次の場所へ行こう(旧 十人十色・宮城)

  • 宮城県石巻市の小学校教員です。 小中併設極小規模校で,「地域とともにある学校」について考えながら日々の仕事を取り組んでいます。 2016年の「教室『学び合い』フォーラム」 は宮城県・東松島市コミュニティセンターを 会場に行いました。2017年は,その後をつないでのミニフォーラムを白石で実施。2018年は11/23女川町まちなか交流館で実施。その後は、学校と地域コミュニティの間を行ったり来たりしながらの毎日を創りたい、と思っています。
  • 2011-12-264年間をふり返ってみると?

     この学校に赴任して今年で4年目です。

     1年目から,中身はともかくフル『学び合い』に挑戦しました。

     1年目。子どもたちの言葉からは,ごく初期の不安をのぞいては『学び合い』に対して,不満は出ませんでした。しかし,私が「みんなができる」ことを要求し続け,結果うまくいきませんでした。今思えば,『学び合い』という,今までのフツウとは違った授業を続けていくためには何としても結果を,と考え推し進めようとしたからだと思っています。子どものため,でなく自分の為だったんですね。一人も見捨てない,の捉え方が本当に浅かったんだと思います。

     2年目。昨年の轍を踏むまいと,子どもたちをもっとしっかり見ようと努めました。うまくいかなくなったら,子どもたちといっしょに考えるようにしました。その結果,子どもたちからはある程度の信頼を得られたように感じました。そして,強く支持してくださる保護者もいらっしゃいました。しかし,失敗の種はそこにもありました。子どもが楽しく伸び伸び学んでいるのだから,保護者だっていいといってくださっている方もいるし,といい気になったのでしょう。初めて出会う,この学習の「しかた」に不安を持った保護者に寄り添うことを怠り,説得に掛かってしまったのです。「なんでわかんないのかなあ」きっとそんな態度で話したのかもしれません。その結果,その保護者の方とは最後まで折り合うことができず,多くの方に迷惑をかけてしまいました。『学び合い』に,というよりも,私自身の在り方に対して向けられたご批判,と今は捉えています。(でも,その当時はお恥ずかしながら,『なんで結果もある程度出ているのに,こんなに言われなくてはならないんだ…」なんて思っていました。)

     そして3年目。『学び合い』という言葉を使わずに,『学び合い』授業を取りくもうとしてきました。『学び合い』ということばを使うと,自分だけでなく他の人(子ども,保護者,他の教職員…)にも,なんか今までの授業とは違う,特別なこと,をやろうとしている,やっているという感覚になってしまうのではないかと思ったからです。そういうつもりはなくても,今までの授業・やり方を批判しているように捉えられてしまっては,本意ではありません。それに,『学び合い』の考え方は今までの,例えば一斉型授業を批判するものでも,その対極にあるものでもないはずだからです。

     その3年目の3年生。この学年の子たちは,自分で言うのも何ですが,他の学年に比べて,個々の子どもたちの理解のペースや方向,方法がバラエティすぎて(苦笑),「一人も見捨てない」気で一斉型でやろうとしたら,ほとんどを見捨てる形になりかねないと思っていました。自分で言うのも何ですが『学び合い』以外では対応できないでしょ,という感じ。それでも,個々の子どもたちのバラエティさや私の実力不足で,みんながすばらしい結果を出すことはありませんでしたが,学ぶのが嫌いな子はいないという,まあ最低限のところまではいけたかな,と思っています。

     そして年度末の東日本大震災。そのまま,今年度持ち上がっての4年目,4年生。今年度に入って,さらに8名の転入生がありました。今日も,また新たに1名の転入が決まりました。個々のバラエティさに加えて,この転入生の数。『学び合い』でなきゃ,やれないよな~と本当に思います。

     みんなの力で,一人も見捨てないように,すこしずつでも前に進もうとする,こまったときには安心して相談できる,困っていそうな人がいたらちょっと声をかけてみる,そんなことを続けていきながら,自分の一歩を踏み出せるようにする。そんな『学び合い』こそ,この被災地石巻には必要な学びなんだと思います。

     だって,大きく被災した方,それほどでもない方が混在して,それでも一緒になってこの地域を再興していかなくてならないんですから。『学び合い』授業こそ,今被災地にこそ必要な学びなんだと思っています。

     学校評価アンケート,今年のアンケートで4年目にして初めて,授業の項目でC,D評価はありませんでした。少しずつ,認めてもらえるようになってきたのか,それとも,「この人には言ってもムダかな~」(?)と思われたのか,それは定かではありませんが。

     うちのクラスには,本当にいろんな子がいます。そのいろんな子がいる,のレベルは,震災の影響もあり,ほんとうに「いろいろ」です。その子たち全員の学習を保障し,それぞれに一歩でも前に進む力を育てたい,と考えたときに,今『学び合い』以上のものは思いつきません。だから,もし,不安に思う保護者がいたら,ていねいにお話を伺い,一緒にその不安の中身を考えて行きたいと思います。

     今日,学校評価アンケートを整理していて,

    「あれ~,今年は授業で『改善』を求めてきた方はいないのか~,へ~」と思ったことから,ちょっと今までの事を振り返ってみました。