西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

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15/09/24(木)

[]フェードアウトの仕方 18:28 フェードアウトの仕方 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - フェードアウトの仕方 - 西川純のメモ フェードアウトの仕方 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今考えると不思議なぐらい、若いときからフェードアウトの仕方を考えていたと思います。四十台の前半にはフェードアウトを考えました。考えてみれば、臨床教科教育学会を立ち上げたときから、我がこととして考えていたと思います。

 第一に、研究者としてですが、後継者を育てました。教え子に博士の学位を与え、大学に就職させました。その中には私のかつての専門だった理科教育の認知研究の第一人者もいます。また、『学び合い』研究の次世代もいます。

 次に、次世代を育てる資格である博士○合資格を取得しました。

 以上によって、私はいつでも気楽に研究者としてフェードアウトできます。いま、私の代わりに重い荷物を背負っている教え子には、「町内会の会長と同じで、次の会長を育てたら私みたいになれるよ、ふぉふぉふぉ」と憎まれ口をたたきます。自分が背負えば、私が背負っていたものが重いものだということが分かります。かなりしんどいですが、私より数段上手です。

 次に実践面です。

 まず、理系の私的には当たり前なのですが、自分の名前を冠されることを極力避けました。それは神経質にです。自分の名前を冠されたら、責任が生じます。そして逃げられない。なによりも発展性がない。

 私が名目上の「長」になる場合もありますが、基本的には『学び合い』の会は勝手連です。組織図もないし、規約もない。あるのは理論だけ。これまた教育の世界では希ですね。

 最後のネックは「本」です。これもフェードアウトできそうな兆しが見えてきています。私とは関係なく、色々な人が『学び合い』の本を書き、発展させてくれればフェードアウトできます。そうすれば自分が書きたい本だけを書けばいい。そして教科内容の吟味にシフトできる。

 最近、ある出版社からの本に関して、私がある程度地ならしをした後に、「私はここまでしたから、あとは私とは無関係に進めて下さい。著者の中にも入りません」と申したら、出版社の方がものすごく心配されました。おそらく、私が激怒したために、そんなことを言いだしたのだと思ったのだと思います。でも、私の本心は私と関係なく進むことが大好きなので、それが出来そうだと思ったのでそのように申したに過ぎません。

 私としてはフェードアウトし、誰かの後ろでぬくぬくとしているのが大好きなのです。それだから、四十代の前半からフェードアウトを考えていました。

 あともう少し、あともう少し、と自分に言い聞かせています。

 『学び合い』の同志の方々にお願いです。フェードアウトさせて下さい。私の見るところ、同志の方々の多くに足りないのは、異質な人とのネットワークです。地域で固まらず、色々な地域の人と関わって下さい。お願いします。