西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

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06/10/06(金)

[]自慢 22:07 自慢 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 自慢 - 西川純のメモ 自慢 - 西川純のメモ のブックマークコメント


 夏に3泊4日で我がゼミ洗脳ツアーに来られたIさんから以下のメールが来ました。

 『唐突ですが,6年「水溶液の性質」で指導案を書きながら,思ったことを。

 「気体が溶けた水溶液」があることを多くの子どもたちが分かっていないことが実態調査から判断できたので,「二酸化炭素が水に溶けることをみんなが分かる」ことを導入に単元の学習を始めます。もちろん子どもの中には,気体が溶けた水溶液があることを知っている子もいるわけです。でも,きっと「溶ける」「溶けない」と多様な見方が出てくるでしょう。そこで「みんなが分かる」ために彼らがどんな姿を見せてくれるだろうと考えるだけでワクワクします。指導案を書いているのは,そのずっと後に「塩酸アルミニウムが溶けて別のものになることをみんなが分かる」ところです。しばりがあるので「予想される児童の反応」なんてのも,「予想できるわけないのにな」「どうせ予想を越えていくのにな」と思いつつ書いています。200%の自信で,「塩酸の中にまだある」「蒸発させればいい」「塩酸は気体が溶けてるから何も出てこない」「出てきた」「ほらアルミだ」「いや違う」…なんてのを軽く越えていく姿が見られると思います。授業のことを考えていても,私は以前のように迷いません。そのことに指導案を書いていて気付きました。以前言っていた「理科がうまくいかない」ことは,子ども自然に考え方の多様さを求めるようになってから,もう心配しなくなりました。「土地のつくりと変化」の終末では,子どもは「なんて地球はすごいんだ」と時間と空間のロマンまで感じることが出きていました。

 本校は,今,「学校開放週間」で,保護者が自由に教室に来てくれます。みなさん忙しいのでなかなかたくさんの方には来ていただけないのですが,今日は算数を一緒に学んでいってくれた方がいました。子ども普通保護者と学びます。保護者の目の前で,「よくできる子」に質問をした子が,「分かんない」と言い,「よくできない子」がそこへ来て説明し,「分かった!」が飛び出し,「○○くんの言うことは難しいの」と言われて「よくできる子」がかたなしで,私は近くで大笑いでした。保護者も大笑いでした。でも授業後「よくできる子」は,「△△さんが分かってよかった」と言いました。

 西川先生,私は教師で幸せです。幸せみんなで分け合わないといけませんね。頑張ります。』

私の返信は以下の通りです。

『朝起きてメールチェックして、本メールを見つけました。まったく無防備の状態で読んでしまったので、ボロボロ泣いてしまいました。そばには息子がプラレールで遊んでいるし、家内は朝食と弁当で頑張っています。見つけられると、説明するのが大変なので、しばらく別室で涙を拭きました。ありがとうございます。

指導案の「予想される反応」に「乞うご期待!」と一行だけなんて、どうですか?無理ですよね(笑)

期待していますよ~。また自慢メールして下さいね。自慢メールは私を勇気づけてくれます。』

追伸 以前、同志のM奥様が看破しているように、学び合いにおいて教師に自慢する子どもは、何故自慢するかを教師のレベルを超えた理解で語ることが出来ます。今回も、そう思いました。そして一般の教師が自分のやったことを長々説明することによって自慢するのに対して、我々は子どものことを説明することによって自慢します。なぜなら、教師の役割は何かという点が、一般と違うからです。Iさんもそうです。そして、Iさんのことを通して自慢している私もそうです。でも不思議です。たった3泊4日で変われる人がいる一方、学び合いの渦中にお入り、その時の学習者の様子を見ても変われない人がいる。両者の違いは何だろう、と思います。単純に、ご当人の資質に帰すのは我々の作法ではありません。集団に還元し、理解するのが我々の作法です。そうじゃなければ、出来ない理由、そしてしなくても言い理由を作り出す以上のことは出来ませんから。

 でもIさんのメールを読んで感じました。「私は大学教師で幸せです。幸せみんなで分け合わないといけませんね。結果を出します。」と