西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

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18/08/05(日)

[]Society 5.0 21:34 Society 5.0 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - Society 5.0 - 西川純のメモ Society 5.0 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今年の6月15日に「未来投資戦略2018」が閣議決定されました。それ以降、各省庁が対応した政策を出してきています。

 読めば読むほど、持続的イノベーションのオンパレードです。つまり、現状の価値観で望まれていることを、より高次に、より効率的に、より生産的にしようとしています。つまり今の延長上の先にあるものを求めています。

 でも脱工業化社会に脱皮するためには破壊的イノベーションが必要です。破壊的イノベーションでは、今、大事にしているものを捨てます。捨てることが新たな価値になります。

 文部科学省のSociety 5.0では「公正に個別最適化された学び」を実現する多様な学習の機会と場の提供」を取り組まなければならない、と書いてあります。しかし、同時に「文章や情報を正確に読み解き対話する力」、「科学的に思考・吟味し活用する力」、「価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力」が必要だと書いてあります。こんなものを共通に育てなければならないとして、個別最適化学習なんて出来るわけありません。あたかも校長が「早く退勤して下さい。でも仕事はしっかりやって下さい」と求めるのと同じなのです。

 もし、文部科学省の文章の中で、全ての人が、「文章や情報を正確に読み解き対話する力」、「科学的に思考・吟味し活用する力」、「価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力」を全て獲得する必要は無い、と書かれたらSociety 5.0の教育は実現するでしょう。でも、そうでなければ変わるわけ無い。

 これもやらねば、という言葉は誰にでも言えます。これはいらないという言葉にこそ改革の道がある。

 ドラッカーは「最も犯しがちな過ちは、立派な意図をたくさん盛り込んで使命としてしまうことである。使命は簡単、明瞭でなければならない。新たな任務を取り入れるのであれば、古い任務は脇にのけるか、やめなければならない。それほどたくさんのことができるはずないのだ」と「非営利組織の経営」に書いています。考え得る全ての目標を曼荼羅図のように配置した学校のグランドデザインを見る度に、この言葉を思い出します。そして各省庁の省庁の文章を読むと感じます。

 今度、各省庁の文章を読むとき、「○○は不要」と書いてあるところに着目したらいいですよ。残念ながらみたことないけど。