西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

西川純です。新潟県上越市の上越教育大学の教育実践高度化専攻(教職大学院)で『学び合い』を研究しています。諸般の事情で、このブログのコメントは『学び合い』グループのメンバー限定です。メンバー登録は、いつでもOKです。ウエルカムです。なお、メールはメンバー以外にもオープンですので、いつでもメールください。メールのやりとりで高まりましょうね。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。西川研究室はいつでも参観OKです。 詳細は http://www.iamjun.com/をご覧下さい。 もし『学び合い』グループに参加される場合は、 http://manabiai.g.hatena.ne.jp/をご参照ください。
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06/10/06(金)

[]自慢 22:07 自慢 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 自慢 - 西川純のメモ 自慢 - 西川純のメモ のブックマークコメント


 夏に3泊4日で我がゼミ洗脳ツアーに来られたIさんから以下のメールが来ました。

 『唐突ですが,6年「水溶液の性質」で指導案を書きながら,思ったことを。

 「気体が溶けた水溶液」があることを多くの子どもたちが分かっていないことが実態調査から判断できたので,「二酸化炭素が水に溶けることをみんなが分かる」ことを導入に単元の学習を始めます。もちろん子どもの中には,気体が溶けた水溶液があることを知っている子もいるわけです。でも,きっと「溶ける」「溶けない」と多様な見方が出てくるでしょう。そこで「みんなが分かる」ために彼らがどんな姿を見せてくれるだろうと考えるだけでワクワクします。指導案を書いているのは,そのずっと後に「塩酸アルミニウムが溶けて別のものになることをみんなが分かる」ところです。しばりがあるので「予想される児童の反応」なんてのも,「予想できるわけないのにな」「どうせ予想を越えていくのにな」と思いつつ書いています。200%の自信で,「塩酸の中にまだある」「蒸発させればいい」「塩酸は気体が溶けてるから何も出てこない」「出てきた」「ほらアルミだ」「いや違う」…なんてのを軽く越えていく姿が見られると思います。授業のことを考えていても,私は以前のように迷いません。そのことに指導案を書いていて気付きました。以前言っていた「理科がうまくいかない」ことは,子ども自然に考え方の多様さを求めるようになってから,もう心配しなくなりました。「土地のつくりと変化」の終末では,子どもは「なんて地球はすごいんだ」と時間と空間のロマンまで感じることが出きていました。

 本校は,今,「学校開放週間」で,保護者が自由に教室に来てくれます。みなさん忙しいのでなかなかたくさんの方には来ていただけないのですが,今日は算数を一緒に学んでいってくれた方がいました。子ども普通保護者と学びます。保護者の目の前で,「よくできる子」に質問をした子が,「分かんない」と言い,「よくできない子」がそこへ来て説明し,「分かった!」が飛び出し,「○○くんの言うことは難しいの」と言われて「よくできる子」がかたなしで,私は近くで大笑いでした。保護者も大笑いでした。でも授業後「よくできる子」は,「△△さんが分かってよかった」と言いました。

 西川先生,私は教師で幸せです。幸せみんなで分け合わないといけませんね。頑張ります。』

私の返信は以下の通りです。

『朝起きてメールチェックして、本メールを見つけました。まったく無防備の状態で読んでしまったので、ボロボロ泣いてしまいました。そばには息子がプラレールで遊んでいるし、家内は朝食と弁当で頑張っています。見つけられると、説明するのが大変なので、しばらく別室で涙を拭きました。ありがとうございます。

指導案の「予想される反応」に「乞うご期待!」と一行だけなんて、どうですか?無理ですよね(笑)

期待していますよ~。また自慢メールして下さいね。自慢メールは私を勇気づけてくれます。』

追伸 以前、同志のM奥様が看破しているように、学び合いにおいて教師に自慢する子どもは、何故自慢するかを教師のレベルを超えた理解で語ることが出来ます。今回も、そう思いました。そして一般の教師が自分のやったことを長々説明することによって自慢するのに対して、我々は子どものことを説明することによって自慢します。なぜなら、教師の役割は何かという点が、一般と違うからです。Iさんもそうです。そして、Iさんのことを通して自慢している私もそうです。でも不思議です。たった3泊4日で変われる人がいる一方、学び合いの渦中にお入り、その時の学習者の様子を見ても変われない人がいる。両者の違いは何だろう、と思います。単純に、ご当人の資質に帰すのは我々の作法ではありません。集団に還元し、理解するのが我々の作法です。そうじゃなければ、出来ない理由、そしてしなくても言い理由を作り出す以上のことは出来ませんから。

 でもIさんのメールを読んで感じました。「私は大学教師で幸せです。幸せみんなで分け合わないといけませんね。結果を出します。」と

[]ゼミ 22:07 ゼミ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - ゼミ - 西川純のメモ ゼミ - 西川純のメモ のブックマークコメント


 他の研究室の人が「うちの先生は30分ぐらいゼミ遅刻するけど、それをちゃんとまっているんだ」と、我がゼミの学部生に言ったので、そのゼミ生は「うちでは先生は殆どいないよ。ふらっと来て、お菓子を食べて(お菓子のある部屋でゼミしています)、食べ終わるといつのまにかいなくなる」と言って、ビックリされたと言って笑っていました。さもありなんと思います。多くのゼミでの会話の殆どを占めているのは指導教員です。従って、その指導教員がいなければゼミは始まりません。ところが我がゼミではそのようなことはありません。ちなみにゼミで配られる発表資料は、私の分はありません(私が読むだろうなんて、まったく想定していないからです)。完全にゼミゼミ生が運営しています。それは、学部ゼミ(学部3年、4年のゼミ)、院生ゼミ修士1年、2年のゼミ)、全体ゼミ(学部、大学院全体のゼミ)のいずれもそうです。

 本日、他のゼミの人が「今日の全体ゼミに参加してよろしいでしょうか?」と私に聞きました。聞かれた私はキョトンとしてしまいました。「なんで私に聞くの・・」としばらく分かりませんでした。しかし、「あ~、普通ゼミはそうなんだよね~」と理解し、「そんなこと私に聞く必要はないよ」と言いました。でも、その人は不思議な顔をしていました。全体ゼミに参加した後(その日も、私は殆どいません)に、「何故、聞く必要がないと言ったか分かったでしょ」と言うと納得していました。そして、「あのゼミに、先生入り込む余地はないですね」と言われました(余地はないとまでいわれると、ちょっぴり寂しかったが・・・)。

 我々が小学校教育、中学校教育高校教育において主張していることは、もちろん、大学大学院教育にも当てはまります。当然、我がゼミの運営は、我々が対外的に主張している通りです。ゼミにおいて私は教え手ではなく、管理者です。管理者としての私がやるべきことは、各ゼミで質の高い学びが成立しているかを保証すればいいことです。従って、私はゼミにおいて5分間以上いる必要性は殆どありません。ゼミでの話し合いの様子は、端っこに座っていても直ぐに分かります。一人一人の声の響き、誰と誰が話しているか(逆に話していないか)、どのようなジャンルの話題であるか等々です。学びが成立していれば、私がそこにいる必然性はありません。その私がゼミに5分間以上いる理由は、おおよそ三つです。

 第一は、ソファーのある部屋でゼミをしているときで、私がもの凄く疲れているとき、そこで「寝る」ためです。学び合いが成立しているときざわめきは、実に良い子守歌になります。本当に心地よい。

 第二は、お菓子が美味しくて、おなかか好いているときです。(宮城県のHから注意がありそう)

 第三は、一人のメンバーとして、とても興味がある話なので聞き入ってしまう。でも、このときは危険です。誘惑に負けて、がんがんしゃべりたくなる。私の発言が27秒で注意を受ける研究室なのですから・・・。その場合は、「私は管理者なんだ」と心に言い聞かせ、予算獲得・人事等の私しかできないことをするために研究室に戻って書類づくりをしたり、電話メールをしたり、偉い人の部屋に行ったり、会議の会場に行きます。

追伸 現職の方だったら分かると思います。いつもいつも学校にいて・・・・・

1)職員室にしょっちゅう顔を出し、職員会議の度に大演説をする校長

2)お早う運動の先頭に立って、職員の誰よりも早く出勤する校長

3)学校の花壇の整備に燃え、用務員さんと間違われる校長

 こんな校長は望む校長ではないはずです。そんな校長ではなく、

1)学校の基本方針は明確に示し、それに対しての評価は厳しい。しかし、細かいことは言わない校長

2)教育委員会・指導主事に対して、学校立場を明確に主張できる校長

3)対外的な会議が多く、学校に殆どいない。でも、どこからか予算を持ってくるし、職員の異動希望を何故か叶える校長

 を望んでいるはずです。校長は同僚・先輩でもなく、教務主任・研究主任でもありません。管理者なんです。管理者が管理者の仕事を十全にやろうとしたら、同僚・先輩、教務主任・研究主任の仕事をする暇なんて、絶対にありません。

 しかし、難しいところがあります。管理職の大事な仕事に、職員の成長に興味を持つことです。そのため、「職員室にしょっちゅう顔を出す」とか「お早う運動の先頭に立つ」ということはあります。しかし、重要ポイントは、職員室に顔を出す度に、また、お早う運動の度に、管理職がする行動です。一方の管理職は、その度に「詳細な指示」をします。他方は、「へ~」と好奇心を示します。どちらが良い管理職かは、言うまでもありません。このことはリッカートが明らかにしています。

[]光栄 22:07 光栄 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 光栄 - 西川純のメモ 光栄 - 西川純のメモ のブックマークコメント


 本日、とても光栄なことがありました。KinさんからS先生伝言を聞きました。S先生はKinさんの実践研究クラスを提供してくれた先生です。教科の指導力は優れており、教材研究の蓄積は凄い方です。Kinさんの実践の中で、子ども達の変容を、子ども集団の中で実感されました。そして、Kinさんの実践研究終了後は、学び合いの授業を継続されました。その姿をビデオで見ると、とても幸せそうです。見ている私も幸せになるぐらいです。

 その方の伝言として、「教師人生のまとめの段階で、こんなに幸せな経験を得ることが出来たのは西川先生のおかげです。ありがとうございました」という言葉を賜りました。当然のことながら、Kinさんに「お礼言葉ではなく現金・金券でね、と伝えて」といつもの憎まれ口をいいました。しかし、心の中では嬉しかった。だれでも好きな人が幸せになるのは幸せです。そして、その人からその幸せは「あなたのおかげです」と言われたら、どんなに幸せになれるでしょう。たとえ、それが買いかぶりだとしても、しばらくはその幸せに浸りたいと願います。

 私はS先生の授業のような素晴らしい小学校授業は一生涯出来ません。でも、その授業の一部に私が関われたことを光栄に思います。

追伸 今日の朝のメールを読んだときと同じことを思いました。Kinさんの授業を見ていたのはS先生だけではありません。しかし、S先生は吸収できましたが、吸収できない先生もいます。なんでなんだろう、と考えます。おそらく、OoさんやSakさんが明らかにするはずです。だよね!