西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

西川純です。新潟県上越市の上越教育大学の教育実践高度化専攻(教職大学院)で『学び合い』を研究しています。諸般の事情で、このブログのコメントは『学び合い』グループのメンバー限定です。メンバー登録は、いつでもOKです。ウエルカムです。なお、メールはメンバー以外にもオープンですので、いつでもメールください。メールのやりとりで高まりましょうね。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。西川研究室はいつでも参観OKです。 詳細は http://www.iamjun.com/をご覧下さい。 もし『学び合い』グループに参加される場合は、 http://manabiai.g.hatena.ne.jp/をご参照ください。
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19/05/02(木)

[]実用的なぶっ飛んだ考え 10:16 実用的なぶっ飛んだ考え - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 実用的なぶっ飛んだ考え - 西川純のメモ 実用的なぶっ飛んだ考え - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私の所属するコースでは入学した大学院生は1ヶ月弱の間、様々な教員と面談し、ゼミを決めます。その際、西川ゼミの特徴は何かを聞かれたら、「面白い授業、分かりやすい授業の先にあるヴィジョンを大事にしている」と申しました。この訳の分からんことを好むイノベーターとアーリーアダプターは集団の中に一定数います。常識的な教員と学生の中に、一定数のイノベーターとアーリーアダプターがいることは集団として健全だと思っています。

 先週の講義で、その訳の分からんヴィジョンが、日々の実践に直結する例を扱いました。例として挙げたのは不登校の解消です。

 不登校原因は様々あるでしょうが、大本は、クラスのメンバーになっていないことです。だから、解消するためには、担任が面会しても、保健室登校も無意味だと思います。解消するためには、クラスのメンバーが不登校の子どもと一緒に勉強したいと願うことです。願えば、多種多様なことをやるでしょう。その事が不登校の子どもに伝われば、不登校は解消します。

 このあたりは、学生さんに話してもストンと分かります。しかし、次の問を与えると応えられないのです。

 「その子が嘘つきで、暴力的で、サイコパスだったとする。つまり、その子と一緒に学んでも嫌な気持ちを持つだろうし、勉強が進まなくなる。さて、あなたならば、どのようにしますか?」という問です。この問には、「面白い授業、分かりやすい授業」を求めている人には応えられません。これに応えるには、現状の日本社会(例えば雇用状況)、今後の日本社会の未来像を持ち、その中で生き残るために必要な能力、リソースは何で、学校教育でどのように獲得できるか理解しなければなりません。そうしなければ、クラスをリードする子どもを説得できません。徳で説得しても維持できるのはせいぜい1ヶ月。それ以上になると「なんで私が・」という不満が生まれます(ちなみに、これも学術データがあります)。維持発展するためには、損得の得で語らなければなりません。そのためにはヴィジョンが必要なのです。だから、ヴィジョンはとても実用的だと思っています。

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 今までにも何度も書きましたが、改めて書きます。

 これからの教育に革命を起こせるとしたら、それは中央省庁、都道府県教育委員会ではありません。ちなみに市町村教育委員会はもっと無理です。何故ならば、上記は「今」の教育に責任を負っているのです。だから、革命は起こせません。

 革命を起こせるのは、上記が鼻でせせら笑う弱小の個人であり、組織です。それらは「今」に責任もないし、未練もない。そして、それらは巨大組織が後生大事にしているものを捨てて、巨大組織が鼻でせせら笑う製品・サービスで勝負します。(このあたりのことを理解するにはクリステンセンの本、例えば「イノベーションのジレンマ」(https://amzn.to/2J9uOMQ)」を読むことを薦めます。ちなみにチャン・キムの「ブルーオーシャン戦略」(https://amzn.to/2vyqDCw)も似たようなことを書いています)

 巨大組織は工業化社会のコードである規格化を捨てられません。具体的には「国民全員に一定の基礎的・基本的学力を保証する」という工業化社会では至極まっとうなことを捨てられないのです。それが個別最適化と矛盾することにさえ気づいていない。というより、気づきたくないのです。

 例えばです。

 数学的に才能のある子(数学オリンピックで金メダルをとる子)が古典文法を学ぶことを強いられることに妥当性があるでしょうか?もちろん、時間が無限ならばアリでしょう。しかし、個別最適化出来るギフテッドの子どもと競争したとき、その子は負けるのです。

 大部分の人は、上記を「極論」だと断じます。はい、その通りです。しかし、その人達がイメージする社会は少数の極論と圧倒的大多数の常識論が併存する社会です。しかし、私がイメージする理想社会とは、多種多様な極論が総体として圧倒的多数を占める社会なのです。一般人は、何らかの極論に繋がっており、それらを渡り歩くのです。

 多くの人は「国民全員に一定の基礎的・基本的学力を保証する」を改良することによって個別最適化が出来ると思っています。しかし、私から言わせれば、それはビーフカレーを改良してアイスクリームにするという言説と同じぐらい馬鹿馬鹿しい。でも、致し方ないことだと分かっています。「今」に責任を負っているのですから。

 日本が少子高齢化の中で先進国の生活水準を維持するには脱工業化しなければなりません。工業化社会のままでは人件費の足かせで勝てないからです。しかし、その移行を出来るだけ衝撃を少なくしたい。だから、脱工業化した教育を工業化社会の学校で実現することの出来る『学び合い』を理解する人をひろげたいと願います。そうすれば、フリースクールに端を発する破壊的イノベーションが起こったとき、現在の学校教育がソフトに移行することが出来ると思うのです。

 ということなので、ぶっ飛んだ本と同時に入門者用の本をせっせと書きました。常に両にらみ。

[]西川ゼミで最初にやること 09:22 西川ゼミで最初にやること - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 西川ゼミで最初にやること - 西川純のメモ 西川ゼミで最初にやること - 西川純のメモ のブックマークコメント

 先月下旬に9人の大学院生が西川ゼミに所属しました。西川ゼミに入った人が最初にやることは、西川ゼミが三十年間で積み上げた知の蓄積を追体験することです。

 最近の私の本は、忙しい教師がとりあえず『学び合い』を実践するにはどうしたらいいかに焦点を当てています。一方、「何故、そうするのか?」という説明は簡略化しています。ところが、どのノウハウも全て学術的なデータの裏打ちがあります。そこは説明していません。しかし、それが分からないと、我流に走ってしまう危険性があるのです。

 私が入門書に書いたノウハウは、一定以上実践したら自分流にアレンジしても良いのです。しかし、アレンジして良いところ、ダメなところがあります。それは、そのノウハウがどのように生み出されたのかという学術データを理解しなければなりません。もちろん、原典である学術論文を読むことが最善なのですが、学術論文は読みやすいとは言いがたいものがあります。

 そこで、最近の本ではなく、私がスタートブック以前に書いた東洋館の一連の本をゼミ生に読ませるのです。

 それは「

なぜ、理科は難しいと言われるのか?」(https://amzn.to/2vGb2kthttps://amzn.to/2UUEiOi)、「学び合う教室」(https://amzn.to/2V8z3zMhttps://amzn.to/2V5TGwp)、「学び合いの仕組みと不思議」(https://amzn.to/2GWyVKMhttps://amzn.to/2UUAkFk)、『「静かに!」を言わない授業』(https://amzn.to/2VeCqVWhttps://amzn.to/2vwG3XJ)、『「座りなさい!」を言わない授業』(https://amzn.to/2UPeVxvhttps://amzn.to/2UPBVMV)、『「勉強しなさい!」を言わない授業』(https://amzn.to/2vwGDEThttps://amzn.to/2Ve5a13)の6冊です。

 この6冊を上記の順序に読むことによって、『学び合い』が形成された過程と、様々なノウハウの学術的根拠を学ぶことが出来ます。読み終わる頃には、ゼミ生は膨大な知の蓄積におののきます。しかし、毎年、それを乗り越えることを求めるのです。