次の場所へ行こう(旧 十人十色・宮城)

  • 宮城県石巻市の小学校教員です。 小中併設極小規模校で,「地域とともにある学校」について考えながら日々の仕事を取り組んでいます。 2016年の「教室『学び合い』フォーラム」 は宮城県・東松島市コミュニティセンターを 会場に行いました。2017年は,その後をつないでのミニフォーラムを白石で実施。2018年は11/23女川町まちなか交流館で実施。その後は、学校と地域コミュニティの間を行ったり来たりしながらの毎日を創りたい、と思っています。
  • 2012-11-13もめ事

    【通信№79】

     クラスでも,ときどき、もめ事があります。はじめのころに比べて,ずいぶん自分たちで(というか,周りの子たちの力を借りて)解決できるようにはなってきましたが,うまくいかないこともあります。

     そういうときは,時間は多少使ったとしても,全員の前でおたがいの話を丁寧に聴くようにしています。

     先日のもめ事。黒板に,メモしながら聴きました。

    私「で,どうしたの?」

    A君「…」

    私「じゃあ,B君から聴くね。どうしたの?」

    B君「いきなり,押したりたたいたりしてきた。」

    私「なるほど。それで?」

    B君「だからたたき返した。」

    私「たたかれたから,たたき返したんだね。ふんふん。で,A君,なんかある?」

    A君「だって,B君に何度も○○にして,って言ってんのに,聞いてくれないんだもん。」

    私「ふんふん,それで?」

    A君「無視して知らんぷりしてるからさ!」

    私「なるほど。それで怒っちゃったってこと?」

    A君(うなずく)

    私「B君さ,A君はこう言ってるけど,そう?無視しちゃったの?」

    B君(だまる)

    私「A君はさ,B君に○○って何度も言ったのに,無視したって言ってるけど,B君はA君が○○って言ってるのは聞こえてたの?」

    B君「うん。」

    私「なるほどね。無視したのかどうかは先生には分からないけど,応えはしなかったってことだね。」

    私(黒板のメモをさして)「じゃ,黒板見てよ。けんかの始まりは,どこだと思う?」

    A君,B君,子どもたち「怒ったところ」「無視したところ」「たたいたところ」

    私「うんうん,どうやらここのあたりだね。で,どうしたらこういうけんかにならなかったかな?A君やB君は,どうしていたらよかった?周りにいたみんなはどうしたらよかったの?」

    (続く)

     もめごとは丁寧に聴いていくと,どちらにも,それなりの言い分はあります。今まで積み重なってきた経験や,どうかするとその日の気分なんかも関係することもあるようですし。(虫の居所が悪い?)一概に,どちらが悪いとは言えない場合がほとんどです。

     こうして,何回も様々なもめごとについて聴いていくと,その原因のほとんどは「話を聞いてくれない」です。そしてその反面の「きつく言う」「責めるように言う」などです。どっちが先でどっちが後かはあるでしょうが,つまり,ことば,コミュニケーションの問題。

     相手の話をまず聴こうとすること,相手のことも考えながら自分が伝えたいことを言葉を選んで伝えること。そういうことが,相手を大切にすることでもあり思いやりでもあると思います。これは2年生でも考えてほしいことですから,こういうチャンスには,全員にこういうやりとりを聞かせます。自分たちにも起こりうることですから。

     こうやって聴くのは,「どちらが悪い」を決めるためではありません。どちらが悪い,の比率の差はあるかもしれませんが,それは大概,当の本人たちがよく分かっています。90%自分が悪くても10%の言い分を聞いてもらえさえすれば,90%の自分の非は認めることができますから。(大人でも,ね)そうなると,自分で悪いと思ったことに付いては謝ることができます。

     子どもも大人も,もめ事の原因はあまり変わらないものだなあ,と思います。私も,こんなふうに子どものもめ事の話を聞いていますが,今でもたくさん,ことばで失敗しています。なかなか,難しい物です。だから,何度もトライアンドエラーの経験を積み重ねて,少しずつ学んでいくしかありません。個人として,どう判断し行動するか,クラスとしてはどうするとよいか,とかを。