次の場所へ行こう(旧 十人十色・宮城)

  • 宮城県石巻市の小学校教員です。 小中併設極小規模校で,「地域とともにある学校」について考えながら日々の仕事を取り組んでいます。 2016年の「教室『学び合い』フォーラム」 は宮城県・東松島市コミュニティセンターを 会場に行いました。2017年は,その後をつないでのミニフォーラムを白石で実施。2018年は11/23女川町まちなか交流館で実施。その後は、学校と地域コミュニティの間を行ったり来たりしながらの毎日を創りたい、と思っています。
  • 2013-06-16福田誠次氏講演会

    子どもたちに「未来の学力」を

    子どもたちに「未来の学力」を

    筆者の講演会が,仙台で開かれることを知って,喜んで参加しました。

    この本は,私の本の中でもお気に入りの本で,今まで4回くらい読み直していますし,その度に,新しい気付きを与えてくれる本です。それだけ,私にとっては大切な本の一つです。

     加えて,福田先生は,私の卒業大学の教授です。

     

     講演を聴きながら,フィンランドの教育は一貫して「自分のために学ぶ」「楽しいから学ぶ」という考え方。それはもう文化の域なのだろう。一方日本はどうか。勉強はさせるもの,できればしたくないもの,楽しくないもの,と捉えられてはいないだろうか。下手をすると,何かの罰に「勉強」が当てられてしまうこともあるのではないか。

     「その子が自分の人生を生きていくのに,どんな学力を付けてあげなくてはいけないか,そこを考えている。」

    「一人たりともこぼさない」

    そんな福田先生のフィンランドの教育に対する言葉からは,西川先生の『学び合い』と通じるところがあります。

     もはや「追いつき追い越せ」型の「結果重視」「効率重視」の学びでは,これからの世の中は通用しない時代になっているのでしょう。

     講演の最後に,

    「子どもの最も近くにいるのは教師。その教師自らが(学力観を)変えていくことが必要」

    との呼びかけがありました。

     せっかくの内容のある講演なのに,現役の教師の参加のなんと少ないこと。それが寂しいですね。

     以下,私の勝手な講演記録。(ipadでメモを取ることにも慣れてきたのがうれしいです笑)

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    〓「テストなし、競争なしでも学力世界一」

    ◯私の講演前の問題意識

    学習意欲について

    学力、について

    日本のこれからと現在の状況

    テストはスナップ写真。テストをどう考えたらよいか。

    「学力」をどうやってあげるか。

    こどもの成長とは何をもって測るか

    現状打破の糸口

    学力の測り方

    【講演】

    ・競争するから学力が上がるのではない。

    ・なぜ経済団体がテスト(PISA)をつくったのか。

    ・日本の学力は低くない。ものさしがちがう。

    ・しっかりした公教育が必要。

    ・授業時間を増やしたからと言って、学力があがるというものではない。

    ・おいつき、追い越せ型の学力の行き詰まり

    ・手本がない先をどうつくるか。その不安。その先が見えない

    →個性化教育、財界主導の側面

    ・フィンランドは、猛勉強?と思いきや、のんびりしたもの。授業時間は少ない。日本的な授業を基準にすると、「学級崩壊」。しかし、学習は進行している。

    ・目的を失う学習でいいのか。テストが目的では、テストが終われば用なし。

    ・テストのために勉強する、はさみしい。勉強とは、自分の人生のためにする。楽しいからする。

    ・テストはできないところをできるようにするためのもの。

    ・テストが目的化すると、自分の人生のための学びを考えなくなる。

    ・フィンランドの教員は授業作りの時間は保障されている。学校滞在時間は7時間1分、うち休憩46分

    ・なぜ、フィンランドはPISAで成績がよかったのか?

    ・社会で独り立ちできる学力の育成。フィンランドは底上げがされている。授業の目標は一人一人ができるようになること。これはつまり底上げがなされていること。ではできる人は…。

    ・アメリカは格差が大きい。日本はアメリカに近づいている。格差が拡がってきている。ここが問題。

    ・フィンランドは底上げをしたら、全体もあがった。上位も伸びた、ということ。

    ・フィンランドは習熟度別を廃止。みんなでいっしょに学ぼう、ということ。

    フィンランド教育大臣「最も重要なことは、同質能力集団を廃止したこと。」多様な人で学ぶ。

    ・子どものやる気をださせれば、子ども自身が学んでいく。

    ・競争教育の問題点は、半分の子がやる気をなくすこと。フィンランドは「いつか、できるよ!」のスタンス。

    ・フィンランドでの基礎教育の目標は,平等で協力し合える社会を形成し、学び続ける力を育成すること。

    ・フィンランドは学校間格差はほとんどない(16歳)。学校内に、成績の良い子も悪い子も混在している。つまり、勉強するもしないも本人の問題。競争があるから学ぶのでない。自分のために学ぶ。

    ・フィンランドは高校入試はない。

    ・フィンランドはテストのための勉強ではなく、自分のための学びができる。

    ・テストをやると、テストだけで判断するようになる。

    ・できる人は、自分で答えをみて自分でやっている。?な子は手をあげて先生に聞いたり友達と一緒にやったり。

    ・フィンランドは教育の特徴は…。できない人の底上げはするけれど、できる人はほっとく?だってできるんだもの。

    ・カンニングはない。だって、点数に価値を置いていないから。

    ・ラーニングピラミッド(アメリカ 国立行動科学訓練実験所NTL)。教えることで自分が学べる。最もよく学べる。聞いてるだけは、最も効果が低い。

    ・日本では、25歳以上の成人学生の比率が他国に比べ極端に少ない。それは、学び直し、という文化,習慣がないということ。若いうちに人生を閉じている。学ぶことを終わりにしている。

    ・フィンランドの補習は、やる気のある人が学び足す、という感覚。日本では、罰?とかできの悪い、というイメージがあるが。

    ・学力の根源は学び続ける力。その場の問題を解決する力。社会で使える学力。

    ・使えるかどうか、ということ。人と人とが協力できるための学力。助けを求めるのも能力の一つ。

    ・さまざまな知識をつなげあわせる力。

    ・本当に必要な学力は,なんでしょう。

    ・子どものためになる学びを。日本では、点数を取らせることがそうだと思っている傾向がある。その人のためになる学びとは何か、という視点。点数イコール学力ではない。一人たりともこぼさない、という意気込みがある。その子が人生を生きて行くために必要な学力は…。

    ・子どもの人生をだれが見ているのか。

    ◯質問に応えて

    ①今の日本の学校の現状認識と次のステージにあがるための助言は?

    ・現在できることは、できたところを認める。100点が目標ではない。もっとやりたいところがでてきたら、チャレンジさせる。入試をも飲み込む。入試の制度を変えなければならないのだろうけど。今後は変わっていくはず。東京の私学や進学塾は変化に対応してきている。

    ・社会を見ても、いろんな人が集まって製品開発をする、企画する、などが主流。多様な人と学び合いながら。学校ではなるべく、チームワークで課題解決する経験を。

    ・学びを金儲けにつなげない。小金持ちの論理でなく,商品にしない。そうでない逆の方向に。

    ②特別な支援が必要な子どもについては?

    ・平等の考え方。どの子にも合った学びを。同じことをさせるのが平等ではない。行き着く先は自律。自立。人それぞれによってメニューを変えて行く。

    〓補説

    ・できる人、できない人を織り交ぜながら、育てて行く力が日本の教師にはあった。それが、近年急速に失われている気がする。

    ・効率よい授業、短時間でよい点をとらせる授業が急速に進んでいる。それは上辺だけになる。剥がれ落ちる。

    ・新しい学力を文科省は出してきたんだけど、テストが古かった。そういうこと。それが失敗。新しい学力が見えるテストをつくらないと。

    ・学び続ける力を測るテストを。いろんな知識を活用して、繋げ合わせるテストを。→テストを変える。

    ・自分のための学びを考える時間を、学校内でつくることが大切ではないか。

    ・学校の先生は研究者であり実践者。自分の研究成果を自分で使うおが学校の教師。

    ・モチベーションが点数になっているのが問題。基礎学力は人によって違うはず。

    ・教科にわけて、総点で判断することは、本当は学力を測る上で無意味。

    ・学校は人間を育てるところ、という根本原則を。