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相互依存を追いかける このページをアンテナに追加 RSSフィード

 ハンガリー・カーロリ・ガーシュパール大学の若井誠二(わかいせいじ)です。日本語教師です。10以上年前より学習者自律に関心を持ち、現在は学習者自律を支える「相互依存」を追いかけています。そして『学び合い』が相互依存の1つの形かなと思っています。(ご連絡等はszeidzsiアットマークfreemail.huまでお願いします。)

2016-09-23

諸刃の剣

| 05:34 | 諸刃の剣 - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - 諸刃の剣 - 相互依存を追いかける 諸刃の剣 - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

日本の今の状況はわかりませんが、ハンガリーでは公教育機関の教員を含む公務員もリストラの対象になります。経済的な理由でリストラされる場合もあります(以前、すべての学校で、初等教育機関から高等教育機関まで一律数パーセントのリストラが義務付けられたこともありました。そのときはリストラに合わなかった教員もすべて賃金がカットされました。)

一方、(特に最近)ある一定の年齢(55歳)を超えた者に対しては「再就職が難しい」との理由から解雇対象から外される(解雇しにくい)ことになっています。長年頑張って働いてきた人にとってはありがたい法律ですが、一方でとんでもない人を組織内に残さざるを得ないという状況にも陥ります。

残念ながら「とんでもない教員」の多くが、この解雇対象から外された年配の教員たちのようです。ネット上でもとんでもこれらの教員について情報が出ています。

例えばハンガリーでは、先生が質問をしてその答えに成績をつけるというものがありますが、生徒が手をあげれば「お前は昨夜たまたま勉強したから、いい成績がほしくて手をあげているのだろう。普段は何もやらないくせに。」とののしり、完璧に答えても悪い成績を出すという教員。聞き取りにくい質問をしては、答えられない生徒に赤点を出しまくる教員、ちょっと答えにつまると「この学校はお前のようなやつが来るところではない。」とどなりちらす教員、さんざん生徒をいじめて生徒が泣き出して教室の外に飛び出すと「勝手にしろ!でも自殺すんなよ、迷惑だから」と言う教員。これがすべて9月に年度が始まってからのネット上での情報なので驚きです。ハンガリーの学校内でのパラハラもひどいものだと思います。

おそらく学校側もこういう問題があるのは把握しているでしょう。ただ、年配なので解雇はできないし、無理やり解雇しようとすれば、それは「解雇されない権利」が守られないことを意味しますから、同僚が前例を作りたくないとそれを阻止してきます。一方、解雇しなければ法律で定められた授業数を持たなければなりませんから、被害が更に拡大していきます。

私自身もいつ解雇されるかわからない状況の中で働いていますから、「解雇対象からは外される」という法律が自分にも適用されるのならホッとします。(その直線に解雇される可能性はありますが)でも、それに胡坐をかくようなことをするのはひどい話だなと思います。せめて自分はそんな教員にはならないよう気をつけなければ・・

2016-06-13

遠足

| 22:13 | 遠足 - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - 遠足 - 相互依存を追いかける 遠足 - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

ハンガリーの公教育(初等・中等学校)は毎年6月15日で学期が終わり夏休みに入ります。終業式というものは特にないですが、夏休みに入って少ししてから成績表を配る日として1日登校します。

学期の最後には遠足が入ることが多いです。ということで我が家の子どもたちも今日から3日間遠足です。上(8年生)は2泊3日の遠足ですが、下の子(3年生)は3日間日帰り遠足なります。初日、2日目は少し遠出をしますが、1年生のころから3日目は必ず、あるクラスメートのおばあちゃんの家に(徒歩で)遊びに行っています。遠足でおばあちゃんの家にみんなで遊びに行くって、なかなかいいなと思います。

2016-04-20

教員ストライキ

| 17:53 | 教員ストライキ - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - 教員ストライキ - 相互依存を追いかける 教員ストライキ - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

ハンガリーでは現在、公立学校のほとんどが国立化し、学校維持局というところが学校の運営を担当しています。これにより校長の裁量権はかなり狭められており、物品1つ購入するのにも国にお伺いをたてなければいけない状況となっています。また去年から教員の給与を引き上げるのと引き換えに、授業数を増やし、拘束時間も延ばし、そして授業とは関係のない書類作りの仕事を大量に盛り込みました。また教科書の自由度も減らし、国が指定した種類の教科書しか使用できなくなりました。

このような状況の中、一部教員が立ち上がり「自分達は教えたい!でも・・」というグループを作って国への抗議を始めました。ここの各組合が賛同し2回の時限ストを経て今日(20日)はついに終日ストが決行されています。ストに参加するかどうかは個々の教員が判断するということになっています。ですから場所によって全面的にストを行っている学校、一部ストを行っている学校、ストを行っていない学校に分かれています。

現在、公立学校はほぼすべて国立化し、国が設置した「学校維持局」が管理を行っています。このためモノ1つ購入するのにも校長が国にお伺いをたてなければならないような状況です。「学校維持局」は今回のストに対して「ストの参加、非参加を強制してはならない」とコメントしていますが、学校によっては校長がストに参加したものの名簿を作成しようとするなどトラブルも発生しているようです。また教育省(人材省)はストに参加した者の日当は支払わないと通達しています。

この教員ストには各業種の組合から構成される組合連合も賛同し現在ブダペスト市内で25台ほどの車を時速5~10キロほどで走らせるというデモを行っています。また、教員組合は「正午からの5分。仕事の手を休めることで我々を応援してほしい」と訴えています。このためストに参加しない教員や学校も12時からの5分間は授業を停止するようです。またこの正午から5分休業の訴えはFacebookなどでこれも拡散され、ハンガリー最大の工場も正午から5分の操業停止を発表しています。タクシー組合も正午に人材省(教育省)建物の前に集まりクラクションを鳴らすことを予定していますし、裁判官組合も黒い服を着ることで教員を応援すると発表しました。そして保育所も終日・時限ストを行うことを発表しています。

大学はストの影響はなくいつもどおり動いています。ただ教員によっては12時から5分間授業を停止する可能性もあるかもしれません。

教員の動きに賛同する人はチェックの服を着よう・・・という動きも広まっています。私もハンガリーの初等・中等教育機関に10年以上つとめていたので今日はチェックの服を着ています。

今後この動きがどうなっていくのか注目です。

2016-02-26

どのぐらいの子が欠席するのか

| 05:29 | どのぐらいの子が欠席するのか - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - どのぐらいの子が欠席するのか - 相互依存を追いかける どのぐらいの子が欠席するのか - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

2つ前のエントリーでも書きましたが、ハンガリーの教育改革は教員の反発を生んでいます。それで「教員を支持する者は2月29日、子供達を休ませてほしい」と言っています。保護者の間でも29日に休ませるかどうかが話題になっているようです。

ハンガリーは共稼ぎが基本なので、休ませたくても休ませられない人も多いでしょう。また給食が毎日の食事の頼みの綱となっている家庭もあります。ですので(教員に対しては同情しながらも)実際に休む子はそれほどいないのではないかと思っています。

どうなるでしょうか・・・

szeidzsiszeidzsi2016/03/01 04:232月29日はほとんど生徒が来なかった学校やクラスもあったようです。ただ何人休んだかの情報は出してはいけないみたいなので全国で何人が休んだかはわからないとのこと。息子のクラスはほとんど生徒がいましたが、半分以上がチェックのシャツを着ていたそうです。(娘は高校受験日だったので学校に行きませんでした。)

2016-02-12

いい教科書を作れるのは誰?

| 19:09 | いい教科書を作れるのは誰? - 相互依存を追いかける を含むブックマーク はてなブックマーク - いい教科書を作れるのは誰? - 相互依存を追いかける いい教科書を作れるのは誰? - 相互依存を追いかける のブックマークコメント

ハンガリーは現在公教育(初等・中等教育)の現場が政府に対して怒りをぶつけ始めています。

現政権は

・自治体立の学校を国立にした。学校を管理する団体を設立しそこに管理させた。

・教科書を無料化する代わりに国が指定した教科書(複数)から教科書を選ばせる形にした。

・教員の給与を上げる代わりに拘束時間を増やし昇給のためのレポート提出制度を設けた。

という政策をとっていますが、

・国が管理することで生徒や教員の声が反映されにくくなり用具1つ購入するのにも大変な手続きが必要になった。

・国が選んだ教科書には問題が山積みで(一部では首相の友達が書いた教科書を選ばせているという話もあります)教員も保護者も子どもも頭をかかえている。

・拘束時間の延長、レポートの提出義務などを課したせいで教員が児童・生徒と接する時間が奪われている。

などの問題が発生しています。

それで最大教員組合が今週末に大きなデモを予定しています。これを受け政府は公教育円卓会議を開き、組合側に対話に参加するように呼びかけていますが、組合側は政府になびいている別の小さい組合なども話し合いにまざっていて対話にはならないとこれに反発しています。

これらの動きの中で「教科書作成」について見直そうという動きが担当次官から出てきました。それは「大学」に教科書作成をまかせるというものです。話としてはいいのかもしれませんが、大学も現在は学長の横(あるいは上)に国が総長を送り込んでいる状況で国のコントロールがかなりありますし、大学の教員がつくったものが生徒・児童にいいかどうかはわかりません。(多分駄目だと思います。)一番いいのは生徒の話を聞く力のある高校教員、あるいは児童・生徒自身が教科書を作る・・・じゃないかなと思います。

結局改革改革と言っても、本当に困っている人の話は無視されていくんですよね・・・