西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

西川純です。新潟県上越市の上越教育大学の教育実践高度化専攻(教職大学院)で『学び合い』を研究しています。諸般の事情で、このブログのコメントは『学び合い』グループのメンバー限定です。メンバー登録は、いつでもOKです。ウエルカムです。なお、メールはメンバー以外にもオープンですので、いつでもメールください。メールのやりとりで高まりましょうね。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。西川研究室はいつでも参観OKです。 詳細は http://www.iamjun.com/をご覧下さい。 もし『学び合い』グループに参加される場合は、 http://manabiai.g.hatena.ne.jp/をご参照ください。
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本格的にトライする人も多くいると思います。その際、人とのつながりが大事です。身近にいる人と繋がれるとありがたいですよね。『学び合い』を実践される方は、『学び合い』マップ(https://www.google.com/maps/d/edit?mid=zDInXkSSxyO4.kNDji5uDNm0Y)に、是非、登録下さい。登録は、『学び合い』マップ登録フォーム(http://form1.fc2.com/form/?id=77081b4d4f40dd2f)から出来ます。  「私なんて、人になんか教えられるレベルに行っていない」と思う方へ。だからいいんですよ。一番知っている人が、一番の教え手ではないことは『学び合い』を実践しているならば、子どもを見れば分かるでしょ。それに、教える必要はないのです。共に学び合えばいいのです。いや、愚痴を言ったり、笑ったりする、それでいいのです。  是非、一人でも多くの人がマップに登録下さい。強く、強く、お誘いします。

18/08/19(日)

[]今日 21:21 今日 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 今日 - 西川純のメモ 今日 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今日も濃かった。

 でも、家に帰って家族と馬鹿話をしながら晩酌。酔っています。で、長く書きません。あはははは

[]振り返り 07:12 振り返り - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 振り返り - 西川純のメモ 振り返り - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日は、濃すぎた。

 朝、上越を出発。東京に行ったら立ち寄る秋葉原のブックオフで物色。その後、デジタルハリウッド大学の佐藤昌宏教授と経済産業省の浅野大介課長と面談。仕掛け人はZ会の寺西さん。

濃かった。

 初対面の人と話すのが嫌いな私は、寺西さんに、あ~だ、こ~だ、とごねたのです。というのは、私の年少時の体験から「私は誤解される(正確には、正しく認識される)。嫌われる。」というのがディフォルトにあります。だから嫌いなのです。でも、寺西さんが大丈夫と太鼓判を押したので、こわごわとお会いしました。

 佐藤さんとお会いして、5分ぐらいで「自分と似ている」と感じました。私との違いは、素直な人でした。夢のある若者みたいな人だなと思いました。教育工学に三十年以上関わっているので、偏見がありました。だから、「願いは正しいが、どうせいつもと同じ落ちになるのではと思っていました」。佐藤さん、ごめんなさい。

 が、違っていました。熱く語る佐藤さんの話を聞いているうちに、私の頭は久しぶりにフル回転になりました。佐藤さんの語る言葉と私の使う言葉が微妙に違うので調整が必要と思いますが、願っている方向性は同じです。だから、私の普段出さない馬鹿げているヴィジョンを語ってもいい人だと感じました。

 浅野さんは「すごみ」を感じました。簡単に言えば、「この人を敵にすると、大変だ」ということです。でも、逆に言えば、味方になってくれれば心強い。官僚として、修羅場をいくつも経験しているので、問題解決の方法が重層的になっている。

 『学び合い』の同志の方々へ。

 かなり面白い仕掛けが出来そうです。

 私の至らないところは仕掛け人の寺西さんがフォローしてくれていたと思います。

 日本の教育は変わらなければならない。それも出来るだけ早く。同時に、出来るだけソフトに。

 得られたモノが多すぎるので、整理するのに1週間ぐらいはかかると思います。アウトプットはもう少しお待ちください。

 話し終わって厚木に移動。明日の神奈川の会の前夜祭です。

 これも濃かった。

 参加者の中に含まれる保護者比率が高い。子どもまで参加。嬉しいことに企業勤務の大学の同級生も参加です。もちろん、『学び合い』の実践者も小中高います。全ての人がシームレスと繋がれる。こんな教育の集まりって他にあるのかな?

 ゼミOBのけんちゃんがいたので、久しぶりに頭をはたきながらからかいました。可愛い。

 頭がフル回転過ぎて、昨日はメモをアップできませんでした。

 さて、これから、朝食を食べて、今日話すことは何にするか考えることにします。

 では。

18/08/18(土)

[]違い 06:47 違い - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 違い - 西川純のメモ 違い - 西川純のメモ のブックマークコメント

 久しぶりに学びの共同体との関係を聞かれました。これを読んでください。

 http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20081124/1227514428

18/08/17(金)

[]ニーズ調査 19:39 ニーズ調査 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - ニーズ調査 - 西川純のメモ ニーズ調査 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 我々は特別支援学級出身者が就職している事業所、また、就職した後(即ち、学校を卒業した後)の保護者に徹底的にインタヴューをしました。その結果を「特別支援学級のキャリア教育入門 基礎・基本編」(https://amzn.to/2Mmi9Jh)と「実践編」(https://amzn.to/2OHQbV0)の二つにまとめました。

 明らかになったことは、特別支援教育は就職後に必要とされる能力を育てていないという現実です。

 記事(https://toyokeizai.net/articles/-/224156)を読むと同じものを感じます。特別支援教育はキャリア教育ではないと言われる方もおられます。しかし、一度、就職に失敗し引きこもりになったらどんなことになるか、そういう人は知らないのです。

[]ビギナーズセミナー 19:30 ビギナーズセミナー - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - ビギナーズセミナー - 西川純のメモ ビギナーズセミナー - 西川純のメモ のブックマークコメント

 9月1日に福岡で『学び合い』のビギナーズセミナーが開かれます。お誘いします。https://kokucheese.com/event/index/528599/

[]選択権 18:06 選択権 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 選択権 - 西川純のメモ 選択権 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』では「学び合うこと」を求めません。求めるのは全員達成です。そのために全員達成は自分にとって得であることを語ります。そうすると多くの子どもが多くの場合に選択する方法が学び合うことです。

 ある子が「私は一人で勉強したい」と言えば、「君にとって一人で勉強することが達成に繋がるならば、どうぞ。でも、全員達成のために君に出来ることがないかを忘れずにね」といいます。

 いつも全体を俯瞰し、頭をフル回転に使っている子どもも、たまには手を抜きたい。いいのです。全員達成は全員の課題です。だから、全体として成り立っているならばいいのです。

 人と関わらず、自分のことだけやっている子どもが80点の点数になり。みんなのために頑張った子が70点になったとします。教科の成績が前者の子どもの方が高くなります。でもいいじゃないですか。所詮、テストの点数に過ぎません。5年後にどれほどの意味があるか、10年後にどれほどの意味があるか。逆に、みんなと関わらないことがみんなに知られることがどれほどのペナルティになるか。だから、ことさらペナルティを課しません。しかし、周りの子どもはその子が仲間になるためのアプローチをするでしょう。それが自分にとって得だからです。

[]混ぜるな危険! 12:35 混ぜるな危険! - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 混ぜるな危険! - 西川純のメモ 混ぜるな危険! - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今までの授業ノウハウと『学び合い』のノウハウには決定的な違いがあります。それはパーツ使い出来ないのです。今までだったら、ミニネタ、ゲーム、プリントのようにその部分をちょこっと使うことが出来ました。でも、『学び合い』のノウハウはそれが出来ないのです。それを分からないと失敗します。

 『学び合い』は煎じ詰めると一つの願いと、学校観、子ども観にまとまります。それだけだと言っていい。しかし、それだと分かりづらいので様々なノウハウを開発し、整理しています。しかし、上記の考え方が分かれば全てのノウハウは不要になります。

 「多様な人と折り合いを付けて自らの課題を解決する」(学校観)ということが分かりさえすれば、その場その場の問題(例えば数学・算数の問題を解く、美術の作品を完成させる・・・)の課題は解決出来ます。それを実現するには一人の教師では不可能です。子ども達は有能であるという子ども観が必要です。このような学校観、子ども観が継続するには、「一人も見捨てないのが得」という考えが腑に落ちていなければなりません。

 たったこれだけなのです。

 今までの授業の学校観は「学校は教科内容を学ぶところ」であり、子ども観は「子どもは未熟で教師の援助無しでは学べない」なのです。だから、『学び合い』の授業に今までの授業のノウハウを入れる教師、つまり、入れてもいいと考える「考え方」の教師が『学び合い』をやっても、『学び合い』にはならないのです。そもそも考え方が違いますから。

 カレーもアイスクリームも美味しいですが、混ぜると不味くなります。

 といっても、初心者には分かりません。だから、ワンパックのノウハウのセットを用意しました。そのセットのままお使い下さい。使っている内に、考えが見えるようになります。もちろん、いきなりフルでやるのは怖くてもいいです。その場合は、週1時間でいいです。でも、その時は混ぜないで下さい。

 混ぜるな危険!です。

[]系統学習 06:52 系統学習 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 系統学習 - 西川純のメモ 系統学習 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 系統学習の系統って何だろう?多くは、その教科の背景とする学問の標準的な順序で学ぶことを指します。これだと、数学、物理学、化学あたりだと多くの人が納得する系統はあるかもしれないですが、それ以外は無理でしょうね。

 それにその系統がフィットするような子どもにとって、今の学校教育はフィットしません。私は大学に入って高木貞二の解析学、代数学、ファイマン物理学を読んで、今までの数学、物理が、いかに非効率で非本質的なものをダラダラとやっていたことを知りました。だから数学、物理の先生が「教科の本質」云々を言うと苦笑します。

 どうも大学の学習を薄めたものが高校や中学校の学習のようにとらえられているように思います。薄めたみそ汁は不味い味噌汁で、そもそも味噌汁ではありません。

 科学史の研究によれば、学問の発展は標準的な教科書の順序と違ってダイナミックで、もっとグジャグジャしたものです。その中には人間関係の要素も入るのです。例えば、振り子の周期は弦の長さによって変わるが、重さによって変わらない、ということをすんなり信じられますか?50gの重りの振り子と100kgの重りの振り子が同じ周期であることを信じられますか?これを信じられるためには、みんながそう思っているという状態になって変わるのです。いわゆるパラダイムが変わらなければなりません。科学史研究では科学者集団の中でのドロドロしたやりとりの過程が描かれています。

 一人一人の学習における系統は様々です。だから、現状の系統学習は意味を持ちません。子ども達が主体的・対話的に学習することによって、その集団における系統が生まれるのです。

 我々は約20年前にこんな研究をしました。

 まるまる学期の理科を子どもに任せたのです。どの部分をやってもいい。実験をやってもいいし、しなくてもいい。でも、定期試験では全員がいい成績を取ることを求めたのです。我々が着目したのは子ども達がどの順番で学ぶかです。子ども達はてんでんばらばらのところがからはじめます。そして、次に勉強するところを選びます。その順序を記録したのです。最初はぐちゃぐちゃでした。しかし、徐々に教科書の順序に収斂したのです。

 教科書はあることを学んでいることを前提として書いていることがあります。それが分からないと理解できないのです。理解できない子どもは分かった子に聞きます。分かった子はその事が書いてある教科書を示しながら教えます。それが教室の各所で起こったのです。そして、学期の最後の段階で「あ~、教科書はこうかかれているのは、こうだったんだ~」とつぶやく子がいました。周りの子はそれを聞いてうなずくのです。

 これが私の考える系統学習です。つまり、一人一人の学びの系統を保証し、真正の学問の発展過程を追体験できる学びです。

 『学び合い』だと系統的に学べないと思っている人がいると、以上のことを思い出します。

18/08/16(木)

[]仕える 22:15 仕える - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 仕える - 西川純のメモ 仕える - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ある仕事を任されたとします。

 ある校長は毎日、報告、連絡、相談を求めます。そして、相談に対して、丁寧にアドバイスをします。

 ある校長は報告、連絡、相談を求めません。報告、連絡、相談をしようとすると、「その仕事はあなたに任せました。あなたのやりたいようにしてください。責任は私はとりますから。」と言います。そして、アドバイスはしませんが、職員全体の前でその先生が任せられた仕事が学校全体にとって大事であることを語り、職員全体で取り組むべきことを語ります。

 どちらの校長に仕えたいですか?自分の頭で考えるのはどちらですか?

 1校時を半分に分けて半分を一斉指導、半分を『学び合い』でやる人がいます。これは『学び合い』ではないし、やらない方がいい。

 ということを説明するとき、先に述べた校長の例を話します。

 子どもは教師の言動によって、教師の心を見透かすのです。それに合わせた行動をします。少なくともクラスをリードする人の心を見透かすことに長けた5、6人の子どもは見透かし、合わせた行動をします。だから、任せたら、任せるのです。何故、半分ずつにするのか?それは信頼していないからです。

[]自己矛盾 21:58 自己矛盾 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 自己矛盾 - 西川純のメモ 自己矛盾 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ある地域では、子どもの主体的な問いによって授業を組み立てるそうです。そのため、子どもの主体的な問いを予想し、導くそうです。

 噴飯物ですね。コメディみたいです。言っていることが論理的に自己矛盾していることが分からないことに笑えます。

 それに「こども」て誰のことを指しているのでしょうか?子どもという子どもは誰もいない。もし、一人一人の子どもの主体的な問いをもとに授業を組み立てるとしたら、三十人分の主体的な問いを予想し、導くのでしょうか?人はでったいに出来ない。安易に子どもという言葉を使うのは止めて欲しい。

[]速度 21:40 速度 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 速度 - 西川純のメモ 速度 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』(二重括弧)をフルでやれば平常の3分の2で終わらせることが出来ます。集団が育てば半分で終わります。が、『学び合い』だと時間がかかるという誤解は無くならないですね。もちろん『学び合い』以外の学び合いでどうなるかは分かりません。しかし、『学び合い』なら早く終わります。絶対に。

 理由は簡単です。

 クラスには早く終わる子もいれば時間のかかる子もいます。先生は中の下ぐらいに合わせて進めます。つまり、過半数の子どもは多かれ少なかれ待たされているのです。ところが、『学び合い』では各自が各自のスピードで進みます。そして、早く終わった子どもが遅れ気味の子どものサポートをしています。つまり、無駄がないのです。

 そして、全員達成を求める集団になれば予習をする子どもが生まれます。おそらく小学生は復習はしますが予習はしないですよね。でも、『学び合い』では小学生でも予習をし始めます。理由は全員達成をしたいためです。予習をしていれば、さあどうぞ、で教えはじめることが出来ますから。つまり予算ゼロで6、7人の加配教師が生まれるのです。

 では、多くの人が『学び合い』では時間がかかると誤解するのでしょうか?理由は、今までの一斉指導でやっていた説明や板書は削らず、それに話し合いをプラスアルファする姿しか想像できないからです。それだったら絶対に時間がかかるのは当然です。しかし『学び合い』では説明や板書はカットしますから。これが想像できないのでしょうね。

 私のゼミ生(新規採用)が「実践上の悩みがあるので電話できないでしょうか?」とメールしてきました。心配性の私はあれこれ想像して電話に出ました。しかし聞いてみると、もう教科書が終わるのでこれからどうしたらいいか?という悩みです。そのゼミ生の学校には中堅の『学び合い』実践者がいるために、新任者でもフルの『学び合い』を出来るそうです。心配していた私は爆笑してしまいました。そして、発展的な課題の例をいくつか教えました。

追伸 中途半端な『学び合い』、つまり『学び合い』ではないなんちゃって『学び合い』では早くなりません。限定的な教材で早くなるかもしれない程度です。『学び合い』は、過去の学術データ・実践データによって構築されています。そこから少しでも外れると、一気に構造が崩れる場合は少なくありません。

[]顔 18:52 顔 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 顔 - 西川純のメモ 顔 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私はいつもニコニコしているし、馬鹿話を話しかけている。ということで、ぼーっとして何も考えていないと、「先生、怒っているのですか?」と言われます。

 困るのは、大学院の面接の時です。私はコース長なので、司会役です。ということで、私は「では、まずお座りください。受験番号、氏名、所属を言ってください。では、本学教職大学院を知ったきっかけ、何で大学院に入ろうとしたか、入学後に何をしたいかの3つを短く応えてください」と最初にものすごく優しく言って、あとはぼーっとしているだけです。質問は他の方々がします。

 しかし、入学後に学生さんから、「西川先生が一番怖かった」、「西川先生の質問が一番キツかった」と言われます。

 言いがかりだ!

 と思います。私はぼーっとしているだけ。それも質問すらしていないのに、質問がきつかったと言われる。

 何故だろう。

18/08/15(水)

[]奥義 21:06 奥義 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 奥義 - 西川純のメモ 奥義 - 西川純のメモ のブックマークコメント

人付き合いの奥義

自分を安く使おうとする人とは距離を置く。

長くつきあっている人を大事にする。

以上のルールが経験上分かっていない若い人には、拒否せず、距離を置く。

[]『学び合い』の組織 14:37 『学び合い』の組織 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 『学び合い』の組織 - 西川純のメモ 『学び合い』の組織 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 何度も書いたことですが、最近書いてないので書きます。

 『学び合い』の実践者のネットワークは全国に広がっています。FBでの『学び合い』グループは教育のグループとしては最大でしょう。

 しかし、不思議とは思いませんか?全国的な組織がありません。あるのは各地の『学び合い』の会です。それも、いつでもだれでも作っていいのです。誰に断る必要もありません。結果として同じ都道府県にいくつあってもいいですし、先にできている会の承諾は必要ありません。やりたい人がやればいい。だから、その会の代表や世話人という人はいますが、全国的な組織の役員はフォーラムのお世話係ぐらいではないでしょうか?しかし、それも何らかの会議や個人の任命に基づく者ではなく、手間のかかる仕事を「私がやります」と手を上げ、まわりは「ご苦労様」と思っているだけ。当然ながら何の権限もありません。それは各地の代表や世話人も同じです。さらに当然ながら全国レベルの代表、世話人、会長はいません。

 私が会長だと思っている方もおられるかもしれません。でも、違います。『学び合い』の古手の人は上記のことを知っています。だから、全国大会のフォーラムで私を紹介するときは「上越教育大学教授 西川純」で「西川会長」ではないでしょ?

 『学び合い』ネットワークの中でも役割の重さ、影響力の大きさは一人一人違います。しかし、一般社会とは違って、何らかの組織図によって定められているものではありません。何年、『学び合い』を実践しているかではありません。出身大学・研究室によって定められているもではありません。それは、その人が今までに何をなし、今何をなそうとしているかによって定まる「敬意」によって定まるものです。まあ、「あの人がそういうだったら、そうしよう」というものです。

 SF作家のホーガンが描く「断絶への航海」のケイロン社会が、私の思い描く脱工業化社会の理想像としてあります。だから『学び合い』の全国大会であるフォーラムを開催した頃から一貫して固定的な組織を作ることを拒否していました。そして、その意味を多くの方々に語り続けています。

 固定的な組織がなければ維持できないようなものであるならば維持しなくていい。時代の必然性があれば、固定的な組織がなくても維持・発展するはずです。だから、日本で一番小さい国立大学の一人の教師が始めたことが日本中に広がっている。

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20150815/1439592516

[]多様性 14:37 多様性 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 多様性 - 西川純のメモ 多様性 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 最近は前に比べれば少なくなりましたが、私のいるところで実践発表される方が「西川先生には違うといわれるかもしれませんが・・・」とか「西川先生から叱られると思いますが・・・」と言ってから語り出す方はいます。しかし、絶対にそんなことはありません。

 全国の皆さんに、古くからの『学び合い』実践者の方、西川ゼミのOB/OGの方に申します。私がブログ等でそんなことしたこと一度でもありますか?いや、酒席の雑談でも言ったことはありますか?「無い」と断言します。色々な方から「○○さんの『学び合い』は西川先生のとは違いますよね」と言われることは少なくありません。私は「たしかに私とは違う(もしくは「私の趣味とは違う」)。でも、現実の子どもを目の前にしているのは○○さんだ。だから、きっとそれが正しいと私は思います。どちらが正しいかは時間が決める。もし、○○さんのがよりよいと思ったら、その瞬間に私は過去の自分を捨てるよ。『学び合い』はそうやって脱皮して、成長したのだから。世の中には色々な人がいる。入り口は多様の方がいい。我々が願っているのは一人も見捨てない教育と社会なのだから。」と言っているはずです。私のこのスタンスはぶれずに一貫しています。

 第一、我々は子どもに対して「多様な人とおりあいをつける」ことが大事だと教えているのです。みずからがそうしなければ。

追伸 ちなみに社会科学である教育学、その実践である教育において「正しい/正しくない」を最終的に決めているのは論理的な結論でもなく、自然でもありません。どれだけの人がそれに賛同し、社会を変え、その影響が永続するか否かによって定まるものだと考えています。と思っているので、学術論文のみならず、教師用・保護者向けの本を書いています。

[]新規採用者 11:04 新規採用者 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 新規採用者 - 西川純のメモ 新規採用者 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 教師の方だったら、人生で一番大変だった年はいくつですか?

 おそらく、新規採用の1年であることを上げる人は多いと思います。

 何も分からず、いきなり担任、校務分掌、部活顧問を任される。冷静に考えれば、無茶ですよね。だったら、時間講師で始めることもありだと思います。

[]愛知・名古屋の会 10:40 愛知・名古屋の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 愛知・名古屋の会 - 西川純のメモ 愛知・名古屋の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 8月21日に名古屋で『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。https://www.kokuchpro.com/event/5247f4abda19203558324e520644d606/

[]道徳 10:26 道徳 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 道徳 - 西川純のメモ 道徳 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 教師の発言・板書が大部分を占めている今の授業での道徳は無意味です。今の授業でできるのは「そうすべき」と思わせることです。でも、「そうする」にするには主体的・対話的な授業であり、『学び合い』しかそれができないと思います。

 何故でしょうか?それはホモサピエンスの生存戦略に根ざしています。

 考えてみてください。「いじめ」が駄目なことはみんな知っています。知らない子どもがいると思いますか?でも、「いじめ」は無くならない。その子どもたちに、もう一度、「いじめ」は駄目であることを教師が語って変わると思いますか?絶対に変わりません。

 人がどのような行動をするかは、正しい/正しくないで決めません。自分が所属している集団の多くがどのように行動するかで決まります。なお、いつもながら根拠俺で私は書きません。詳しくは、「理科だからできる本当の「言語活動」」(東洋館)の第2章、「『学び合い』道徳プラン」(明治図書)の第1章をお読みください。

[]アマゾンの採用基準 10:26 アマゾンの採用基準 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - アマゾンの採用基準 - 西川純のメモ アマゾンの採用基準 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 アマゾンの面接対策(https://gigazine.net/news/20180814-amazon-preparing-interview/)が公開されています。これって非常に合理的だと思います。

 アマゾンが求める能力は生得的(つまり生まれつき)ではないことを知っています。トレーニングによって得られる能力だと知っています。だから、公開すれば、アマゾンに採用されたいと思う人はトレーニングします。面接ではトレーニングの結果としてアマゾンが求めるレベルに達した人を採用すればいいのです。即戦力を獲得することができます。

 日本はメンバーシップ型雇用が神武景気からバブル崩壊までは続いていました。その場合は自社に合わせるのは企業内教育がやっていました。だから、学歴フィルターのようなおおざっぱな方法でよかった。企業内教育がないジョブ型雇用の場合、即戦力を求めます。

 日本でもこのような雇用が広がれば、無節操な併願はできなくなりますね。

 私はこの記事を読みながら、今後は大学入試もそうなるだろうし、そうすべきだと思いました。最低限の学力保証は新テストで足切りしたらいい。というか事前に応募条件にそれを明記すればいい。2次試験の午前にスマホ使い放題の記述式問題を課します。午後に面接をするのです。面接まではスマホは利用不可にします。そして、記述式問題、面接の傾向をアマゾンと同様に公開しているのです。

 今の大学の3ポリシーは似たり寄ったりで美辞麗句が並んでいます。しかし、尖った3ポリシーでなければ企業は学歴フィルターではじくかもしれません。偏差値ではなく。第一、偏差値の信用性は2020年以降、暴落しますから。

18/08/14(火)

[]未来の教師3 17:40 未来の教師3 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 未来の教師3 - 西川純のメモ 未来の教師3 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 時間講師として一生生きようとする人は増えるでしょうか?

 私は増えると思います。

 現在、教員の中に占める「常勤的非常勤」(意味が分からない言葉ですね)は7%います。その人達が「多少収入が減っても担任・部活指導・校務分掌が無い方がいい」と思えばいいのです。そもそも、地方においては教員は相対的に高額所得者ですから。

 今、講師がなくて困っている学校は山ほどいます。それによって教育が成り立たないことを指摘する人が増えています。市場原理ですから、待遇を改善するしかありません。

 働き方改革で「同一労働同一賃金」が進むでしょう。教師のブラック勤務は給料に反映されていません。だから、担任・部活指導・校務分掌をやらないからといって大幅に減額できません。

 そんな人が7%いたとして、「そっちがいい」と思うとは思いませんか?

 卒業した先輩から話しを聞いて後輩が「時間講師の方がクール」と思い始めたらどうでしょうか?

[]未来の教師2 14:15 未来の教師2 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 未来の教師2 - 西川純のメモ 未来の教師2 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 先に書いたことをもう少し詳しく書きます。

 平均的な中学校教師の勤務時間は、勤務時間は午前8時頃から午後5時前で休憩時間を引くと8時間となります。もし、一日6時間の時間講師を担当すると、50分×6=300分=5時間となります。「同一労働同一賃金」となれば、校務分掌・部活指導・担任なしの非正規雇用職員の給与は単純に正規職員の63%になります。(実際はそれ以上になるでしょう。だって授業が教師の仕事のメンインであることは確かですから。)そして、基本的な福利厚生は同一。

 夫婦共稼ぎの人ならば、これを選択する人はかなりの数になると思います。

 今、民間企業はメンバーシップ型からジョブ型になっています。簡単に言えば、「終身雇用なんだからこれぐらいはやれよ」というメンバーシップ型から、「キッチリ働けば、キッチリ支払います」というジョブ型になっています。でも、多くが公務員である教員がどのようにシフトするのだろうと思っていましたが、ここあたりから突破口が開かれるかも知れません。

[]未来の教師 13:49 未来の教師 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 未来の教師 - 西川純のメモ 未来の教師 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 以前から田中光夫という方に興味を持っていました。正規採用を辞めてフリーランスになったのです。それがネガティブではなく、ポジティブに非正規雇用になったのです。しかし、私の「2030年教師の仕事はこう変わる!」(学陽書房)に書いたことを具現化している一つの姿だと思います。

 「教師がブラック残業から賢く身を守る方法」(学陽書房)に書いたとおり、勤務時間外の仕事はしなくていいのです。「同一労働同一賃金」が徹底されたならば、部活もせず、校務分掌もなく、担任もない時間講師の給与が正規職員に限りなく近づきます。そうなったら学校の働き方改革が進みます。また、能力がある人ならば高額で採用する時代も来るでしょう。今の時間講師の売り手市場は続きますから。

 それにしても、時代の先端を生きている人はヴィジョンがあると思いました。田中さんに了解を得て公開します。

 まだ、頭が未整理ですが、大鉱脈の香りがします。

 

西川:『突然すいません。田中さんの生き方って次の世界に対応していると前々から思っています。同時に先に行きすぎていると思いますが。何で職を辞されたのですか、そして、これから70までの人生をどう設計されているのですか?教えてください。』

 

田中:『西川さんおはようございます。

 メッセージ嬉しいです。

 公立小学校教師を辞めたのが3年前、教員14年目終了の年でした。

 その年、勤めていた学校の中で2つの学級が崩壊し、担任が病休に入りました。同時期に産休に入った方もいたため、3学級から担任がいなくなりました。

  副校長が教育委員会から講師リストをもらい電話をかけどもかけども、結局一人目が見つかるまでに3ヶ月かかりました。残りの2学級は担任不在のまま、引き続き副校長や他の担任で補教に入る日々が続きました。

 空き時間を自分の仕事に当てられない他の教師も疲弊し始め、学校全体が重たい空気に変わり始めました。

 そんな中、講師に入っていた先生が「もうこんな子どもたちと授業は続けられない」と突然来なくなり、ようやく見つかった講師も辞めてしまいます。振り出しに戻り、また3学級担任不在に。

 この状況を目の当たりにし、いち教師としてどのような働きができるか考えるようになりました。

 丁度異動の年でした。次の異動先も決まっていたのですが、どうしても日本全国に存在する「病気休職による担任不在の学級」の存在がモヤモヤと心に引っかかってしまっていました。

 これからどんどん増加するであろう病気休職教員。これには歯止めはかからないであろう。行政がさまざま手を打つも、定年退職者が増え、新規採用が増え、不採用者が減り、講師登録者が減る。慢性的な講師不足へ。

 この流れはしばらく止まらない。病気休職者の代替講師が足りないのなら、そのクラスの子達はどんな教育を受けるのだろう。

 ぐるぐる思いを巡らす中で、

 「僕が退職してフリーランスになり、困っている子どもたち、先生、学校、保護者を助けたらいいじゃないか」

と考え、1月に退職届けを提出しました。

 一番心配したのは「収入」でした。独身ですが自分で建てた家のローンもあります。先を見越して15年ローンで組んでいたため残り8年、どう払うかなぁと考えながらもどうにかなるべと割り切りました。

 フリーランサーなので副業もできますから、午前中だけ小学校で担任代替(時間講師)として働き、午後からは大学で講座を持ったり知り合いの子の家庭教師をしたりしました。

時間講師には校務分掌が割り当てられないため授業のみに専念でき、午後から丸々自由な時間。仕事終わりに昼から釣りや映画、畑仕事を楽しめました。

 3年間の中で、病気休職代替担任講師を公立5校、私立1校やりましたが、どの学校でも「ようこそ来てくださいました!」と諸手を挙げて歓迎され、去るときは「是非また来てください!」と惜しまれながら去ります。こんな待遇を受けたことは公務員教師のときはありませんでした。それほど喉から手が出るほど講師が欲しい状況なのだとわかりました。

今国外ですが、日本にいれば毎日のように講師依頼の電話がかかってきます。講師は「売り手市場」ですので、同時に依頼があった場合、即決せず状況を聞き、1番条件の良い環境を選ぶこともできますし、こちらの提示する条件(車通勤の許可・午前中だけの勤務・勤務期間等)も全て飲んでもらえました。

 当初、「崩壊学級をフラットに戻して病休明け教師に引き渡す」というのを目的として取り組んでいました。しかし、「魚を与えるよりも魚の採り方を身につけさせなければ、また同じことが起こる」と分かり、『学び合い』や協同学習、作家の時間といった「子どもたち同士が手を取り合い、どんな担任の元でも学んでいける力を身につけさせようと取り組みました。3ヶ月程度で次の学校に移る働き方に決め、年間数校回ると決めていたため、種を植える程度しかできなかったかもしれませんが、毎日書いた手書きの通信は皆んなの手元に残してきたので、それを元肥として発芽してくれていると願っています。

 今年40歳になりました。70歳までを考えるとあと30年。現在マーシャル諸島共和国の教育に一石を投じるための新たな学校づくりの布石を打っています。

 マーシャル諸島共和国の教育は悲惨です。アメリカの資本が教育に食い込んでおり、マーシャル語しか話せない、マーシャル語も書けない読めない子たちに対して、英語の教科書しか配布されておらず、子どもたちはどんどん学びから離れてしまっています。

 先日、私が所属するNPOグローメイトの代表進藤純子の勤める高校に足を運びました。数学の教科書は全て英語、高校生のほとんどが英語が読めず、小学生レベルの数学しかできないのにかかわらず、スケジュール通りに授業を進めることを教員も強いられています。

 このような状況を変えるには、現地の子たちのニーズにあった学校を作るしかない、幼児教育から作り直すしかないと考え、今、放課後に学び直しができる「学び舎」を作っている、それが今の私の活動です。

 今後、日本に戻った後は、フリーランスの強みを生かし、東京以外でも担任代替教師をしようと考えています。また、世界中で不足している「日本人学校」の現地採用教員も視野に入れて、働く方法を各国の日本人学校に教師と一緒に模索しています。

 毎年、新たな挑戦の場を探し、動き続けていきたい、そう決意しています』

 

西川:『敬意を込めて、深々と礼。もう一つ教えて下さい。

あなたのようフリーランスを大学生も選択するようになるためには、何が必要ですか?つまり、教員採用試験に落ちたから臨時採用ではなく、臨時採用で一生涯をすごそうとするために制度面を含めて何が必要かを教えて下さい。』

 

田中:『臨時採用教員として一生涯教員をするという働き方における私の考える課題は2つ。一つ目は「給与」について。二つ目は「自己研鑽」についてです。

 下のサイトは非正規教員の現状についてのニュースです。

 http://健康法.jp/archives/33098

総務省が「同一労働同一賃金」に改革を進めようとしています。そうなれば、時間講師・非正規採用教員も賞与がもらえるようになります。今後の展開に期待します。

 公務員は、少しずつではありますが給与は上がっていきますし福利厚生もしっかりしています。

 非正規教員を続けるならば、確定申告も自分で行わなければなりません。その辺も2回ほどやってみてやり方はわかりました。公務員ではない利点を生かし、他の副業も可能です。上手くやれば、収入面のリスクはそこで回避できます。

 私のように、時間講師として週20時間•午前中のみの勤務の場合、校務分掌は割り当てられないため非常に楽です。校務分掌がなければ、残業の不安もありません。自宅で教材研究すればよいのです。フルタイムで働かされるタイプの非正規教員なら、他の教師と同様校務分掌も割り当てられますし、部活動も割り当てられてしまいます。その分賞与はでますが、他の正規教員と同様の仕事量にかかわらず給与は低いので「うまみ」が少ないです。

 現在の私の給与は、14年間の経験が加味されているため一コマ2500円、1日4コマ指導するので1万円、ひと月20日働くとして手取りで20万もらってました。

 この辺の現実を学生さんが受け入れられれば、「午後からまた別のやりたい仕事」で稼ぐ、ゆったりとした時間の中で授業準備や日々の振り返りを重ねる、という働き方が継続できそうです。

 二つ目の課題の「自己研鑽」についてです。

公務員教師になって受けてきた悉皆研修(初任研・2〜3年次研・研究員など)は、非正規教員は受けられませんが、そもそも必要あったのかなと。自ら学び続ける教師であればあまり必要ないと感じるものばかりです。

 反面、同僚との関わる時間が少ない分、そこを割り切って働かなくてはならず、同僚から学ぶ機会は減ります。私の場合、民間のセミナーで学ぶ方が多かったのですが、大学上がりたての若手にとっては「学校文化」「地域文化」を学ぶ上で同僚との関わる時間は多少必要かもです。

 臨時採用教員の受け持つ学級の多くが「授業不成立」「学級崩壊」状態の学級集団です。病気休職者の後釜として採用される場合が多いためです。

 となると、そのような学級を受け持つための「覚悟」「スキル」「哲学」が必要になります。それらを身につけるための自己研鑽を、臨時採用教員をしながら続けられるかが鍵かなと。

 現在、臨時採用教員の多くが「採用試験に受かって正規教員になりたい!けどなれない」という人ばかりです。又は、結婚・出産を経て退職、教員免許を持っているので臨時採用教員として現場復帰という女性です。私のような教員経験のある元教師が臨時採用教員としてくると「当たりだ!」と喜ばれるわけです。講師先で一緒になった20代前半の若手教師からは「ガチャでスーパーウルトラレアキャラ引き当てましたねうちの副校長」と、スマホゲームに例えられました。そのくらい元教師は珍しいのです。

 長くなりましたが、大学生がフリーランサーとしての教師業を選択する場合、この二つの課題と対峙し、それらを乗り越えるすべを「働きながら探す」のが大事かなぁと考えます。

 フリーランスティーチャーはまだ誰も経験していない働き方です。フロンティアはまだあったんだなぁと嬉しくもあり、日々手探りですので不安もあります。

 共に冒険できるフリーランスティーチャーの仲間が名古屋と東京に今年度二人増えました。これで私の知る限り4名です。

 フリーランスティーチャーという病気休職者の代わりの仕事がなくなればいいなと願っています。働きながらその革新の糸口を見つけたいです。』

18/08/13(月)

[]Society5.0の教育 09:54 Society5.0の教育 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - Society5.0の教育 - 西川純のメモ Society5.0の教育 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 「個性化」「総合化」「非同時化」「分散化」「適正規模化」「地方分権化」のSociety5.0に共通する学力なんてありません。それを想定し、それを保証する全ての教育はSociety5.0における教育になり得ません。自己矛盾です。

 では、教育で国民全員に何を保証すべきなのでしょうか?

 学力ではありません。

 繋がりです。

 他人に繋がれば、他人の知識・知恵を活用できます。それによって大容量でマルチCPUの能力を獲得できます。これがあれば、重度の知的な障害を持つ子であってもSociety5.0活躍することが出来ます。国民全員が人工知能やプログラミングの専門家になる必要性はないですし、そもそも、そんなのは不可能です。

 では、繋がりを保証するには何が必要でしょうか?

 コミュニケーション力だと思われがちです。

 違います。

 たしかに、それがあった方がいい。でも、国民全員が座談や交渉のエキスパートになる必要はない。そして、そんなのは不可能です。ホモサピエンスの本能と能力に基づき150人(ダンバー数)と繋がれればいい。これだったら誰でも出来ます。だから、つながる機会さえ与えればいい。『学び合い』だったら教師の管理下で安全に、年間を通して週5日間30時間の教科学習の時間を繋がる機会とすることが可能です。

 でも、それが出来ない人もいます。例えば、重度の自閉症の人。でも、その人を仲間だと思い、それが自分にとって得であると理解出来る集団を実現することは可能です。『学び合い』では「一人も見捨てないことが自分に得(徳ではありません)である」ことを語ります。そのための中長期のヴィジョンを持っています。

私は7、8割の子どもが救われる教育ではなく、100%の子どもが救われる教育を目指しています。その結果が『学び合い』です。

 以上の様に考えているので、学力の保証という囚われから易々と脱することが出来るのです。

 

追伸 あと育児と介護は学校教育で必修にすべきだと思っています。これからありとあらゆるサービスは人工知能+ロボットに代替えされるでしょう。でも、育児と介護は肉親がすべきだと思っているからです。

追伸2 実は、もう一つあります。書くのがためらわれるのですが、性行為を含めた交際です。何故なら、生殖行動は人工知能+ロボットに絶対代替えできない唯一の行為ですから。(もちろん、これは理論的な話しです。我が子を持つ親の立場で考えれば、私自身が首をかしげますから)

[] 公正に個別最適化された学び 09:12  公正に個別最適化された学び - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク -  公正に個別最適化された学び - 西川純のメモ  公正に個別最適化された学び - 西川純のメモ のブックマークコメント

 政府の掲げるSociety5.0は、狩猟社会、農耕社会、工業社会、現代の情報社会を越えた先にある段階です。AI、ビッグデータ、IoT、ロボティクス等の先端技術が高度化し、あらゆる産業や社会生活に取り入れられた社会です。

その時代を生きる子どもたちに、共通して求められる力は

1.文章や情報を正確に読み解き、対話する力

2.科学的に思考・吟味し活用する力

3.価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力

 だとしています。これを実現するために文部科学省は

1.「公正に個別最適化された学び」を実現する多様な学習機会と場の提供

2.基礎的読解力、数学的思考力などの基盤的な学力や情報活用能力をすべての児童生徒が習得

3.文理分断からの脱却

 を推進するそうです。

 

 普通の人にはすんなり受け入れられる文章ですが、私には理解不能です。説明します。

 現実に子どもを教えている皆さんに問います。

 あなたが教えている子どもたちの中で以下を全員が獲得できると思いますか?

1.文章や情報を正確に読み解き、対話する力

2.科学的に思考・吟味し活用する力

3.価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力

 無理であることは自明だと思います。だから、それらを獲得できない子どもがSociety5.0で生きるために何が必要かを明確にしなければならないのです。ものすごくわかりやすく表現するならば、重度の知的障害がある子どもがSociety5.0で活躍するには何が必要かです。残念ながら文部科学省の文章を読んでもそれが見えません。

 さらに、今後のSociety5.0においてイノベーションを起こし、リードする人材の

1.文章や情報を正確に読み解き、対話する力

2.科学的に思考・吟味し活用する力

3.価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力

 を普通の教師が指導できると思いますが?

 以前、創造性教育を調べたことがあります。結果、わかったのは「創造性教育は不可能だ」ということです。なんとなれば、これこれこうすれば創造性が育つ、というものがあったら、その創造性は創造性ではないという自己矛盾に陥るからです。

 つまり、教師になるであろう程度の知的レベルの

1.文章や情報を正確に読み解き、対話する力

2.科学的に思考・吟味し活用する力

3.価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力

 が育てられるかもしれないというのが最大限で、国民の大部分にはフィットしないのです。

 さて、手段として

1.「公正に個別最適化された学び」を実現する多様な学習機会と場の提供

2.基礎的読解力、数学的思考力などの基盤的な学力や情報活用能力をすべての児童生徒が習得

3.文理分断からの脱却

 を推進するそうですが、どんな場を提供したとしても、教師が指導するという現状の教育では不可能であるのは自明です。が、そのような考えを持っている人は多くはないです。子どもという子どもは一人もいないのに、かってに理想的な子どもモデルを押しつけるしかありません。

 また、「基礎的読解力、数学的思考力などの基盤的な学力や情報活用能力をすべての児童生徒が習得」を全国民に与えられるなんて無理なのは教師だったら自明だと思います。

 さらに、失礼ながらパロディのように感じるのは「文理分断からの脱却」です。もし、これを一律に求めたら、数学の才能に恵まれ、フィールズ賞を狙える人材に枕草子を学ばせることが「「公正に個別最適化された学び」を実現する多様な学習機会と場の提供」なのでしょうか?

 私にとって小学生でもわかるロジックだと思うことが分からないことが分かりません。分かる人、教えてください。

 

 もちろん、報告書の中には

・学校がこれまでの一斉一律の授業のみならず、個人の進度や能力等に応じた学びの場となること

・同一学年集団の学習に加えて、異年齢・異学年集団での協働学習が拡大していくこと

など、「学びの在り方の変革」を打ち出しています。

 これを読めば『学び合い』の実践者だったら「ジャストミート」と叫びたいですが、最終的な改革の方法が

1.「公正に個別最適化された学び」を実現する多様な学習機会と場の提供

2.基礎的読解力、数学的思考力などの基盤的な学力や情報活用能力をすべての児童生徒が習得

3.文理分断からの脱却

 であるならば、何の変化もないでしょう。基礎的・基本的な学力の保証という囚われから脱してほしいな。Society5.0にはそんなのないのです。

18/08/12(日)

[]心 21:06 心 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 心 - 西川純のメモ 心 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ゼミ生には『学び合い』は「心」だ、と言います。わけ分からないですよね。でも、私が本に書いてある全てのテクニックを全く使いません。でも、それで動いています。

 『学び合い』のセオリーがあります。それを生み出した愛と願いがあります。それさえあればいい。そうすれば2割の子どもは分かります。その子が動きます。そうすれば合計8割の子どもが動きます。

 2割の子どもは正確に心を読みます。それは安心であり、恐ろしいことです。心があれば、巧まなくても言動は一つの法則に支配されます。

[]面接 16:50 面接 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 面接 - 西川純のメモ 面接 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 「2020年激変する大学受験!(学陽書房)」(https://amzn.to/2w0SECw)に以下のような架空の会話を書きました。

 

就職出来ない学生の面接

 

人事:大学では何を専門とされたのですか?

学生:源氏物語の研究をしました。

人事:そうですか(ため息)。で、実務経験は?

学生:実務経験といいますと?

人事:実際に働いた経験です。

学生:居酒屋でアルバイトを3年しました。

人事:弊社の業務とは関係ないですね。

学生:学生時代はラグビー部に所属し、チームプレーを学びました。インカレでは7位になりました。

人事:弊社の業務とは関係ないですね。で、何か資格をお持ちですか?

学生:国語の高校の教員免許状を持っています。

人事:あははははは。そうですか。ご苦労様でした。結構です。

学生:え? 面接はこれで終わりですか?

人事:はい、終わりです。

 

就職出来る学生の面接

 

人事:大学では何を専門とされたのですか?

学生:画像解析です。

人事:弊社のビジネスと関連して具体的に説明して下さい。

学生:複数の衛星画像を用いて、今後10年間の小麦の生産量を予想するシステムの構築です。御社は現在・・・(業務との関連を説明する)。

人事:で、実務経験はありますか?

学生:私の所属する研究室は御社の総合研究所と共同で画像解析システムの構築をしております。私もフーリエ変換によるノイズ除去の部分に携わらせていただいております。そこにお座りの研究所の吉村さんには大変お世話になっております。

人事:え? あ、山際研究室の方なのですね。いつもお世話になっております。

吉村:では技術的なことを質問させていただきます。現在はフーリエ変換によるノイズ除去システムの開発をされていますが、今後の展望はお持ちですか?

学生:私自身は植物生理学を専攻しております。現在は光合成に関する研究を発展させるために物理学で確立された手法を使っています。今後さらに発展させるためには、生物学での知見を生かすべきと思います。具体的には(以下、技術的な説明が続く)

人事:ところで資格は何かお持ちですか?

学生:はい。一応、TOEFLで80点を取っています。しかし吉村さんから中国語も話せるように勧められていますので、現在、中国語も習っています。

 

 さて、架空の話しですが、架空の話しではありません。後半の「就職出来る学生の面接」は三十六年前に私が経験したことを基にしています。私の研究室は生物物理学研究室でした。生物学の研究室には珍しく、数学や物理を駆使し、コンピュータも利用する研究室です。私の研究室と繋がっている外資系企業が、衛星画像からコンピュータ処理によって穀物の生産量を予測するプロジェクトを立ち上げ、それに必要な人材を求めていたのです。

 即戦力を求める外資は昔から以上の様な面接をします。

追伸 当時、初任給が15万円だった当時に60万円出すという破格の条件でした。しかし、石坂先生からは終身雇用じゃないからね、と言われて断りました。ということで、今の私がいます。でも、これからの子ども達は終身雇用という選択肢を得られない。

追伸2 エリート用の面接もその本に書きましたが、異次元の面接なのです。

[]まし 16:31 まし - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - まし - 西川純のメモ まし - 西川純のメモ のブックマークコメント

 この前のフォーラムで『西川先生は『学び合い』はパーフェクトではありません。でも、今の教育より「まし」です、とおっしゃいます。何故、パーフェクトではなく「まし」という言葉を使うのですか?』という質問を受けました。

 私は「ここだけの話、本当はパーフェクトと思っているの」と言って、会場を笑わせた後にちゃんとした説明をしました。それは『学び合い』は常に脱皮しつつけているからです。

 私が研究の軸足を『学び合い』に移してから二十年間たっています。それから目から鱗が落ちるような発見を連続してしました。おそらく、研究者百人分の発見を経験させてもらったと思います。その結果、『学び合い』の方法論は大きく変化しました。

 私の本の大部分は初心者用の本です。その本には十年以上前に確立したテクニックを書いています。しかし、今ではその全てのテクニックは不要で「心」さえあればいい。大事なのはヴィジョンという訳の分からないことを言っています。

 そういえば、私がSNSで発進していること自体、訳の分からないことを書いています。私の発信している情報、私の本を読んで、私の専門は何ですか?と聞かれて応えられる人は殆どいないと思います。

 そのように脱皮し続けているのですから、今後も脱皮しつづけています。だから、今の『学び合い』の先に、より普遍的で完成度の高い『学び合い』が延々とあるのです。だから、「まし」とう表現を使います。

 私の好きな言葉に「自らの製品、サービス、プロセスを自ら陳腐化させることが、誰かに陳腐化させられることを防ぐ唯一の方法である。(ドラッカー)」という言葉があります。『学び合い』にどこに限界があり、具体的にはどのように現れるかを一番知っているのは私だと自負しています。だから、西川研究室の数十人が膨大なデータ収集に基づき分析し、それを日本中に広がる私の人的ネットワークで拡散し、評価し、改良し、それを集約し続けます。研究者は最先端を走っていてなんぼのものです。58歳ですが、まだまだ走り続けるつもりです。

 さて、次の一手はどうしようかな、と思いながら、思いつくまま発進しています。

 最近の一連のバカげたメモは、最終的には毎日の授業に結びつけなければならないのです。それを考えています。

[]文部科学省 16:08 文部科学省 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 文部科学省 - 西川純のメモ 文部科学省 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私の一連のメモを読んでいる人の中に、私が文部科学省に批判的であると思われるかもしれませんが、違います。

 私は文部科学省が「好き」なのです。

 私は大学院の指導教官だった小林学先生が好きですし、尊敬もしています。その小林先生は文部科学省の教科調査官となった高校の先生でした。その好きで尊敬している小林先生から文部科学省の人が何を考え、どのように行動しているかを教えてもらったのです。

 まあ、家庭で特定の野球チームのファンである場合、子どもが自然とそのチームのファンになるようなものです。これこれだからファンというものではなく、理屈なくファンなのです。

 自分のひいきのチームが連敗すると、いっぱしの野球解説者のように敗因を分析するオッチャンっていますよね。私もそれに近いものがあります。あははははは

[]巨大組織 10:12 巨大組織 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 巨大組織 - 西川純のメモ 巨大組織 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私の知る限り、外圧を受けた巨大組織の中で、自律的な改革をし続けることによって長く生き残った組織はローマ帝国です。

 ローマの場合は、原理原則にこだわらず、実利的な方法を取るということに徹した点が特異的です。当たり前のようですが、これを堅持することは大変です。実利的な方法を取るという場合、その場、その時の状況を分析し、ちゃんと考えることが必要となります。ところが、多くの場合、これが面倒なので、「先例にしたがって」とか原理原則によって判断しがちです。

 例えば、「公正に個別最適化された学びの実現」を自分たち主導で出来るのか?という問を文部科学省が組織として発せられるか?おそらく、個人としては分かっている人はかなりいると思いますが。

[]大学 09:54 大学 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 大学 - 西川純のメモ 大学 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私の講演を聴いた方だったら聞いたことがある流れです。

 少子高齢化→国内市場の縮小→長期の不景気→終身雇用制度の崩壊→企業内教育の崩壊→メンバーシップ型からジョブ型→即戦力を求める企業

 こうなったときの就職活動はどうなるかを知りたければアメリカでの就職活動を知ればいいです。

 アメリカでの就職活動での特徴は、第一に、学歴重視・成績重視であることです。

 出身大学が一流であること、修士以上の学位を持つこと、GAPの高い成績がもとめられるのです。即戦力を求めるのに学歴・成績を求めるのは大学がジョブ型に対応しているからです。大学の授業が徹底的に即戦力に関わる講義・演習です。特に修士以上になると、ケーススタディで徹底的に鍛えられます。成績が厳密で、どんどん落とされます。

 ということをしているから学歴重視・成績重視なのです。もし、上記を満たさないと企業から思われたら卒業生が就職出来なくなります。だから、します。

 第二に、インターンシップが盛んで、それが就職活動に直結しています。

 さて、上記に関して今の大学が対応しているでしょうか?残念ながら否です。今の大学は研究者養成のジョブ型教育を、研究者養成でない大学もしています。

 では、企業はどうやって即戦力の学生を求めるでしょうか?

 私は「研究室」だと思います。これは、理系ではずっと前からそうでした。私の所属した研究室も特定の企業との繋がりがあり、指導教官の推薦があれば確実にそこに就職できました。

 膨大な応募者の中でフィルターをかけるとしたならば「研究室」がもっとも安全です。

 そのような研究室を主催する大学教員はどんな人でしょうか?企業との繋がりを持っている人です。企業の講演会に呼ばれる人です。そのためには情報発信を積極的にやらねばなりません。今までは研究者に読まれる論文を書けば良かったのですが、その内容を実務に繋げた本を書き、講演を出来る人です。

 さて、このような人はどれだけいるでしょうか?みなさんの出身大学を思い浮かべて下さい。おそらく、1割もいないと思います。仕方がありません。大学研究者の評価システムは学会での業績「のみ」で評価されていますから。そうやって育てられているのです。

 大学受験の産業がその流れを知るのはタイムラグが生じます。

 そうなると、名門の○○大学に入学したから安心だと思って入学した学生が、入学してしばらくすると気づきます。○○研究室か○○研究室に所属しなければ一流企業に就職出来ない。その研究室に所属するためにはGAPは何点以上で、○○、○○という講義の成績がSであることが最低条件。また、研究室で求めるパフォーマンスを上げない場合は卒業単位が得られず、退学か他研究室に異動を余儀なくされるのです。つまり、大学が研究室という小大学の集合体になるのです。

 ただ、このような変化に関して、一点障害があります。

 それは文部科学省が入学定員に関して厳密だからです。入学した学生のほぼ全てが卒業するというモデルのもとに構築されているからです。

 さて、実はもう一つのシナリオがあります。

 それは企業・生徒が大学を見捨てるというものです。

 ジョブ型に対応している大学教員は、自分の大学の学生でない人を研究室に所属させます。その人が所属することによって自身の研究室の業績を上げられるような人です。そこでの成果をもとにその人の推薦状を与えるのです。それが学歴になるのです。さらに資格を取ったり、実務経験を積んだりするのです。この方が脱工業化社会に対応した就職活動ですね。

追伸 昔から一流の人の名刺を100枚集められれば就職出来ると言われます。そのようなものです。

[]ソフトランディング 08:41 ソフトランディング - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - ソフトランディング - 西川純のメモ ソフトランディング - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今日の朝、以下のメールが来ました。

「西川先生

おはようございます。

「安倍首相が文部科学省を潰すという話しを色々なチャンネルで聞きます。最初聞いたときはショックで呆然としました。(最近は抵抗感がつきましたが)でも、立法が見送られたフリースクールを義務教育にするという、教育機会確保法の拡充版が通ればそうなるな、と思います。もちろん、そうならないことを願っています 」

の投稿ですが、文科省が潰れたほうが『学び合い』はしやすいのかなと感じたのですが、そんなこともないですか?

先生方の意識が変わらないから意味が無いですかね?

文科省が潰れることのデメリットを教えてください。この投稿の意味をもう少し詳しく教えてほしいです。忙しいのに申し訳ありません。ちょっと脳みそがついていきませんでした。」

 

 あのメモはおそらく読み流されることを想定していましたが、食らいつく人がいるのですね。補足します。

 

 最大のメリットは移行期間に潰れる人を最小限にすることができるからです。

 ロジャーズとムーアの理論はほぼ重なります。購買者をイノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガートに分けて考えます。一点違うのは、ロジャーズはその製品を使いこなすに努力が不要な製品を対象として、ムーアは努力が必要な製品を対象としています。後者の場合はアーリーアダプターとアーリーマジョリティの間に「キャズム(深いミゾ)」があると考えています。アーリーマジョリティに広げるためにはホールプロダクトが必要なのです。

 子どもと保護者には『学び合い』を利用するには努力は不要です。『学び合い』を数年実践している人だったら自明ですよね。だって、経験のない西川ゼミのゼミ生だったら、どんなあれたクラスであっても2時間で変えられますから(お申しいただければ派遣します。旅費は求めます。)。ところが教師が変わるのには努力が必要です。『学び合い』は技術的には非常に簡単なのですが、意識改革が難しい。バンジージャンプと同じです。やるべきことは一歩踏み出すだけなのですが、踏み出せない。

 さて、今の行政機構の外で市場論理で広がったならば、おそらくイノベーター、アーリーアダプター以外の84%の教師がついていけずに潰れてしまいます。イノベーター、アーリーアダプターの教師もその他の教師を見捨ててしまえば腐ります。

 だから、文部科学省が斬新的な改革、ただし、保守的な人からは革命的と思える速度で改革ができれば、ソフトランディングできます。ようは現行制度で何ら問題なくできることをやりさえすればいいのですから。

 でも、難しいと思っています。だから、両方のシナリオに合わせた本と講演をしています。早くわかる人、実行する人が増えればソフトランディングに近づきますから。

[]講演 05:49 講演 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 講演 - 西川純のメモ 講演 - 西川純のメモ のブックマークコメント

8月後半の講演は以下の通りです。

17日 上越で免許更新講習

19日 『学び合い』神奈川の会

20日 長岡で免許更新講習

27日 長野県教育センターで講演

30日 駿河総合高校で講演

18/08/11(土)

[]チェックメイト 18:18 チェックメイト - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - チェックメイト - 西川純のメモ チェックメイト - 西川純のメモ のブックマークコメント

 安倍首相が文部科学省を潰すという話しを色々なチャンネルで聞きます。最初聞いたときはショックで呆然としました。(最近は抵抗感がつきましたが)でも、立法が見送られたフリースクールを義務教育にするという、教育機会確保法の拡充版が通ればそうなるな、と思います。もちろん、そうならないことを願っています。

[]ママ友の会話 17:54 ママ友の会話 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - ママ友の会話 - 西川純のメモ ママ友の会話 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 以下は架空の会話です。しかし、既にそれと同じようなことが日本で起こっており、今後増えるであろう会話です。

 

田中:お久しぶり。お互いに来年は高校3年生になるわね。幸子ちゃんはどこ受けるの?

佐藤:あの子はのんびり屋さんだから、まだ決めていないの。恵子ちゃんはどこ受けるの?

田中:あの子は○○大学だっていっているだけど、この前の模試の結果では届いていないの。あ、そういえば山田さんのお兄ちゃん東京大学に合格したの知っています?凄いわよね~。○○高校で合格したのは1人だけで、それが山田さんのお兄ちゃんだそうよ。

佐藤:うちの子も東京大学に合格したのよ。

田中:え??聞いてなかった。お兄ちゃんはたしか○○高校に進学したのよね。じゃあ○○高校で東京大学に合格したのは二人なの?一人だけだって聞いたけど。

佐藤:あの子は高校1年で退学したの。

田中:え?聞いていなかったは。何で?

佐藤:あの子が、「この学校の勉強は自分に合わない。それに進路指導の先生が昨年まで農業高校に勤めていて、旧帝大の受験のことを聞いても何も応えられない。僕でも知っていることを応えられないんだよ」と言ったので、「それなら、そうしたら」と退学させたの。

田中:え~・・・・・。で、どうしたの?

佐藤:自宅や図書館で勉強していたの。

田中:どうやって勉強したの?

佐藤:インターネットを探せば授業動画が一杯あるのよ。私も観たけど、私の高校時代の先生より遙かに上手いの。それに問題集、参考書はあるし。最近は東大生も参加するネットサービスがあるわ。インターネットのテレビ電話で分からないところを教えてもらえるし、受験傾向のアドバイスも得られる。

田中:そんなので勉強になるの?

佐藤:そりゃなるわよ。だって受験に関係しない科目の勉強をせずに、ひたすら受験に関係する科目に専念できるから。もろもろの学校行事にも参加しなくてもいい。徹底的な受験勉強ね。

田中:でも、高校を卒業しなければ大学は受験できないよね?

佐藤:そんなことはないのよ。高校卒業程度認定試験という試験があってこれに合格すれば大学受験資格を得ることは出来るの。試験科目は5教科のみ。だから、大学受験の勉強をしていれば、自然と合格できるわ。

田中:なんか、凄いけど、それでいいのかしらって思っちゃうけど。

佐藤:私も。でも、お兄ちゃんがそう願ったから応援したの。下の幸子はお兄ちゃんの勉強する姿を見ているけど、私はみんなとわいわいやれるから高校に行くって言っている。だから、幸子は高校に通っているの。

田中:へ~。でも、お兄ちゃんは一人でずっとというのは辛くないかしら。

佐藤:不登校の子どもをバックアップするNPOはこの町にもあるの。そこに行けば、年齢の違った色々な子どもと関われる。あの子は中学校の子の勉強を教えていたわ。その子は息子の姿を見ていて、高校に行かない、って言っているみたい。親御さんも、その方が良いと言っているのよ。

田中:へ~。

 

 そして田中さんは、色々なところで以上の話をします。その話しを聞いた保護者の中で、学校に行くことに辛さを抱えている子どもの保護者が佐藤さんに相談に行くようになります。増えるに従って、その地域の保護者の中で高校に行かないという選択肢が一般化します。

 しかし、このことを知る高校の先生は殆どいません。いても、「変わった親がいるね」と思う程度です。

 ちなみに、今は大学入試の話をしましたが、これは小学校、中学校の保護者でも同じです。二人子ちゃん、三人子ちゃんのママ友ネットワークの中で広がります。そして、キャズムの16%を超えたとき、一気に広がります。その時、学校は「何故、学校教育があるのか」に応えなければなりません。ちなみに、それが出来ないから「高校入試に影響するぞ」という脅し文句を使う中学校教師が少なくないのです。

 

 以上、架空の話しです。

[]シナリオ 16:49 シナリオ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - シナリオ - 西川純のメモ シナリオ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今、OBと色々なことを話しました。その中で学校制度崩壊のシナリオが鮮明になりました。地方でも学校に行かせず、ネット上の授業動画や通信教材で学ばせる親がぽつぽつを生まれているそうです。その親はNPOを運営しているような人で、アンテナが高く、行動力のある人です。

 ここまでは私のイメージしたものと同じです。

 私にとって新鮮だったのは、学校を全否定しているわけではなく、兄弟の中で学校に行かせている子がいる一方、学校に行かせてない子どもがいるそうです。ここが新鮮でした。

 今、ネガティブな不登校ではなく、ポジティブな不登校を選択している保護者はイノベーターです。これがアーリーアダプターに広がって臨界点を超えるとパンデミックが始まります。イノベーターとアーリーアダプターの違いは、前者は理屈だけで行動しますが、後者は少数ですが実績を求めます。

 イノベーターの人とその他の人との人的接触はないと思っていました。何故なら、保護者同士の接触は学校を介している場合が多いですから。だから、ネットや本などの情報によります。ですが、弱いな、と思っていました。ところがです、兄弟の中で学校に行かせている子がいる一方、学校に行かせてない子どもがいる保護者であれば、学校を介してママ友ネットワークに繋がります。それを通して、情報が流れます。

 学校に行かない子どもが高校入試の科目に特化した勉強が出来ることが分かり、それが実際に結果として受験結果に表れることをママ友ネットワークで流れたらどうなるでしょう。そして、学校に行かなくても子ども同士が関われる場を、イノベーターの人がNPOで立ち上げているという事実を知ったら。

 ネットよりも遙かに感化力は高い。

 こりゃ、ほっておいても崩壊は起こるな、と確信しました。

[]濃縮 13:21 濃縮 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 濃縮 - 西川純のメモ 濃縮 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日は新潟県教育センターで講演しました。教職大学院のスタッフによる連続講演です。私はその最後です。タイトルは「学校・子ども・教師の未来。20年後にあなたは食べていけますか?」という、およそ一般の先生が食指を動かさないテーマです。私としては10人ぐらい来たらいいな、と思っていましたが19人集まりました。このレベルのテーマで集まる方々なので、いつもとはがらりと違えて、基本、参加者同士が話し合う研修会にしました。予想通り、「いい感じ」でした。こんな人達で職員室が構成されたら、どんなに楽しく、どんなに高い成果が上げられるか、と思いながら見ていました。

[]少人数 07:15 少人数 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 少人数 - 西川純のメモ 少人数 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 かつて「少人数指導では学力は上がらない」という副題の本を書きました。(https://amzn.to/2w0QUJi)学力なんて簡単に上がります。ようはツボがどこかを分かったら。

 30人学級二つを三つに分けて二十人学級になったら少人数指導になると思っている人がいるのが理解できません。30人でも、20人でも、10人でも個別指導は出来ません。せめて5人以下にしなければ。そして、5人以下にしても成績がそれほど上がらないことは、全国の僻地小規模校の実態が明らかにしています。

 という、小学生でも分かる論理が、多くの人に理解されず、多くの予算が無駄にされていることに脱力感を感じます。

 学力向上の最大のポイントは、本人が学力を上げたいと思うことです。でも、歴代の担任が「勉強しなさい」と言い続けても変わらなかった子に対して、もう一度、教師が言うより、同級生が「一緒に勉強しよう」と言う方が遙かに有効です。

[]個別最適化 07:02 個別最適化 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 個別最適化 - 西川純のメモ 個別最適化 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 「公正に個別最適化された学びの実現」という言葉があります。でも、この言葉の主語は「学校」、「教師」だと普通の人は思ってしまう。違います。学習者です。

 そもそも動的に変化する「公正に個別最適化された学び」を求める三十人の学習者を理解し調整することなんて神ならぬ人が出来るわけありません。

 でも、分からないのだろうな。だから、いつのまにか学校にとって、教師にとって、公正に個別最適化された学びの実現になってしまう。学習者にとっては一律の学びの実現になる。いつまでたっても工業化社会の論理。

 文部科学省の方、教育委員会の方、どうか「公正に個別最適化された学びの実現」を頑張らないでください。規制を解除し、ほっておいてください。

[]天才 06:54 天才 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 天才 - 西川純のメモ 天才 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 国はイノベーションを起こす人材養成を必死になってやっています。しかし、そのレベルの人にとって今の学校教育は邪魔・無駄でしかない。思い出してください。ビルゲイツ、ジョブズがどうだったか。

 そのレベルの人材を発掘、育成するとしたならば、スーパーグローバル大学創成支援事業では間に合わない。その人達は中間管理職の上であって多くはAIに駆逐されてしまう。

 トップのトップを育てられる学校は日本にありません。せいぜいいって邪魔しない学校。だから、学校外にそのような人材の受け皿をつくらねば。

https://www.businessinsider.jp/post-165753

18/08/10(金)

[]奈良の会 16:46 奈良の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 奈良の会 - 西川純のメモ 奈良の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 9月15日に奈良で『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。https://www.kokuchpro.com/event/1598f764af97f1dd5bca32d2b92c5c96/

18/08/09(木)

[]リターンマッチ 20:46 リターンマッチ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - リターンマッチ - 西川純のメモ リターンマッチ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ゼミ生の合否の結果が流れはじめる時期です。

 何度も書いたことですが、再度書きます。

 人は変えられませんが、でも、自分を変えることは出来ます。

 過去は変えられません、でも、今の結果を良かったと思える未来を創ることは出来ます。

 私は大学に入ってからしばらくして、大学の掲示板を見ないようになりました。というのは、必要な情報は友達から「おい、西川、○○があるぞ、見とけ」という情報が流れます。結果として、毎日、掲示板を見て、自分と無関係な情報を読むという無意味な時間を省略することが出来ました。

 大学院の2年の時です。東京都の高校を受けようと思っていました。その案内が掲示板に掲示されたら誰かから教えてもらえると思っていました。ところが、5月になっても、6月になっても噂になりません。心配になって友人に「まだ受験の案内はないの?」と聞いたら唖然として「もう、申し込みは終わっている」とのことです。愕然としました。受験の情報はデリケートな話題です。同じ都道府県を受ける人もいます。つまりライバル同士なのです。だから、話題に上らなかったのです。

 ということで、私は教員採用試験から離脱です。

 馬鹿馬鹿しかった。悔しかった。恥ずかしかった。

 で、今できること、受験する同級生に出来ないことをを何かしようと思いました。

 私は修士論文を徹底的に、組織的にやりました。結果として、修士2年の9月頃には完成しました。そこの頃には指導教官の小林先生以外に、多くの先生に読んでいただきました。

 で、終わった後、何をするべきかを考えました。

 博士課程に進学した同級生は生物学の学術論文を投稿しはじめている頃です。とうことで、まずは日本理科教育学会、次は科学教育学会、そしてScience Educationというデューがはじめたアメリカの雑誌に投稿しました。そして、その後も論文を書き続けました。

 12月になって教員採用試験の勉強をしました。徹底的に。例えばチャートを全文暗記する気持ちで勉強しました。で、合格しました。

 そして、大学院時代の学術業績を見込まれて上越教育大学に採用されました。つまり、大ポカをしなかったら、今の私はありません。だから、実感として「人は変えられませんが、でも、自分を変えることは出来ます。過去は変えられません、でも、今の結果を良かったと思える未来を創ることは出来ます。」と言えます。

追伸 教員採用試験に残念な結果だった学生が臨時採用に進む人がいます。でも、私は大学院進学を勧めます。理由は、本学大学院は先輩教師に可愛がられることを学べます。つまり、採用されるだけでなく、採用されてから辞めない教師に育てます。第一、臨時採用で教員採用試験の1次試験は通りません。その勉強する時間は無いからです。私の経験上、臨時採用で合格するには3,4年はかかります。それだったら、大学院に行って受験勉強をすればいいのにな、と思っています。臨時採用といえども子どもにとっては教員です。真面目な人は手を抜けません。それに教職経験だったら、正規採用されたら、40年間積み上げられます。そんなに急がなくてもいい。

[]教師のお仕事 08:47 教師のお仕事 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 教師のお仕事 - 西川純のメモ 教師のお仕事 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 大阪市の教育に関して以下の3つの記事をお読みください。まあ、私のメモを読まれる方でしたらご存じだと思います。

http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000426354.html

大阪市立小学校の講師不足について

https://h-ishin.com/osaka-city/16526/

大阪市教員:全国一高い初任給、昇給は年功序列から能力重視へ 来年度から実施

http://news.livedoor.com/article/detail/15103783/

「学テ」結果、校長や教員のボーナス、学校予算に反映へ…最下位状態化に危機感 大阪市の吉村市長方針

 多くの方はご不快になるかもしれませんが、この流れは賛成です。というか、賛成/反対ではなく、必然だと思います。

 民主的に選ばれた首長が、管下の職員給与体系に合法的な方針を持つことは当然だと思います。それがだめだったら落選させればいいだけのことですから。

 ただ、現状の教員が納得しがたいのは後出しじゃんけんだからです。採用されたときの条件を首長が勝手に変えたということは不当だと感じるのは当然です。しかし、不当か正当化を決めるのは教員でも首長でもなく裁判所です。はっきりさせたいならば「労働条件の不利益変更」として訴えればいいことだと思います。首長がこの方針を出したということは、その裁判に勝てると思っており、もし、訴訟が起こらないならば、教員も勝てないと思っていることを示しています。今後の流れを見守りたいと思います。

 脱工業化社会のコードで今後を考えると、非常勤講師の給与体系を大幅に改善し、正規雇用と同じにします。そして、成果主義を徹底します。雇用は都道府県・政令指定都市単位ではなく、市町村レベルで行います。その結果として、雇用の流動化が活発になります。新規採用者の基本は5年程度の期限付き採用とします。

 各教員は自分自身の実績を多様に記録し、市町村や保護者にアピールします。たとえば、前担任の全国学力試験の点数を自分の年代の点数、全国コンクールへの子供の受賞歴、大学院等の学歴、英検・トイックの点数、民間企業の勤務実績等々です。

 多くの教員も、教育委員会も望まないでしょう。その場合は、保護者が学校を捨てて学校教育法の1条校以外に流れます。その場合は、学校教育は制御不能の状態になるでしょうね。「2030年教師の仕事はこう変わる!」(学陽書房)をお読みの皆さんは、「こんなになるわけない」と思う一方、「示された根拠から考えて、こうなるかも」と思われたと思います。そして、出版されてから1年もたたないうちに、本で書かれたことの兆候が現れていることに戦慄されているのではないでしょうか?でも、脱工業化社会への移行は必然です。あらがうよりは理解すべきだと思います。願わくば、動くことです。急流で船を操る方法は、その流れより速く動くことしかないのです。

追伸 これからの大規模な学校統合を実行するにはネットを介した授業を実現するしかありません。そうなったら物理的な制約から離れ、保護者は学校を選べます。非常勤講師は学校を選べます。PTA会費から給料の上乗せをしてもいい先生をほしがる時代は必然です。

 「2030年教師の仕事はこう変わる!」に書いたとおり、小学校は現在の二万校弱がおおよそ約六千五百校に、中学校は現在の1万校弱が約三千校に縮小します。地方はさらに厳しく、島根県、和歌山県、高知県、岩手県では小学校は現在の1割程度に減少するのです。東京都、大阪府、愛知県でさえ半減します。今のままで成り立つわけありません。

18/08/08(水)

[]老後 21:09 老後 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 老後 - 西川純のメモ 老後 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 来年で60歳になります。前から感じていましたが、この頃、思うことがあります。

 まだやらねばならないと思って死ぬのと、もういいわと思って死ぬのと、どちらがいいのか?若い頃は圧倒的に前者でした。でも、最近は後者の気持ちが分かります。

[]公平と公正 20:35 公平と公正 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 公平と公正 - 西川純のメモ 公平と公正 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今回、東京医科大学で女子受験生、一部浪人生が不利になる採点操作を行われました。大きな問題です。では、何が問題だと思いますか?

 日本の大学改革のモデルとしているアイビーリーグでは、一部の人種の受験生には合格しやすくしています。逆に言えば、そうでない人種は合格しにくくしているのです。さらにレジェンド枠というものがあり、卒業生の師弟を合格しやすくしています。おそらく、日本では考えられないと思います。しかし、国内(つまりアメリカ国内)に居ながらにして、多文化社会を学ばせるために、人種枠を設けています。また、その学校に対する思い入れ、誇りを醸成するためにレジェンド枠を設けています。このように、大学がポリシーを持って「枠」を設け、それを公開しているならば、非難されないのです。

 実は日本にも性差別ではないかと言われ続けているのが女子大学、女子高校、男子高校の存在です。性差別かもと言われ続けているのに、続いているのは学校がポリシーを持って、それを公開しているからです。

 最後に。

 意外かもしれませんが、試験は公平であることを定めた法律はありません。せいぜいあって、文部科学省が毎年大学に通知している文章レベルです。つまり、「公平」は国民感情以上のものではないです。そして、これからの大学入試、高校入試は性別等の生まれつきで一対一対応するもの以外のものにたいする「区別」はどんどん奨励されるはずです。そのような中央教育審議会の答申、文部科学省の通達は既にあります。

18/08/07(火)

[]初級・中級 20:52 初級・中級 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 初級・中級 - 西川純のメモ 初級・中級 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は二十年以上、日本中の『学び合い』をトライする人と関わってサポートしています。

 多くの人は初級です。ようは、自分の授業をよくしたいという人です。まあ、日本中の真面目な先生の大部分でしょう。求めているのは面白い授業、分かりやすい授業です。方法論として『学び合い』を捉えているので、一斉指導との共存に違和感がありません。この人に対しては、方法論のレベルのアドバイスをします。

 初級の人でも、一定レベル以上のことは出来ます。少なくとも、その人の一斉指導レベル以上のことは。でも、やがて壁にぶつかります。それは優秀な子どもが「なんで、こんなことをしなければならないの?」と思い始めるからです。コミュニケーション能力の高い人ならば、それは誤魔化せます。でも、そうでない人は負のスパイラルに陥る人も少なくない。

 ところが、面白い授業、分かりやすい授業を実現する過程で、次を求める人がいます。それは、個々の『学び合い』のテクニックを子どもに語るとき、それを理解し、心から子どもに語りたいと思う人です。『学び合い』の考え方を理解しようとする人です。この人は『学び合い』のテクニック本から考え方を読み取ろうとします。そして、私の『学び合い』のテクニック本以外の本を読み始めます。それを読み取り、自分なりに解釈することが出来れば、一斉指導との併存なんて不可能です。『学び合い』は面白い授業、分かりやすい授業とは違うのですから。その結果として、迫力のある語りが出来るように出来ます。一斉指導との併存レベルでは不可能です。

 じゃあ、上級は何?と思われるでしょう。上記の初級、中級の人は「自分」、「自分のクラス」、「自分の学校」レベルしか考えられません。しかし、「自分」、「自分のクラス」、「自分の学校」を解決するには、もっと上位のことを考えなければなりません。それを理解し、行動しつづけられるか否かです。ようは、自分が子ども達に求めていることを、自分がやっているかどうかです。やっていなければ、子どもはやがて見破ります。

[]帯広の会 15:43 帯広の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 帯広の会 - 西川純のメモ 帯広の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 10月6日、7日に帯広で『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。https://www.kokuchpro.com/event/8d69bc492e799d9b6c294e9bfe5bf76d/

[]新潟講座 10:17 新潟講座 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 新潟講座 - 西川純のメモ 新潟講座 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 上越教育大学教職大学院のスタッフで連続講座を新潟でやっています。最後は私です。8月10日にやります。話の内容は「学校・子ども・教師の未来。20年後にあなたは食べていけますか?」というおよそ普通の教師の食指が動かないタイトルです。

 そんなこと聞きたい方、どうぞ。少人数だったら、座談会形式にしようかな?とも思っています。

 http://www.juen.ac.jp/kj/pdf/20180403.pdf

18/08/06(月)

[]愛知・名古屋の会 21:40 愛知・名古屋の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 愛知・名古屋の会 - 西川純のメモ 愛知・名古屋の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 8月21日に名古屋で『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。https://www.kokuchpro.com/event/5247f4abda19203558324e520644d606/

[]袋小路 17:48 袋小路 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 袋小路 - 西川純のメモ 袋小路 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は色々な教科教育関係の学会に入っています。届けられる学会誌を読んでいると袋小路に入っているように思えるのです。

 教科教育の学会は戦後の教員免許法の改定により生まれました。ごく初期は、古くからの教育学や教育方法学との違いはどこにあるのか、現場の教材開発との違いはどこになるのかを模索していました。今から30年ほど前に構成主義、社会構成主義が導入され、認知研究が導入されました。それによって従来の教育学、教育法法学、教材開発との違いが鮮明になったように思います。

 しかし、構成主義、社会構成主義を突き詰めれば、主体者は個人個人であり、有機的に繋がった集団であるにも関わらず、教師が計画し、リードするという現状の授業スタイルから逃れられていない。

 認知研究を突き詰めれば、多くの子どもの頭の中をモデル化し、改善された指導法を開発できます。ところが、子ども達が有機的に繋がった相互作用が複雑すぎて、記述することは出来るのですが、予測し、コントロールが出来ないのです。

 私は20年前に袋小路に気づき、『学び合い』研究にシフトしました。しかし、学会では、未だに袋小路から脱していないように感じます。

 私は心配しています。

 教員養成学部は縮小することはこれは避けられないことです。ところが、1970年代に学会の数は増えました。ところが会員となる大学教員、小中高教員の数は減少します。そのうちに学会として存続できない学会も生まれるでしょう。今から七十年以上前に灯された学灯はどのように次に受け継がれるのでしょう。教科教育の学術研究が小中高の先生から支持される結果を生み出さなければ生き残れません。

[]安曇野の会 17:27 安曇野の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 安曇野の会 - 西川純のメモ 安曇野の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

8月19日に安曇野市で『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。

日時 8月19日(日)14:0~17:00

会場 長野県安曇野市穂高 穂高会館第1会議室 (最寄り駅 穂高駅から徒歩10分)

内容 自己紹介・フリートーク

https://kokucheese.com/event/index/532370/

[]最先端 11:14 最先端 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 最先端 - 西川純のメモ 最先端 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 「最先端技術に対応できる人材育成」の最先端技術って何だろう?

 素人がAI・ロボットと言っている時代において、AI・ロボットは最先端ではありません。最先端は追いつくものではなく、生み出すものです。最先端にいる人は、常に迫害されます。そして、迫害されないようになる前に、さらに進み迫害を受けます。

追伸 ユダヤでは会議で全員が賛成した場合、その決定は無効であるそうです。そのような決定は手遅れだからです。

追伸2 愚痴です、私は文部科学省科学教育研究審査委員の2段階委員になったことがあります。これって、教科教育学の全ての学会関係者の科学研究費配分の最終決定をする3人の内の一人です。ですが、私自身が最近、科学研究費で予算を取ったことがありません。一方、民間財団や科学研究費以外の文部科学省の助成の当たりはいい。負け組の遠吠えですが、「最先端過ぎるんだ」と自分を慰めています。国が公的予算で守ってあげましょう、推進しましょう、というのは最先端ではありません。企業が儲けてやろう、賭けてみよう、と思うものがほどよい先端ですね。私の考えていることをマイルドにしても、科学研究費、つまり平均的な学会からは異端(つまり最先端)過ぎるのです。

[]人材育成 10:19 人材育成 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 人材育成 - 西川純のメモ 人材育成 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 人材育成を考えるとき、エリートの人材育成と一般国民の人材育成を分けなくてはならない。教育再生実行会議で最先端技術に対応できる人材育成を可能とする学校教育制度を見直すことが決まりました。(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180803/k10011562581000.html

 これは単線型学校教育を欧州型の複線型学校教育に変えなければ無理です。だって、日本人の大部分は数学や物理学が嫌いです。仕方がありません。「平行線は交わらない(一般人:おい見たのかよ?)」、「点には位置はあるが面積は無い(一般人:それじゃ見えないじゃん)」、「摩擦のない状態で(一般人:それじゃ立って歩けないじゃない)」というバカげたことを素直に信じられる人は多くはない。横軸が時間軸である波動のグラフを見て、それを頭に描けるのは特殊な才能です。

 だから大多数の人に合わせた教育をやれば、最先端の人材を育てられない。数学・物理学が好きな人に合わせた教育をやれば、殆どの子どもはチンプンカンプン。結局、中庸をとっているから、どちらにも役に立たない教育をすることになる。

 ただし、目指すべきエリート像をはやりのAIとかロボットに限定せず、多種多様にすれば一般国民の教育になります。例えば、米作りのエリート、折り紙のエリート(新作の折り紙を開発し、その作品を海外に売り出す人)・・・・となれば、全国民がエリートとなり、日本は豊かになれる。

 それが個別最適化された教育の姿だと思います。繰り返しますが、その最大の障壁は「最低限の基礎的・基本的の学力を国が保証する」という考え方なのです。

[]突破口 07:33 突破口 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 突破口 - 西川純のメモ 突破口 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 破壊的イノベーションは小さなニッチで生まれ、育ちます。それはきわめて安価で、低機能なものから始まります。

 私はSociety5.0の教育は不登校、特別支援教育で生まれると思っています。何故なら、現状の教育に不満を持つ人たちが多いので、新しい教育が生まれやすい。

[]Society5.0(その3) 07:20 Society5.0(その3) - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - Society5.0(その3) - 西川純のメモ Society5.0(その3) - 西川純のメモ のブックマークコメント

 Society5.0の教育は現状の法・制度・技術で実現することは可能です。最大の障害は「基礎的・基本的な学力を保証する」という考え方です。多様化する社会・個人に共通する基礎的・基本的学力なんて存在するわけありません。それは工業化社会特有の考えです。

 工業化社会以前の農業社会には基礎的・基本的な学力は存在しませんでした。住んでいる地域、自身の社会階層・職業によって多種多様な学力があり、価値観さえも多種多様でした。読み書き算の3R'sさえも基礎的・基本的学力ではありません。なんとなれば、それ無しで一生を過ごす人が大多数でした。

 もちろん、今後の社会においても国民がすべからく持つべき能力はあると思います。しかし、それを国が定め、保証するというのが問題です。本当に基礎的・基本的な学力ならば、子どもは獲得します。例えば、学校教育での組織的教育がなくても、子どもは喋ることが出来ます。

 そんなこと言っても「四則演算」は教えなくては、夏目漱石は読ませなければ、と思っている、あ、な、た。その考えがSociety5.0の教育を阻み、Society5.0の社会への壁なのです。一度それを認めてしまえば、それは限りなく拡大します。最終的には、学校教育の9割以上を占めるでしょう。それでSociety5.0の教育を実現するのは、「早く退勤して下さい、でも、仕事はしっかりやって下さい」という校長の言葉と同じぐらい自己矛盾しているのです。校長の考える仕事を変えない限り。

 「基礎的・基本的な学力を保証する」を捨てられますか?2割の教師がそれを捨てれば、現状の法・制度・技術でSociety5.0の教育は実現できます。だって、学校教育法、学校教育法施行令、学校教育法施行規則、学習指導要領の縛りはきわめて弱いのが実際です。校長、教員、保護者が了解すれば、ものすごく大胆なことはいくらでも出来ます。

追伸 でも、その意識改革が難しいから、法の廃止が必要だと思うし、それが無理だと思うから私立学校、フリースクールに期待しているのです。

18/08/05(日)

[]『学び合い』沖縄の会 22:12 『学び合い』沖縄の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 『学び合い』沖縄の会 - 西川純のメモ 『学び合い』沖縄の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 8月18日に沖縄の南部で『学び合い』の会を開催します。主催者からの情報は以下の通りです。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

期日 8月18日(土)

時間 14時〜16時

会場 豊見城市立伊良波中学校 第二理科室(2階)

内容

①『学び合い』とは

②実践報告(成果と課題)

③フリートーク他

近くの実践者や興味がある方と繋がれたら嬉しいです。

教員以外の方の参加も大歓迎です。

申し込みは、下のこくちーずよりお願いします。

https://kokucheese.com/event/index/532329/

[] Society5.0(その2) 22:09  Society5.0(その2) - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク -  Society5.0(その2) - 西川純のメモ  Society5.0(その2) - 西川純のメモ のブックマークコメント

 Society5.0の教育を実現するには、工業化社会のコードである「規格化」「分業化」「同時化」「集中化」「極大化」「中央集権化」を捨てなければなりません。

 まずは学習指導要領を廃止します。少なくとも中等教育では廃止します。

 子どもは自分の将来を見据えて、学ぶものを決めます。数学者になりたい人は、ひたすら数学を学ぶのです。今の教育に比べると歪です。それが「公正に個別最適化された学び」か否かかは本人が決めればいい。従って、学年というものが意味を持ちません。

 学校の規模は町内会館レベルの大きさで、そこに様々な年齢が集まります。ただし、集まりたい子どもが集まります。その子ども達同志で関わることもありますが、個々人がネットを介して様々な人と繋がるのです。例えば、ある職種に就こうとする子どもは、様々な企業の人事担当と繋がるでしょう。それも中学校頃から。

 学校教育法、学校教育法施行令、学校教育法施行規則は廃止です。

 学校の予算は、各学校が都道府県に予算申請をして獲得するのです。獲得できる予算は天と地ほどの差があります。潰れる学校も生まれます。「質保証」は学校が行うのではなく、子どもと保護者がいます。だって、「質」が一人一人違うのですから。

 教職免許状はありません。学校ごとに求める能力と給与を提示した公募を、随時、行います。求める能力は多種多様ですから教員免許状を定められないのです。

 文部科学省でやっている仕事の大部分は不要となります。現業を切り離し、少数のメンバーによる企画・提案の仕事が中心となります。

 「公正に個別最適化された学び」とはこれぐらいのことをしなければ実現できません。

 無理でしょ?

 でも、子どもと保護者が学校に行くことを止めて、保護者有志でフリースクールを立ち上げたなら、以上のことは至極簡単に実現できます。昔はそんなことは起こるわけありません。何故なら、学校・教師以外に学習を成立させるツールが無かった。そして、既存の学校が発行する学歴に価値があった。ところが、ネット上に多種多様なツールがあふれ、既存の学校が発行する学歴の価値が低下した現在、私が書いている「馬鹿げた」ことが起こってもおかしくない。そのような子どもが16%のキャズムを超えればパンデミックが起こります。

 破壊的イノベーションは常に小さいニッチで生まれています。マイクロソフトもアップルもそうでした。

[]Society 5.0 21:34 Society 5.0 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - Society 5.0 - 西川純のメモ Society 5.0 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今年の6月15日に「未来投資戦略2018」が閣議決定されました。それ以降、各省庁が対応した政策を出してきています。

 読めば読むほど、持続的イノベーションのオンパレードです。つまり、現状の価値観で望まれていることを、より高次に、より効率的に、より生産的にしようとしています。つまり今の延長上の先にあるものを求めています。

 でも脱工業化社会に脱皮するためには破壊的イノベーションが必要です。破壊的イノベーションでは、今、大事にしているものを捨てます。捨てることが新たな価値になります。

 文部科学省のSociety 5.0では「公正に個別最適化された学び」を実現する多様な学習の機会と場の提供」を取り組まなければならない、と書いてあります。しかし、同時に「文章や情報を正確に読み解き対話する力」、「科学的に思考・吟味し活用する力」、「価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力」が必要だと書いてあります。こんなものを共通に育てなければならないとして、個別最適化学習なんて出来るわけありません。あたかも校長が「早く退勤して下さい。でも仕事はしっかりやって下さい」と求めるのと同じなのです。

 もし、文部科学省の文章の中で、全ての人が、「文章や情報を正確に読み解き対話する力」、「科学的に思考・吟味し活用する力」、「価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力」を全て獲得する必要は無い、と書かれたらSociety 5.0の教育は実現するでしょう。でも、そうでなければ変わるわけ無い。

 これもやらねば、という言葉は誰にでも言えます。これはいらないという言葉にこそ改革の道がある。

 ドラッカーは「最も犯しがちな過ちは、立派な意図をたくさん盛り込んで使命としてしまうことである。使命は簡単、明瞭でなければならない。新たな任務を取り入れるのであれば、古い任務は脇にのけるか、やめなければならない。それほどたくさんのことができるはずないのだ」と「非営利組織の経営」に書いています。考え得る全ての目標を曼荼羅図のように配置した学校のグランドデザインを見る度に、この言葉を思い出します。そして各省庁の省庁の文章を読むと感じます。

 今度、各省庁の文章を読むとき、「○○は不要」と書いてあるところに着目したらいいですよ。残念ながらみたことないけど。

[]フォーラム二日目 13:20 フォーラム二日目 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - フォーラム二日目 - 西川純のメモ フォーラム二日目 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 フォーラムが閉会し、今、帰りの新幹線の中にいます。

 二日目も大満足です。その中でも、一番は『学び合い』の生です。

 2回うるっとなって、1回はビックリしました。

 最初は、静岡の先生が育てた子どものりりしい姿を見て、うるっときました。

 「5分前に課題が達成しました」と告げられたとき、ビックリしました。課題が全員達成し、与えられた課題をより完璧にしようとする瞬間、子どもたちはダレます。そうなると音が変わるのです。今までのホワイトノイズのような音の中に異質な音が混じります。それが全くない。つまり、この子どもたちは、常に高いレベルで課題をとらえていることが分かります。

 彼らが会場から退場した後、分科会が開かれます。そこに、その子どもたちと保護者が戻ってきたのです。そして、発表を見ているのです。私は子どもと保護者に資料を渡しました。そうすると、その資料と発表を見比べながら聞き入っているのです。

 凄いな~っと思います。この地域は学校教育を核とした地域コミュニティの再生が可能ではないかと思い、うるっとしました。

追伸 会場の後ろに座っていた私がうるっとしているのは気づかれないと思ったのですが、OBが見ていました。私のツボどころがどこかを知っているからだと思います。

18/08/04(土)

[]フォーラム1日目 21:11 フォーラム1日目 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - フォーラム1日目 - 西川純のメモ フォーラム1日目 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 大満足の1日目です。

 『学び合い』静岡の会の皆様、参観者の皆様、同志の皆様、そして文部科学省の柳澤課長のおかげです。「望月の欠けたることもなしとおもえば」と思います。

[]一人 21:11 一人 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 一人 - 西川純のメモ 一人 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は壊滅的に人と関わることが不得意です。その私が『学び合い』を云々するのも変ですが、不得意だからこそともいえます。日本酒の杜氏は飲み助はなれません。日本酒が不得意だからこそ、味に敏感なのです。

 と、思うことにしています。あはははは。ようは私は我が儘で、人に合わせるのが嫌だからです。

 ゼミ生だったら分かると思いますが、私は呑み会で一人でいるのが好きです。にこにこしながらゼミ生を見ているのが好きです。

 本日のフォーラム懇親会後、だれからも誘われなかったので、今、ホテルに一人でいて、本日の余韻に浸っています。そして眠ります。いいな~

 提唱者がほっとかれる、素敵です。

[]前夜祭 07:50 前夜祭 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 前夜祭 - 西川純のメモ 前夜祭 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日は『学び合い』の全国大会であるフォーラムのため静岡にいます。昨日は、ゼミ生たちと前夜祭です。

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18/08/02(木)

[]イノベーター 21:40 イノベーター - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - イノベーター - 西川純のメモ イノベーター - 西川純のメモ のブックマークコメント

 イノベーターの特徴は具体的事例によって納得するのではなく、理論によって納得するという特徴があります。

 『学び合い』を最初に支持するのはイノベーターです。だって、それを実践している人は世の中に殆どいませから。でも、20年以上『学び合い』とつきあって、イノベーターには2種類あることが分かります。

 授業方法の新鮮さと革新に引かれる人。

 一人も見捨てない、そこから導かれる今後の社会の新鮮さと革新に引かれる人。

 前者の人は『学び合い』に興味を持たなくなります。だって、『学び合い』は既に多くの人に知られ、実践されるようになりましたから。

 前者の人は、子どもがよく分かり、楽しんでいることを喜びます。

 後者の人も、それが感じます。ただ、子の子ども集団だったら20年、30年後どうなるかを妄想できます。

[]感動 21:21 感動 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 感動 - 西川純のメモ 感動 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は自分には不可能なことを実現する人と繋がっていることを心より喜びます。その人と繋がっていることで、自分が高まるように感じるからです。

 ある人がいます。十年以上の『学び合い』の同志です。といっても、初めて合ったときの印象が強いので、年齢が進んでも私にとっては兄ちゃんです。私と同様に、自分の対価を正確に認識し、それを要求します。だから、誤解されがちです。最近は学んだので、その失敗が少なくなっています。これは私と同じです。

 その方は5月の健診で、自身が「がん」であることを知りました。もちろん、現在の「がん」は死病ではありません。ちゃんと対応すれば、大丈夫な病気です。が、私が30歳の時、急性アルコール性肝障害で1ヶ月入院したことを思い起こせば、たとえ死病でなくても、どれほどのことかと想像すると、想像できません。

 私は何を感激しているか。

 「がん」であることを知った後に、以下のことをしました。

1) Zoomを介しての、私の講演を設定した。

2) 『学び合い』を取り組みたい学校の先生方を上越に参観することを企画し、実行し、上越に来た。

3) 『学び合い』フォーラムの財政的基盤を成り立たせるために汗をかいた。それも、フォーラムの実行委員会の人に自分が大丈夫な人であることを紹介して欲しいと願ったのです。

 自分が「がん」である時、こんなことを出来ません。みなさん、出来ますか?私の到達できない領域の人であることを実感しました。その方と繋がり、その方から「先生」と呼ばれる光栄と、義務を思います。

[]少数派 18:08 少数派 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 少数派 - 西川純のメモ 少数派 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ある人が、「『学び合い』がそんなにいいなら、『学び合い』の実践が広がっているじゃない。ところが、やっている人はいないじゃない」と『学び合い』実践者に言ったそうです。

 それを聞いて笑いました。

 そりゃそうです。

 日本中の小中高の先生は70万人です。『学び合い』を実践している人はどれほどでしょうか?私は1%ぐらいではないかと思っています。もしかしたら、それを超えているかもしれません。しかし、それにしても僅かです。

 が、考えて下さい。

 日本中の大きな本屋に行って下さい。その中で『学び合い』の本が必ずあり、それも数多くあります。何故、置いてあるかと言えば、買う人がいるのです。ということは、身銭を切って学ぼうとする人の中で『学び合い』実践者、シンパの人はかなりの割合であることを示すものです。

 それに、何かの学術データに基づく理論に基づき、それを実践している人の数で言えば、日本の教育の歴史の中で最大と言っていいと思います。

 今の一斉指導だって、何の理論もない。だから、「学力」、「興味関心」のような言葉すら、同じ学校の先生でバラバラです。

 地元の教科をリードする人達の集団を思い浮かべて下さい。おそらく、県庁所在地レベルであっても十数人の人達だと思います。その人達が定期的な研究会に参加し、県がブロック研究会を受けたとき授業者として発表すると思います。

 以上から考えて、我々は少数者でしょうか?

 私は少数者だと思いません。

 今度の土日に静岡で『学び合い』の全国大会が開かれます。楽しみです。

追伸 本日、早稲田大学の教職大学院と上越教育大学の教職大学院の交流会がありました。そこに座っていたら、横の席の人から声をかけられました。その人は『学び合い』の実践者なのです。学ぶ意欲のある人の中での割合は少なくないと思いました。

[]ブレインの方々へ 09:58 ブレインの方々へ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - ブレインの方々へ - 西川純のメモ ブレインの方々へ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』研究のごく初期に参照した研究があります(野島 1992、後藤、野島 1993)。その研究には組織における知識の流れは、「ブレイン(brain)」、「ゲートキーパー(gatekeeper)」、「エンドユーザー(end user)」です。ブレインとは、ある分野に関する専門家で、エンドユーザーとは素人、ゲートキーパーはその中間に位置する半専門家です。

 その後の『学び合い』研究によって、この三階層は『学び合い』においては流動的であることが分かったので、現在は三階層モデルを採っていません。しかし、この三階層モデルの中で面白い現象があることが明らかになっています。

 エンドユーザーが何か分からないとき、特定のゲートキーパーに聞きます。また、ゲートキーパーが何か分からないとき、特定のブレインに聞きます。つまり、ブレイン-ゲートキーパー-エンドユーザーのラインがあるのです。これを職員室に置き換えれば分かりやすいと思います。新卒の先生が職員会議の中の話しで分からないことがあれば、聞きやすい先輩に聞くと思います。先輩が分からないことがあれば、聞きやすい教頭、教務主任、ベテランの先生に聞くと思います。ですよね。人の相性はありますから、聞きやすい、分かりやすい人はいます。

 三階層モデルによれば、ブレイン同士、ゲートキーパー同士の繋がりは相対的に弱いのです。『学び合い』の場合はそうではありませんが、それでも、相対的にはそういう現象がありますよね。一方、ブレイン同士は繋がって、相談し合っているのです。

 これが最も端的に表れているのは『学び合い』の会のように思うのです。『学び合い』の会に参加する人の中の多くは、特定の会には参加するが他の会には参加することが殆ど無い人がいます。一方、色々な会に参加し、他の会の主催者と繋がっている人がいます。しかし、その数は多くはありません。でも、少なくともいることがとても重要なのです。

 『学び合い』の実践者はインターネットを通じて繋がっています。しかし、インターネットのみの繋がりは不健全になります。直に合うことを併用することが大事です。Aという会の誰かと、Bという会の誰かとが繋がれば、AとBの会の全ての人が間接的に繋がることが出来ます。我々は全員が強くならなければなりません(http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20180801/1533120179)。是非、繋がってください。

 このことは何度か書いたことですが改めて書きます。何故なら、そうできる環境が整っているからです。最近では、毎週、『学び合い』の会が開かれています。例えば、私が把握しているだけで以下の通りです。

 7月15日 奈良の会、7月22日 川越の会、7月27日 新潟の会・東葛の会、7月28日 大阪の会・福岡の会、7月29日 東京城北の会、8月10日 神奈川の会、8月19日 大阪の会、8月28日 和歌山の会

 そして、8月4日、5日に全国大会が静岡で開かれています。互いの繋がりを強めてください。我々はそれが出来る強みがあります。

18/08/01(水)

[]アカデミズム 21:09 アカデミズム - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - アカデミズム - 西川純のメモ アカデミズム - 西川純のメモ のブックマークコメント

 憲法第二十三条には「学問の自由は、これを保障する。」と書かれています。しかし、残念ながら大学は守勢でたじたじです。が、思います。

 学問の自由は厳しい切磋琢磨を前提としているものです。

 大学の研究者は大学の研究者以外が不可能な成果を上げ続けなければならない。そして、大学研究者の中で厳しく評価され、それが出来ない人間は干されなければならない。それはお笑い芸人の世界のようです。それが全体のために、勤務に関して緩い管理がなされている。

 自分が教えている学生に比べて次元が2つぐらい上にあらねばならない。そして、研究者仲間でそれを認められなければならならない。それだから、憲法でも特権的に扱われているのです。

 が、小学校、中学校、高校教師レベルの成果でで、緩い管理を享受している人が少なくないから学問の自由が侵されている。でもそれは我々の怠慢を反省せねば。我々が抜群の結果を生み出し、憲法二十三条を守らねば。

[]これからの時代を生きる力 19:42 これからの時代を生きる力 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - これからの時代を生きる力 - 西川純のメモ これからの時代を生きる力 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日もテレビ電話で相談を受けました。本日は他大学の学生さんです。科学における発見は99.9999999999999999999999・・・・・・・・・は先人の知恵であることを説明しました。どうも、ユーレカ的な史上希な大発見を子ども達に追体験させようとする、噴飯的に馬鹿馬鹿しいことを教えました。どうも、科学史を知らない人はそう考えてしまう。

 だから、自分で発見する必要はなく、周りの人からの知恵に頼ることの大事さを語りました。その際、その学生さんから「これからの激変する社会でそれで生きられるでしょうか?西川先生は社会はあまり変わらないとお思いですか?」と言われたので、最初はキョトンとして、次に笑いました。

 「これからの社会は激変する、それも、どの方向にどの程度変わるか分からない。その全てに対応する能力を獲得するなんてどだい無理。その能力を自分の頭にたたき込もうなんて無理。周りの人と繋がり、その人の頭を外部記憶装置として使い、マルチCPUとして使わなければ、今後の社会は生きられない。知識・技能は自分の頭の中にあるのではない、人と人との間にあるよ」と語りました。

 学ぼうとする若い人は愛しい。

[]和歌山の会 17:22 和歌山の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 和歌山の会 - 西川純のメモ 和歌山の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 8月26日に『学び合い』和歌山の会が開かれます。お誘いします。https://kokucheese.com/s/event/index/530900/