masakichi-3の中憩い このページをアンテナに追加 RSSフィード


masakichi-3です。
長野県長野市の信州大学大学院で教科教育を専攻(理科教育)しています。この度、理科教師になることが決まりました。現場に出て、すべての子どもから「学ぶ」ため、すべての子どもを「大人」にするため、そして『学び合い』を実践するために精進の毎日です。
いつでもメールください。ぜひ『学び合い』ましょう。メールアドレスはhaisaimasakichiとyahoo.co.jpを「@」で繋げてください(スパムメール対策です)。

ちなみに、タイトルの「中憩い」は私の故郷では「ナカユクイ」と読み、一休みという意味です。

2009-09-20

富山の会の模擬授業2で。

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富山の会の模擬授業では、模擬授業が2回ありました。

模擬授業1は数学で、連立方程式を使ってトンネルを通過中の列車の速さと列車自身の長さを求める文章題(A問題)と、半円の弧の長さ(ア)と、その半円の直径上に中心をもつ、その半円に内接する2つの小半円の弧の長さの合計(イ)、この(ア)と(イ)はどちらが長いか、または同じか(B問題)、という課題を、決められた時間内にみんなが解き、その解法も説明できるというものでした。実際にはA問題を全員がクリアしたあとに、「実はB問題もあるんですがチャレンジしますか?」という風に提示されました。

模擬授業2では、『学び合い』の有効性について、全員が、自分の考えを説明することができる。という様な(うろ覚えですみません。)課題でした。

前置きが長くなってしまいましたが、模擬授業2での話し合いの中でです。ある先生が、次のように意見を出しました(あくまでも私が捉えた意見です。実際はニュアンスが異なるかもしれません)。

「模擬授業1で、わたしはA問題の列車の時速まで求めました。そうすると、時速はxxxkm/時になり、そうするとこの列車は特急列車だと考えられます。また、全長1700m近いトンネルとなるとどのようなトンネルだろうか、そのようなトンネルがどこにあるのか、または建設可能か調べてみたくなって仕様がなかったです。」

さらに、

「『学び合い』の授業ではそういった子どもに対して、資料を与える、またはさらにその子の意欲を満たすような発展的な課題を与えることはしないのでしょうか?そういった意欲のある子どもに対しても、まだ課題を達成していない子に教えにいくように促さなければならないのですか?その子は発展的な課題を解きたい(はずだ)のに、分からない子に対して教えることで、知的好奇心を満たすことができるのだろうか、せっかく芽生えた興味を摘んでしまうことになりませんか。」

という意見です。これは、授業中のある時点で課題を達成した子の立場です。

続けて、そのときに課題が達成できていない子の立場です。

「生徒の理解は多様です。同じ課題でも、2,3分でできてしまう子や、10分、15分かかる子。さらには授業時間内にはどうしてもできないことが多い子も中にはいます。課題を達成した子が、できない子へ教えに行く、ということを授業時間内に続けていると、最終的には授業時間内にはどうしてもできないことが多い子に、他の生徒が集中する構図になります。その子を囲む大多数の生徒はたいくつし、教えられている生徒本人は自分の考えをまとめることができず(当然ですよね、40人学級だとすると、1人に対して39通りの教え方を一度に、または順々に押しつけられるのですから)、結局はどちらにとってもよくないのではないですか?」

さらに、

「また、そうやって、「みんな」が達成できなかったことを生徒に返し、「みんなが達成できなかったのはどうしてだろう?」と、達成できなかった者へ対して責任を押しつけるのですか?」

という意見です。

まず、授業中のある時点で課題を達成した子に対して、発展的な課題を与えるかどうか、についてですが、私は、基本的にはOB1989先生と同じような考え(http://manabiai.g.hatena.ne.jp/OB1989/20090705)で、

学び合い』は「みんなができる」ことを一人一人が個別に頑張るのではなくて,みんなで協力しながら頑張る

ことを目指すべきなのではないか、そうでなければどこかでブレて矛盾してしまうのではないかと思います。発展的な課題を与えられた子どもは、夢中になってその問題に取り組みます。そうすると授業時間などあっという間でしょう。私はそうすることで、そのクラスにいるまだ課題が達成できていない子を無視するためのもっともらしい言い訳を与えているように思えてしまいます。教師としてはその生徒が授業時間精一杯頭を使って充実した勉強をしたことを高く評価したいのですが、少なくとも一方で、課題が達成できなかった子どもとかかわるきっかけを奪っていることに注意すべきではないでしょうか。その子たちが学びのベストパートナーかもしれないのですから。

次に、授業時間内にはどうしてもできないことが多い子に、他の生徒が集中する構図に対してです。これは、「分かっている者は分かっていない者に教える」そして、「分かっている者ならば分かっていない者に必ず教えることができる」という勘違いから生じるのではないでしょうか。既に課題を達成して、さあ教えよう、と集まった子どもは、分かっていない者に教えるという前提で立ち歩いています。しかし、いざ教えようとすると、分かっていない者は1人だけですから、39人が同時に1人に対して教えようとします。そうすると、ある説明に対して別の説明を割り込ませる、よくても順番まちで説明するというかたちになります。当然、待ってる間の子どもは、分かっている子に説明できませんから、暇になり、自分の説明が通じなかった分かっている子も、学習意欲を削がれることになります。さらに、39通りの教え方を一度に、または順々に押しつけられる子に対しては、ここで言及するまでもないですよね。

このとき、課題を達成した39人に対しては、「分かっている者は分かっていない者に教える」という概念を除いてあげればよいのではないでしょうか。それができれば、分かっている者同士で互いに教え合い、より強固な理解にすることができるはずです。また、「分かっている者ならば分かっていない者に必ず教えることができる」という概念を除いてあげられれば、教えることができなくても、「ああ、今回はその子にとって私はベストパートナーではなかったんだな。」と考えることができるのではないでしょうか。

同様に、39通りの教え方を一度に、または順々に押しつけられる子に対しても、「分かっている者ならば分かっていない者に必ず教えることができる」という概念を除いてあげればよいと思います。そうすることで、説明を聞いても分からない自分を積極的に捉えることができ、「分からないから○○さん教えて」と自分でベストパートナーを探すことができるのではないでしょうか。


と、気づけば真夜中になってしまいました。長ったらしくなったので、この辺にしようと思います。

やはり、思い返してみても、思いっきりお互いの意見を交換し合える場というのは居心地がよかったです。私が教師になったら、そういった場、環境を子どもたちに提供できるようになりたいな。

katokiti2003katokiti20032009/09/20 19:59埼玉のkatokitiです。昨日はありがとうございました。
私の勧が当たってれば、模擬授業2の最後あたりで一緒に議論させていただいたかと思うのですが…。
少なくとも私がmasakichi-3さんの年代の時は、たぶん議論から喧嘩に発展しているか、子どものように黙り込んでしまうかだと思います。
1つ1つの質問に、真っ向から誠実に挑んでいるmasakichi-3さんの姿に、感銘を覚え埼玉に帰ってきました。
『学び合い』は若いからとかベテランだからとか、権威とかそんなの関係なしに、みんながみんなでを目指して素直に議論し合える。それって、やはり今の現場ではすごいことなんだと思います。すごく嬉しく思うとともに、おじさんも頑張らなきゃと思いました。
元気と勇気をもらいました。ありがとうございました。

masakichi-3masakichi-32009/09/20 22:44katokiti2003さん、コメントありがとうございます。
先日は、どうもありがとうございました。久々に張り切ってしまい、なかなかまわりが見渡せなくなっていました。katokitiさんが要所要所で、日頃の実践の話をしてくださり、はっ、と我に返る瞬間もありました(自らの経験で語れない分、もやもやとつかみ所のないことを口走ってしまうのです)。お陰さまで、本当に活発な議論ができたような気がします。でも、本当は、他のみなさんの話す機会を私が奪っていたように思います。許してください。
私が現場にいっても、素直に議論できる環境はあるでしょうか。katokitiさんはじめ、『学び合い』の会で出会う先生方のような先生がいる職場がいいです。

ima-kiyima-kiy2009/09/21 00:51ご挨拶できて嬉しかったです。次は議論しましょうね。今後ともよろしくお願いします。

masakichi-3masakichi-32009/09/21 02:36ima-kiyさん、コメントありがとうございます。
是非、いっぱい話しましょう。こちらこそよろしくお願いします。

katokiti2003katokiti20032009/09/21 07:48分かっている者が分からない者に「教える」という考え方、構図は、児童間・生徒間に上下関係を生み出すような気がします。児童間・生徒間に上下関係ができることは、いいことは生みません。
スタートの時点で、上下関係を望んでいないことははっきりと伝えたほうがいいかなとおもってやっています。
またゆっくり議論したいですね。

D902iD902i2009/09/21 12:16富山の会ではお世話になりました!
同郷の方と会うことができたの!?偶然だね~(^^;
こういう出会いも会の良い所だよね♪

masakichi-3masakichi-32009/09/21 12:33katokiti2003さん、コメントありがとうございます。
これまで、「教える」ことの前提が上下関係のもと行われてきたからでしょうか。先生(大人)対子どもにおいて、上下関係は必要ですが、たしかに、児童間・生徒間に上下関係ができることは、いいことは生まないような気がしますね。児童間・生徒間に上下関係を望まないことをはっきりと伝えること、肝に銘じたいと思います。(逆に、異学年だと上下関係があることでうまくいく場合もあるんだろうなーという気もします。)
またゆっくり議論させてください!

D902iさん、コメントありがとうございます。
富山の会では、久しぶりにD902iさんに会えてうれしかったです。
西川研のTさんもそうだけど、やっぱり同郷の人に会うとテンションが上がっちゃうね。その方はo4daさんのJ大の同級生だそうです。
総本山での会、期待しています。

chia_nechia_ne2009/09/21 16:38先日は富山の会においでくださり、ありがとうございました。ます寿司を味わっていただけたようで、何よりです♪富山にはほんとに美味なる物がたくさんありますので、是非、またおいでくださいね。また、会の様子を詳しくまとめてくださってありがとうございます。「みなさん!これを読んでください!」と言って回りたいくらいにしっかりまとめてくださって感謝です。
至らぬ点が多々あったかと思いますが、ご参加いただいた皆さんのおかげで、とても充実した時間を過ごさせていただくことができました。
本当にありがとうございました。

ghjalghjal2009/09/22 12:04富山ではお世話にになりました。この分析。本当によくあたっている。で。
>このとき、課題を達成した39人に対しては、「分かっている者は分かっていない者に教える」という概念を除いてあげればよいのではないでしょうか。それができれば、分かっている者同士で互いに教え合い、より強固な理解にすることができるはずです。
は、なるほどと感じました。より強固な理解。たとえば、あの数学のB問題。自分は、あの円をいくつに分割しても、一つの場合と距離が同じであること。無限に分割しても一つの場合と距離が同じ。なんだか面白いね。という課題を達成した者同士の話し合いがあって、ものすごく、数学の奥深さを堪能できました。
『学び合い』は当然、みんなを求めるのですが、教師が与えた課題のその先を、学習者自らが求めていく余地があるのかもしれません。

sumi-chansumi-chan2009/09/23 17:08すばらしい考察をアップしてくださり、ありがとうございます。
2年前の夏のフォーラムで、教え/教えられる関係の中で、優越感/劣等感を持ってしまうのではないかという話がでました。
その時にM落先生が、教師の方に”教える子が上で教えられる子が下”という意識があるからなんじゃないか、というようなことをコメントされていて、ああ、そうだよな〜と思いました。

次の機会にまたいろいろお話させてください☆

o4dao4da2009/09/23 17:41考えさせられる意見ありがとうございました。S先生に出会えるなんて素晴らしい縁ですね。逆にあの議論が富山の会へのすばらしい刺激になったと感じました。これからもよろしくお願いします。

twoyoshitwoyoshi2009/09/25 14:19厳しい質問に対して、必死に語っていましたね。熱さがこちらにも伝わりました。また次回お会いしましょう。