西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

西川純です。新潟県上越市の上越教育大学の教育実践高度化専攻(教職大学院)で『学び合い』を研究しています。諸般の事情で、このブログのコメントは『学び合い』グループのメンバー限定です。メンバー登録は、いつでもOKです。ウエルカムです。なお、メールはメンバー以外にもオープンですので、いつでもメールください。メールのやりとりで高まりましょうね。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。西川研究室はいつでも参観OKです。 詳細は http://www.iamjun.com/をご覧下さい。 もし『学び合い』グループに参加される場合は、 http://manabiai.g.hatena.ne.jp/をご参照ください。
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16/11/13(日)

[]裏技 21:34 裏技 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 裏技 - 西川純のメモ 裏技 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は大学教師として30年勤めました。その間に何百人のゼミ生を育てました。その経験から分かるもの、教えて伝えられるものと、教えても伝えられないものがある、ということです。

 教えても伝えられられないものの一つが、仕事は自分からもらうこと、それが自分に得だということ。

「なぜか仕事がうまくいく教師の7つのルール」(学陽書房)に以下の文章を書きました。

『私の大学院での指導教員は小林学先生です。本当に優しくて素晴らしい先生でした。東京都の高校の教師でしたが、若くして指導主事に抜擢され、そして、文部省の教科調査官になり、筑波大学の教授になられた方です。私が東京都から合格通知を受けた後、その小林先生にどうやったら出世出来るかを聞いたことがあります。その時、小林先生が笑いながら話してくれたことです。

 小林先生は私に、「採用されれば、色々な研修団体の会に参加すると思うよ。その会に出席して受け付けをしたとき、何をする?」と聞かれました。ま、名簿に名前を書いて、会場に移動します。しかし、それでは駄目だそうです。小林先生曰く、受付の人に「何か手伝うことはないですか?」と聞くことだそうです。おそらく、最初は断られるでしょう。でも、二三度申し出ると、仕事を用意して待ってくれます。そして、終われば、打ち上げに参加します。そうすると、今まで出会えない人と会うことが出来る。情報が広がり、より高度な仕事が与えられる・・・・。

 大学の教員は二十代の若手の時から、大校長の飲み会に参加することが出来ます。利害関係が殆ど無いので、私の前では大校長同士が何でも話します。それを横でニコニコしながら聞いていると、使える中堅、そして何よりも使える若手がいないことを困っていることが分かります。学校や地域は、文部科学省や県の事業を受けなければなりません。その際には実戦部隊として動いてくれる人がどうしても必要なのです。ところが、「それを受けられる能力のある」と確信を持てる教員が殆どいないのです。地方の教育サークルの実の参加者は十人もいません。しかし、その中で継続して発表したり、裏方をしたりする人はごく限られています。偉い人は、そこで人を見ているのです。』

 

 自分の職場で、「何か仕事ありませんか」とは言っていると思います。そのような教育はしています。しかし、自分の職場以外に一歩進んで言えるかどうか?そして、自分から仕事を生み出すことが得だと分かるかどうか。

 我がゼミ生でも、そうなのですから、多くの先生方がこのことが分からないのは当然です。しかし、ワンノブゼムでは子どもを守れない。それが分からないのでしょう。守れないとき、社会に恨みを行っても仕方がありません。社会を動かすために一歩を踏み出さなかったのですから。

[]吉祥寺の会 19:41 吉祥寺の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 吉祥寺の会 - 西川純のメモ 吉祥寺の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 11月20日に『学び合い』吉祥寺の会が開かれます。お誘いします。http://kokucheese.com/event/index/438613/

[]君の名は。 18:28 君の名は。 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 君の名は。 - 西川純のメモ 君の名は。 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は人が不幸になること、特に、子どもが不幸になることが大嫌いです。だから、悪人がおらず、みんなが幸せになる番組・映画が好きです。

 「君の名は。」を観ました。

 単純な私は、どんどん作り手の術中にハマり、感情移入してしまいました。最後の方はボロボロ涙を流しました。隣に座っている家内も眼が腫れています。色々な経験を走馬燈のように思い出し、当てはめてしまうからです。観て良かった。

 息子に感想を求めたら「絵がリアルで綺麗だった」です。ま、高校1年の彼にはそれが限界なのかもしれません。

[]教育研究 18:20 教育研究 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 教育研究 - 西川純のメモ 教育研究 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ゼミ生から研究の相談を受けた。実にチャーミングな研究だ。しかし、既存の学会に受け入れられる形に整形すると、その研究の良いところの大部分を捨てなければならない。

 教育学研究は今から30年ぐらい前に変化があった。一言で言えば、実証性を求めるようになった。モデルとしては自然科学。それは良かったと思う。それ以前の研究は、理系の私から見れば噴飯物だったから。でも自然科学には価値観が入りづらい。教育は価値観が入る。もし教育を自然科学的に研究すれば価値観を捨てなければならない。

 教育学は社会科学だ。社会科学は人が、社会が変化してなんぼの学問。ところが、人は価値観無しでは動かない。だから、自然科学をモデルにした教育研究は人や社会を動かせない。実際の教師を動かしているのは、自然科学をモデルにした教育研究ではなく、実践者であり実践書だ。

 両方とも関わっている私としては、どのように折り合いをつけた研究を推進すればいいのか、それが悩みます。

 これに関して、別なことも心配です。

 私の元々の出自は理科教育学です。ところが、理科教育学は理科という教科がなくなったとたんに消滅する運命です。理科は学校教育法に規定されていません。学校教育法施行令にも規定されていません。学校教育法施行規則という省令に規定されているだけです。つまり、国会の審議を受けなくても、文部科学省が決めれば理科という教科は日本から無くなるのです。

 日本人の何割が、理科が必要だと考えているでしょうか?その数は多くありません。特に、中学校、高校に上がるに従って低下します。驚くなかれ、教師達もそう思っているのです。もちろん理科教師は必要だと考えていますよ。しかし、その他の教科の教師は一般人並みにしか必要と感じていません。

 ましてや理科教育学が必要だと感じている日本人はどれだけいるでしょうか?

 最近の改革を見ていると、理科がなくなる、いや、その他の教科もなくなるということは荒唐無稽ではなくなったように感じるのです。

 そんなことを、ゼミ生との対話の後で考えました。