次の場所へ行こう(旧 十人十色・宮城)

  • 宮城県石巻市の小学校教員です。 小中併設極小規模校で,「地域とともにある学校」について考えながら日々の仕事を取り組んでいます。 2016年の「教室『学び合い』フォーラム」 は宮城県・東松島市コミュニティセンターを 会場に行いました。2017年は,その後をつないでのミニフォーラムを白石で実施。2018年は11/23女川町まちなか交流館で実施。その後は、学校と地域コミュニティの間を行ったり来たりしながらの毎日を創りたい、と思っています。
  • 2012-06-10けんかも勉強

    【通信№32】

     朝,教室にあがっていくと,なにやらおかしい…。

    (ん?)と思って見回してみると,泣きべそになりそうなふたりを発見。そうしたら,女の子たちが

    「○くんと□くんがけんかしてたたき合いになったの!」

    と。

    「どういうこと?ちょっと教えてくれる?」

    と尋ねると,二人は始め黙っていたのですがぽつぽつと話し始めました。簡単にいうと,こんなことでした。“□くんが虫を捕まえてきて,その虫で遊んでいたところ,○くんが『かわいそうだから,逃がしたら』と言った。でも○くんが聞いてくれなかったら,けんかになった”ということのようです。もちろん,そこには本人たちにしか分からない事情があるのかもしれませんが,話としてはこういうことのようです。

    「なるほどね。○くんは,虫がかわいそうだから,逃がしたら?と言ったわけだね。□くんは,虫をいじめているわけじゃないから,そうする必要はないと思ったわけだね?」

    「うん…」

    と二人。

    「先生は,どっちだけが悪い,なんて思わないよ。だって,けんかだもん。○くんには○くんの言い分があるし,□くんには□くんの言い分があるからね。でも,相手が悪い,ばかり言っていても仕方がないよね。自分の悪いところはある?」

     しばらくして…

    「たたいたところ…」

    と○くん。

    「よく先に行ったね。けっこう勇気がいることだよ。」

    「ぼくは,たたき返したところ…。」

    と□くん。

    「なるほどね。たたかれたから,たたき返しちゃったんだね。ま,二人とも自分が悪かったところは自分で分かっているみたいだから,あとは,君たちに任せるよ(笑)」

    というと,こんどは□くんが先に

    「ごめんね。たたいて」

     ○くんが

    「ぼくがたたいたから…。ごめんね。」

    と。

     このやりとりを見ていたクラスの子たちに

    「ちょっと,座ってくれるかな?」

    と声をかけて,次のようにききました。

    「あのさ,二人がけんかしたとき,周りにいた君たちはどうしたの?止めた?」

    「ううん」「止めてない」

    子どもたち。

    「それじゃ,だめじゃん。(笑)。そういうときは,周りがすぐに話を聞いてあげるものだよ。だって,けんかしている本人たちは頭に血が上ってるんだから(笑)。そういうときには,落ち着いている周りの君たちが両方の話を聞いてあげるものだよ。分かった?今の5年生なんて,3年生のはじめのころは,毎日誰かが泣いていたけど,今じゃあ,けんかの仲裁はすごいうまいよ(笑)あんなふうになりな!」

     「え~,おねえちゃんたち,そうだったの~」

    子どもたち。

    「んだど。毎日泣いてた!!」

    「あはははは」

     続けて,

    「ぜんぜんけんかがないクラスよりも,けんかがあるクラスの方がいいクラスだよ。だって,それだけ,みんながいっしょに遊んだり話したりしているってことだからね。でも本当の『いいクラス』っていうのは,ピンチのときにも自分たちで何とかできるクラスのこと。トラブルが起きたときにも,みんなで助け合えるクラスのことだよ。みんなには,そんなクラスになってほしいし,そういうクラスになれる力があるよ。」

     

     こういうことがあったときのクラスは,何となくみんなが登り調子になります。笑顔がたくさんになるし,あちらこちらに思いやりのある言葉や,行動があふれます。勉強も,ばりばりやります。トラブルをうまく消化できたときはすっきりするのでしょうね。

     けんかした当の本人たち,○くんと□くんも,さっそく一緒に勉強したり,遊んだりしています。

     けんかも勉強ですね。