西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

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15/05/12(火)

[]残るもの 08:52 残るもの - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 残るもの - 西川純のメモ 残るもの - 西川純のメモ のブックマークコメント

 世の中には名人教師のDVDがあります。しかし、そこから学ぶべきものは、今後は違うように思うのです。

 もし、その教師の授業が素晴らしいのならば、その教師の授業を1年間記録し、それを写せばいいではないです?「そんなことはない」と思われると思います。私もそう思います。では、映像では実現できないものは何でしょうか?思い起こして下さい。次に、それが授業時間のどれぐらいを占めているか?そして、その恩沢に浴せる子どもの数は何人かを考えて下さい。その際に、子どもの名簿を横に置き、一人一人を思い起こして下さい。

 そうすれば、授業の殆どはDVDを見ることで十分であり、それ以外の部分もその恩沢に浴せる子どもの数はごくわずかです。

 となったとき、平均的な教師の授業を1年間受けるのと、名人教師の授業のDVDの映像を1年間見続けるのと、どちらが子どものためでしょうか?

 もちろん、今は映像はごく限られていますし、有料です。しかしです。名人教師が自分の授業の様子を子どもが写らないアングルで1年間記録し、それをネットで公開したらどうでしょうか?その教師が発問し、それに対しての子どもの声は聞こえます。もし、今の授業での教師の発問が数人しか出来ず、その発問によって他の子も学べるとしたら、それで十分ではないですか?

 書店に並ぶ本を読み直して下さい。そこに書かれていることの多くは、というかほぼ全て、その教師の授業を見せれば良いのではないでしょうか?違いますか?

 もちろん違います。では、映像では実現できず、教室という空間を共有している教師だけが出来ることは何でしょうか?

 このことを真剣に考える時期にさしかかっていると私は思います。インターネットが発達し、多様な良質な情報が無料で提供され、学習者がそれを選択できる時代です。タブレット端末が教室に持ち込まれるようになれば、早晩、成績上位層の保護者がそのような良質な情報を授業中に自由に使って欲しいと申し込むようになります。そうなれば、成績中位層の保護者はタブレットの方が良い授業だと判断するでしょう。

 その時に、教師はタブレットに勝てるでしょうか?今の教師の殆どは勝てません。

 では、タブレットに勝るものは何か?

 私は二つあると思います。

 第一は集団をコントロールすることです。第二は、実は第一と一対なのですが、学習者の心に炎を灯すことです。

 昨日の飛び込み授業では、「はいどうぞ」の『学び合い』です。私が具体的に全体に語った時間はごくわずかです。はいどうぞ以降に使った『学び合い』のテクニックもごくわずかです。おそらく1時間目は10回程度の5秒以内のつぶやきと、2時間目は2回程度の5秒以内のつぶやきです。

 授業中、子どもたちが勉強しているところから離れたイスに座っていると、「あの先生の語りは私には出来ない」と何人の方にも言われました。その度に、「でも、私の言っていることはごく当たり前のことでしょ?」とニコニコして応えます。でも、私の語りに何故力があるか?それは、私は自分の語っていることが、子どもの一生涯の幸せに確かに繋がっているという確信を持っているからです。その日の課題が出来るとか出来ないとかのレベルでではなく。そして、一期一会ですが、目の前にいる子どもたちの幸せを本気で願ったからです。

 おそらく「クサイ」とか「また、説教かよ~」という子どもがいるでしょう。当然です。しかし、「この人は本気で信じている」ということを感じ取る子どもも2割います。その2割は周りに影響力がある。だからたった2時間で集団を変えることが出来るのです。

 とは言うものの、殆どの人にとって上記は「剣の道は心」というような訳の分かったような分からない話です。だからまずは素振りです。基本動作を正確に繰り返すしかありません。そして、そのためのマニュアルを用意しています。そして、そのマニュアルには至る所に「心」を忍ばせています。最初は分からなくてもいいのです。でも、そのうちに気づいて欲しいと思います。そして生を参観し、授業者と対話して欲しい。それがインターネット・タブレットが発達した社会において残る教師の職能ですから。

ogymogym2015/05/12 20:28語り、本当に短かったです。加えて、勢いがありました。迷いが無い、そんな印象を受けました。ありがとうございました。

kaopapakaopapa2015/05/12 21:26同感です。ogymさんと入れ替わり?5時間目までで自分の学校に戻りました。
西川先生にも言われました。「これから面白くなるのに・・・」
本当に残念でした。でも、予想もできました。経験者ですから。
ただ、西川先生は、6時間目の初め、何て語ったのか・・・
それにしても、直接お会いするということは良いことですね。
影響を受けやすいのか、明日の授業の課題は、昨日の参観授業の課題を参考に作り直しました。生徒がどう反応するか楽しみです。