西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

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08/02/15(金)

[]事務の人 14:47 事務の人 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 事務の人 - 西川純のメモ 事務の人 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 もう時効だと思うので、以下のエピソードを書きます。現在の大学関係のエピソードは時効ではないので、ひ、み、つ。

 私が高校教師だったとき、高校へは河川敷(正確には河原といったほうが良いかも知れませんが)を自転車で通勤していました。ある時、事務の人が「西川先生、通勤経路を確認したいのですが、先生は河川敷ではなく、この道路を通って通勤しているのですよね」と聞かれました。私は「いえ、河川敷を通って通勤しています」と言いました。事務の方は「河川敷を通っているとなると、通勤距離が短いので通勤手当は出ません。ところが、この道路を通っているとなると、通勤手当が出ますが・・・・。先生、この河川敷は危険ではないですか?」と言いました。私は、しばらく何のことかわかりませでしたが、ニコニコを見つめている事務の方の目を見ているうちに、はっと察し「あ、そうです。この河川敷はとても危険です」と答えました。事務の人は「分かりました」と言って会話は終わりました。

 また、こんなことがありました。私の前の理科の先生は、口とチョークで授業をするタイプの先生だったようです。その結果、定時制の理科準備室には私が生まれる前の実験器具がほこりをかぶっているものばかりでした。幸い、全日制の先生方が理解があったので苦労は少なかったですが、それでも買いたい実験器具はあります。しかし、理科の予算は数万程度です。とてもとても、器具を買える予算はありません。そんなことを事務室で全日制担当の事務の方とだべっていたら、「先生、年末にそんなこと言って、もしかしたら買えるかも」と言われました。しばらくたって、年末になって「ダメもとで言うけど、これと、これと、これと・・・がほしいんだけど」と言いました。数週間後に事務室にそれが置いてありました。

 定時制高校から帰宅するのは、たいてい夜の11時ぐらいです。9時頃になると、定時制担当の事務の方から「西川先生、帰りに事務室によってきてね」と言われます。帰り際に事務室によっていくと、タッパーの中に今日の給食の残りがきれいに並べられて詰まっています。これは揚げ物が出たときに多いです。私はそれをつまみに下宿で酒を飲んでいました。そんなことを知っている教頭は「あなたは給食費を倍払いなさい」とからかわれたことがあります。定時制には私より若い独身の男の先生は3人いましたが、タッパーが用意されているのは私一人です(エッヘン!)。

 そんなこんなで、高校に勤めて半年もたたないうちに、事務(給食・用務・警備の方々も)の方と仲良くなるのはとても有利だということを知りました。『学び合い』のテーゼとも重なりますが、異質であれば異質であるほど、利害はぶつからず、補完関係になります。逆に言えば、敵に回すと、大変です。校長は数年で替わりますが、事務の方は居着きの方が多いです。また、事務の方々のコミュニティーは狭いので、悪い噂は広がります。

<やること>

 私がやっていたことは、上記をねらったわけではありません。自然とやっていたことです。定時制の先生方は4時頃からこられますが、私は教材研究が追いつかなかったので10時頃には学校にいました。がらんとした職員室で仕事をしていると人寂しいので、時々、事務室に行ってだべっていました。当時はクーラーがあったのは校長室と事務室だけだったので、夏休み近辺は事務室で教材研究をしていました。そこでお茶を飲んで、お菓子を食べていたので、自分が旅行に行ったときは、事務室と給食室にはお菓子を置いていました。つまり雑談を多くし、挨拶をちゃんとして、節目節目に感謝を形にする、というとてつもなく当たり前のことです。

 楽しくて、楽で、有利です。あ、『学び合い』と同じだ。

ikutosuikutosu2008/02/15 14:57うちの学校の現業の方も、授業時間に廊下などを掃除しながら、学校中のことをよく観察していて、「先生、こんなことがありますよ」と話しかけてくれます。
こういう関係って大切だなあと思います。

jun24kawajun24kawa2008/02/15 15:05本当です!違った目で鋭く見ていますよね。
何度か過去のメモに書いたのですが、私は「校長が変わると、職員室がどう変わるかを、事務の人のインタビューで明らかにする研究」です。校長にとってはびくびくもんでしょうね。あはははは

あべたかあべたか2008/02/16 08:26卒業生の方の志。すばらしいですね。
ま、お金を出さず、直接、西川先生に教えてもらえばいいのですよね。
西川先生の教え子という特権を使って(笑)。
わたしなんか、西川先生の教え子でなくても、こうして無料で西川先生に日々教えてもらっていますから。

あべたかあべたか2008/02/16 08:30わかるなぁ……。
別に学び合いという感覚ではなかったのですが、3年間隔で異動をするわたしは、校長教頭ともうまくいくようにしますが、それ以上に、事務、用務員、そして、養護教諭と仲良くするようにします。だって、いずれもわたしができないことをしてくださる方ですし、いろいろとお世話になることが多い方だからです。
それを直感的に感じ、新採用のころから心がけています。

jun24kawajun24kawa2008/02/16 08:47あべたかさんへ
 私はまじめな教師の方へは家族に迷惑をかけない範囲で、誠意を持って対応しております。それは教え子であろうと、なかろうと。だって、その方の後ろには、その方の生涯に教えるだろう千人の子どもが見えるからです。そして、その方が伝えるであろう、何人もの教師が見えるからです。
 それと、互いによい学校に「当たり」だったんですね。認知心理学によれば、我々は成功経験からしか学ぶことが出来ないんです。もちろん、失敗から学ぶ人もいますが、それは少数の超優秀な人ぐらいです。いい出会いがあり、成功して、それをもとに行動し、もっと成功して・・・。このサイクルがあって、今の自分に成長したのだと思います。昔は学校現場に教育力があった。ところが、今から20年ぐらい前から無計画な教員採用計画の結果、教師集団が崩れつぶれる若手と、つぶれるベテランが増加した。あべたかさんの「教師塾」のそんな人たちへの救命浮き輪だと思います。でも、サークルではなく現任校に頼れるように、現場の教育力を高めたいですね。それには我々の世代(ごめんなさい、おおくくりしました)の踏ん張りが大事です。でしょ。