西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

西川純です。新潟県上越市の上越教育大学の教育実践高度化専攻(教職大学院)で『学び合い』を研究しています。諸般の事情で、このブログのコメントは『学び合い』グループのメンバー限定です。メンバー登録は、いつでもOKです。ウエルカムです。なお、メールはメンバー以外にもオープンですので、いつでもメールください。メールのやりとりで高まりましょうね。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。西川研究室はいつでも参観OKです。 詳細は http://www.iamjun.com/をご覧下さい。 もし『学び合い』グループに参加される場合は、 http://manabiai.g.hatena.ne.jp/をご参照ください。
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本格的にトライする人も多くいると思います。その際、人とのつながりが大事です。身近にいる人と繋がれるとありがたいですよね。『学び合い』を実践される方は、『学び合い』マップ(https://www.google.com/maps/d/edit?mid=zDInXkSSxyO4.kNDji5uDNm0Y)に、是非、登録下さい。登録は、『学び合い』マップ登録フォーム(http://form1.fc2.com/form/?id=77081b4d4f40dd2f)から出来ます。  「私なんて、人になんか教えられるレベルに行っていない」と思う方へ。だからいいんですよ。一番知っている人が、一番の教え手ではないことは『学び合い』を実践しているならば、子どもを見れば分かるでしょ。それに、教える必要はないのです。共に学び合えばいいのです。いや、愚痴を言ったり、笑ったりする、それでいいのです。  是非、一人でも多くの人がマップに登録下さい。強く、強く、お誘いします。

15/01/31(土)

[]体罰 22:07 体罰 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 体罰 - 西川純のメモ 体罰 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 慌てて補足します。

 私が高校教師時代に生徒の頭をたたいたことがないかと言えば、そんなことはありません。ただ、部活で体罰であると訴えられる状況と違います。

 第一に、私は怒っていません。バカだな~っと思いますが、しょうが無いな~っと思います。そして、けじめのためにやらねばならないな~、っと思ったときにやりました。その際は、普通の表情で普通の言葉で(私は怒っていないのですから)何故駄目かを語り、それ故に頭をたたくことを語り、納得したときに叩きました。

 ちなみに数少ないですが本当に怒った場合、つまり人間的に許せないときには叩きません。顔も見たくない状態なのですから、叩くのも私が汚れるように思うからです。

 私の父は様々の武術の高段者で、リンゴを片手で握りつぶすような人でした。しかし、私が中学生になったとき、これからは「叩かない」と宣言しました。私はキョトンとしました。でも、今は分かります。私もそうです。愛する子どもが反抗し、その結果として殴り合いになるのは絶対に避けたいからです。そして、息子を大人として考え、理屈で話します。思春期の息子が激情しても、私の出来ることは抱いて押さえることです。

 愛する子どもにそうするのであれば、他人の子どもに体罰と訴えられることをするなんてクレージーです。

[]前兆 21:44 前兆 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 前兆 - 西川純のメモ 前兆 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 セクハラの統計が始まってから右肩上がりです。では助平な人が増えたのでしょうか?違います。今も昔も助平な人はいました。ただ、その助平を「セクハラ」という名前で分類できることを知る人が増えたのです。

 文科省が体罰で処分された教員の数が増えたことを発表しました。その多くは部活動中だそうです。これも同じです。教師がやっていることは変わりありません。ただ子どもと保護者の方が「体罰」として認識し、そして訴えるようになったのです。

 我々は「自分だったらどう考えるか」で判断します。ところが、それが効きません。教師になるような人の常識が、世の常識から離れているのです。部活指導で燃える人は、顧問の暴力を愛の鞭と認識し、そして成長できた人です。しかし、今の子どもと保護者は違います。

 これは前兆に過ぎません。最近、何度も書いている「良い子の反乱」が起こる前兆です。今、部活で起こっていることが学習指導において起こるのです。今の一斉指導は、成績上位者と下位者を見捨てています。今のところは下位者が反乱します。しかし学級崩壊は成績上位者が反乱するとき起こるのです。過去の革命を思い起こして下さい。貧民層が反乱しても鎮圧されます。なぜなら貧民層は「自分」のことだけを考え反乱するのです。だから中間層に訴えかける力は無い。でも、エリート層が反乱するとき、中間層が従い、貧民層が武闘派になるのです。

 『学び合い』に対する最大の抵抗勢力は一斉指導のエリートではありません。何の不満もない中間層です。その中間層すらも不満を持つような状況にならなければ状況は変わりません。私の考えるのは、良い子が反乱するとき、どうやってソフトランディングするかです。

 教師に暴言を吐く子が一人ではなく、クラスに5人以上になったら現在の生徒指導が崩壊するシミュレーションを夏頃に出す本に書きました。子どもたちが「殴れてよ、殴れよ、おまえ懲戒免職だぞ」と脅す子がクラスに5人出たら、今の一斉指導での生徒指導のエリートも崩壊します。おそらく今の一斉指導の生徒指導のエリートはその5人だけなら何とか押さえられます。しかし、クラスの上位層が陰で糸を引いたとしたら、解決策は上位層も満足するような授業を毎日しなければなりません。しかし、中の下に合わせた授業では不可能です。そして、上位層を満足させなければ、上位層は中位層をけしかけ、クラスのみんなが下位層をけしかけます。

 今の小学校、中学校の先生方が、最底辺の高校で指導すれば、教師には何も権力が無いことを思い知らされるでしょう。私は採用1ヶ月でそれを学びました。

 中学校の先生は私の知らないような凄い子どもを教えたことがあるでしょう。でもね、集団とした強さを知らない。だから暴力沙汰が起こるのです。最底辺の高校で勤めれば、子どもに体罰をするなんて思いもしません。

[]勉強 19:35 勉強 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 勉強 - 西川純のメモ 勉強 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 土日の午後は、息子は私の研究室で缶詰になって問題を解いています。ゴチャゴチャと私は叱りますが、私の中学生の時代に比べたら天と地、月とすっぽんぐらいの違いがあります。私は本当に勉強しなかった。好きなことを、好きなだけやった。だから、山ほど本を読めたし、様々な音楽を聴いた。が、息子は本は読まず、曲を聴いていません。私の百分の一も無いと思います。尻をたたいている私がやになります。

 全ての教科の人が、これは必要だと声高に主張し、万人に等しく色々なことを求めた結果です。この嫌悪感は、息子が大学に入学するまでどんどん大きくなるのだろうと思います。

15/01/30(金)

[]お願い 22:06 お願い - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - お願い - 西川純のメモ お願い - 西川純のメモ のブックマークコメント

 同志各位にお願いします。

 地方大学の一教員に過ぎない私が、自分に過ぎた願いを持っています。でも、私一人では無理です。今の私の出来ること、それは本を書くことです。だから、とりつかれたように本を書いています。何故書いているか、それは裾野を広げたいのです。裾野を広げれば、本当に分かってくれる人が増えます。

 今、どのように広げたら良いか?今まで相対的に手つかずの部分にも目を向けて下さい。それは保護者と若い学生さんなのです。その方々は、自分が変わらなくてよいのです。だから、良ければ良いと直ぐに認めてくれます。もちろんそうでない人もいますが、相対的に少ない。今後5年間で教員集団は大幅に変わります。私は入門段階の本を取りそろえたと思います。是非、紹介して下さい。興味を持ってくれる保護者もいるでしょう。教育実習で関わる学生もいるでしょう。それぞれの会で出会う人もいるでしょう。その方々が悩むこと、聞かれることのほぼ全ては書き切っています。同志の方の武器を書いたつもりです。広げて下さい。よろしくお願いします。

 私が人に聞かれることの99.9%は以下にあります。(大きなファイルですので時間がかかります。A4版両面印刷で3枚です)

http://bit.ly/1veqXmB

追伸 私が聞かれないけど、私が考えていることは今まとめているところです。

[]無能 21:20 無能 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 無能 - 西川純のメモ 無能 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 いい人といい人が関わって、相互が幸せになれないとしたら、それを繋ぐ私に由来する。が、無能な私に、私はつきあわなければならない。申し訳ないと思うが、大事なのは今後だ。

1212.26.3

toyohashi-starttoyohashi-start2015/02/01 09:36ありがたいことに、春先に大学生1~4年生(50人~100人)に講演する機会がきました。根底に流れるものを伝えたいと思います。

jun24kawajun24kawa2015/02/01 16:15その際は、よろしくね。
その中の5人に伝わればいいのですから。

15/01/29(木)

[]ウルウル 21:21 ウルウル - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - ウルウル - 西川純のメモ ウルウル - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ある方からのメッセージを読みウルウルしています。『学び合い』の最初の感激を感じた方です。そこから色々なことがあり、教材や発問ではなく、教師とは何かを自問する生活が始まればと思います。

1154.27.3

[]東信の会 06:42 東信の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 東信の会 - 西川純のメモ 東信の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 2月15日に長野県上田市で『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。http://goo.gl/Ja0SsM

15/01/28(水)

[]夢 16:27 夢 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 夢 - 西川純のメモ 夢 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私のゼミ生は、ある段階になると私が夢に出ます。その時の私はニコニコしているのです。しかし、そのニコニコがとても怖いと、私に苦情を言います。そんなこと言われても・・・

 私はゼミ生にゼミ生がやらねばならないこと、やらないと損になること、やる方が得なことしか言いません。それがだんだん分かってくると、「やらねばな~」と夢の中で考えるようになると、その象徴として私が出ます。そして、私はいつもニコニコしているので、ニコニコしている私の顔が出るのです。これは「やらねばな~」ということが考えられるようになった証拠ですので、一段階上の段階に到達した証拠でもあります。

 本日、専攻会議がありました。その最初に同僚であるAさんが「西川先生に缶詰にされる夢を見ました。寝起きがとっても悪かったです」と言われました。私は「私はニコニコしていたでしょ?」と聞くとうなずきました。

 Aさんも一段階成長した証拠です。ふぉふぉふぉ

1006.28.1

15/01/27(火)

[]同じこと 21:05 同じこと - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 同じこと - 西川純のメモ 同じこと - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私のところには遠方から色々な人が『学び合い』を学びに来られます。若い学生さんもいれば、若い先生もいれば、中堅・ベテランの先生もいます。教頭もいれば、校長もいれば、事務所長も来られます。小学校の先生もいれば、中学校の先生もいれば、高校の先生も来られます。国語の先生もいれば、数学の先生もいれば、社会の先生もいれば、理科の先生もいれば、技術科の先生も来られます。本当に、ありとあらゆる先生が来られます。

 本日は、東大入学者数で全国に鳴り響いている高校の先生が来られました。しかし、私に聞くことは、みんなと同じです。私が言うこともみんな同じです。『学び合い』は本当に普遍性があるな、と思います。

15/01/26(月)

[]年齢 21:51 年齢 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 年齢 - 西川純のメモ 年齢 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 二十代には二十代の仕事があります。三十代には三十代の仕事があります。四十代には四十代の仕事があります。五十代には五十代の仕事があります。

 二十代、三十代の仕事は、忙しいけど頭を使わなくても大丈夫です。とにかくやればいいのです。ところが四十代になると、他人とどうつきあい、どう「利用」するかがポイントになります。この時点で三十代の仕事のやり方を続ければ、絶対につぶれます。

 五十代になれば、組織運営を考えなくてはなりません。つまり、自分を中心とした他人のネットワークでは無理なのです。それが出来る三十代、四十代の人とどうつきあうかがポイントです。

 有能な人なのに、それが上手くシフトできずに無理を感じる方もいます。誰とは言いません。でも、その方がシフトできないことは日本の教育の損失です。

 花伝書を読むべきだと思います。また、「サイエンティストゲーム」、「続サイエンティストゲーム」、「成功するサイエンティスト」という本を薦めます。以上は若い頃に読みました。今は、本当にそうだと言うことが分かります。各年代の仕事を変えることは堕落のように思えます。でも、もともと自分には出来なくなりますし、自分がシフトすることによって、生きる若手・中堅が増えるのですから、全体的にはメリットがあります。

[]アップ 15:45 アップ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - アップ - 西川純のメモ アップ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 半年分をアップしました。https://www.youtube.com/user/TheNishikawalab/videos

[]広島の会 15:11 広島の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 広島の会 - 西川純のメモ 広島の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 2月7日に広島で『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。http://kokucheese.com/event/index/257806/

[]足利の会 07:18 足利の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 足利の会 - 西川純のメモ 足利の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 2月20日に栃木県足利市で『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。http://kokucheese.com/event/index/248053/

[]先 06:56 先 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 先 - 西川純のメモ 先 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ゼミ生と週1で議論します。ゼミ生のありとあらゆる疑問を、『学び合い』からどう見るかを私が説明します。『学び合い』の理論の適用範囲は広く、夫婦・恋人関係、親子関係以外のありとあらゆることに適用できますから。

 といっても大抵は明日の授業実践に関して質問をします。それに対して、『学び合い』の「ノウハウ」ではどう対応するかを応えますが、それだけにとどまらず10年、20年後の日本社会がどうなっているか、教育はどうあるべきかを延々と語ることは少なくありません。もちろん、若い学生さんにとって今一番大事なのは教員採用試験であり、そして採用されてからの授業であることは分かっています。現職教員にとってもそれは似たり寄ったりです。しかし、そのことを分かった上で延々と語ることは大事だと思っています。

 昔も今も、そして未来も、クラスの世論を決めるのは人の腹を読むことが上手い2割の子どもです。その子は教師の腹も読むことが出来るので、多くは成績上位者です。教師はその子たちをボス・管理者にならなければならないのです。

 その子たちは自分たちの人生において英語で生活することは殆ど無いことを知っています。さて、その子たちに「今後の国際社会において・・・」と本気で語っている教師はせせら笑われます。どうように「基礎的基本的な科学概念」と語る理科教師とか「論理的思考能力」と語る数学教師とか「深い読み」と語る国語教師もせせら笑われます。彼らにとって大事なのは受験であり、全ての勉強は点数を取るためなのです。

 幸い、昔の子どもは勉強するのは大切なことだと素直に思い、先生の言うことに従うべきだと思ってくれています。ところが、親は高学歴になりママ友は教師の品評会をします。そして、その評価はきわめて適切です。塾・予備校が一般化し、ネット教材が広がると、下手くそな教師はそのように評価されます。子どもからも親からもです。そのような時代をゼミ生の若い学生も現職教員も生きねばならないのです。

 そのような時代を生き残るためには、子どもや保護者が考えもつかない先を考え、それをもとにして今日の授業を語れなければならないのです。

 日本の教師の中で、10年後、20年後、30年後の日本社会の姿を語れる人がどれほどいるでしょうか?すみませんが殆どいません。何故そのように断言しているかと言えば、大きな書店に並ぶ本がそれを明確に示しています。それらの多くは明日の授業をどうすればいいか語る本です。それよりもぐっと下がって1年後、2年後の子どもの成長を語る本があります。それ以上先は殆どありません。あったとしても学校教育の範囲にとどまっていたり、「今後の国際社会において・・・」、「基礎的基本的な科学概念」、「論理的思考能力」、「深い読み」のようにその業界の人たちの中では成り立つが、その教科の嫌いな人にはせせら笑われることを語っています。すみません、言葉が足りなかったですね、以上のような本も大事です。私だって市場価値を高めるためにそのような本にしています。でも、私が言いたいのは10年後、20年後、30年後の日本社会はどうあって、だから、明日の授業はどうあるべきかを語れる教師になるべきだと思っています。残念ながら、この手の本が教師の世界で殆ど市場価値がない。だから本には出来ません。だから、ゼミ生にはそれを語り、考えさせたいと思っているのです。

15/01/25(日)

[]一人も見捨てない 18:05 一人も見捨てない - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 一人も見捨てない - 西川純のメモ 一人も見捨てない - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』では「一人も見捨てない」ことを強調します。ただ、誤解されるのは、そうするのは人道的にそうすべきだとか、正しいからそうすべきだということではなく、「得」だからです。「徳」では続きません。安易に人を切れば、個人レベルとしては損になります。安易に人を切ることを容認する集団は損になります。

 我々に無限の時間があり、無限の予算があるならば、徳でいいでしょう。しかし厳然として時間も予算も有限です。だから、個人レベル、集団レベルで値段を評価するのです。

 「一人も見捨てないんだから」何もかも考えずに、全ての時間も予算もつぎ込もうというのは「徳」で考えている場合に出る発想です。

 我々は人付き合いをしているとき、常に損得勘定をしています。それが折り合いです。『学び合い』はその折り合いにおいて、「多様な人」と折り合いをつけることが得であることを子どもたちに経験させています。異質であれば、自分にとっては1のことが、別な人には10の価値があり、逆にその人にとって1のことが自分にとって10の価値がある場合もあります。色々と知って、交渉して、どちらにとっても価値ある取引が出来れば良いのです。

 世の中には、得にならない相手もいます。しかし、その場合でも「一人も見捨てない」という建前を堅持する「ふり」をすることは絶対に大事です。これもおりあいです。

 何事も取引であり、政治です。カリカリしてはいけません。

[]ハイブリッド 07:31 ハイブリッド - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - ハイブリッド - 西川純のメモ ハイブリッド - 西川純のメモ のブックマークコメント

 最近、ある人から「『学び合い』と一斉指導のハイブリッドは出来ないだろうか?」と聞かれました。出来ます。ただし、その方が想定しているものとは違いますが。方法は簡単です。子どもたちにタブレット端末を与え、ネットに接続するのです。インターネット上にあふれるコンテンツを利用すれば良いのです。

 ちなみに、既に西川ゼミでは子どもたちに自作教科書を作らせることが教育的にも価値があり、質の高い自作教科書を作成できることを明らかにしました。だから、コンテンツを作ることを課題にすれば良い。それも一人一つずつ。成績下位層、中の下の子どものコンテンツがとても興味深く、より多くの子どもに意味あるコンテンツになります。

 今までの教育では「子ども」という存在しないものを想定していたのです。『学び合い』では子どもは一人一人違うと思います。だから子どもに選択権を与えるのです。

15/01/24(土)

[]私の作戦 10:41 私の作戦 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 私の作戦 - 西川純のメモ 私の作戦 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 年を取れば取るほど能力は下がります。一方、鼻にもかけなかった若手・中堅が教授になります。偉そうにしていた教授が、どんどん惨めになる姿を三十年間の大学人生活で何人も見ています。

 一方、周りの無理解、ねたみから教授に昇任するのが遅いのに、教授になったとたんに光り始め、退職の最後の年まで光り続ける人がいます。

 両者の違いは、周りの人とのネットワークの違いです。前者の人はネットワークを作れません。従って、仕事は全て自分の中で完結しなければなりません。ところが、自分の能力はどんどん下がっているので、小さく、小さくならねばなりません。

 後者の人は周りの人の助力が期待できます。ネットワークのある人は、そのネットワークの力を求めてさらに多くの人が繋がってきます。だから、本人の能力は下がっているのに、その人の動かせる力は大きくなります。

 ということを学びました。

 ということで私が教職大学院で生き残る戦略は、周りのメンバーの役に立つことです。特に、強面の交渉役が私の役割です。

 教職大学院の教授の全てはその人事において私が貢献していることを知っています。大学管理職と硬軟取り混ぜた交渉によって一つ一つの昇任事案を獲得できまし。もちろん、教職大学院のメンバーは優秀ですので教授に昇任するべき能力は十分にあります。私がやったことは、1年でも、いや、数ヶ月でも早く昇任するような機会を捉え、理屈を考えることです。教授になった人は「まあ、数年我慢すれば昇任できるよ」なんて言いますが、准教授の人の気持ちになれば、数ヶ月でも早く昇任したいと思うのが本音です。

 また、予算や施設に対しても粘って粘って交渉します。

 私は上記のことを「我が事」としてやります。だって、本当に「我が事」だと思っていますから。私は教職大学院でかってきまま(我が儘)にやらさせていただいています。他の方よりも多くの人が西川ゼミを希望し、他の方の5~十倍以上の予算を獲得しています。しかし、それでも居づらいことはありません。それは他のメンバーが心優しいことはもちろんですが、私の上記の貢献を認めてもらっているからだと思います。

 私は今後とも自分の思うとおりにバンバンやりたい。だから、自分の出来る貢献を必死にやります。自分のために。なお、他の教授も准教授を守ろう、もり立てようとする気持ちは同じで、准教授の皆さんはそのことを理解しています。だから教職大学院は最高の軍団になっているのです。ただ、私の場合は汚れ役担当なのです。

 ちなみに、私としては私の役割を出来る人を育てるのが次に作戦です。そうすれば強面の交渉役に私がならなくても、その人の耳元に囁けば良いのです。そうすれば優しい温厚な老教授になれます。ふぉふぉふぉ

15/01/23(金)

[]志 23:51 志 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 志 - 西川純のメモ 志 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日、ある方と飲んだ。そして、再確認した。有能であると認められることはたやすい。しかし、有能であると認められ続けることは困難です。

 男の嫉妬は、女の嫉妬よりも本気で、継続的です。その嵐の中で伸び続けるのは至難の業です。どうすればいいか、大義を見つけ、大義の中で生きることです。そして、分かってくる偉い人を見つけ、その人の意見を素直に受け入れることです。

 これが出来る人は少ない。

15/01/22(木)

[]実況中継 22:11 実況中継 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 実況中継 - 西川純のメモ 実況中継 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 我が専攻の専攻会議をUstreamで実況中継したい思いに駆られることが少なくありません。私は全国の人に自慢したいのです。こんな楽しい会議を毎週やっている教員集団はどれだけいるのだろうかと思います。専攻会議の中でどれだけ爆笑が生まれるか。同時に徹底的に議論することがあります。しかし、どれほど議論しても人の否定にはならない。あくまで学生さんのためにどのようにしたら良いかということを議論しているのです。だから、結論が出れば、それで終わり。

 こんな職場、そうないですよ。ふぉふぉふぉ

[]許容力 22:01 許容力 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 許容力 - 西川純のメモ 許容力 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 我が専攻には色々な人がいます。当然のことながら圧倒的大多数は非『学び合い』です。が、それが気になりません。我々が注目しているのは教職大学院の院生さん、また、学部の教職デザインコースの学生さんの幸せです。異質であるけど、それは一致している。そして、異質であるけど、互いに人として教師として信頼しているし愛している。

 『学び合い』に反対する人が大人のルールを逸脱する罵詈雑言をネットで流しています。我々の中でそんなことはありません。我々にとって重要なのは「子ども」ですから。

 上越教育大学、いや、教員養成系大学最強の集団だと思っています。

[]飲み会 21:29 飲み会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 飲み会 - 西川純のメモ 飲み会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日は専攻の飲み会です。おそらく、大学の先生が組織の飲み会をすること自体まれのように思います。そして、これほど面白いメンバーが集まる飲み会もまれでしょう。我が教師職大学院の最大の売りはスタッフだと思います。

[]書類の山 21:27 書類の山 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 書類の山 - 西川純のメモ 書類の山 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日は文科省への書類の山に埋もれていました。本日、やっと復帰しました。ということで数ヶ月ぶりにアップなしの日になってしまいました。私がそうなるほどの書類の量だと言うことです。ふ~

15/01/20(火)

[]厳しい結果 21:19 厳しい結果 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 厳しい結果 - 西川純のメモ 厳しい結果 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 我々にはあるデータがあります。ある意味で、我々の中では分かっていたことです。

 学校で『学び合い』をしようとする場合、したくない人はしなくてもいいのです。したくない人に『学び合い』をしいても、『学び合い』は心でする授業ですので絶対に出来ません。あくまでもやってみようかなと思う人からやり始めます。従って、学校の中で『学び合い』の取り入れ方に濃淡が出来ます。

 複数の小学校でQUテストを実施しました。そして週1以上やっているクラス、月1以上やっているクラス、殆どやっていないクラスで分類しました。その結果、週1以上やっているクラスは満足群が全国平均より遙かに高く、不満足群は全国平均より遙かに低いのです。一方、殆どやっていないクラスは満足群が全国平均より遙かに低く、不満足群が全国平均より遙かに高いです。

 その結果を『学び合い』の効果だけではないのではないか、と解釈することは可能です。当然の意見です。『学び合い』の効果であることは、別なデータで出すことは出来ます。ただ、この段階でも言えることがあります。

 ポイントは殆どやっていない小学校のクラスは満足群が全国平均より遙かに低く、不満足群が遙かに高いのです。『学び合い』を殆どやっていないのですから『学び合い』の効果ではありません。本来は全国平均になるはずです。ところが良くないのです。そのことから言えるのは、とても言いにくいことですが、『学び合い』で学校で取り組もうとしたときやらない担任のクラスは満足群は全国平均より低く、不満足群は全国平均より高いのです。

 繰り返しますが、これは『学び合い』の効果ではありません。なにしろ殆どやっていないのですから。

 研究主任や学校管理職をおやりになった方だったら、私の書いていることがおわかりでしょう。そしてそれ以外の方も。それを実証的データで出してしまいました。

[]相性 06:46 相性 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 相性 - 西川純のメモ 相性 - 西川純のメモ のブックマークコメント

学び合い』を実践していると、教師には手のつけられない子が、何故かある子と相性が良く、問題行動が無くなることはよくあることです。教師が自閉症スペクトラムの子どもと相性が良いとは限りません。しかし、三十人の中にはそのような子がいる可能性があります。さらに言えば、合同『学び合い』で数百人で共に学べば、その様な子を見いだせる可能性は高い。http://www.excite.co.jp/News/column_g/20150106/Mediagong_6459.html

15/01/19(月)

[]オールマイティ 19:36 オールマイティ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - オールマイティ - 西川純のメモ オールマイティ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 息子の勉強している背中を見ながら自宅パソコンで仕事をしています。そして、息子の集中が途切れていることを後ろ姿から見取ると注意します。やになります。

 息子が今やっている勉強は、息子の将来に役立ちません。息子の興味関心の赴くままに本を読ませ、経験をさせた方が息子の将来に役立ちます。が、日本には受験があり、その受験を通らないならば将来の入り口に立てない。少なくとも入り口に立つのは難しくなるし、その後も苦労が多い。馬鹿馬鹿しい内容であるが、それを乗り越える能力があるかどうかは受験で問える。しかし、一人一人の才能を殺してしまう可能性がある。

 小説家になる才能のある子に微積分を教えて何が意味があるのだろうか?

 フィールズ賞を獲得できる子に「あり、おり、はべり」を教えて何が良いがあるのだろうか?

 無いとは言いません。しかし、有限の資源を配分するとき、効率が悪い。その時間に多くの小説を読ませ、多様な人生経験をした方が良い。その時間に問題を解かせ、大学の数学の本を読ませ、大学の数学者と議論させた方が良い。これは他の方面に行く人だって、そうです。

 また特別な支援を必要な子どもの場合はもっと深刻です。その子の才能を見いだすことにもっと時間と手間をかける必要があります。全てにおいて健常児並みのことを目指しても無理だし、結局役に立ちません。そして、それによって自分は駄目だという気持ちを持たせてします。彼らの出来ないことを受容し、むしろ彼らの得意なことで活躍できる場面を多くした方が良い。

 日本中で国の宝の子どもたちが、無意味なことにその時間をエネルギーを消費している。

[]意味が無い 19:36 意味が無い - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 意味が無い - 西川純のメモ 意味が無い - 西川純のメモ のブックマークコメント

 これこれは大事、というのはとても簡単なことです。少なくとも、その教科の中で生きていくことだけだったら。でも、これも大事、あれも大事とみんなが言い立てれば、結局、総花的なものしか出来ません。そして、その被害は子どもたちに行く。

 その教科の中の人が、これはそれほど大事では無いと言う勇気を持つべきだと思います。

 ちなみに、それを研究者生活のごく初期から私はやっています。

西川純、小林学(1985.10):戦後の経済・産業界の教育に関する要望・意見の変遷、科学教育研究、9、日本科学教育学会、100-106

西川純、新井郁男、熊谷光一、田部俊充、松本修(1997.8):生涯教育から見た各科教育、学校教育研究、12、日本学校教育学会、136-147

西川純、新井郁男、熊谷光一、田部俊充、松本修(1998.7):生涯教育から見た各科教育(その2)、学校教育研究、13、日本学校教育学会

西川純、北島克浩(1999.3):保護者から見た理科への評価、科学教育研究、23、日本科学教育学会、50-58

西川純(1999.9):「学ばなければならない科学」からの脱皮、科学教育研究、23、日本科学教育学会、382-384

 このような主張が大事であることを認めるのは一般的に嫌がります。でも、それが大事で望まれているのかは、自分に置き換えれば自明です。例えば、学校での書類です。あれも、「これは大事」と言う人ばかりで、それは大事では無いと言う勇気をみんな持たないために現状があるのです。

 河野太郎という人は上手いことを考えました(http://www.taro.org/2014/11/post-1546.php)。こんなことを我々がしなければならないのです。

 これこれは大事、というのはとても簡単なことです。少なくとも、その教科の中で生きていくことだけだったら。

15/01/18(日)

[]考え方 10:01 考え方 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 考え方 - 西川純のメモ 考え方 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』は考え方です。様々な方法は、その影に過ぎません。しかし、考え方を語っても、その深みは分からない。だから、私は影である方法を本では中心に語ります。影である方法から入ることは当然です。私だって『学び合い』の考え方がどれほど深いかを知るのは十数年かかかりましたあら。

 『学び合い』の考え方が腑に落ちているか、いないかは『学び合い』が上手くいっているときは分かりません。しかし、上手くいかなくなったときにそれが分かるのです。『学び合い』を方法ととらえている段階(本人が考え方のレベルだと思っていたとしても)は、方法の改良(実は改悪)によって問題を乗り越えようと思います(テクニックの罠)。しかし、『学び合い』を考え方で理解している人は、学校観と子ども観で問題を分析します。そして他人は変えられないのですから、自分の心を問い直します。

 では、どうやったら考え方としてとらえられるか?二つあると思います。

第一に、人とのネットワークを持てるか否かなのです。『学び合い』の考えがどれほど深いかを実感するのは、『学び合い』が上手くいかなくなったときなのです。ただし問題の当事者である本人は分からないのは普通です。自分を合理化したいと思うのは当然です。そんなとき、『学び合い』実践者から岡目八目で相談することが有効です。自分は『学び合い』の考え方で解決できなくとも、他の人の悩みは岡目八目でみられるので考え方で分析することが可能なのです。

第二に、「一人も見捨てたくない」という願いです。

 横並びでいれば楽です。上手くいかなくても、「子どもが悪い」、「保護者が悪い」、「地域が悪い」、「校長が悪い」と合理化すれば同僚はあなたを責めはしません。そこでも踏ん張って何とかしようと思うエネルギーは、つまらなそうにしている子ども、びくびくしている子どもに対して何とかしたいと思う気持ちなのです。

 しかし、それを全ての教師に求めるつもりはありません。私は子どもを見捨てたくないけど、教師も一人も見捨てたくない。だから、そのような気持ちがない人であっても続けられる状況を作りたい。だから、毎日、全国からのお悩みメールに応え、ブログ・FBで情報を発信し、全国に出張し、本を書き続けています。それが私の出来ることなのです。そして、そういう人を増やすことによって、私はどんどんフェイドアウトできる。

15/01/17(土)

[]2月発刊予定 07:38 2月発刊予定 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 2月発刊予定 - 西川純のメモ 2月発刊予定 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 あと5日で「子どもたちのことが奥の奥までわかる見取り入門(明治図書)」が出ます。一足先に届いた本を評価に厳しい閣下に渡したら「これはいい!」と褒められました。直ちに「これは」ではなく「これも」だろ、と突っ込んだのですが、本の構成がとても良いそうです。さんざん、うんちくを語ったので、最後に、「じゃ、あなたの本、期待しているよ」と突っ込みました。

 何度も書きましたが、アマゾンは発刊直後は品薄になりますので、お近くの大きな本屋に頼むことを勧めます。

 さて、1月も半分過ぎたので2月の発刊予定です。

 まず、お詫びです。「『学び合い』で「気になる子」のクラスがうまくいく!(学陽書房)」ですが、最後の最後の段階でミスが見つかり、その修正のため2月にずれ込みました。2月上旬の予定です。とにかく、感動ドラマだと思っています。

 これ以外に4冊出ます。

 一冊目は「子どもが夢中になる課題づくり入門(明治図書)」です。『学び合い』をやり始めようとする直前、そして直後に一番聞かれる質問は「課題づくりはどうしたらいいのですか?」なのです。実は本当の答えは「どうでもいい」なのです。でも、それをいきなり言うと意味が不明なので、まずは簡単に『学び合い』の課題を作るテクニックを教えます。その後、子どもの反応を見つつ、課題のツボどころを説明します。『学び合い』をやる前に大事だと思ったことは実はどうでもいいことなのです。その代わり、『学び合い』をやる前には考えたこともない、でも、本当は一斉指導でも絶対にすべきことが大事であることが分かります。そのことは一斉指導だと考えなくても授業らしきものは出来るので意識しないのですが、『学び合い』では絶対に必要なので意識します。このことを意識できることは一斉指導においても大事なことです。

 二冊目は「簡単で確実に伸びる学力向上テクニック入門(明治図書)」です。『学び合い』を1ヶ月も実践すれば人間関係の向上の成果を感じられるのはたやすいことです。そして、一見何もしないと思える授業なのに成績が下がらないことにビックリするでしょう。実は、一斉指導は大多数の子どもにとってあまり意味が無いので、それを無くしても下がらないのです。

 事実に基づく笑い話に、こんなものがあります。ニューヨークの医者がストをしたそうです。ところが、しばらくして自主的にストをやめました。理由は何だと思いますか?

 理由は死亡率です。スト中の死亡率が低下してしまったのです。このままストをし続けると、それが表に出てしまうのでストをやめたそうです。

 さて、下がりませんが、上がらない人がいます。私の本では『学び合い』で抜群に上がると豪語しているのにです。何故でしょう。成績を上げようとして課題をいじくり始めます。そうすると『学び合い』の根幹が揺らぎ、『学び合い』が崩れてしまうのです。

 『学び合い』は成績を抜群に上げることが出来ます(きっぱり)。ただし、そのためには私が本に書いているとおりのことをやって欲しいのです。たいていの人は常識人です。私の本で書いていることを100%はやりません。どこかで「まあ、そこまでは」とストップがかかってしまうのです。しかし、それでは抜群にあげることは出来ません。

 何故学力が上がらないか?それは「学力とは何か?」ということをちゃんと考えないからです。何故考えないかといえば、それが抽象論に陥ってしまうからです。でも、本当の理由はそれをちゃんと考えれば、自分が考えていた「学力」というものがとてもつまらないものであることを分からなければならないからです。

 しかし、学力をあげようとするならば、まずは学力はつまらないものだと認め、それに対する対策をすることが必要です。それさえすれば、抜群に上がります。何故なら、学力を上げる伸びしろが一番大きいのは成績下位層なのです。その下位層を動かす力は教師にはありません。あるとしたら同級生です。だから『学び合い』だと抜群に上がります。

 そして、「学力」はつまらないと分かると、その先の「学力」が見えてきます。それが次の学習指導要領が求めているアクティブラーニングとも一致する学力です。

 従って、この本は入門者用の本であると同時に、中級者用の本とも言えます。

 三冊目は「新任1年目を生き抜く 教師のサバイバル術、教えます(学陽書房)」です。これは「なぜか仕事のうまくいく教師の7つのルール(学陽書房)」の基礎編に位置づけられます。

 教師人生で一番大変な1年は、絶対に新任1年目だと思います。私は大学院を修了して最初に勤めた学校が暴走族だらけの学校で、私の担当は物理なのです。そんな極限状態を生き残ったノウハウがあります。私のゼミ生には色々なことを口伝で教えています。ゼミ生にはスーパーマンになることを期待していません。無理ですから。結局、上手い手の抜き方、他人の頼り方がポイントです。章立ては「教師という職業はとてもよい仕事です」、「最初の1ヶ月でやるべきこと」、「2週間でできる短期授業力向上法」、「最初の3ヶ月でやるべきこと」、「最初の1年でやるべきこと」、「2年目以降でやるべきこと」、「過労死ぜず、教師として幸せな人生を生きるため」です。

 ゼミ生には話していることなのですが、全部を聞いた学生はいないと思います。ゼミ生に語るつもりで書きました。今までゼミ以外では語らなかったことです。もちろん、経験2年以上たった方も、有用ですよ。だって、この手のことは誰からも教えてもらっていないと思います。昔は先輩から教えてもらっていたことが絶えてしまいましたから。

とにかく1年間を生き抜くために、最初の1ヶ月でやるべきこと、3ヶ月でやるべきこと、1年でやるべきこと、3年でやるべきことが具体的に書かれています。新任や若い方を対象としていますが、中堅の方が読んでも役に立つと思います。

 現在、クビになっている教師は四十代後半なのです。そうなる前に二十代後半、三十代の方ももう一度初心に戻って再出発することが二十年以上生き抜くために絶対に必要なことです。

 最後の四冊目は「『学び合い』を成功させる教師の言葉がけ(東洋館出版社)」です。言葉がけについては今までも何冊もの本に書きました。『学び合い』の言葉がけとは何なのかを理解するにはその本が役立ちます。しかし、現実に今日起こった問題に対して、どんな言葉がけをしたらいいのかは、頭が熱くなっているので前に読んだ本の中にあることが忘れてしまいます。私のところに来る相談メールの3分の1に対しては、具体的に説明した後に、「○○の○ページをお読み下さい」と書く場合があります。しかたがありません、問題に直面した状態はどんな人間も視野狭窄になりますから。

 この本は問題別に整理されています。だから、この本があれば、直ぐにどのように言葉がけをすれば良いかが分かります。そして、その場で言葉をかけ、子どもがどのように変容するかを見れば、言葉がけの意味が深く心に刻みつけられます。

 土日に書店にお寄りいただいたとき、ご注文いただければと思います。

15/01/16(金)

[]息子帰る 21:18 息子帰る - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 息子帰る - 西川純のメモ 息子帰る - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今、食事を一緒に食べました。30分ぐらい息子が話し続けます。面白い。こんなに親にしゃべる男子中学生は多くないだろうな、と思います。少なくとも、私はそんな中学生では無かった。

[]息子帰る 19:15 息子帰る - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 息子帰る - 西川純のメモ 息子帰る - 西川純のメモ のブックマークコメント

 スキー合宿から息子が帰ってきました。3日間、徹底的にスキー三昧なので疲れています。しかし、楽しい経験が多かったようで、ご機嫌な顔です。よかった、よかった。

15/01/15(木)

[]実験 22:39 実験 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 実験 - 西川純のメモ 実験 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 理科の学習指導要領には「観察、実験を通して」という言葉がいっぱいあります。従って、観察、実験をしないことは駄目です。だから0は駄目ですが、10やるか、100やるか、1000やるか、それとも1やるかは学校・教師の裁量権なのです。

 以下で書くこと、それは理科の教師がいやがることを書きます。

 理科には「実験教」という宗教があります。とにかく、観察・実験をすることは良いことだという宗教です。それが証拠に理科の研究授業の十中八九は実験をぶつけます。とにかく理科教師は実験が大好きです。しかし、そもそも観察・実験が意味あるのでしょうか?今のところ、それが有効であるというデータを私は知りません。私の知っているのは、観察・実験は有効だとして、より有効にするにはどうしたらいいかという研究はあります。しかし、これすら少数です。多いのは子どもにとって有効であるということは証明せずに教材開発をしている研究です。

 ところが科学史研究の示すところ、認知心理学で示すところ、から言えば、観察・実験は有効ではありません。正確に言えば、理科が得意な子どもにとっては有効ですが、そうでない子どもにとっては有効ではありません。そして理科教師は理科が得意な子どもだったので、自分の経験から良いことだと思い込んでいるのです。

 最近、ある先生に理科授業では観察・実験はそれほど有効では無いよ、といいました。そうしたら「西川先生がそれを言ってはお終いですよ」と言われました。私は「じゃあ聞くけど、観察・実験を十分にやったが受験の結果を出せないのと、観察・実験はそこそこに押さえて受験の結果を出せるのと、どちらがいい?」と聞きました。その方は後者を選びました。受験というものを正しく理解すれば、観察・実験は重要ではありません。その時間を別な時間に費やした方が良い。

 残念ながら、理解するために観察・実験は有効で無いことは、科学誌の示すところ、認知心理学の示すことから明確です。ま、実験が大好きな人は、それを理屈では無く感情的に認めないでしょう。ただし、それを覆す学術的なデータを知りません。そうでしょう。学術的は観察・実験は有効では無いのですから。だから「観察・実験を十分にやったが受験の結果を出せないのと、観察・実験はそこそこに押さえて受験の結果を出せるのと、どちらがいい?」ということを子どものためにちゃんと考えて、判断する必要があるのです。

15/01/14(水)

[]二人 21:27 二人 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 二人 - 西川純のメモ 二人 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日は息子がスキー合宿です。ということで、今日は家内の二人。

 家内は寂しがっています。でも、いっぱい話せました。私は楽しい。老後の準備体操です。明後日、息子が帰ったら、いっぱいだっこしてチュチュしてやろう。

[]画期的 07:04 画期的 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 画期的 - 西川純のメモ 画期的 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 「THE 教師力アップ~若手教師編~」が明治図書から刊行されます(http://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-347220-5)。この本は画期的だと思います。というのは同志の今井さんの名前があるからです。何故画期的かというと彼は高校教師だからです。

 私が高校教師だった頃、「教育の研究をするのはバカのやること。基礎を押さえろ」という理学部、文学部等の教えのままの教師ばかりでした。理科教師が読むのは純粋科学の本を読むことが良きこととされていました。ということで、高校教師向けの実践本は「皆無」です。これは今もそうです。

 ところが今は状況が変わっています。高校で研究授業があるという話を院生さんから聞いて腰を抜かしました。な、なんと・・・・。『学び合い』の会でも高校教師が頑張っています。授業改善を教育方法から見直す高校教師は増えています。

 今までも、私の本で高校教師の実践者の実践記事を載せようとしましたが、出版社は難しいです。なにしろ中学校教師ですら難しいのですから。しかし、この分野の切り込みは大事だと思っていました。さすが堀さん、慧眼に敬服すること大です。ま、高校だどうのこうのは堀さんの眼中には無く、それよりも上のことをお考えなのでしょう。

 教科を横断する学会に参加すると、発表者が変わるごとに聴衆が大幅に変わります。理由は、参加者の大多数が教科や学校段階に拘っているからです。しかし、本当に大きな情報を得たいならば、わざと違う教科や学校段階の発表を聞くべきなのです。しかし、それが分かっていない人が多い。高校教師の実践から小学校、中学校の教師が得ることは多いはずなのです。そんな常識を広げねばと思います。

 いずれにせよ、元高校教師の私として、また、教師になるかを今井さんと何度も長い時間話し合ったオジサンとしてはきら星のような実践者と並ぶ彼の名前は嬉しい限りです。

 読んでいませんが、読んでみれば、教科や学校段階ごとの違いより、共通点が多いことが分かると想像します。なによりも思いが大事であることが分かると思います。とても楽しみです。

追伸 本シリーズは学校段階に拘っておらず、高校教師が執筆者に含まれている本があります(例えば「新採用教師」)。ちなみに最初に出た「教師力」に私も混ぜていただきました。きら星のような方々の中に研究者の私を混ぜていただいたことを光栄に思っています(http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20130903/1378209836)。

15/01/13(火)

[]業務連絡 22:04 業務連絡 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 業務連絡 - 西川純のメモ 業務連絡 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 OBOG

 以下に応募しては?額は小さいけど、トライして損はありません。それで、他県の会に参加したりすることが出来ます。お勧めです。

https://dl.dropboxusercontent.com/u/352241/temp/oubo.zip

[]似ている 21:26 似ている - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 似ている - 西川純のメモ 似ている - 西川純のメモ のブックマークコメント

 我が息子はイケメンです。私は自称イケメンですが、息子は正真正銘のイケメンです。スタイルも抜群です。なんで私の息子がこんなイケメンなんだろうと、思います。

 ということで、今まで息子が私に似ていると言われても、「そうかな?」と思いました。

 本日、VTRで記録されている結婚式の映像をDVDに落とします。そのために昔の私の姿を見ました。緊張して、もっともらしい表現をしています。ところが、ちょっとした目の動き、何かを言われたときの仕草、それが私そっくりなのです。「へ~」と思いました。

 ということで、息子は私に似ているということを感じました。ということは、私も息子レベルのイケメンだったと、再確認しました。

 ふぉふぉふぉ

15/01/12(月)

[]見取り 21:58 見取り - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 見取り - 西川純のメモ 見取り - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今度、見取り入門の本を出します。その本に書いた私が息子の勉強を見ています。そうなると、肩の動き、頭の動きで、遊んでいるか考えているかが手に取るようです。息子に言います。「私は子どもの動きで心を見破ることで本を書いている人だよ。だから、私をごまかそうとしても駄目」と。後ろから見ると色々なものが見えます。ちょっとでも気を許していると、「ん?」と聞こえるようなつぶやきを発します。そうすると息子の行動が変わります。

 可愛そうにな~っと思います。本当は同級生から言われた方が良いのに。テレパシー能力(?)のある父親と一緒に勉強するより、普通の能力の人と一緒にやった方が良いに決まっています。

[]高知の会 21:30 高知の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 高知の会 - 西川純のメモ 高知の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 1月17日に高知県の四万十市で『学び合い』の会があります。四国ではまれな会です。お誘いします。http://goo.gl/w05a3N

[]成人 19:30 成人 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 成人 - 西川純のメモ 成人 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ソーシャルネットワークを通じて、色々な方が成人式を迎え、子どもが迎えた方がおられる。息子はあと6年先です。どんな青年になるのかな~っと思います。

 本日も、息子の尻をたたいて勉強させていました。

FlipperKFlipperK2015/01/12 19:54うちの長女はあと3年です。だんだん切実になってきました。

jun24kawajun24kawa2015/01/12 19:56あ、特に女の子の場合は、複雑な心境ですね。

daitouirukadaitouiruka2015/01/13 04:51会のご紹介ありがとうございます。
セミナーでは質問にお応えいただきありがとうございました。
「もし、先生が市会議員や県会議員になったとしたら教育行政でどのような政策を打ち出すか」
に対してのお応えは興味深かったです。

jun24kawajun24kawa2015/01/13 06:50内容に踏み込んだら、いくらでもごまかせます。単純な評価指標を厳しく適応する。それが行政が出来ることです。

15/01/11(日)

[]次 21:02 次 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 次 - 西川純のメモ 次 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 この頃、本を本当に読まなくなりました。他の仕事が忙しい、老眼になったという理由もあるのですが、もっとも大きな理由は別にあります。それは、今後の教育学研究において大事になるものは何であるかがハッキリしているが、それを今から手を出すには私の能力と年齢が低く、短いのです。だから、今の私が出来る範囲内のものを吸収し、そして、それをアウトプットすることに力を注いでいる。

 でも、ハッキリと私には今後の教育学研究の未来が見える。いや、その方向に転身しない限り、じり貧になることは自明です。だから、このことは若い人に知って欲しい。そして「そんなもんかな~」と心にとめて欲しい。

 今後の教育を考える上で、大事な視点が二つあると思います。一つは、「個人が個人として主張する時代になった」ということと「社会の変化が早く、かつ、継続的に変化し続ける」ということだと思います。

個人が個人として主張する時代、それに対応しているのが『学び合い』です。つまり、今までは「子ども」というおおざっぱな扱いで良かったのが、一人一人の子どもと保護者が自己主張をし始めたのです。さらに、子どもたちが学校や教師よりも良質な教育を提供するツールを多様に持ち始め、どんどん安価になり、多様性を持ったのです。だから、学校にそのような子どもや保護者をコントロールする力はありません。

 私が若い頃は心理学を武器に論文をどんどん書きました。心理学は「人間」の平均的な心理傾向を明らかにします。また、いくつかのタイプ別の心理傾向を明らかにします。ところが、個人レベルのことに関してはお手上げです。だから、集団としてどのように管理するかが重要になるでしょう。『学び合い』はある到達点に達したと思います。今後、さらに発展するとしたら、社会心理学や経営学や経済学等を利用する必要があるでしょう。(ま、ミクロ分析に走って役に立たない研究は生まれるでしょうが・・・)。

 「社会の変化が早く、かつ、継続的に変化し続ける」ですが、『学び合い』以降に私がやりたいことです。この最初の段階だったら私でも手をつけられるからです。

 社会の変化が早い、ということは明治維新でもありました。ただ、今後は明治維新並みの変化がずっと続くと思っています。社会の有り様は人口構成によって決まるとドラッカーは看破していますが、私もそう思います。日本の人口構成は諸外国が経験したことの無いことです。そして、その傾向は数十年間変わりません。おそらく海外からの移民問題も真剣に検討されます。そうなったら日本というアイデンティティが問われます。技術革新も早くなりました。私の時代には新日鉄が花形でした、今となっては笑い話です。でも、それが十年単位で起こるでしょう。つまり、一人の人間が一生涯の中で全く異質な仕事を経験する時代になるかもしれないのです。

 変化が激しいとき、集団は多様性を高めることが安定性を高めます。メンバーが多様であり、かつ、ネットワークを組めば乗り越えられます。例えば、今はどんな大学でも英語が必須になっています。しかし、機械翻訳が本学的になったとき、それがどれほどの意味があるのか分かりません。でも、そうならないかもしれない。だったら、日本の子どもたちの全て、その貴重な時間とエネルギーを英語に強いることには危険性があります。まあ、2割程度の子どもがそれなりに英語が使え、5%ぐらいが堪能であれば良いと思います。これは、ありとあらゆる教科も同じです。であれば、現状の殆どの子どもが普通科高校に進学するというシステムが間違っています。

 では、我々日本人が全員獲得すべき能力は何でしょうか?私は日本人としてのアイデンティティだと思います。もちろん単純な愛国心とは異なります。我々は仲間だという意識を持つことです。その仲間意識が結果的に愛国心に繋がるかもしれませんが、国のために個を捨てよではなく、個を生かすために国があって欲しいと多くの個が思うようなアイデンティティだと思います。

 それはコミュニケーションだと思います。そしてその中心は国語だと思います。国語こそ日本のアイデンティティだと思います。ただし、今の国語とは別な姿を想定しています。それは生の人と繋がる国語です。誰に書いているの分からないような作文、日常生活では絶対に使わないような「つけたしで」と言わせる論理的な説明、一生涯つかわないであろう「あり、おり、はべり」を覚えさせる、そんな国語ではありません。

 今でも新鮮に読める方丈記や花伝書を現代文で読ませたい。子どもたちが地域や年齢の違う人と話せて、伝わる文章を書けるようになり、それによって実際にすばらしい成果を上げるようなコミュニケーションを経験させたい。

子どもたちがどのような人、どのような組織と一緒になってプロジェクトを組むことによって、どのような成長をしたかという事例が集積され整理される。それが教材開発になるのです。

 あ~、書けば書くほど、指は早く動き、夢広がる。

 が、現状は、『学び合い』の初心者を増やすことです。ただ、私の頭の中にはそんな妄想がうごめいています。

 では、教員はどうあるべきか?特に、今、20代、30代の人はどうあるべきか?それは「個人が個人として主張する時代になった」ということと「社会の変化が早く、かつ、継続的に変化し続ける」を理解し、その中で自分がどうなるべきかを考えるのです。一つ確かなことが言えます。多様な人と繋がることです。学校種を超え、教科を超え、学校という村を越え、そのネットワークが力になります。そのようなネットワークを持つためには、学校種を超え、教科を超え、学校という村を越えた志を持つべきなのです。

 このまま書くと、終わりが無いので、とりあえずここで。

[]ハート 14:27 ハート - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - ハート - 西川純のメモ ハート - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日は臨床教科教育学会がありました。そこで考えたこと3つ書きます。

 私は学力的に最底辺の学校の教師として教員人生を始めました。その後、大学に異動しました。大学に異動してからは論文を書きまくりました。私はおそらく教科教育学で一番論文を書いた研究者です。そして、数多くの学会から賞をいただきました。しかし、私の心は満たされなかった。なぜならば、自分の書いた論文が本当の子どもの役に立つとは思えなかったからです。学術論文を書くためには本当の子どもを捨てて、「子ども」という抽象的な存在として分析します。そこから出てくる結果はスッキリとしたものですが、私が高校で教えた生の子どもから離れてしまいます。

 抽象的な研究の意味を否定するわけではありません。基礎的な研究は必要です。しかし、生の子どものためにという気持ちを失えば、限りなく意味を失ってしまいます。

 以前ある学会で発表する博士課程の若い学生さんがいました。しかし、その発表は実際の教育に移すことは不可能としか思えなかったのです。そこで、私の研究室の院生さん(現職院生さん)が、礼儀正しくその研究をどのように実際の教育に生かすのかと聞きました。ところがその学生さんはキョトンとしていました。何故、そんなことを聞くのかという目で質問者を見ているのです。まるで、整数論の研究者に「それが実生活にどう役に立つのか?」と聞いているような反応です。その学生さん、そして数年後には教員養成系学部の教師になる人には、生の子どもの姿はありません。おそらく、とにかく就職するための業績を書いているのです。質問した院生さんはものすごく憤慨しました。私も愕然としました。教育学は社会科学であって数学ではないのです。

 私はそんな研究が嫌だった。おそらく私は臨床医になりたいのに、病理研究をしている研究者だったのでしょう。

 その学生さんは自ら開発したシステムを使っている教師や子どもと関わることはないのでしょう。あくまでも画面に映るプログラムのバグ取りをしているだけなのでと思います。しかし、人のことも言えません。私もそうです。先行研究に基づいて設計したアンケートを研究協力者に送り、その結果をコンピュータに入力し、統計分析していました。アンケート用紙に書いている子どもの名前に何ら興味を持ちませんでした。そしてそれだからこそ大量に論文を生産しつつけることが出来ました。

 それがやがて嫌で嫌でしょうがなくなったのです。論文を書けと言われれば、月に2本ぐらいの論文は書こうと思えばかけます。論文には書く作法があり、それに従えば、学会誌に掲載されるレベルにすることはそれほど困難ではありません。しかし、二百弱ある論文をそのような論文でさらに増やしても何の意味もありません。

 だから、生の子どもに密着する研究を始めました。直に子どもに接するならば、その子のことを思うはずです。何とかしたいと思うはずです。そうなれば、「子ども」というようなくくり方で分析することに満足が出来ません。一人一人の子どものことをしっかりと記述したくなります。しかし、既存の学会ではそれは不可能なのです。何故なら、基本的に学会誌は8ページぐらいが上限ですから。ところが、子どもの姿を記述するならばもっと必要なのです。

 また、論文の評価は「傷が無い」で評価されるのでは無く、傷があってもその研究の可能性を評価すべきなのです。クーンの言う通常科学では傷の有無でいい。しかし、パラダイムシフトをしつつある科学では、そんなことは出来ません。

 そんな悩みと願いを持つ人たちと一緒に臨床教科教育学会を立ち上げました。

[]斜陽 14:27 斜陽 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 斜陽 - 西川純のメモ 斜陽 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 この前、ある先生が本学大学院の現職院生さんに、「大学院入学前に、自分の教育実践のために学会誌の論文を読んだことある人?」と聞きました。だれも手を上げませんでした。次ぎに、「大学院入学前に、自分の教育実践のために、学術研究を引用した本を読んだことがある人?」と聞くと、ある程度の人が手を上げました。

 学術研究を引用した本を読んでいる人がいるなんて、さすが本学の現職院生さんのレベルが高いと思います。しかし、そのレベルの人たちも、学会誌は読まないのです。

 つまり、結論的に言えば、現場の先生が読むような本にしない限り、大学でどんな研究をしたとしても現実の教育には「まったく」影響が無いのです。そして、日本中の教育学研究者の中で現場教師が読むような本を書く人は1%もいません。

 余裕があるときはいいです。しかし、今、教員養成系学部・大学は逆風の中です。文科省も厳しく大学を評価するでしょう。教員養成系学部・大学院しかない学問があります。例えば、国語科教育学、理科教育法は教育職員免許法や同施行令には規定されていません。あるのは教育職員免許法施行規則の付則にあるぐらいです。つまり省令の一番下ランクにあるだけです。つまり、文科省の担当者がその表現法をちょっと変えて、省内のコンセンサスが得られたらば、日本中の教科教育担当者の首は飛ぶのです。

 昔だったら笑い話でしょうが、今は笑い話では無い。

 厳しい財政状況の中で、財務省は厳しく査定をしてきます。それを文部科学省が守るためにはエビデンスが必要なのに、それが無いのです。

 例えば、大学で物理学を2単位を学ぶことが中学校教師にとって重要だという実証的な研究を私は知りません。せいぜい「中学校で物理を教えるならばあたりまえだろ」というきわめて素人的な論理です。もし、それを示すデータを出して下さい、と言われたら出せません。もちろん、いくつかはありますが、いずれも物理大好きな人の中でしか成り立たない論理です。

 また、大学の授業を改訂するとなったとき、「それには反対だ!」と本気になって学校現場が支援してくれそうですか?私はそう思いません。もし、「師範大学で行われていたような板書法をちゃんと教えるべきだ、そのために既存の単位を精選する」と理屈をつけたとき、それでも反対する現場の人がどれだけいるでしょうか?

 私は教科教育研究者の一人として、とてもそれが怖いのです。たしかに大学の至らないところもあります。しかし、だからといって大括りで捨てられたときのデメリットの方が大きい。早く、多くの人が気づいて欲しいと願います。

[]希望 14:27 希望 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 希望 - 西川純のメモ 希望 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 先日の臨床教科教育学会に3人の研究者が参加してくれました。どうして参加したのかを聞いたら、現場に還元できる研究をしたい、そのような学会が無いかを探して見つけたとのことでした。発表を見て、正式に学会員になってくれるとのことでした。

 その際に、どのようにしたら現場の先生方とコンタクトをとったらいいかを聞かれました。私は現場の先生が参加する研究会に参加することを勧めました。そんな風に考えてくれる研究者ならば、現場の先生方、得に研究会に参加するレベルの人ならば大事にしてくれます。そして、意味深い交流が出来ます。

 こんな人がいることが希望だとおもいました。

15/01/10(土)

[]出来ること 21:42 出来ること - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 出来ること - 西川純のメモ 出来ること - 西川純のメモ のブックマークコメント

 同志が苦しんでいるのを知ると、それが頭から離れない。苦しんでいる人がいると、いつもそうなる。私の良い点であり、弱点。幸い、出来ることをするしか無い、ということを『学び合い』によって悟ったので、とことん自分を責めずにすむ。でも、「他に出来ることが無いのか?」と常に自分に問いかけることはやまない。

 同志とその後ろにいる子どもたちに私が出来ること。

1. ブログ・FBで情報発信をする。

2. 来たメールに対して誠実に回答する。

3. 本を書く。

4. 自分が出来ることが無いかを考える。そして、そのためにまず、ちょっとする。私よりそのことに堪能な人に、やる気にさせる。

 本日の学会で学生さんから「お疲れ様」と言われるたびに、「我々の中で疲れていないのは私だけ。ふぉふぉふぉ」と言う。学生さんも、「そりゃそうだ」と直ぐに納得する。こんなことを自慢げに話せるのは我々の文化。

 でも、学会中、自分の研究室でありとあらゆることをし続けている。それがないと「他に出来ることが無いのか?」と自分に問いかける。全国の同志が苦しんでいること、それを自分一人で受け止められないし、受け止めようとすること自体が僭越。でも、そう考えてしまう。

 いまのところ、自分でもビックリするほど、上手く回転しているように思う。でも、なんとなく限界が近づいているように感じる。

 研究を自分がしている時代。院生さんに研究を提案している時代。環境を整え買っていさせる時代、そして『学び合い』を自分で切り開いている時代。切り開ける人を育てる時代。いま、そこから引くタイミングを計っているように感じます。昨年上旬まではそれがイメージできなかったが、今は少しイメージできるようになります。

 私は、私が何もしなくても上手くいく状態が大好きです。

 関係する人に、もっと頑張れと言う必要は無いのです。頑張れる環境を整えさえすれば、私より若い方々は、頑張るなと言っても頑張りますから。それがよく分かっている。

追伸 家に帰った私を見た家内が「疲れているね」と言ったことを思い起こして、メモします。

[]結納記念日 19:18 結納記念日 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 結納記念日 - 西川純のメモ 結納記念日 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日は我が家の数ある記念日の一つである、結納記念日です。ということで学会の懇親会が終わり次第に家に帰り、これから家族でパーディーです。

[]新潟の会 15:51 新潟の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 新潟の会 - 西川純のメモ 新潟の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 2月1日に新潟市で『学び合い』の会が開かれます。詳細は以下をご覧ください。もし見えない場合は、「niagaracocoa.ocn.ne.jp ☆をアットマークにしてください」にお問い合わせください。

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/F-Katagiri/20150201/p1

[]臨床教科教育学会 15:25 臨床教科教育学会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 臨床教科教育学会 - 西川純のメモ 臨床教科教育学会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日は上越教育大学で臨床教科教育学会の大会が開かれました。実に良い会になったと思います。発表内容が教師の心から発する研究となっています。講演をいただいた文科省の方からは日本の教育の流れの全体像を俯瞰できるお話をいただきました。そして、懐かしい顔。

 ということが、会長である私が何もしなくても成立している。嬉しい。

[]見取り 15:25 見取り - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 見取り - 西川純のメモ 見取り - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日「子ども達のことが奥の奥までわかる見取り入門」(明治図書)の献本が届きました。こんどの表紙は紫本です。さしずめ「会話の紫本」と呼ぶべきかもしれません。

 改めて読むと、己で書いたことなのですが、凄い、と思います。おそらく、書いているときは私に何かが憑依しているのだと思います。

 なお、アマゾンからも注文できますが、いち早く手にしたい場合はお近くの本屋で注文するのが早いです。発売当初は、入荷待ちになりますので。http://goo.gl/OlZbas

15/01/09(金)

[]見取り本 15:07 見取り本 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 見取り本 - 西川純のメモ 見取り本 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 新刊『子どもたちのことが奥の奥までわかる見取り入門<会話形式でわかる『学び合い』テクニック>』の宣伝をアップしました。http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/interview/?id=20150024

[]時限爆弾 07:25 時限爆弾 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 時限爆弾 - 西川純のメモ 時限爆弾 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日、私のゼミ生に語ったことを簡単に書きます。多くの人への警告として。

 私が語ったことは、一斉指導は横並びのことをするので良いならば、バカみたいに簡単だと言うことです。というかそれ以上のことを狙うとしたら、神やエスパーで無ければならないからです。

 だって、世の中には単元別の教材本がありますが、それを担当すべき学年の全ての教科で理解し深められることって出来ますか?不可能です。せいぜいそれをコピーして配る利用形態しか出来ません。教育実習でやった教材準備を毎日出来ますか、不可能です。結局、指導書を5分間斜め読みして、決まり切ったパターンの授業の流し方しか出来ません。

 それ以外のものも数年で獲得できます(そのあたりは新刊の「新任1年目を生き抜く 教師のサバイバル術、教えます」に書きました。)。これは採用3年間ぐらいで獲得できます。だから、みんな勤めているのです。

 この3年目が分かれ目です。それから、それでいいと思う教師と、自己改善に努める教師に別れるのです。毎日の授業のレベルだったら、そんなに差は出ません。だって自己改善をしたとしても、高レベルの一斉指導は神のごとき人しか出来ないことですから、自己改善をしつつけても結果には直接関わりません。ただ、自己改善をしている教師は、子どもや親の悪口を言いません。それが大きな違いです。

 若い頃は、若いと言うだけで補えます。三十代も何とか出来るでしょう。ところが、四十代になるとひずみが出てしまう。若いと言うことで補えた部分が補えなくなったのを、全て子どもが悪くなったと合理化する。それを子どもにぶつけていく。ところが、子どもや保護者は従順では無い。特に、今後は成績上位者の子ども、そしてその保護者が礼儀正しく攻撃します。

 以上の現状と未来を語りました。そして続けて以下のように語りました。

 「君らは『学び合い』の知識的には最高レベルにまでいっているはずだ。だって、数多くの本を読み、私と徹底的に議論した。『学び合い』の実践を見て、実践者と話し合った。でも、今の君らは私の管理者のもとだから、『学び合い』的に物事を理解できる。ところが一度、現場に行けば私の管理下から外れる。そうなれば、『学び合い』的に考えられるか否かは分からない。さっきいったように、横並びでOKレベルで良いならば『学び合い』的に考えなくても大丈夫だから。しかし、そんな卒業生は時限爆弾を抱えているようなものだ。私には分かる。そうしなくても良いとき、その先を考え、行動し続けられる資質は私は教えられない。本人の資質の問題だと思う。でもね、そんなことし続けられる人自体はまれだよ。考えてみて、君らはこの一年間の中で、自分を高めるために何冊の本を読んだ?また、何回の会に参加し人と話し合った?それが現実だ。日常の生活の中で、それだけになっている。それを責めるつもりは無いが、その先にあるのは厳しい未来だ。ではどうするか、志のある人と繋がりなさい。人と繋がることが自分の志を維持する最高の道だよ。」

 以上のような話を、30分以上1時間弱、じっくりと語りました。

 ま、この話をどれだけ心にとどめおけるかは、本人の資質ですから、私にはどうしようもありません。

15/01/08(木)

[]本気 22:12 本気 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 本気 - 西川純のメモ 本気 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日は学部4年生のゼミの中で、久しぶりに長々と本気になって説教をしました。彼らが悪いことをしたので叱っているのではありません。もっと大局的なことです。教師の成長に一番大事なものは何かと言うことと、それを失えば20年後にどうなるかということです。私の語ったこと、その主題は私が教師生活三十年の中で実感したことです。それは教師は子どもを育てられない、その子どもの中にあるものを引き出すことしか。教師の管理下で出せたと思っても、管理下を離れればその子の本性、弱さが出てします。とても、暗く重い話を30分間話しました。一般の方が聞けば、100%暗くなります。もちろん、最後に出口も語りました。それは人と繋がることです。ただし、それを選択するか、しないか、それは育てられないのです。教え子を救うには社会を変えるしかありません。

[]誤字 21:48 誤字 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 誤字 - 西川純のメモ 誤字 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は本は一気に書き上げます。が、その後、時間をかけて推敲します。その際には数十人の人に目を通してもらいます。が、本日、本を読んだ学部生から誤字の指摘をいただきました。ビックリです。おそらく、読んでいただいた方は気づいているのでは無いでしょうか?是非、メールいただければありがたいです。次回の改定に役立てたいです。

[]群馬の会 06:43 群馬の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 群馬の会 - 西川純のメモ 群馬の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 2月7日に群馬県高崎市で『学び合い』の会が開かれます。3学期に私が講演する唯一の会です。講演以外は暇ですので、声かけてください。お誘いします。http://manabiai.g.hatena.ne.jp/take1_No12/20150107/1420637745

15/01/07(水)

[] 生意気で、図々しく、でも、その実力を認めざるを得ない若手 07:32  生意気で、図々しく、でも、その実力を認めざるを得ない若手 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク -  生意気で、図々しく、でも、その実力を認めざるを得ない若手 - 西川純のメモ  生意気で、図々しく、でも、その実力を認めざるを得ない若手 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 生意気で、図々しく、でも、その実力を認めざるを得ない若手になるための方法に関しては「なぜか仕事がうまくいく教師の7つのルール」(学陽書房)に詳しく書きましたが、ダイジェスト版を書きます。

 まず、おはようございます、ありがとうございます、すみませんでした、何か出来ませんか、お先に失礼します、という挨拶をちゃんとするというのが基本です。

 次に、事務の人と仲良くすることです。ようは上記の挨拶を事務の人ともすることです。そして、旅行をしたらお土産を事務室にも持って行きます。そして、事務室で雑談すれば良いのです。話題の中に「ねえ、あの書類ってどこまでかけばいいの?」ということを話しましょう。校長や教頭が話し好きならば雑談しましょう。

 さて、ここまでは簡単ですよね。でも、もう一歩進みましょう。というのは、権力を持っている人、権力を持っている人に繋がる人に繋がらなければなりません。方法は簡単です。特にあなたが三十代前半であるならば。

 どの都道府県にも官製研修会、半官製研修会があります。そこに参加するのです。そして頼まれたら発表しましょう。官製研修会、半官製研修会の同人は数百人いますが、実際に活動しているのは十数人ぐらいです。年齢も高くなっています。そこに毎回参加する若手がいたら、直ぐに注目の新人です。そこに参加する中堅の人は権力者に繋がっている可能性が高い。

 権力者はしなければならない仕事が多い。ところが、その仕事の殆どは自分では出来ません。代わりの人がやってもらいます。仕事をふったとき、ごちゃごちゃ言わずに受けて、一定以上のパフォーマンスを期待できる中堅を欲しています。それらの人を探すのは自分の過去の勤務校からだけでは見つけられません。だから、官製研修会、半官製研修会がその場なのです。だから、権力者は官製研修会、半官製研修会で汗を流す中堅と繋がっています。

 あなたが三十代前半であるならば、都道府県レベルの権力者と繋がれといわれても、「無理」と思うのは当然です。しかし、官製研修会、半官製研修会に参加し「続け」頼まれたら発表することは「無理」ではありません。1年間も続けば、あなたは期待の新人です。そして、都道府県レベルの権力者とつながっている人と繋がれます。

 それらの人と対等に話すためには、法令を勉強しましょう。そして、文科省からの諮問・答申を通称する必要があります。最初は耳学問で結構です、そういう人たちに「・・・ってどういうことなんですか?」と聞けばいいのです。なお、この手のことに関して喋れない人は、あなたの繋がるべき人ではありません。

 さて、それを理解した上で、それを自分の願いの実現にどのように繋げたら良いかを考えれば良いのです。

 私が長々と書いた理由は『学び合い』に関して権力者と戦う人では無く、有効な道だと提案する人を大量に欲しいからです。権力者と戦ってこちらが勝つということはありません。せいぜいいって痛み分けです。権力者が使ってくれればこちらの勝ちです。『学び合い』は見た目は変ですが、使い勝手はとてもいいツールになります。まずはツールとして使ってもらいたいと思います。同志諸氏、お願いします。

追伸 あ、詳しくは「なぜか仕事がうまくいく教師の7つのルール」(学陽書房)で。

15/01/06(火)

[]生意気 22:38 生意気 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 生意気 - 西川純のメモ 生意気 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 長瀬さんからの依頼により、先ほどメルマガの宣伝をしました。そこに書かれている文章は共感する内容です。しばらくして暗くなりました。

 私も55歳、小中高だったらベテランの年です。私が学会で生きの良い若手と思っていた人は皆、教授になっています。しかし、その後が見えない。つまり、二十代後半から三十代前半に、生意気で、図々しく、でも、その実力を認めざるを得ない若手が見えないのです。

 私が学術の世界に入った当時の理科教育学の世界は未開発でした。そこで行われる研究は古くからの教育学を理科に適用する研究が主です。そこで、生意気な若手が認知研究をひっさげ学会に殴り込みました。最初は拒否反応です。しかし、それを認めるベテランもいて徐々に力をつけていきました。私も「フィロソフィーが無い」、「節操が無い」と言われ続けていましたが、学会賞を取り、学会誌編集委員会の委員長になりました。おそらく、我々の年代が殴り込んだように、我々が築きあげた研究の流れをたたき壊すような研究者が生まれるべきです。我々が心理学を武器に既存の学問をたたき壊したように。おそらく経営学や経済学を武器に既存の学問をたたき壊して欲しいと願っています。が、今のところ無いですね。各科教育学の緩い集合ではなく教科教育学として生まれ変わらねばならない。

 が、実践の世界も同じですね。

 昔は本が主体でした。出版社も余裕があったから色々な人が本を出した。その中から光る人が見いだされた。

 次の時代は雑誌を中心とした教育運動の時代です。今から考えれば、本離れの最初の兆候だったんですね。つまり丁半博打が出来ない時代になりました。教育運動の中での活動の中から光る人が見いだされ、その人が本を出すという流れだったように思います。

 しかし今は、教育運動離れさえも起こっている。これは若い世代のせいではありません。若い世代を引っ張るべき世代の人数が少なくなってしまったのです。結果として雑誌が廃刊になりつつある。こうなると出版社の編集者がセレクションをするようになります。しかし、おおむね前時代で光った人を本に出す傾向があります。

 この閉塞感を打開するためにメルマガを出そうとしているのでしょう。是非、若い人の中から光る人を見いだし、原石を磨き、光る人になって欲しい。

 でも、私は別種の若手も生まれて欲しいと願うのです。

 それはムーブメントを生み出す人です。それも、若手同士が繋がるだけでは無く、中堅、ベテランに繋がったムーブメントを生み出す人です。都道府県レベルの教育委員会の義務教育課長あたりに直訴し、予算を獲得できる若手です。また、自らの実践の本を出すのでは無く、仲間と一緒に本を出せる若手です。また、勤務校の実践の本を出せる若手です。そのために出版社の編集者と交渉できる若手です。このあたりの片鱗は「7つのルール」にちょいと書きましたが、異質な人とつながれる人が事をなします。

 そんなこと無理、と思っているあなた。それは違いますよ。バカと同じだけ利口はいます。利口な権力者はあなたを待っています。ようはバカを相手にせず、信頼するに足る偉い利口を探せば良いのです。

 あなたがそのようになれば、あなたは生意気で、図々しく、でも、その実力を認めざるを得ない若手になっています。

 自慢ですが、私はそれが出来たから、色々言われても学会賞を取り学会誌編集委員長を務め、三十代で一つのコース、四十代で一つの専攻を自分の思ったとおりに立ち上げることが出来ました。

[]トライ 17:44 トライ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - トライ - 西川純のメモ トライ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は基本的に『学び合い』以外の宣伝をネットではしません。理由は一度それをすればキリが無いからです。全ての人に単純なルールを適応する、それが私のルールです。

 例外的に、以下を宣伝します。そして、勧めます。『学び合い』の同志へ、情報発信をする機会を得てください。発信してください。

http://archive.mag2.com/0000290422/20150103072000000.html

15/01/05(月)

[]継続 22:02 継続 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 継続 - 西川純のメモ 継続 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 上越に戻って年賀状整理です。「岡惚れも三年すれば情人(まぶ)の内」という言葉をご存じですか?毎年、年賀状整理をすると感じます。虚礼廃止といいますが、虚礼も十年続けば誠意です。誠意を続けるより、虚礼でも十年続ける方が出来ます。

 ただ、続ける場合に二つ注意があります。

 第一に名前を確認しましょう。私のところに二十数年年賀状のやりとりをしている人がいますが、私の名前を間違えています。

 第二に、続けることが大事です。やめたり、出したりする人は、迷惑です。電子メールでOKならば、それで良いのです。年賀状を出すならば、相手が死ぬまで出す覚悟があるならば出せば良い。御礼の気持ちならば、年賀以外で出せば良いのです。

 コンピューターで「虚礼」を続けやすくなりました。今から十年続けましょう。それに意味が出ます。

15/01/04(日)

[]2割 20:12 2割 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 2割 - 西川純のメモ 2割 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本学教職大学院およびそれに連結する学部コースには魅力的な自慢の同僚が二十人弱います。そして、その中で西川ゼミにはだいたい2割の学生が希望します。確率論から言えば4倍です。が、だいたいそれが妥当な線だと思っています。というのは私は他の同僚とはかなり違っていますから。そして、西川ゼミを希望する変わり者、そして、社会のフロントランナーは2割はいますから。

 戦略として、2割の人にどのようにアクセスするか。それが頭を使うところです。

[]群玉の会 10:43 群玉の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 群玉の会 - 西川純のメモ 群玉の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

10回『学び合い』ぐんたまの会

日時:平成27年1月31日(土)15時~

場所:埼玉県本庄市児玉公民館別館 2F

学び合い』ぐんたまの会 ホームページhttp://manabiaiguntama.jimdo.com/

15/01/03(土)

[]テスト 19:42 テスト - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - テスト - 西川純のメモ テスト - 西川純のメモ のブックマークコメント

 「学校で学ぶことはくだらない」ということに首をかしげる方は、大人と議論することを勧めます。ただし、同じ教科部会の教師は駄目ですよ。その教科が大嫌いな大人の人に説明し、納得してもらってください。断言します。無理です。きわめて穏当な根拠と論理で論破されます。ちなみに、私はそれを学力的に最底辺の学校の子どもと、家内とやりました。

 私は学力的に最底辺の学校の子どもたちに学ぶ意味を納得させたかった。でも無理でした。

色々な研究者、実践者の本を読みました。そこにあるのは教科部会の人たちの中でのみ通じる論理です。ハッキリ言ってマスターベーションに過ぎません。

 様々な実証的なデータである教科を学ぶことによって、一般的な能力が成長するかを示すデータを探しました。ありませんでした。心理学を学ぶと、そんなことはあり得ないことが分かりました。

 学校制度が生まれた当初は3年だった。それだったら問題はありません。9年でもまあいいでしょう。しかし、高等学校がほぼ義務教育になった頃から問題が大きい。学校教育体系が単線型は問題が大きいと思います。

追伸 夫婦関係の中でも論破できたとしたら、問題です。それは何も言えないということを意味していますから。

[]くだらない 17:22 くだらない - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - くだらない - 西川純のメモ くだらない - 西川純のメモ のブックマークコメント

 冬休み中、私の横で息子は勉強します。私はそれの尻をたたく役目です。嫌な気分です。『学び合い』だったらな~っと思います。そもそも一人の人間が、それも親が、子どものやる気を維持するなんて神でも出来ないと思う。だから、私のやるのは恐怖政治です。

 その間、一番多く言う言葉は、「分からなくてもいい、暗記しろ、小中高の勉強はしょせん暗記科目に過ぎない。暗記すれば、そのうち分かってくる」です。

 「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」はベストセラーですが、私も似た経験があります。高校2年の3学期記に初めて校外模試を受けました。そこでの英語の偏差値は27でした。小中高の英語の教科書の後ろには新出単語が一覧で載っています。それで確認しましたが、「a」、「the」を含めても百ぐらいしか知りませんでした。偏差値27はうなずけます。それから半年は夢中になって勉強しました。英語は今でも不得意ですが、偏差値60以上になるのに半年ぐらいでした。

 何を言いたいか。つまりその程度のことを中1から6年間、チンタラチンタラ学校で教えているのです。これは他の教科でも同じだと思います。

 私は大学院以降も様々な調査をしました。その結果から言えることは、学校で学ぶ内容はくだらないということです。少なくとも実質陶冶的には断言できます。そして、そのことは大人はもちろん、実は教師も知っているのです。

 おそらく、私の親と同じに私が息子を放任したら、私と同じことになるでしょう。つまり、ある分野にはのめり込み、中学校の頃から大学生も読まないような本をガンガンに読むでしょう。一方では嫌な科目は避けまくり、偏差値27になるのです。

 大人になってからは、私のような読書の方が役に立つことは知っています。ところが、彼の人生を考えると、くだらないと学術的に確信していることを学ばせることに声を荒げている自分がいます。

 嫌になります。

15/01/02(金)

[]口伝 19:45 口伝 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 口伝 - 西川純のメモ 口伝 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 何度も書いたことですが、最も成功した宗教は自然科学です。自然科学は宗教ではないと思い込んでいたとしたら、完全に宗教にとらわれています。ちなみに数学すら宗教です。幸いラッセルはそれを看破しました。

 我々が正しいと思い込んでいること、それは宗教なのです。それを理解した上で、自分の信仰している宗教にはどんな特徴があり、どんな境界条件(適用できる範囲)があるかを理解すべきです。

 新興宗教は説明責任があります。浄土真宗には教行信証があります。日蓮には立正安国論があります。道元には正法眼蔵があります。いずれも高校時代に読みました。現代語訳の法華経を読んだときの「なんだこりゃ?」を十分に納得させるものであり、全て素敵でした。大学に入ってプリンシピアを読みましたが、似たような感覚で読みました。反対する人に対しての説明が多いのです。辛かったのですね。

 以上にあげた方に関して比すのはおこがましいですが、似た感じをしています。分かった人には不必要なこと、分からない人には説明不足なことを書いています。

 面倒ですし、辛い。

追伸 私の宗教は葬式仏教を超えません。

[]一人も見捨てない 16:15 一人も見捨てない - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 一人も見捨てない - 西川純のメモ 一人も見捨てない - 西川純のメモ のブックマークコメント

 「一人も見捨てない」ということに関してゼミ生に聞かれたときの話を書きます。

 このことを説明するには初級編と中級編、上級編があります。まず、初級編の場合は本に書いていることです。つまり、それを諦めた方が良いかを子どもたちに問いかけ、「一人も見捨てない」よりも「一人も見捨てないことを諦めない」ことが大事であることを語るべきなのです。そして、教師自身が暗くならず、もっと褒めることが大事なのです。これが初級編の説明です。

 相手が中級者であるならば、別な説明をします。まず、得と徳の違いを述べ、一人も見捨てないは全ての人に得であることを教師が理解する必要があります。おそらく、納得できないでしょう。そこでそれを悩んでいる人に、悩んでいる子どもの実態を語ってもらいます。私はその子を見捨てないことがクラス全員に得であることを説明します。ま、全方位で駄目な子はなかなかいません。そして全方位で駄目な子だとしても、その子を見捨てないことが全員に得なのです。

 これを理解するには「徳」の残滓をすっぱりと捨てきらなければなりません。つまり、「一人も見捨てないふり」でいいことを理解しなければならないのです。つながりを100にするか1にするか0.1にするかは自由です。しかし0にすることは損です。「ふり」で結構です。その「ふり」を捨ててしまえば、限りなく集団は崩れます。

 テレビ報道からは、即死刑、それもじわじわと拷問死させたいやつがいます。しかし、そんなやつでも裁判はしなければならないし、拷問は駄目だということを堅持する方が、それを捨て去ることよりは中長期的には社会にとって得です。一度、一線を越えてしまえば際限なくなりますから。

 みんながこれを守るならば、0.1も三十倍にすれば3になります。

 以上が中級者向けの説明です。

 では上級者向けの説明はどうするか?

 ゼミ生に「一人も見捨てないを子どもに求めると問題が起こると思っている人がいますが、先生はどう思いますか?」と聞かれたときです。そのゼミ生は私が「一人も見捨てない」ことを額面通り信じていることは分かっていると思います。

 私が言ったことは「私がみんなに一人も見捨てないことを求めたことがあるか?」と聞きました。ゼミ生は首を振ります。満面の笑みをたたえて「私がゼミ生に一人も見捨てないことを求めた方が良いか?」と聞きました。ゼミ生は「気持ち悪い」と応えました。そこで説明しました。

 私がゼミ生に求めることは、「自分の心に響き、多くの人の心に響く教育研究を通して、自らを高め、一人も見捨てない教育・社会を実現する」であり、このことが自分にとって「得」であることです。「一人も見捨てない」なんて言いません。

 西川ゼミは非常に間口の広いゼミです。来るものは拒まず、去る者は追わず、です。手のかかる子はいます。少なくとも私が中長期で関わるクラスにおいて、小中の先生方が手がかかって頭を抱える程度の子「も」います。では、何故、「一人も見捨てない」ことを求めていないのか?

 第一に、私がゼミ生に求める課題は中長期の課題だからです。一人も見捨てないが問題が起こるとしたら、それは毎日、毎日、短期の課題を出しているからです。学校現場だって、定期テストの結果ぐらいを求めるならば、それを言葉に出す頻度は少なくてすみます。

 第二の理由です。「一人も見捨てない」を私が何度も言わなくて言い理由は、それがゼミの文化になっているからです。新入ゼミ生もその文化の集団の中に入るから、そういうもんなんだと分かります。

 では、私は何もしていないのか?しています。

 第一に、週1で『学び合い』に関しての議論を徹底的にやっています。その姿はユーチューブでアップしています。小中高でも子どもたちに『学び合い』の本を公開し、それに対して徹底的に議論する時間を設ければ良いのにと思っています。

https://www.youtube.com/user/TheNishikawalab/videos

 第二に、自分たちのゼミが日本の教師や子どもにどのような影響を与えているかを実感させる場を設けています。具体的には、毎年、上越に来るお客さんの世話をさせて、話させる機会を設けています。小中高の子どもたちにも、自分たちの活動が社会的な意味を持つと感じさせることが出来れば、エンジンの掛かり方が違います。つまり、自らが毎日情報発信をして、講演し、本を書くべきなのです。

 第三の理由です。私は個に拘ることを捨てています。というか・・・・どう言っても誤解されると思うのですが。一人も見捨てないということを実現するには、教師は個に拘らないことに徹するべきであると悟りました。上記のことをやっても捨てている個はいます。それは西川ゼミもです。でも、そこで私が個に救いの手をさしのべることは、問題を大きくするのです。私が出来るのは、より大きな集団を作ることに徹するべきだと考えています。もちろん、申し訳なく、涙が出ることがあってもです。そして、嫌われ、非難されてもです。

 というのが上級者向けの説明です。

 このあたりは『学び合い』を極限まで進めた人しか分からないと思います。ゼミ生に口伝で伝えようとしても難しい。中途半端なヒューマニズムで否定されるのが落ちですから。

15/01/01(木)

[]新年 19:52 新年 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 新年 - 西川純のメモ 新年 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 この日も、普通に過ごしました。