西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

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14/01/12(日)

[]理論と実践の往還 07:14 理論と実践の往還 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 理論と実践の往還 - 西川純のメモ 理論と実践の往還 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 理論と実践の往還を学び取るとしたら、理論と実践の往還を果たした人から学ぶことだと思います。具体的には、一定以上売れる実践書を書き、かつ、学術の業績を持つ人です。

 実践書を書かなくても良いじゃ無いか、と思う方もおられるでしょう。たしかし実践書を書かれてはいないが、素晴らしい実践をされている方はいます。でも、その方の実践を学ぶのは「他人」なのです。「その人が出来る」ことがポイントでは無く、その人が出来ることを「伝える」ことがポイントです。だから最も確かな方法は「一定以上売れる実践書を書いたか否か」だと思います。

 学術の業績を持つ、ということも同様です。具体的には日本学術団体に登録されている学会の査読制度がある学会誌に掲載された論文業績を持っているか、否かです。その人が理論を持っているかではなく、その理論を伝えることが出来るかがポイントになるからです。

 多くの大学では、理論担当の大学教員と実践担当の大学教員がいて、両方から学んで、理論と実践の往還を学び取ります。センターの研修では、大学教員の理論的な講演を聴く機会を与えます。しかし、そんなことで理論と実践の往還が分かるわけない。絶対に。だって、自分なりの理論と実践を学ぶのは本当に大変です。

 私は高校教師として色々な経験をしました。でも、そこで大学・大学院で学んだことはほぼ役に立ちませんでした。何故ならら、大学・大学院で学んだことは、全て「学ぶ構え」がある子にどのように教えたら良いか、ばかりです。ところが学校現場で必要なのは、その構えの無い子にどのように教えたら良いかです。そのため、私の頭の中で理論と実践は全く分離しました。多くの教師は私と同じ経験をしているのだと思います。

 縁あって大学の教師になりました。高校教師で自分が実現できなかったことをどのように実現したら良いのか、その思いで研究をしました。しかし、大学のコミュニティの中で生き残るには学術業績が必要です。学術業績を上げるには、現場に役に立つか否かは殆ど関係なく、学術の作法に則っているか否かが重要です。その中で実践を意識した理論を構築する志を維持するのは並大抵ではありません。

 これは学校現場でも同じです。学校現場のコミュニティで生き残るには、そこでの実績を上げなければなりません。そして、その実績を上げるには、学術との関係を明らかにするとか理論的背景を持つことは殆ど関係なく、現場の作法に則っているか否かが重要です。だから、大抵の教師は私と同じように大学で学んだことを就職後に早々に捨てます。これは現職教員として大学院で学んだ人も例外ではありません。

 大学も現場も、「直ぐに使える」ものに走ります。自分自身で直ぐに使えないものを直ぐに使えるものに成長させるのは当人の志もさることながら、勤めている環境に大きく左右されます。

 私の場合は、大学コミュニティで生き残る膨大な業績を上げました。でも常にむなしかった。だって、私の教育の原体験を与えてくれた高校の教え子には役立たないことが十分すぎるほど、分かっていたから。

 普通の人が考える「理論と実践の往還」とはどんなものをイメージするでしょう。例えば、理科教師が実験法を開発するに際して、物理学や化学の理論を駆使すれば理論と実践の往還が出来たと思うのでは無いでしょうか?ある日の国語の教材を考えるとき、それを実践した学術論文を参考に出来たとき理論と実践の往還が出来たと思うのでは無いでしょうか?でも、それは違うと思います。

 理論と実践の往還とは、その人の実践が全て学術に基づく理論に裏打ちされることであり、その人の学術が全て実践に裏打ちされることです。そんな1時間、1単元の問題ではありません。日常の考え方、生き方レベルだと思います。

 昭和62年4月に大学教師になりました。最初は認知心理学をベースにしてそのような理論を構築しようとしました。たしかに6割以上の子どもに良い影響があり、テストの点数が二十点弱ほどあげるようになりました。でも、私的にしっくりこなかった。なぜなら私が高校で教えた子には有効で無いことは明らかだから。そこで平成8年頃から『学び合い』に全面的にシフトし、今に至ります。

 不遜ながら申します。今では、小中高の様々な教科の先生方の悩みを、直ぐに理論的に分析し、対応策を語れるほど『学び合い』は進化しました。でも、そうなれたのも数百人のゼミ生と数多くの同志の皆さんの協力を得て、三十年弱の月日をかけたから出来ました。

 このレベルのことを、理論担当の大学教員と実践担当の大学教員がいて、両方から学んで、理論と実践の往還を学び取ることが出来るでしょうか?センターの研修で、大学教員の理論的な講演を聴くことで得られるでしょうか?無理だと思います。

 理論が無くても、素晴らしい実践を出来る方はいます。でも、そのような方は希です。そして、そのような方も、その素晴らしい実践を人に伝えることは出来ません。何故なら、子どもはその人の語りや教材で動かされているのでは無く、その方の「人」によって動きます。それを伝えることは難しい。その方と日常的に接し、薫陶を受けるならば可能かもしれません。しかし、その恩沢に浴せる方がどれほどいるでしょうか?まずいません。

 あることを確実であるかを保証し、それを確実に人に伝える方法として十八世紀以降の多くの人が作り上げた作法が、学術です。それが分かりやすいか否かは意見の分かれるところでしょう。でも、最も確実であることは確かだと思います。おしかりを承知で書きます。斎藤喜博先生、大村はま先生は優れた実践者です。でも、研究者ではありません。斎藤喜博先生は大学教師かもしれませんが、研究者ではありません。なぜなら学術論文も書かれていませんから。その著作は素晴らしいものですが、学術の作法を知りません。その方々が十八世紀以降の多くの人が積み上げてきた学術を乗り越えるだけの確実性を持つと信じることは、これは信仰ですね。(ま、科学を信じるということも信仰ですが)

 繰り返しますが、理論が無くても素晴らしい実践が出来る人もいます。でも、その方も出来ないことは、その方の「コア」を人に伝えることは出来ないのです。また、お上からのお達しに対抗するとき、ちゃんと対抗できません。最終的には「私はそう思う」、「私はそうだった」の低レベルの議論になるでしょう。それではお上のお達しに対抗できません。

 これを学ぶには、教師が学ぶには実践と往還できる理論を大学・大学院で学ぶしかありません。残念ながら、現在の現場教師には理論と往還できる実践を構築するだけの時間的余裕がありません。大学には、その時間とマンパワーがあります。でも、大学で与えられるのは「種」にすぎません。その種を現場に持って行き、豊かな実践にするのは現場の教師です。多くの方は、その方から学べばいい。でも、全国的にいっても、「一定以上売れる実践書を書き、かつ、学術の業績を持つ人」は殆どいません。もっと増えて欲しいと願います。そのためには、研究者と実践者が交流し、研究者が実践書を書き世に問い、実践者が学術論文を書き学会に審査を受けるべきです。

ogymogym2014/01/12 22:24痛快・明快で励みになりました。

FlipperKFlipperK2014/01/12 22:34 我々はきっとコペルニクスであり、ガリレオなのでしょう。でも、地球は動いているという事実は動かせないのと同様、これからの方向はいずれ…。自分にできることを少しずつやります。

jun24kawajun24kawa2014/01/13 06:10お二人ともへ
大義は我にあり、です。