次の場所へ行こう(旧 十人十色・宮城)

  • 宮城県石巻市の小学校教員です。 小中併設極小規模校で,「地域とともにある学校」について考えながら日々の仕事を取り組んでいます。 2016年の「教室『学び合い』フォーラム」 は宮城県・東松島市コミュニティセンターを 会場に行いました。2017年は,その後をつないでのミニフォーラムを白石で実施。2018年は11/23女川町まちなか交流館で実施。その後は、学校と地域コミュニティの間を行ったり来たりしながらの毎日を創りたい、と思っています。
  • 2016-07-12

    分かる,分からない のこと

    06:19

     「先生,すごく熱心ですね!こんな先生初めてだ…」

    なんて言われてしまいました。(笑)

     社会科の時間。「ごみはどのように処理されるか」「『リサイクル』についてくわしくなる」というテーマで紙芝居を作っているとき,なにかの拍子でYくんが

    「ああ,分かんないことばっかりだなあ」

    みたいなことをつぶやきました。

    「それはさ,Yくん,君の勉強のレベルが上がったということだよ。」

    と伝えました。

    「??」

    みたいな顔をしているので,少し話しました。

    「『分からないことが多い』と『分かる』ことが,勉強だから。」

    「ほんとうは『分かる』で勉強時間が終わっては,まだまだやっているレベルが低いってことなんだよ。ここまでは分かった,でもここがまだ分からないっていうのがいい勉強の仕方だと思うんだよ。」「全部分かりました!っていうのも悪くはないし,ステキな事なんだけどね。でもその先に『まだ分からないことがあるけど』ってことに気付いているか,いないかが実は大事。」

    「Yくん,勉強は『分かる』ほうがよくて『分からない』とだめって思っていない?そういう場合もあるけど,『分からない』でいいってこともあるんだ。」

    「本当に一生懸命勉強する人は,いつも『分からない』が続くんだよ。どんどん先にチャレンジするからね。いつでも『分からない』ことに挑戦しているから。トンネルを掘り進めるのと似ているね。いつでも前に壁がある,みたいな感じかな。」

    「だから,今すぐなんでも分からなくてもいいんだ。『分からない。ではどうする?』ってところが実は勉強で大事なところ。『分かった』で満足していても十分ではないし,『分からない』で止まっていても仕方がない。『分からない。ではどうする?』という練習をするのが学校だよ。それはこれからも,大人になってからもずっと使い続ける力に変わっていくよ…」

     そんなことを,Y君に話していたら,畳スペースで自分の紙芝居を作っていたCさんも寄ってきて一緒に聞いていました。そんな中でのYくんの最初の言葉でした。

     Y君は,力を持っていながらも,ときどき「できる」「できない」に気持ちをもって行かれて自分のチャレンジを一歩先に進めきれないところがありました。CさんもそんなYくんに遠慮して?ちょっとペースを合わせるみたいなところも。こういう表現をするとY君よりもCさんが能力があるかのように伝わるかも知れませんが,決してそうではありません。Y君にはY君の独自の,CさんにはCさん独自の持ち味,強みがある。それだけです。お互いに自分の持ち味,強みを最大限に発揮し,弱点,弱みをお互いにカバーし合いながら少しずつ克服すればいいのです。

     たった二人との授業ですけど,こんなことを話しながらできるのですから,なかなかいいものです。

     Y君もCさんもこれから,さらにチャレンジが加速するといいなあ。そうすればあとの3人(全校5人なので)にもきっといい影響を与えてくれるはずです。