次の場所へ行こう(旧 十人十色・宮城)

  • 宮城県石巻市の小学校教員です。 小中併設極小規模校で,「地域とともにある学校」について考えながら日々の仕事を取り組んでいます。 2016年の「教室『学び合い』フォーラム」 は宮城県・東松島市コミュニティセンターを 会場に行いました。2017年は,その後をつないでのミニフォーラムを白石で実施。2018年は11/23女川町まちなか交流館で実施。その後は、学校と地域コミュニティの間を行ったり来たりしながらの毎日を創りたい、と思っています。
  • 2016-07-17

    フォーラムまでの道のりがまさに『学び合い』

    09:16

    フォーラムまでの道のりがまさに『学び合い

    ~「七人の侍」~

     「『学び合い』フォーラム2016in 宮城」まで,あと1ヶ月ほどになった。

     私たち実行委員は,正式には昨日までで11回の準備会を積み上げてきた。その間には,非公式の数人での打ち合わせや,準備にかかるプロセスの中からそれぞれのメンバーが主体的に各種学習会に参加したり人に出会ったり,映画「みんなの学校」を視聴したりしてきている。

     実行委員は,多種多様である。実際に準備会に参加してくれた方だけで考えても,年齢も20代から50代まで,男女のバランスも。県内県外。小中高の教員に学校事務職員さん,それに一般会社にお勤めの方。教員だって以前から『学び合い』に取り組んでいる方はもちろん,『学び合い』に最近興味を持ってくれた方,『学び合い』とは別な分野でがんばってきた方などなど。フォーラムで目指す方向は同じだけれど,今までの背景そして持ち味が違うメンバーである。だからいい。まさに「七人の侍」。

     こういう実行委員会が準備を重ねてきたフォーラムだから,参加申込をしてくださった方々も様々な立場の方である。小中高大の教員はもちろん,地域でまちづくりに取り組んでいる方々,保護者の方,高校生,大学生,会社員,福祉介護の分野の方,行政分野…。実に様々。

     実行委員会では今までずっと,「どんなフォーラムにしたい,なるといい?」という話し合いを丁寧にしながら,コンセプトを作ってきた。ホワイトボードで意見を可視化しながら「ああでもない,こうでもない」と。だから,11回も準備会を開きながら,フォーラムの具体的な役割や準備物などがはっきりし出したのはつい最近であり,実はまだ不透明な部分も残しているのが実情で。「効率的」ではない。三歩進んで二歩下がる,時々脱線。そんな感じ。しかし,この準備会そのものが私たちにとっては『学び合い』の会でもあるから,そこがいい。

     何度も話題にし,そのイメージを共有し合い,そして今だ共有を深めるための話し合いを続けているフォーラムの目的は以下。


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    「一人も見捨てない」教育を目指した『学び合い』の考え方を軸に,多様な参加者同

    士が以下の点について考えを交流し深め合うことで,これからの日本における教育活動

    の発展に寄与する。

    (1)すべての子どもが安心して楽しく学び続けられる教室・学校の在り方

    (2)地域の中の学校の在り方

    (3)地域創生(まちづくり)につながる学校教育の在り方

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     フォーラムの具体的な姿が決まりつつあるこの時期だからこそ,この「目的」の至った経緯をもう一度確かめることが必要だと感じ,フォーラムコンセプトを話し合った時のホワイトボードの記録を見返してみた。そこには「大切にしたいこと」として

    ○地域と学校,地域の中の学校の在り方を探る。

    ○学校,地域社会を絡ませていく。

    ○学校の中で何ができるか,何をするか,実際にどんなことをしたらいいのかを考えたい。

    ○参加者みんなが「得」をする。

    ○参加者と主催者の区別があまりない。参加者と主催者の立場が入れ替われる。非構成的な内容。

    ○いろんな「枠」を外してみる。柔軟性。「枠」を何にするか。「枠」を誰がつくるか。

    ○みんなにフィットする。みんながフィットできるようにつくる。それが共生社会につながる。

    ○学ぶって楽しいし,必要だと感じられること。

    ○                        (順不動)

     そして,「そのためにフォーラムをどうする?どうしたい?」については

    ◆「地域,まち」をとり上げる。

    ◆「学校,学び」をとり上げる。

    ◆「枠」を外す。

    ◆対話できる時間,場所を確保する。

    ◆楽しい,うれしいを大切な価値規準にする。

    ◆ユニバーサルデザイン

    ◆『学び合い』って何?という方にも満足できるようにする。

    ◆これからの「きっかけ」になるような会にする。

    ◆もやっとしたまま終わってもOK。その後につなげる。


     この方向で準備が進められてきていると思う。


     実は先日の準備会では,意見の違いがありしばらく議論を重ねた。議論の中身を簡単に記すとだいたいこういうこと。

     

     開会行事や閉会行事,全体会,シンポジウム,トークセッションなどを行うホールの場の構成をどうするといいか,という点について。

    A案:ホールの場の構成は,「フラットで座席移動,向きを自由にでき,必要に応じていつでも対話できる形式」にしたい。本来ならば,フラットなフロアに椅子を並べただけの状態。参加者が自由に居場所を選び,参加の仕方を選択できることを大切にしたい。『学び合い』を場の構成で表現することも意図したい。具体的には出し入れ式階段席を使用せずスタッキングチェアーとござ席で構成。

    B案:ホールの構成は「会場備え付けの出し入れ式階段席を活用」したい。ホールでの内容は「開閉会式」「講演」「シンポジウム」「トークセッション」と,話を聞くことがここでは中心。だから,聞きやすさと快適性を重視したい。また,フォーラムの開始時に集まる場所であり多様な立場の参加者がいることから,最初は安定的にスタートすることを大切にしたい。



     この目的に近づくために,2日間のフォーラムをどうプログラムデザインしていくのか,ということ。1時間にもおよぶ議論。じつは以前いったんA案に決まっていたのが,フォーラムの全体像が具体的に見えてきたことや出し入れ式階段席がホールに出されているのを実際に会場で見ることが

    できたことからB案を再度提案したことからのそれ。A案の立場をとる方,B案の立場をとる方,それぞれが自分の意見を提示しながら話し合い。結局結論を急ぐことをしないで時間を置き次回8/11の準備会で決定することに。

     「今この時期になって,『もめて』いる」と見えるかも知れないが,私から見れば,まさにここが大事。フォーラム実行委員のメンバーだからこういう話し合いができると思っているし,チームが成長している証拠でもあると考えている。完璧な「合意形成」はできないし「分かり合う」なんてことも本当の意味ではできない。しかし,ここを分かった上で若い・ベテラン,『学び合い』経験が長い短いにかかわらず意見を述べ合い「合意形成」「分かり合う」ことをあきらめないことが大切だと思うから。時間がかかるのである。どちらかが妥協すれば,本当はすぐ「決まる」こと。しかし,その選択をしなかったことに,むしろ価値を置きたいと思う。

     本当は,A案でもB案でも「どっちでもいい」のである。A案をとろうとB案をとろうとフォーラムの目的に近づこう」という意志をフォーラムに携わる実行委員が共有し,それぞれの持ち味を生かして協働的に動くこと。それがまさに『学び合い』マインド。

     フォーラムでは,主催者も参加者もない,みんなが「一人も見捨てない社会」を目指し,「学校・教室のこれからの在り方」をみんなが「当事者意識」をもって今後につなげていけるような2日間を目指します。もちろん,それは講師登壇者や実行委員だけでできることではありません。講師登壇者,実行委員,そして参加者それぞれ,そしてあらゆる人の今と明日がよりよくなるきっかけにフォーラムがなるように,それぞれがそれぞれの立場で主体的に行動することでしか達成できません。いや,どこまでやっても「達成」はできないものですが,みんなで近づこうとするそのこと自体に意味が

    あると思っています。

     フォーラムが間近に迫っても,いまだ議論ができるメンバーは本当にすごい…と心から思います。

    「ごたごたいたけど,それが良かったよね~」

    と笑い合いながら,打ち上げの乾杯をしている姿が私には想像できる(笑)。我々自身が対話を通してここを乗り越えていきましょう。

     さて,間もなくフォーラムです。こんな感じで今だ「もめて」いる状態ですから(笑),当日もきっといろんなハプニング,ごたごたが起こります,多分。なので,その辺りは,参加者皆さんでぜひぜひカバーしてくださいね。もちろん実行委員は場を整えることに全力を注ぎますから。

     フォーラムの2日間そのものが『学び合い』マインドを体感できるものに,「みんなで」していきましょう。

     付け足し:

    フォーラムの当日,A案になったか,B案になったか分かりますね。でも,その背後にはこんなエピソードがあるのです。見え方はどうであれ,背後にある精神が『学び合い』ならどっちでも良いことなんだと思います。

     さてA案かB案か,結局どーなったか,お楽しみにー(笑)