西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

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18/08/14(火)

[]未来の教師 13:49 未来の教師 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 未来の教師 - 西川純のメモ 未来の教師 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 以前から田中光夫という方に興味を持っていました。正規採用を辞めてフリーランスになったのです。それがネガティブではなく、ポジティブに非正規雇用になったのです。しかし、私の「2030年教師の仕事はこう変わる!」(学陽書房)に書いたことを具現化している一つの姿だと思います。

 「教師がブラック残業から賢く身を守る方法」(学陽書房)に書いたとおり、勤務時間外の仕事はしなくていいのです。「同一労働同一賃金」が徹底されたならば、部活もせず、校務分掌もなく、担任もない時間講師の給与が正規職員に限りなく近づきます。そうなったら学校の働き方改革が進みます。また、能力がある人ならば高額で採用する時代も来るでしょう。今の時間講師の売り手市場は続きますから。

 それにしても、時代の先端を生きている人はヴィジョンがあると思いました。田中さんに了解を得て公開します。

 まだ、頭が未整理ですが、大鉱脈の香りがします。

 

西川:『突然すいません。田中さんの生き方って次の世界に対応していると前々から思っています。同時に先に行きすぎていると思いますが。何で職を辞されたのですか、そして、これから70までの人生をどう設計されているのですか?教えてください。』

 

田中:『西川さんおはようございます。

 メッセージ嬉しいです。

 公立小学校教師を辞めたのが3年前、教員14年目終了の年でした。

 その年、勤めていた学校の中で2つの学級が崩壊し、担任が病休に入りました。同時期に産休に入った方もいたため、3学級から担任がいなくなりました。

  副校長が教育委員会から講師リストをもらい電話をかけどもかけども、結局一人目が見つかるまでに3ヶ月かかりました。残りの2学級は担任不在のまま、引き続き副校長や他の担任で補教に入る日々が続きました。

 空き時間を自分の仕事に当てられない他の教師も疲弊し始め、学校全体が重たい空気に変わり始めました。

 そんな中、講師に入っていた先生が「もうこんな子どもたちと授業は続けられない」と突然来なくなり、ようやく見つかった講師も辞めてしまいます。振り出しに戻り、また3学級担任不在に。

 この状況を目の当たりにし、いち教師としてどのような働きができるか考えるようになりました。

 丁度異動の年でした。次の異動先も決まっていたのですが、どうしても日本全国に存在する「病気休職による担任不在の学級」の存在がモヤモヤと心に引っかかってしまっていました。

 これからどんどん増加するであろう病気休職教員。これには歯止めはかからないであろう。行政がさまざま手を打つも、定年退職者が増え、新規採用が増え、不採用者が減り、講師登録者が減る。慢性的な講師不足へ。

 この流れはしばらく止まらない。病気休職者の代替講師が足りないのなら、そのクラスの子達はどんな教育を受けるのだろう。

 ぐるぐる思いを巡らす中で、

 「僕が退職してフリーランスになり、困っている子どもたち、先生、学校、保護者を助けたらいいじゃないか」

と考え、1月に退職届けを提出しました。

 一番心配したのは「収入」でした。独身ですが自分で建てた家のローンもあります。先を見越して15年ローンで組んでいたため残り8年、どう払うかなぁと考えながらもどうにかなるべと割り切りました。

 フリーランサーなので副業もできますから、午前中だけ小学校で担任代替(時間講師)として働き、午後からは大学で講座を持ったり知り合いの子の家庭教師をしたりしました。

時間講師には校務分掌が割り当てられないため授業のみに専念でき、午後から丸々自由な時間。仕事終わりに昼から釣りや映画、畑仕事を楽しめました。

 3年間の中で、病気休職代替担任講師を公立5校、私立1校やりましたが、どの学校でも「ようこそ来てくださいました!」と諸手を挙げて歓迎され、去るときは「是非また来てください!」と惜しまれながら去ります。こんな待遇を受けたことは公務員教師のときはありませんでした。それほど喉から手が出るほど講師が欲しい状況なのだとわかりました。

今国外ですが、日本にいれば毎日のように講師依頼の電話がかかってきます。講師は「売り手市場」ですので、同時に依頼があった場合、即決せず状況を聞き、1番条件の良い環境を選ぶこともできますし、こちらの提示する条件(車通勤の許可・午前中だけの勤務・勤務期間等)も全て飲んでもらえました。

 当初、「崩壊学級をフラットに戻して病休明け教師に引き渡す」というのを目的として取り組んでいました。しかし、「魚を与えるよりも魚の採り方を身につけさせなければ、また同じことが起こる」と分かり、『学び合い』や協同学習、作家の時間といった「子どもたち同士が手を取り合い、どんな担任の元でも学んでいける力を身につけさせようと取り組みました。3ヶ月程度で次の学校に移る働き方に決め、年間数校回ると決めていたため、種を植える程度しかできなかったかもしれませんが、毎日書いた手書きの通信は皆んなの手元に残してきたので、それを元肥として発芽してくれていると願っています。

 今年40歳になりました。70歳までを考えるとあと30年。現在マーシャル諸島共和国の教育に一石を投じるための新たな学校づくりの布石を打っています。

 マーシャル諸島共和国の教育は悲惨です。アメリカの資本が教育に食い込んでおり、マーシャル語しか話せない、マーシャル語も書けない読めない子たちに対して、英語の教科書しか配布されておらず、子どもたちはどんどん学びから離れてしまっています。

 先日、私が所属するNPOグローメイトの代表進藤純子の勤める高校に足を運びました。数学の教科書は全て英語、高校生のほとんどが英語が読めず、小学生レベルの数学しかできないのにかかわらず、スケジュール通りに授業を進めることを教員も強いられています。

 このような状況を変えるには、現地の子たちのニーズにあった学校を作るしかない、幼児教育から作り直すしかないと考え、今、放課後に学び直しができる「学び舎」を作っている、それが今の私の活動です。

 今後、日本に戻った後は、フリーランスの強みを生かし、東京以外でも担任代替教師をしようと考えています。また、世界中で不足している「日本人学校」の現地採用教員も視野に入れて、働く方法を各国の日本人学校に教師と一緒に模索しています。

 毎年、新たな挑戦の場を探し、動き続けていきたい、そう決意しています』

 

西川:『敬意を込めて、深々と礼。もう一つ教えて下さい。

あなたのようフリーランスを大学生も選択するようになるためには、何が必要ですか?つまり、教員採用試験に落ちたから臨時採用ではなく、臨時採用で一生涯をすごそうとするために制度面を含めて何が必要かを教えて下さい。』

 

田中:『臨時採用教員として一生涯教員をするという働き方における私の考える課題は2つ。一つ目は「給与」について。二つ目は「自己研鑽」についてです。

 下のサイトは非正規教員の現状についてのニュースです。

 http://健康法.jp/archives/33098

総務省が「同一労働同一賃金」に改革を進めようとしています。そうなれば、時間講師・非正規採用教員も賞与がもらえるようになります。今後の展開に期待します。

 公務員は、少しずつではありますが給与は上がっていきますし福利厚生もしっかりしています。

 非正規教員を続けるならば、確定申告も自分で行わなければなりません。その辺も2回ほどやってみてやり方はわかりました。公務員ではない利点を生かし、他の副業も可能です。上手くやれば、収入面のリスクはそこで回避できます。

 私のように、時間講師として週20時間•午前中のみの勤務の場合、校務分掌は割り当てられないため非常に楽です。校務分掌がなければ、残業の不安もありません。自宅で教材研究すればよいのです。フルタイムで働かされるタイプの非正規教員なら、他の教師と同様校務分掌も割り当てられますし、部活動も割り当てられてしまいます。その分賞与はでますが、他の正規教員と同様の仕事量にかかわらず給与は低いので「うまみ」が少ないです。

 現在の私の給与は、14年間の経験が加味されているため一コマ2500円、1日4コマ指導するので1万円、ひと月20日働くとして手取りで20万もらってました。

 この辺の現実を学生さんが受け入れられれば、「午後からまた別のやりたい仕事」で稼ぐ、ゆったりとした時間の中で授業準備や日々の振り返りを重ねる、という働き方が継続できそうです。

 二つ目の課題の「自己研鑽」についてです。

公務員教師になって受けてきた悉皆研修(初任研・2〜3年次研・研究員など)は、非正規教員は受けられませんが、そもそも必要あったのかなと。自ら学び続ける教師であればあまり必要ないと感じるものばかりです。

 反面、同僚との関わる時間が少ない分、そこを割り切って働かなくてはならず、同僚から学ぶ機会は減ります。私の場合、民間のセミナーで学ぶ方が多かったのですが、大学上がりたての若手にとっては「学校文化」「地域文化」を学ぶ上で同僚との関わる時間は多少必要かもです。

 臨時採用教員の受け持つ学級の多くが「授業不成立」「学級崩壊」状態の学級集団です。病気休職者の後釜として採用される場合が多いためです。

 となると、そのような学級を受け持つための「覚悟」「スキル」「哲学」が必要になります。それらを身につけるための自己研鑽を、臨時採用教員をしながら続けられるかが鍵かなと。

 現在、臨時採用教員の多くが「採用試験に受かって正規教員になりたい!けどなれない」という人ばかりです。又は、結婚・出産を経て退職、教員免許を持っているので臨時採用教員として現場復帰という女性です。私のような教員経験のある元教師が臨時採用教員としてくると「当たりだ!」と喜ばれるわけです。講師先で一緒になった20代前半の若手教師からは「ガチャでスーパーウルトラレアキャラ引き当てましたねうちの副校長」と、スマホゲームに例えられました。そのくらい元教師は珍しいのです。

 長くなりましたが、大学生がフリーランサーとしての教師業を選択する場合、この二つの課題と対峙し、それらを乗り越えるすべを「働きながら探す」のが大事かなぁと考えます。

 フリーランスティーチャーはまだ誰も経験していない働き方です。フロンティアはまだあったんだなぁと嬉しくもあり、日々手探りですので不安もあります。

 共に冒険できるフリーランスティーチャーの仲間が名古屋と東京に今年度二人増えました。これで私の知る限り4名です。

 フリーランスティーチャーという病気休職者の代わりの仕事がなくなればいいなと願っています。働きながらその革新の糸口を見つけたいです。』