な話し合い・グループ活動 - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - 逆効果な話し合い・グループ活動 - 相互依存を追いかける 逆効果な話し合い・グループ活動 - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

協働学習は一斉授業に対する疑問から生まれたようなイメージがありますが、『学び合い』では最も初期の段階で、ある種の「協働学習」っぽい授業活動について効果の出にくさを指摘しています。それは以下のような活動です。

1)先生が課題を出す。そしてグループでそれについて話し合うように言う。

2)グループで話し合う。

3)各グループの代表が発表する。

4)先生がそれをまとめる。

ただこの活動形式自体に問題があるのではありません。問題なのは教師があらかじめまとめる方向を持っていて、それをあたかも各グループで考えたかのように示すということです。学習者は敏感に教師の意図を察し、話し合いをする無意味さを知り、無気力となり(一斉活動でも発生する)ローカル会話も発生しないという状況になってしまいます。これはある面、一斉指導よりもっと罪が重いです。

ただ、政治が絡む大人の世界では、こういう話し合いは案外あるのかもしれません。私自身も知らず知らずのうちに上のなんちゃって協働に近いことをやっている可能性があるので気をつけなければならないなと思います。

2009-04-15

『学び合わせ』と『学び合い』の違い

| 03:35 | 『学び合わせ』と『学び合い』の違い - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - 『学び合わせ』と『学び合い』の違い - 相互依存を追いかける 『学び合わせ』と『学び合い』の違い - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

西川先生のご配慮で入手できた以下の論文を読んでいます。

市川寛、久保田善彦、西川純(2007.6):小学校算数科における自由な相互作用と学力向上

に関する研究、協同と教育、日本協同教育学会、3、10-20

そこに次のような記述があります。

児童の全ての会話の中で「複数回連鎖型」「一門一答型」の相互作用に関わる会話を抽出し、総時間を求めた。(中略)

相互作用の出現時間(分)

f:id:szeidzsi:20090416034029j:image

しかし、児童は相互作用しているのみではない。一人当たりは6分前後にすぎない。即ち、児童は他の児童からの支援を受けながら、約30分(授業時間45分-教師のクラスへの全体への発話8分-児童相互の会話6分)は自ら課題を解決していることを意味している。

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『学び合わせ』と『学び合い』の違いが端的に表現されているこの文を読むことができて本当によかった!

2009-03-28

連帯責任

| 09:14 | 連帯責任 - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - 連帯責任 - 相互依存を追いかける 連帯責任 - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

誰かがミスをしたとき、連帯責任(罰則)を負う。こうすれば誰もミスをしないように仲間同士で意識しあうから団結力が高まる・・・と真面目な顔をして言う人がいます。笑っちゃいます。それを教育だとおもう教師に教わる子供は大変だと思います。

誰かがミスをしたら、周りの人がミスをカバーしてあげ、次にミスをしないようにするにはどうすればいいかをみんなの問題として考えればいいだけだと思います。

連帯責任で全員に罰則なんて・・・陰湿ないじめがおきるでしょう・・・

ハンガリー娘ハンガリー娘2009/03/31 19:17こんにちは。
日本でも、学級崩壊というのがあります。
先生の人としては、そんなに問題がないのに、クラスをうけもつ力不足により、
いろいろな問題が起きることがあります。
特に、小学部の低学年ほど、優しいだけの先生では、クラス崩壊が起きてしまいがちだと思います。しめるところは、しめる!!先生がいいですね。
先生によって、子供への今後の影響力は大きいので、親としては、なんとかしたい!!
という気持ち、痛感します。
学級崩壊が起きると、はた目、子供たちが悪いイメージに見えてしまいがちですが、
そういうフインキにしている現況は、担当の先生によります。
先生も、優しく頑張っていて、どうしたら?よいのか、わからず悩んでおいでかもしれませんね。先生力をあげるためにも、先生になんとか、この山を超えてほしいですね。
きっと、この山を超えた時、この先生も、達成感というのが味わえると思うんだけど。
ハンガリーには、素敵な先生も多いので、なんとか、「はずれ」をひいたと思われない先生になってほしいですね。

szeidzsiszeidzsi2009/04/01 05:24ハンガリー娘さま
コメントありがとうございます。今のところいい方向で動き始めたようです。雨降って地固まるになればいいなと思います。

2009-02-16

ドラスチックな変化は望めないけれど・・

| 06:31 | ドラスチックな変化は望めないけれど・・ - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - ドラスチックな変化は望めないけれど・・ - 相互依存を追いかける ドラスチックな変化は望めないけれど・・ - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

A magyar társadalom 81 százalékának ellenérzései vannak a cigány emberekkel szemben - állapította meg a Progresszív Intézet tavaly októberben végzett közvélemény-kutatása. Minél magasabb az iskolai végzettség, minél inkább beszél valaki idegen nyelveket, annál kevésbé cigányellenes, jóllehet még a felsőfokú végzettségűek és az idegen nyelvet jól beszélők körében is egyértelmű a cigánysággal kapcsolatos negatív attitűd többsége: ez az arány mindenhol 70 százalék felett van.

hirdetés ある調査会社が昨年10月に調査した結果によると、ハンガリー人の81%がロマ(ジプシー)に対しネガティブな意見を持っているとのこと。この傾向は、学歴が高ければ高いほど、そして外国語が上手に話せれば話せるほど弱くなる。しかしそれでも、高学歴で外国語が上手な人の70%以上はロマに対しネガティブな意見を持っている。

A Progresszív Intézet nem egymaga végezte a felmérést, a politikai térkép kutatás keretében 1196 fős reprezentatív minta alapján vizsgálták a társadalom gazdasági és társadalmi attitűdjét, így a magyar társadalom cigánysággal kapcsolatos álláspontját is. この調査は調査会社が直接アンケート調査などを行ったものではなく、政治地図研究の枠内で1196名のデータを調べた結果明らかになったものである。

A politikai térkép elsősorban ideológiai értékmeghatározást nyújt, és nem az egyes pártokhoz vagy jelöltekhez való viszonyulásból indul ki. Az értékválasztás meghatározásának alapja egy 73 állításból álló kérdéssor, amelyből 3 megállapítás a cigányságra vonatkozott.政治地図の調査ではイデオロギーや支持政党や議員に関する調査が主であり73の質問で構成されているが、そのうち3つがロマに関するものであった。(これを分析した)

A válaszadók 81 százaléka az erőszakos asszimiláció pártján áll, ők meg van győződve arról: a cigányokat rá kellene szoktatni arra, hogy ugyanúgy éljenek, mint a magyarok. Hasonló arányban (82 százalék) gondolják úgy, hogy "a cigányok gondjai megoldódnának, ha végre elkezdenének dolgozni", azaz a megkérdezettek több mint négyötöde szerint a cigányok nem szeretnek dolgozni, és ez a legfőbb oka hátrányos helyzetüknek. 調査対象の81%が、ロマにネガティブな気持ちをもっており、ハンガリー人と同じ生活に慣れさせなければならないと考えている。また「ロマがちゃんと働き出せば、ロマの問題は解決する(でも働かないから解決しない)」と思っている人も82%いた。

A megkérdezettek több mint fele (52 százalék) azt is gondolja, hogy nem a többségi társadalom előítéletessége az oka a cigányság deprivált helyzetének.また52%は、ロマに対するネガティブな感情は、マジョリティによる偏見から来るものではないと答えている。

Nincs különbség az egyes pártok szavazóinak cigányellenességében annál a kérdésnél, hogy "a cigányok gondjai megoldódnának-e, ha végre elkezdenének dolgozni". Az MSZP szavazóinak 81, a Fidesz szavazóinak pedig 80 százaléka ért ezzel egyet.ロマに対するネガティブな感情は、その人の支持政党とは関係ない。

A felmérés szerint "a magukat baloldalinak vallók között kisebb az aránya a cigányellenes álláspontnak (79 százalék), mint azok körében, akik magukat jobboldalinak (85 százalék) vagy középen állónak (83 százalék) gondolják".あえて言えば、左派だと考えている人でロマによくない感情を持っている人の割合(79%)が、右派(85%)や中道(83%)より僅かに低い程度である。

Kevésbé cigányellenesek azok a válaszadók, akik a fővárosban élnek (74 százalék), mint azok, akik városban vagy falun (82-83 százalék). またブダペストに住んでいる人の反ロマ感情は74%と、地方都市(82%)、農村部(83%)よりは低くなっている。

A felsőfokú végzettséggel rendelkezők kevésbé cigányellenesek (76 százalék), mint azok, akiknek csak középfokú vagy alapfokú végzettségük van. Utóbbiak körében ez az arány 83, illetve 81 százalék - olvasható az összegzésben.高等教育機関を卒業した人の反ロマ感情は76%と、中等教育機関卒業者83%、諸島教育機関卒業者81%より低い。

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つまり、どの項目でサンプルをとってもハンガリー人(マジャール人)はロマを嫌っているということですね。もちろんネガティブな感情を持っていても、折り合って生きていけるので、実際にはロマを弾圧するなんてことはないのだと思いますが、高学歴である教員の7割も反ロマなわけなので、クラス・学校で『学び合い』文化を形成することで、ロマとの共存を考えていくということを考えても・・・とてつもなく難しいのかもしれません。でも、「そうなれるかも」・・・「なれるだろう」・・・「きっとなれる」・・・と信じられる人が増えていけば少しずつ変わっていくのかもしれません。自分がその運動を進める立場にたてるとはとても思えません。でも4月の発表が認められれば、妄想だと一笑にふされようとも、『学び合い』が問題解決の1つの可能性になるかもしれない・・・と言ってみようと思います。(まあポスター発表だと5分しか話せないのですけど。)(ちなみに、ハンガリーは日本よりも少子化が進んでいる国で、1980年から人口が減り続けていますが、ロマは増え続けています。マジャール人はこれに対しても恐怖を感じているかもしれません・・・)

jun24kawajun24kawa2009/02/16 06:38ある集団に対する偏見は、大抵は無知から発し、自分の不満を合理化するために使われます。本当は教育はそこを何とかしなければならないのに、教師の偏見率の高さは凄いですね。

szeidzsiszeidzsi2009/02/16 07:33jun24kawaさま
コメントありがとうございます。政府は「すべての小学校は、まず地元の子供を入学させる」「すべての学校にロマの言葉を話す教員を置く」「ロマとマジャールを分けてクラスをつくってはらなない」などの政策を打ち出し導入していますが、制度だけ整えても駄目というのはみんなわかっているようです。実は、今ロマによる犯罪の多さがクローズアップされていて、更に反ロマ感情が高まっている状況にあります。(コメントを読んで、金融危機で生活不安が強まっていることと、この状況とは関連性があるのかも、と気付かされました。)

2009-01-26

教育方法の限界

| 08:40 | 教育方法の限界 - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - 教育方法の限界 - 相互依存を追いかける 教育方法の限界 - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

あるところで主に医学教育で利用されているPBLについて面白いやりとりがありました。

PBL(Problem Based Learning)は30年ほど前にカナダで始められた授業形態で「問題解決型授業」のことです。最近、欧米の大学で急速に普及しています。教員はまず学生に課題を出します。このとき幾つかのインストラクションはしますが、あくまで学生が自主的に学習して授業の 準備をします。1つのテーマに対して、幾つかのグループに分かれて作業を分担し、 授業を行いますが、主に学生同士の質疑応答で授業は進行します。教員の発言は10 %以下にするというのが原則です。(http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/yakuri/kaizen/jugyo/PBL.htm)(PBLを実施することで「学習者中心の教育観(「患者中心医療の医療観」)」の重要性を、じょじょに理解させていく効果があるらしいです。)

やりとりでPBLの問題が指摘されていたのですが、それは以下のようなことです。

  • PBLの専門家も「自分ではPBLを上手く展開できる自信がない」と思ったりする。この背景には「効果が高く素晴らしい教育方法は、特定の学習者特性や教員特性を要求することがあり、PBL はその典型だから」という背景がある。
  • 新たな教育方法を導入するには、教員自身がその方法でなにかを学び、成果を上げた経験が必要だが、それが少ない。
  • PBLを自習と勘違いした先生が学生を教室に置いて外へ行ってしまう。(PBLはチューター付きの自己主導型学習でチューターはその場にいなくてはいけない)そして(自己主導性がないため)学生が遊んでしまう。
  • PBL で学びがある実感がないと思ってしまうチューターがPBLの課題の解答を、別の授業で言ってしまう(教えてしまう)。
  • シナリオがなく単なる調べ学習になってしまう。

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言語教育でいう学習者自律でも同じ問題を抱えているような気がします。


補足:

PBLって上の記述だけ読むと、『学び合い』を方法論で捉えた典型にも見えます。

でも「考えが重要」と言っても、「ある考え方(信念・確信)を持って判断・行動した瞬間それは方法として捕らえられてしまうし、やっている本人自信もそう捉えてしまう(私は『学び合い』をやっている。なぜならこういうときこういう判断をして、こういう行動をとるから)可能性もあります。難しいです。