西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

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06/10/14(土)

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 我々が言語を獲得する過程は、膨大な受動があって能動があると思います。例えば、しゃべる前に、その数百・数千・数万倍(以上)の時間を「聞く」に費やしています。書く前に、その数百・数千・数万倍(以上)の時間を「読む」に費やしています。それが無いから、 学校外国語が身に付かないのだと思います。

 以前から、教育実習に不満があります。なんで、教育実習では直ぐに授業をするのでしょうか?上越教育大学は、日本で最も教育実習を充実している大学だと誇れます。大学1年から観察参加があり、それは2年もあります。その上で、大学3年と4年の教育実習があります。でも、それにしても、我々が言語を獲得する時間配分に比べて観察実習は少なすぎると思います。私が考える教育実習は2週間、3週間のようなケチなものではありません。1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、ことによれば半年、1年のレベルです。しかし、その殆どを観察実習に費やします。私が「この先生ならば」と思う人に学生をあづけます。「煮るなり、焼くなり、ご随意にどうぞ。疲れたときは、30分肩もみさせても結構です。パシリに使っても結構です。とにかく、先生の授業の様子を、教室の後ろで見させてください。」と願います。学生はじっと見る過程で、多くを学ぶでしょう。その先生が、幸せな教師をしていることを見るでしょう。そうすれば、授業をやりたくなります。それは、柔道名人が、「すぽん、すぽん」と一本背負いを決めるのを見ていると、自分もしたくなるのと同じです。今の教育実習が、本人が 不安で不安でという状態で授業させているのと大違いです。とにかく、やりたくて、やりたくてしょうがない、という状態にするんです。授業を見ているときに、学生は「なんで、この先生はこうやって、こんなに凄い授業ができるのだろう?」と考えるでしょう。 そのことを、見せてもらっている先生と徹底的に話すんです。やがて「こやったら出来るんじゃないか」と考えるでしょう。そして、「こうやったら、もっと凄い授業が出来るのでは?」と思うでしょう。その時々に、その先生雑談し、パシリをするんです。そして、そのクラスでなじんだ頃、その先生が「よし」と思ったときに授業をさせるんです。 その学生が出来る段階に達したか否かは、雑談で十分分かるはずです。おそらく、2ヶ月以上はかかるでしょう。そして、それでも失敗するでしょう。でも、その後、直ぐに議論を深め、「駄目だ~」と落ち込むよりも、「よし、こうやってやろう」と勇気づけます。既に2ヶ月以上、授業を見ているのですから「ツボ」は押さえている学生です。有能な後輩に仕事を任せる気持ちになれるはずです。結果として、その学生が授業をすることによって、その先生も「息抜き」が出来ます。そして、自分の授業を相対化できます。そして、授業者として成長するのみならず、授業者を育てる教師として成長できます。凄いと思いません!そして、そんなことをする大学教員がネットワークを組んで、現職院生、学卒院生、学部生を育てるんです。日本の、いや、世界の教員養成・教員再教育歴史の中で、こんな凄いことは無かったと思います。

 そんなことをしたいと願います。今は、超~、忙しい。でも、上記の望みを叶えるための苦労です。やりがいはあります。