西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

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05/10/05(水)

[]障害児教育 10:11 障害児教育 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 障害児教育 - 西川純のメモ 障害児教育 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 最初に述べますが、私は障害児教育の専門家ではありません。ある尊敬すべき教師からのメールに触発され以下を書きます。

 文部省の調査によれば、普通学級に平均6%の軽度発達障害児がいるそうです。そして、ある教育界では高名な医師によれば、軽度発達障害児のうち、普通学級での指導で自立した社会生活を送れるようになったのはわずか3割だそうです。一方、特殊学級や特殊教育諸学校で指導を受けた子ども達の自立の割合は6~7割とのことです。これから引き出される結論は、6%の子どもは特殊学級や特殊教育諸学校で指導すべきだと言うことです。おそらく、多くの教師の実感にあっていると思います。それ故、多くの教師は発達障害と思われる子どもの親に対して特殊学級や特殊教育諸学校を勧めます。

 しかし、私は異論があります。もう一度述べますが、私は障害児教育の専門家ではありません。しかし、素人でも分かる論拠を組み立てるとおかしいと感じます。

 第一に、普通学級(つまり特殊学級や特殊教育諸学校に言っていない子ども)の6%は軽度発達障害で、ある医師によればその6~7割は自立できないと言うことです。そして、日本の人口の圧倒的大多数は普通学級で学んでいると思います。このことを組み合わせると、日本の人口の約4%の人は特殊な教育を受けなかったため自立できない人だと言うことになります。

 第二に、我々の特徴・形質は正規分布に従っています。例えば、知能指数100の人が最も多く、それ以下の人もそれ以上の人も50%です。そして、その平均値から離れる人は、急激に少なくなります。

 以上の二つを組み合わせると、日本の人口の約4%の人は特殊な教育を受けなかったため自立できない人であるならば、約1割の人は特殊な教育を受けなかったために自立に一部障害を持っている人であるはずです。そして、約2~3割の人は特殊な教育を受けなかったために自立に困難を感じている人であるはずです。この値にしっくりします?

 別な例で考えてみてください。日本の人口の約4%の人が、生まれつき手術や高度の医療を受けないならば歩けないとしましょう。そうであったら、日本の人口のかなりの人は生まれつき歩行にかなりの困難を感じているはずです。

 以上の素人でも分かる単純な論理によって、上記のデータは信じられません。

 私は特殊学級や特殊教育諸学校の教育を受けなければ自立できない人がいることを疑いません。しかし、それが約4%もいるとは、とても信じられません。しかし、多くの教師が先のデータを疑わないのは、教師の実感として約6%の子どもに発達障害を感じ、その過半数は手の施しようがないと感じているからだと思います。では、この教師の実感と、社会生活で感じる実感のギャップは何故生じるのでしょうか?答えは、教師が手の施しようがないと感じている子どもの大多数は、社会においては特殊な支援を受けなくともそれなりに生活できていると言うことを意味しています。それでは何故生きられるのでしょうか?

 繰り返しますが、私は特殊な支援を必要とする人の存在を疑いません。しかし、教師がそう思っている子どもの殆どは、そんなものが必須とも思いません。社会において受けられる、ごく普通の人間関係と、それによるサポートが重要だと思っています。特殊教育の研究を調べてみると、教師(もしくは親)が特定の子どもを支援しようとするものばかりです。でも、それは、たった一人の支援でしかありません。そんなものよりも、数多くの人たちのごく普通の支援の方が有効な子どもの方が多いと思っています。我々は特別支援を必要とする子どもを救うには、一度、その子を支援しようと思う気持ちを忘れるべきだと考えています。その代わりに、みんなが支え合うクラスづくりをすべきだと思います。その支え合うメンバーの中に、「たまたま」特別支援を必要とする子どもが含まれるだけのことです。

 思い出してください。自分では話すことも出来ず、無理に指導しようとするとパニック・ヒステリーを起こす子どもを、クラスの子どもがごく普通に対応していることは無かったでしょうか?特殊教育の専門家でもない子どもが何故そんなことが出来たのでしょうか?特別な奇手があるわけではないんです。第一に、その 子と接する時間が教師より圧倒的に多いため、その子の好きなこと、嫌いなことをよく知っているからです。第二に、クラスにいる40人の子どもの中には、相性の合う子がいる可能性があります。子ども集団の中で、トライアンドエラーの中で、それが理解されているからです。私は現在の特殊学級や特殊教育諸学校が日本人口の6%の子どもに対して、それを実現できるとは思いません。だって、人の相性から言えば、日本人口全てを特殊学級や特殊教育諸学校の先生にしなければならないんですから。

 一つの笑い話(事実だと私は聞きました)を紹介します。アメリカで医師のストがあったそうです。しかし、1ヶ月後にストは医師が自主的に終了させたそうです。理由はストをやった月の患者の生存率が上がったそうです。医師がそのことを表沙汰にすることを恐れたため、急遽終了したそうです。

 日本にも民間療法があり、未開社会では呪術があります。何故、そんなものが数百年、数千年、人々に信じられたのでしょうか。それは、我々の病気の大多数は、なにもしなくても治癒するからです。たしかに医学が必要な部分はあります。しかし、一般人が信じているほどではありません。

 日本の人口の6%を軽度発達障害だとラベルしている教育界がいます。そして、地域によっては8%、10%の子どもに軽度発達障害のラベルを貼り、親に特殊学級や特殊教育諸学校を勧めているそうです。何故、教師はそう思うのでしょう?恐ろしいことです。繰り返します特殊学級や特殊教育諸学校を必要としている子どもはいます。しかし、どう考えても日本人口の4%もいるとは思えません。

追伸 しつこく書きますが、私は特殊教育の専門家ではありません。その道の専門家からのおしかりはしょうがないと思います。でも、一人の教師として、4%の子どもは無理だと考えるより、その大多数をクラスの力で何とか出来ると信じた方が夢があります。もう一つあります。もし、6%の子を特殊学級や特殊教育諸学校に誘ったらどういうことが起こるでしょうか?一つは、7%、8%の子どもも特殊学級や特殊教育諸学校が適切だと考えるようになるのではないでしょうか?そんなクラスでは、9%、10%の子どもと親が「次は自分ではないか・・」とビクビクするでしょう。そんなクラスが良いクラスになるでしょうか?絶対に無理だと断言できます。

 しつこく書きますが、特殊学級や特殊教育諸学校を必要とする子どもはいます。でも、その子、その親ばかりではなく、むしろ、それ以上にそのクラスのメンバー全員が、 一生懸命にサポートしたのに、その結論が望ましいと感じなければクラス経営上問題が生じます。

追伸2 ただし、上記で紹介した医師の3割という数値の母数が、文部省の言う6%ではなく、それよりかなり低い値の子どもたちを指しているならば納得できます。何度も書いたように、専門家しか対応できない子どもはいますから。しかし、多くの教師は6%を母数として解釈していると思います。