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2011-11-15

ミニネタの次に学ぶこと

23:17

尊敬する札幌の堀先生が、ミニネタについの興味深い考察を本日の「学びのしかけプロジェクト」でされています。

ぜひご一読ください。


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メールマガジン「学びのしかけプロジェクト」

               166号 2011年11月15日発行

                      (毎週火金日発行)

http://www.jugyo.jp/

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★目次★

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1.〈ワールド・カフェ〉を導入しよう!

     「ハイブリッド」編集委員

               札幌市立北白石中学校   堀  裕嗣

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 堀裕嗣さんのご論考です。今回は「ワールド・カフェ」。読者の皆さん

の中にも教室で取り組んでおられる方が多いのではないでしょうか。

                           (石川 晋)

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1.〈ワールド・カフェ〉を導入しよう!

     「ハイブリッド」編集委員

               札幌市立北白石中学校   堀  裕嗣

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 まずは、「たとえ話」を一つ。あくまで「たとえ話」ですから、「たと

え話」としてお読みください。


 職員室になんとなく好きではない同僚がいるとします。必然的にあまり

つきあいもないし、必要以外は会話もしません。呑み会でもその同僚の隣

になるとなんとなく落ち着きません。笑顔もつくり笑顔になってしまいま

す。


A.そんな彼が結婚をすることになりました。結婚式の案内状をもらいま

した。それほど大きな学校ではありません。いまひとつ苦手な同僚とはい

え、義理で出席することにしました。


B.そんな彼の御母堂が亡くなりました。もちろんお会いしたこともない

のですが、同じ町でお葬式が行われるとなると出席しないわけにもいきま

せん。いまひとつ苦手な同僚とはいえ、義理で出席することにしました。


 さて、一般にAへの出席とBへの出席とでは、どちらが苦痛に感じられ

るでしょうか。


 普通に考えて、より苦痛が伴うのはBのほうではないでしょうか。そし

てそれはなぜかといえば、お葬式が祭壇に向かって黙って座っていなけれ

ばならないからです。


 結婚式ならその同僚との関係はどうあれ、多くの場合円卓で、仲の良い

同僚とわいわいやりながら参加することができます。そこが結婚式だとい

うだけで、やっていることはふだんの呑み会と変わりません。その同僚の

悪口をいうことが厳禁であるほかは、比較的自由です。トイレに行きたく

なれば、主賓の入退場と両家挨拶以外なら我慢する必要もありません。


 しかしお葬式は違います。ただじっとしていなければなりません。お坊

さんのお経も意味がわかるわけでもなく、そこに何か興味を惹かれるよう

なパフォーマンスがあるわけでもありません。近くには仲の良い同僚がい

ますが、会話をすることは厳禁です。それどころか、じっと座っていてお

尻が痛くなっても、座る位置ちょっと変えるのもはばかられます。最初か

ら最後までトイレに立つこともはばかられます。


 実はこのお葬式が授業です。授業を義理で出席しているお葬式と比べる

のは何事かと思われる向きもあるかもしれません。しかし、生徒たちは授

業に義理で出ているのです。決して自発的にそこにいるわけではありませ

ん。もちろんそういう子がまったくいないわけではありませんが、それは

ごくごく、ごくごくごくごく少数に過ぎません。


 たまに、授業づくりにおいて、まるで自分の親が亡くなったときの葬式

のような、子どもが心の底から学んだ、心の底から熱くなったとでもいわ

んばかりの実践報告を聞くことがありますが、ぼくはそういう実践報告を

信用しません。構造的にあり得ないのです。誤解を怖れずに言えば、学校

というシステムは所詮「強制収容所」です。もしも心の底からということ

があり得たのなら、それは百歩譲っても「洗脳」であって、「教育」では

ありません。


 さて、この従来の義理で出るお葬式のような授業を、せめて義理で出る

結婚式くらいには抵抗を和らげてあげられないだろうか。それがワークシ

ョップの導入であり、カウンセリングマインドの導入であり、ファシリテ

ーションの導入であり、総じて「マクドナルド化」の方向性です。また、

この構造について深く考えながら授業づくりをしていこうとしているのが

「学びのしかけ」論である、とぼくは捉えています。


 もう少し詳しく、「ミニネタ」論で考えてみましょう。ぼくはミニネタ

系の方々を決して否定しませんし、基本的に嫌いではありません。土作彰

さんも中村健一さんもそのネタ開発力は尊敬に値すると感じています。山

田将由さんなどはMini-1で一度見て以来すっかり気に入ってしまい、それ

から1年も経たないうちに北海道まで来ていただいたほどです。しかし、

いわゆる「ミニネタ」は、言ってみれば「おもしろいお坊さん」ともいえ

る実践なのです。とにかくお坊さんがその場を仕切ってものすごく頑張る。

そういう実践です


 またお葬式で考えてみましょう。義理でお葬式に行ってみたら、ノリの

いい木魚の叩き方をして、ラップのようなお経を唱えるお坊さんでした。

あなたはもう、可笑しくてしかたがありません。来て良かったとさえ思い

ます。でも、お経が始まって5分も経つと、そのお坊さんにも飽きてきま

す。来て良かったという気持ちも薄れてきます。ミニネタとはこういうこ

となのです。


 しかし、ラップのお坊さんがお経を唱えて5分が経った頃、今度は長髪

のかつらをかぶって髪を振り乱しながら、オーケストラの指揮者のような

振る舞いを始めたらどうでしょうか。あなたもこれならまた、最初にこの

お坊さんを見たときのテンションにあがれるのではないでしょうか。その

また5分後には物真似を10連チャンでお経を、更に5分後には手品を交

えながらお経を、その5分後には……。そうです。ミニネタ系の人たちが

ミニネタをたくさん開発するのは、ミニネタという実践の在り方が必然的

に〈数〉を必要とする実践構造をもっているからなのです。


 だったら、生徒たちを結婚式のように周りとのコミュニケーションによ

って自力で楽しむ方向に持って行くような原理・原則を開発したほうが楽

なのではないか。或いはミニネタはあくまで導入で使うものとして、その

後はグループワークをやっていくというような授業構造を打ち立てるほう

が息長く続けられるのではないか。ぼくが言いたいのはこういうことです。

そしてこういう風に考えることが「学びのしかけ」を考えていく第一歩に

なるのです。


 こんな考え方をするようになって、既に10年程度が過ぎました。そして、

3年ほど前から、ぼくはファシリテーションにはまっています。


 2009年頃から教育現場にも本格的にファシリテーションの技法が導入さ

れ始め、現在、爆発的に流行しつつあります。ファシリテーションの形態

には様々ありますが、ぼくは教育現場への導入に最も適しているのは〈ワ

ールド・カフェ〉だと考えています。ア.数あるファシリテーションのバ

リエーションにおいて最もシステマティックな形態であること、イ.45~

50分という学校現場の1単位時間、或いは2時間続きの90~100分という

単位時間でワンセットを終えられること、この二つの理由によります。


 〈ワールド・カフェ〉は、4~5人のグループで組み合わせを変えなが

ら話し合いや交流を行うことによって、あたかもカフェにいるような安心

できる雰囲気の中で、ネットワークを築きながら場に一体感を醸成しつつ、

主体的で創造的な話し合いをつくるためのファシリテーション形態の一種

です。


 私は正直なところ、本格的な〈ワールド・カフェ〉を行おうと思えば3

時間を基本とすべきだと考えていますが、ここでは中学校の一単位時間、

即ち50分で行える〈ワールド・カフェ〉を紹介しながら、〈ワールド・カ

フェ〉の機能と魅力について述べていくことにしましょう。私が陰で〈ク

ラスルーム・カフェ〉と呼んでいる形態です。


 まずテーマです。教室で行う〈ワールド・カフェ〉のテーマには二つの

条件があります。


 一つは生徒たちが当事者意識をもって取り組めるテーマであるとともに、

ある種の公共性をもつテーマであること。つまり、生徒たちにとって公的

な切実感があるということです。私は「いじめをなくすためには」とか「

コミュニケーション能力を高めるには」とか「人を楽しませる言動の基本

原則」とかいったテーマでよく行います。恋愛とか友情とかも切実なテー

マですが、こうしたテーマはわざわざ授業や特別活動で取り上げなくても

自分たちで日常的にやっていることなので、また、一部の生徒たちが抵抗

を示す場合が多いので避けることにしています。


 もう一つは、生徒たち全員がフラットな関係で取り組めるテーマである

こと。例えば、「短い時間で確実に成果をあげる家庭学習とは」などとい

うテーマは確かに切実感も公共性もありますが、どうしても成績の良い生

徒がリードするタイプの交流になってしまい、〈ワールド・カフェ〉には

ふさわしくありません。こうしたタイプの交流は〈ブレイン・ストーミン

グ〉から〈KJ法〉へという流れが適しているのではないでしょうか。


 さて、私は学級での一単位時間の〈ワールド・カフェ〉を基本的に次の

ように行います。


ア.テーマが提示され、そのテーマに対するアイディアを生徒個々が3点

以上箇条書きする。その際、一切相談をせず、時間は3分程度を目処とす

る。


イ.4人で一グループを構成し、模造紙一枚とペン(8色ワンセット)で

4人が自由にいたずら書きをしながら話し合う。この際、最後にその模造

紙をプレゼンテーション・ツールとして用いるか否かを明示しておく。1

時間だとプレゼンの時間はないことが多いので、本当にいたずら書きとし

て使用させることが多い。時間は15分程度を目処とする。


ウ.4人のうち一人をホストとしてそのテーブルに残し、あとの3人はそ

れぞれ別々のテーブルに移動する。その際、移動した3人は他のテーブル

で得た情報を自分のこれまでのテーブルに持ち帰ることになるので、責任

が重いと告げておく。


エ.各テーブルのホストがそのテーブルでこれまで行われた話し合いを報

告する。その後、他の3人が順に自分のテーブルで行われた交流内容のう

ち、いまのホストの話と重ならない部分についてのみ報告し、更に話し合

いを深める。この際、模造紙には自由に書き足して良い。時間は10分程度

を目処とする。〈グループ・ディスカッション〉に慣れていることがこの

時間を有効に使うための条件となる。


オ.もとのグループに戻り、まず他グループに行っていた3人、ホストの

順でイの時間に出なかった話題、新しい知見・観点について報告する。そ

の後、自分たちのグループの意見をまとめていく。時間は15分程度を目処

とする。


カ.最後に5分程度のハーベスト(振り返り・収穫)として、全員が立ち

歩きながら、おしゃべり可で模造紙を見合う時間を設定する。


 50分の一単位時間で行うのにはこれが限界です。この流れを基本としな

がら、2時間あるのであれば各グループの発表の時間を設け、三時間ある

のであればそれぞれの交流時間を10~15分ずつ延長していくことになりま

す。


 2時間続きの「総合的な学習の時間」に学年集会形式で体育館で行った

り、道徳の話し合いに用いることもできます。


 次回は〈ワールド・カフェ〉における「問いのつくり方」について述べ

る予定です。


授業づくりネットワーク誌の最新号

http://www.gakuji.co.jp/magazine/network/index.html

2/26(日)第1回教室ファシリテーションセミナーin東京

06:19

北海道の堀先生の講座があります。

今の時点で残席4です。本日「学びのしかけ」で告知があるので、23時を過ぎると満席になる可能性があります。興味をもたれた方はお早めにどうぞ。


第1回教室ファシリテーションセミナーin東京

http://kokucheese.com/event/index/19668/


講師:堀裕嗣/藤原友和


教室にファシリテーションを導入しようとする先生方のための、ワークショップ型のセミナーです。堀・藤原コンビ 関東初見参! 2月、東京でお逢いしましょう!


09:45~11:15 講座1

教室にワールド・カフェを導入する/堀裕嗣

※グラフィック・レコーディング/藤原友和

11:30~12:30 講座2

ファシリテーション・グラフィックで議論を見える化する/藤原友和

13:30~15:30 講座3

教室にオープン・スペース・テクノロージーを導入する/堀裕嗣

※グラフィック・レコーディング/藤原友和


堀裕嗣(ほり・ひろつぐ)

札幌市立中学校・国語科教諭。「研究集団ことのは」代表。「教師力BRUSH-UPセミナー」代表。「中学校・学級づくり研究ネットワーク」事務局。今年、「学級経営10の原理・100の原則」「生徒指導10の原理・100の原則」(以上学事出版)を上梓。

「必ず成功する学級開き~魔法の90日間システム」(明治図書)「教室ファシリテーション10のアイテム・100のステップ」(学事出版)がこの日のイベントで初お目見えの予定です。現在、藤原友和との共著「誰でもできる!『教室ファシリテーション』入門―つながりを生む授業スキル―」(明治図書)を執筆中。


藤原友和(ふじわら・ともかず)

函館市立小学校教諭。この冬、「教師が変わる!授業が変わる!『ファシリテーション・グラフィック』入門」(明治図書)を刊行予定。