西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

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18/03/29(木)

[]まずは一斉指導から 21:16 まずは一斉指導から - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - まずは一斉指導から - 西川純のメモ まずは一斉指導から - 西川純のメモ のブックマークコメント

 縦糸論に同根の誤解に、「まずは一斉指導が出来なければ」という論です。

 困ったもんです。

 まず、この論を言う人が誤解しているのは、一斉指導がものすごく難しいことを理解していない。多様な能力、多様な興味関心を持っている子ども達全員(せめて大多数)が分かる授業、楽しい授業なんて不可能です。じゃあ、何故成り立っているか、分からなくても、つまらなくても子どもが我慢しているからです。これは千年学んでも無理です。人が千年学んでも空中浮揚できないと同じです。

 まあ、ポイントを押さえれば短期間で授業が上手くなることは出来ます。それは「新任1年目を生き残るサバイバル術教えます」の最初の50ページに書きました。私はそれをやったから新任一年目で、暴走族相手に物理の授業を成立させることが出来たのです。

 でも、それで出来るのは「全員を分からせる、ではなく、全員を分かった気にさせる」程度のことです。これだったらポイントを押さえれば出来ます。そうすれば授業が成立し、少しずつでも学力を伸ばせます。しかし、全員でないですよね。そして、この種のテクニックの賞味期間は3ヶ月程度です。それ以上になると、大人の腹を探ることに長けている子どもに見破られてしまいます。そっからは、「自分たち(つまり子ども達)をどれだけ認められるか」、「自分たちをどのように導こうとしているのか」という考え方で決まります。ま、人間性というものです。残念ながら、現状の一斉指導は、一人一人が持っている人間性に依存しています。だから、3ヶ月以降も子ども達に慕われる教師と、そうでない教師に別れてしまうのです。

 『学び合い』はその考え方を学校観、子ども観としてまとめ、その考え方と一対一対応する指導方法を確立しているのです。結果として、その方法論を実践しているうちに、その方法論の背景となる考え方を実感できる「子どもの姿」を見ることが出来ます。やがて身体化できるのです。

 ということです。

 ちなみに、我々の研究室では中学生に小学生相手の授業をさせました。その結果分かったのは中学生でも教育実習生並の授業は出来ます。まあ、中学生も十年弱の一斉指導を受けています。だから、パターンは知っています。たとえば、「丸読み。新出漢字の確認。段落わけ。段落の要約・・・・」というパターンは知っていますし、中学生でも出来ます。

 中学生でも、「段落わけ」をやらせることは出来ます。でも、どのように育つべきかを語ることが出来ません。それが出来るのは大人なのです。それで勝負しているのが『学び合い』です。