2015-05-19
目標とかスローガンとかは誰のものか
運動会の今年度の児童会スローガンは
「心一つに,最高の運動会を作り上げよう」
です。この言葉の背景には,子どもたち一人一人の具体的なイメージがあるはずです。「心一つ」にしても「最高の運動会」にしても,言葉は,まあ,その通りなんですが,一人一人その言葉のもつイメージや具体的な行動場面は異なるでしょう。もしかしたら,ただ言葉だけでイメージをまだもてていない子だっているでしょう。でも,いいんです。運動会までのプロセスの中で,その言葉に結びつく具体的な場面をみんなが共有したり広げたりして行けば,それが本物になっていくでしょう。そこにむけて,子どもたちに問いかけるのがある意味,教師の役割。
しかし,往々にして,このスローガンや目標を,教師が子どもをコントロールするのに都合よく使う場面もあります。
「ほら,目標はこうだろう?だから,こうしなさい。」
とか
「これが出来ることが,目標につながるだろう?」
とか。
でも,私なんかはうーん,と思ってしまいます。子どもが立てた目標で,子どもが実現したいと思っていること。教師側がそれを取り上げて,子どもに示すことこそ,彼らの主体性をないがしろにしているように感じてしまいます。
いつの間にか,子どもがつくったhずの目標が子どもを縛るものに変えられている,そんな気がします。
憲法の解釈とにている,そんなことも感じてしまうんですよね。
自分たちで決めるということ
日直を置いていないクラスですが掃除と給食の当番はあります。でも,あのよくある,ダイヤル式の当番分担表はありません。
「今度,なんの仕事やりたい?」
で,みんなで話し合って自分たちで決めています。
これまでは,朝のサークルタイムの時に,私が間に入り,子どもたちの希望をききながら(つまり仲立ちをしながら)決めていましたが,今回からは全て子どもたちにお任せしました。
「そろそろ,みんなだけで決めなよ。」と。
条件は1つ。「みんながお互いに納得すること。強引にきめるのはだめ」です。
たかが掃除当番,給食当番ですが,そこにも権利と権利の衝突がおこります(笑)。どちらかが譲る場合もあり,ジャンケンをする場合もあり,仲立ちをする子が表れる場合もあり。ベターな解決方法は,子供たちの中にあります。
「譲るから譲ってももらえること」「約束を取り付けること」「どの仕事でも役割でもOKと言える自分に気付くこと」「自分の主張をしすぎたが上に,希望の仕事になったけれどちょっとバツが悪くなったこと…」などなど,こと当番決めの中にも子供たちの育ちにつながる要素がたくさんです。当番を決めるのに「効率的」ではないかもしれませんが,おりあいを付けることを学ぶためには,必要なプロセスの一つだと思っています。