次の場所へ行こう(旧 十人十色・宮城)

  • 宮城県石巻市の小学校教員です。 小中併設極小規模校で,「地域とともにある学校」について考えながら日々の仕事を取り組んでいます。 2016年の「教室『学び合い』フォーラム」 は宮城県・東松島市コミュニティセンターを 会場に行いました。2017年は,その後をつないでのミニフォーラムを白石で実施。2018年は11/23女川町まちなか交流館で実施。その後は、学校と地域コミュニティの間を行ったり来たりしながらの毎日を創りたい、と思っています。
  • 2012-06-28ピンチはチャンス

     今日は指導主事学校訪問指導でした。

     「見た目」あんな感じでも,子どもたちは,しっかりとがんばって勉強していたので,指導主事の先生も

    子どもたちが『伝え合う』という点で活動し続けていた。」

    「読み合って,友達からもらった付箋がたまってくるとうれしそうだった,子どもたちは,友達の作文を読んで学び,そして,友達に書いてもらった付箋を読んで学び,と考えの再構築を繰り返していた。」

    キーワードは安心かな,と思いました。」

    などと,おおむね,よかったということなんだと思いました。指導主事の先生は,

    「導入部で,本時のゴールを説明したり,その道筋が分かるように準備したところが,その後の学習をほぼ子どもだけで進められた要因がある。」

    とおっしゃいましたが,まあ,それもあるのですが,私にとってはそれ以上に授業前にあった大ピンチにあったような気がしています。

     というのは…

     私の参観授業は3時間目。2時間目の始まりのチャイムに合わせて子どもたちが教室にもどってきます。さて,2時間目をはじめるか~と思っていたら□くんが

    「先生,○くんが,ぼくが昨日とってきたオタマジャクシを,窓から投げたらしいんです!」

    とむっとしながら,訴えてきた。

    「え?オタマジャクシを窓から投げた????どういうこと?」

    てなわけで,その○くんに確かめてきたら,たしかにその通りとのこと…

    「どうして,そんなことになったわけ?」

    と尋ねても,押し黙ったまま。□くんは,むっとしたまま。

     教室には一気にどよ~んとした雰囲気。

    (だいたい,オタマジャクシを窓から投げるってどういうとことだ?????。おまけにこれから参観授業だってのに!とこっちはこちらの都合…)

    と,私自身も,また□くんと違った意味でむっとしたまま…。教室はどよ~ん。

    (こりゃ,授業をする雰囲気じゃないな…)

    と腹をくくり,クラスのみんなを集めて,

    「で,□くんと○くん,ちょっと,どうなってんだか,説明してくれる?」

    てなわけで,クラス会議みたいなものがスタートしました。

    「こういうことってさ,先生が,はい,あなたが謝りなさい,とか,はい両方でごめんなさいっていいなさいとかじゃ,結局だめなんだよね。きっと○くんには○くんの思いがあるだろうし,もちろん□くんには□くんの思いがある。それを聞いた上で,解決できるようにするのは君たちしかいないんだよね。君たち,頼む。」

    って,クラスの仲間に丸投げ?しちゃいました。まあ,私にとってはある面「賭け」ですけど,ま,わたしがしゃしゃりでるよりは「まし」だという確信はありました。

     子どもたちはさっそく集まって,□くんと○くんに話を聞いています。すでに○くんは泣きじゃくり…。□くんはむっとしたまま…。

     それにしても,子どもたちの話の聴き方はとてもじょうず。

    「うんうん,そこは,○くん,悪いと思っているんだ…」

    「っていうことは,・・・・ということ?」

     ○くんは,自分が悪いとは思っていても,本来の勝ち気な性格からか,自分からは謝れずにずっと泣きじゃくります。子どもたちもあれこれ手を尽くしますが,そこからは前に進みません。中には,

    「じゃ,□くんが最初に謝れば?そうすれば,□くんも謝れるんじゃない?」

    とおう苦肉の?策。でも□くんは

    「なんで,ぼくが謝るの?ぼくはそのときいなくて,いないときにされたのに!」

    (ごもっとも…)

    ここまでで約20分。

    (う~ん,これ以上長引かせてもなあ…)

    と思ったので,仕方なく

    「悪いと思ったら,謝るしかないよな。謝って相手に許してらえるかどうか,お願いしなくちゃいけないよね。でも,あやまれるチャンスは,そういつまでもあるわけじゃない。ここっていうときに勇気をださなきゃいけないこともあるんだよ。いまを逃したらもう機会を与えないよ。あと5分で,このまま算数にはいるからね。」

    と「冷たく」?言い放ちました。これ,私の「賭け」。しばらくシーン。泣きじゃくっていた○くんが私の方をじっと見たのでOKサイン。ある子が

    「大丈夫大丈夫」

    と絶妙のタイミングで後押し。泣きながら○くんは

    「オタマジャクシ,投げて,ごめん…」

    と言えたのでした。

     テレビドラマなら,ここで□くんはすぐ許す,はずなんですが,ところが現実はそう甘くはありません…。□くんは黙ったまま。周りの子たちは

    「ほら,○くん,謝っているよ」

    とはいうものの,でも,シーン。

    (どうなるかなあ,あとは私の出る幕じゃあないな…)

    と覚悟を決めるしかありません。待つしかありません。

     するとしばらくして,□くんまでどっと泣き出して

    「ぼくが,せっかく,とったオタマジャクシなんだから,やめてよ…」

    と。

    (略)@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

     「どうする?2時間目あと10分くらいしかないけど。」

    「先生,10分漢字やっぺ!」

    と,残った10分を漢字プリントをすることしたのでした。

     そんなこんながあっての,3時間目の参観授業でした。ふ~。

     

    □くんも○くんも,3時間目はよくがんばって学習しました,そして,なにより,周りにいて□くんと○くんの間にはいてくれた子たちも,実に楽しそうに気分良く,多くの友達と作文を読み合いながら楽しく,和気あいあいと学習に取り組むことができました。

     あ~,ピンチはチャンスですね。子どもたちに感謝。

     本心から,そう思っているんだけど,

    「この事件で,また,君たちはぐんと成長したぞ!グッドだ!さらにスペシャルなクラスになろう!」

    上から目線?で説教たれるのでありました。