西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

西川純です。新潟県上越市の上越教育大学の教育実践高度化専攻(教職大学院)で『学び合い』を研究しています。諸般の事情で、このブログのコメントは『学び合い』グループのメンバー限定です。メンバー登録は、いつでもOKです。ウエルカムです。なお、メールはメンバー以外にもオープンですので、いつでもメールください。メールのやりとりで高まりましょうね。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。西川研究室はいつでも参観OKです。 詳細は http://www.iamjun.com/をご覧下さい。 もし『学び合い』グループに参加される場合は、 http://manabiai.g.hatena.ne.jp/をご参照ください。
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15/10/18(日)

[]評価 17:28 評価 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 評価 - 西川純のメモ 評価 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 大学教員は助手で採用され、評価を受けて講師、准教授、教授に昇任します。助手の給与は小中高の教諭の給与よりかなり低い。准教授で小中高の教諭と並びます。私も高校教諭から大学に異動したとき、給与は3分の2に減りました。

 その中で昇任するためには、日本学術団体に登録された学会で審査を受けた学術論文を書かねばなりません。そして、学位を取得しなければなりません。それが出来ない人は助手のままです。いや採用されません。人の運不運はあります。しかし、上記に関して抜群の結果を出した人は必ず採用されますし、昇任できます。不遇だと思う人は、少なくとも「抜群」ではないことは確かです。

 今後は年俸制に移行するでしょう。そうなれば、採用されたからといって安泰では無くなります。学生評かを受けなければならなくなります。大変ですね。

 小中高の先生方もいずれはそうなるかもしれません。

 つまり、採用された当初は平均のサラリーマンよりも低い給料なのです。その後、様々な評価、例えば担任クラスの進学実績やNRT、そして、子どもや保護者からの評価によって給与が上がったり、下がったりします。いや、解雇もあり得るのです。

 となったとき、今ほど教員になりたいと思う人が多いとは思えません。そのような評価でも大丈夫と思う人だけが教員採用試験を受けることになるでしょう。そのような人は各県で引っ張りだこでしょうね。私立の教員のように、自分自身を商品として高く売ると思います。

 厳しいですね。でも、基本的に終身雇用は無くなる方向なのですから、それに対応した生き方を生み出さねばなりません。教員も。

[]変化 17:11 変化 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 変化 - 西川純のメモ 変化 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 適正な勤務条件とはどのようなものなのでしょうか?

 それは求める資格、能力、また評価の方法、そして給与や待遇を公開して公募したとき、その応募者が1倍程度になるのが適正な勤務条件です。世の中の価値は授業と供給の関係の中で決まります。

 例えば、イチロウ選手の年収が20億円だとしても、だれも高すぎだとは言いませんよね。

 一方、公務員の給料は高いと言われます。一方、公務員はそう思ってはいません。どちらが正しいかは、正確な情報を公開し、公募したときの応募倍率で分かります。

 でも、多くの場合(公務員に限らず)は情報を公開していない。だから、「ブラック企業」が生まれます。また、教員をやめる人がいるのです。これを避けるためには、情報は出来るだけ公開すべきです。

 例えば、教員を志望することのコストパフォーマンスが低いことが分かれば、応募者は減るでしょう。でも、教員を確保するために待遇を改善する必要があります。その動的な平衡に解があると思います。

 応募倍率が大きくなる必要はありません。適切な能力がある人が1倍いればいいのですから。

[]評価 16:40 評価 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 評価 - 西川純のメモ 評価 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 地方国立大学は安定しています。大学に進学しようとする偏差値60あたりの子どもは何も考えずに、その地方国立大学に進学します。しかし、今後は、大学に進学するか、専門学校にするかを真剣に考えるようになるでしょう。また、どの学部に進学するかを考えるでしょうね。

 教員志望の子は地元志向が高い。だから、教員志望になります。しかし、県によっては教員を選択することのコストパフォーマンスが天と地ほどの違いがあります。

 そのことをちゃんと理解した上で、進学先を選ぶべきですね。アメリカの動きは、大学人には恐ろしい限りです。

http://toyokeizai.net/articles/-/87710

 ただ、評価が難しいなと思いました。おそらく、情報提供しない大学は少なくないですから。また、正確なデータを出すかどうか分かりません。でも、思いついたことがあります。独立法人日本学生支援機構のデータを利用できるのではないかなと思うのです。奨学金をもらった人の割合(第一種と第二種を分けて)と、何よりも返済を延滞している人の割合を使うのです。後者によって投資効果が厳しく問われます。

 このデータが出たとたんに潰れる私学は少なくないですね。

 書いていて、背筋が寒くなる。

 しかし、そうなれば学生の進路を我がこととして考える大学が、さらに、増えるでしょう。

追伸 奨学金を返済している人は約300万人で、約20万人が3ヶ月以上の延滞をしています。おそらく結果はハッキリと出ます。

[]激変する大学受験 09:41 激変する大学受験 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 激変する大学受験 - 西川純のメモ 激変する大学受験 - 西川純のメモ のブックマークコメント

「激変する大学受験」(学陽書房)を11月13日に出します。アマゾンで予約開始になりました。ただし、いつも通り、早く手に入れたいならば、お近くの大きな書店に注文することを勧めます。そして、そうしていただきたい。何故かと言えば、そうしていただければ、その書店で平積みしてくれるかも知れないからです。

 この本は保護者向けの本です。だから、そのように書きました。で、よろしければ保護者に推薦して下さい。

 保守的な学校はなかなか変わりません。何故ならば、逃げ切ろうとする50歳代が権力を握っているからです。それを動かすには外圧が必要です。逃げ切ろうとする50歳代は、教え子の将来は「人ごと」なのです。でも、保護者は「我がこと」です。

 昨日の寺西さんの講演にありましたが、この入試改革に一番アンテナの高い人は小学校高学年の保護者だそうです。小学校の同志の方々、よろしくお願いします。おそらく、高校、中学校の子ども達に読ませるのも有効だと思います。

 今度の本も、同志の方々の武器となるものを意図しました。素手で戦えませんから。

[]冨山の会 09:28 冨山の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 冨山の会 - 西川純のメモ 冨山の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 10月24日に冨山で会があります。お誘いします。http://manabiai.g.hatena.ne.jp/o4da/20151004/1443918962

[]それぞれのアクティブ・ラーニング 08:55 それぞれのアクティブ・ラーニング - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - それぞれのアクティブ・ラーニング - 西川純のメモ それぞれのアクティブ・ラーニング - 西川純のメモ のブックマークコメント

 人口の5%のエリートが必要な能力は答えの無い問題に答えを創造する能力です。これは今のようなPISA型学力(また、二十一世紀型能力)をありがたがっている教育では無理です。これを解決するために人口5%程度の人にアイビーリーグと同様の教育を施そうとして、その選別をしようとしているのが高大接続です。そして、それに対応したアクティブ・ラーニングです。

 欧州のエリート中等教育で哲学に力を入れているのはそこにあります。細かな知識では無く、考え方をトレーニングしようとしているのです。

 ところが95%の人はそのような能力は必要ありません。せいぜい、PISA型学力(また、二十一世紀型能力)です。ただ、その人達に必要とされる能力は、ジョブに直結したPISA型学力(また、二十一世紀型能力)です。

そして、なによりも仲間が必要です。これからの雇用社会において餓死・孤独死しないためにはそれが必要です。それが5%及び95%の人の両方に必要です。

 この二つの違いが見えておらず、チャンポンになっているからアクティブ・ラーニングの姿が見えない。だから、世にあるアクティブ・ラーニングの実践が5%のアクティブ・ラーニングにもなっていないし、95%のアクティブ・ラーニングにもなっていない。

 多くの人は、高大接続の真意を分かっていない。だから、甘いアクティブ・ラーニングで何とかなると思っている。たしかに、大多数の大学は甘いアクティブ・ラーニングで何とか出来ます。だって、その大学の卒業生は答えの無い問題に答えを創造する能力は必要とされませんから。

 しかし、トップ校はアイビーリーグでの教育を取り入れない限り、そして、それに耐えられる子どもを選別する入試をできない限り、潰れます。だから、その学校に入学することを意図しているトップ高校は5%のアクティブ・ラーニングをしなければ潰れます。となると、その高校に入りたいと思う子がいる中学校(即ち全中学校)では5%のアクティブ・ラーニングを取り入れなければならないのです。しかし、困るのはその中学校の子どもの圧倒的大多数は95%のアクティブ・ラーニングが必要です。

 つまり、整理すると以下の通りです。

 偏差値65以上の大学・高校:5%のアクティブ・ラーニング(本当は偏差値66ぐらい何ですが、分かりやすくするために)

 偏差値65以下の大学、偏差値60以下の高校 95%のアクティブ・ラーニング

 偏差値65~60の高校、中学校、小学校 5%のアクティブ・ラーニング+95%のアクティブ・ラーニング

 困ってしまうのは、教育内容なのです。5%のアクティブ・ラーニングでは教科型の知識・技能はそれほど重要ではありません。それらは95%のスタッフが担当しますから。合科型で答えの無い課題を教育内容になります。一方、95%のアクティブ・ラーニングでは教科型の知識・技能が重要になります。だから、「偏差値65~60の高校、中学校、小学校」の学校で何をしたらいいか分からなくなっているのです。それに偏差値65以上の高校も学習指導要領によって教科型に縛られています。

 『学び合い』では問題なく出来ます。

 教育内容は、95%のアクティブ・ラーニングで学ぶべき教科型です。しかし、全員が分かるという答えの無い課題を、集団のトップ2割に与えられているからです。そして、その過程の中で全員が仲間を得ることが出来ます。

 今実践されているアクティブ・ラーニング実践は教師と子どもとの対話が中心です。結果として、教師と子どもは関係を結べるかも知れません。しかし、子どもがつながりを持ち、三十年後、四十年後に餓死・孤独死しないために必要なのは子ども同士の関係なのです。

追伸 話しが発散するので、短く書きますが、もし、地方大学が5%のアクティブ・ラーニングをすればローカルエリートを育てることが出来ます。そうすれば、日本の知の生産力、国力は飛躍的に伸びます。グローバルエリートはおそらく今の改革で生まれるでしょう。しかし、ローカルエリートの養成には目が向いていない。