次の場所へ行こう(旧 十人十色・宮城)

  • 宮城県石巻市の小学校教員です。 小中併設極小規模校で,「地域とともにある学校」について考えながら日々の仕事を取り組んでいます。 2016年の「教室『学び合い』フォーラム」 は宮城県・東松島市コミュニティセンターを 会場に行いました。2017年は,その後をつないでのミニフォーラムを白石で実施。2018年は11/23女川町まちなか交流館で実施。その後は、学校と地域コミュニティの間を行ったり来たりしながらの毎日を創りたい、と思っています。
  • 2017-09-27

    「自分で決める」「決め直す」

    06:35

    ■よかった

     知り合いの娘さんが不登校傾向になっている,ということで以前相談にのったことがあった。

     学校に行きたくない,というのを

    「なんとか無理にいかせているんです」

    との話だった。

    「毎朝“戦争”ですよ…」

    とのこと。

     詳しく聞くと,学校で友だちに

    「死ね」

    とかいわれることもあるらしい。

    「それくらいのことで…」

    「私たちの子どもの時も,そんなこと言われることはありましたしねえ」

     不安に思うお父さんの気持ちも分からないでもないけど,娘さんには娘さんにしか分からない事情ががあっての,やっとの

    「行きたくない」

    という意思表明の可能性もあると考えていた。不安感を抱えているのは娘さんのほう。

       

     その時にお父さんに伝えたことは,

    「道はいろいろあるから,学校に行かないといけない,という概念はいったん捨てた方が良いかもしれませんよ。叱ったりせず,娘さんの話すことをいったん受け入れて,まずはよく聴いてみてはどうでしょう。娘さんもやっとの思いで話したはずですから。お父さんが味方に付いてくれる,という安心感がまずは娘さんには必要な時期かもしれません。」

    ということ。


     昨日,3ヶ月ぶりくらいにお会いすることができたので

     「その後,娘さんの様子はどうですか?」

    と尋ねてみました。すると

    「転校したんです」

    とのこと。

    「そちらの学校にいって,今は楽しく通えています。よかったです。部活動も途中からの加入でしたが楽しいそうです。」

    「こういう形での転校で学校にはいやな顔をされましたけどね。」

    と。

     それでもまずはよかった。お父さんもがんばったんだなあ。

     「この道しかない」「こうであるべきだ」と考えると苦しくなる。時にはやめる,立ち止まる,逃げる,ことも積極的な判断になり得る。悪いことでは決してない。決めるのは自分。自分で決めたことなら,全てそれは「前進」。

     うまくいかなくなったら,またもう一度自分で決め直せばいい。

     「自分で決める」「決め直す」

     それができるように環境を整える。それは「失敗しないようにする」というところをスタートにしながらも,だんだん「失敗しても大丈夫なようにする」という向きでのサポートなんだろうなあ,と思う。

     今回は,「学校に行きたくない」のではなくて「その学校に行きたくない」ということ。それをお父さんが受け止めてくれたんだろう。その事実が大きかったんじゃないかなあ,と思う。自分の思いを尊重してくれた,という事実。

     学校に行きたくないと言ったらそれでいい,とか,嫌だったら転校すればいい,と言っているのではない。そういうことも含めて, 「自分で決める」「決め直す」をサポートすること。それが人生を通して考えると,その子のプラスになるんじゃないかなあ,と思っている。

     見続けて,応援し続けること。「自分で決める」「決め直す」をサポートすること。

     このような,深刻な案件でも,日常の些細なことでも,それって大事にしたいと私は考えている。