西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

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04/06/10(木)

[]倫理 13:24 倫理 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 倫理 - 西川純のメモ 倫理 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 世の中には倫理学というのがあります。大学生の頃、それを読みあさった時があります。でも、カントヘーゲル西田は全く分かりませんでした。相対的に分かりやすかったのは和辻です。でも、それでも分かりませんでした。それいらいずっとご無沙汰でしたが、「利己的なサル他人を思いやるサル」はどんな倫理学の本より面白く、ためになりました。それによれば、サルにおいても倫理的と思われる行動が見られます。そして、その行動が発生する理由は、その行動によって間接的に利益を得るからです。つまり、弱い仲間を助けたサルは、その群れの他のメンバーから「お返し」が来るんです。なぜ、そんな「お返し」をするかといえば、自分が良くなった時の「保険」みたいのものです。カントヘーゲル西田のように、どっかに純粋無垢な「善」があるように書かれるのではなく、生々しく、かつ、凄く納得出来るものです。我々は、学び合う能力は本能の中にあると考えています。だから、ゴチャゴチャ言わなくても、自然に発生するものだと信じています。上記の知見は、教師がゴチャゴチャ言わなくても、自然助け合いが起こるであろうと期待出来ることを証明するものだと思います。

 しかし限界があります。別な猿学者の「ケータイを持ったサル」によれば、サルが自身の群れと感じる範囲は極めて狭く、基本は親兄弟で、広がっても普段見知っている集団を越えることは無いそうです。そして、現代の「ひきこもり」や「傍若無人若者」は、人間の本能の中に組み込まれた「群れ」の範囲がサル並だと考えると、至極当然に解釈出来るとしています。おそらく、これは若者に限らず、人間全般の本能の限界と考えるべきなのでしょう。例えば、年配のおばちゃんが、人の迷惑考えず大声を出しているのは、自分が話している以外の人を、「群れ以外」と分類し、人と認識していないからです。

 何を言いたいか、というと、前のメモに「自身の個人的動機と、自身の利己的動機を越えた次元の動機の関係を冷静に分析し、利己的動機に矛盾のない自身の利己的動機を越えた次元の動機を自身に課すことが、短期的には自身の利己的動機に矛盾しても、長期的には自身の利己的動機に一致することは重要です。」と書きました。しかし、人間の本能に組み込まれているレベルでは、「自己の利己的動機を越えた次元の動機」はせいぜい親兄弟、もしくは見知った狭い集団レベルなのだと思います。教師の例で言えば、せいぜい自分の学校を越えた集団を群れと認識することは困難で、従って、郡市レベル、県レベル日本レベルの集団に対する倫理的な行動をすることは困難なのだと思います。それを越えられるのは、本能ではなく、教育によらねばなりません。

 例えば、私は「教材レベル」の研究意味を余り感じることは出来ません。私の大学院の同級生にも「教材レベル」の修士論文を書いた人がいます。修了した時に、「お前は、お前が作った教材を使う?」と聞きました。彼の返答は「使わない」とさばさばと答えました。つまり、彼にとっての、その教材は自分が修了するため「だけ」の意味しかありません。仮に、自分が使ったとしても、それだけでは、自分のため「だけ」の意味しかありません。ある教材が使える場面は限られています。もしかしたら、次の指導要領の改訂で無くなる場合もあります。従って、その教材を広げられる範囲は極めて限られています。

 私には、自分のため、家族のため、そして自身の狭い群れである西川研究室のためという、相対的に狭い範囲の目標があります。しかし、同時に「学習臨床コースのため」、「上越教育大学のため」、「学会のため」、「地元教育界のため」、「日本教育界のため」等々の様々なレベル目標があります。そして、それぞれに矛盾が生じないよう、相互に関連づけています。そのような多層的な目標を持つため、様々な人とリンクを持ち、かつ、その援助を得ることが出来ます。その結果、とても「得」をしています。

 一方、比較的狭い範囲の群れのための目標しか持たない人もいます。人それぞれですから、完全否定するわけではありませんが、「 損な生き方だな~」と思います。そんな「自分」だけの視点でしか捉えられないならば、結局、周りの協力も限られたものです。色々な場で、短期的には要領よく立ち回っているため、長期的には損をして、そのことに気づいていない人を少なからず見てきました。もちろん、私の同級生は、そんなバカではなく、とてもいい奴でした。しかし、少なくとも2年間かけた成果を、自身の生きる武器にしようとはしていなかったようです。

 でも、一言付け加えなければなりません。私が赴任した当初に千葉県から40歳過ぎの女性院生さんがいました。テーマは「オクラの教材化」です。その方とは修了後も毎年、年賀状やりとりをしています。その年賀状の中で、その年にやったオクラの教材の改良のことが一言書かれているのが通例でした。今年の年賀状には退職挨拶が書かれていました。その際、オクラ教科書の教材に採用されたことを誇らしげに書かれていました。20年弱、一つの教材に打ち込み、地元で実践を等して普及された志は「自身の個人的動機と、自身の利己的動機を越えた次元の動機の関係を冷静に分析し、利己的動機に矛盾のない自身の利己的動機を越えた次元の動機を自身に課す」ものです。教材研究でも高い志を実現出来ることがよく分かりました。

[]ウルウル 13:24 ウルウル - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - ウルウル - 西川純のメモ ウルウル - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日教育実習で暫く中断していた4年の学年ゼミがありました。以前から感じていた、学生さんのパワーアップを感じました。

 全員が集まり、私が「じゃあみんなの研究は・・」と言おうとすると、学生さんが「本日研究については準備不足なので、教育実習のことを話し合いたいと思います」ときっぱり言いました。その声には力がありました。そして、私の顔色をうかがうようなそぶりは全く見られませんでした。つまり、学年ゼミの主体者は自分たちなんだという自信を感じました。正直ビックリして、「あ・・あそう、じゃあ承りましょう」と言いました。そうすると、私と無関係に活発に話し合い始めました。私はだまって聞いていました。すぐに、その内容の高さにビックリしました。まず、教育に対する熱意が強く感じます。子どもの見取りも確かです。また、教育実習を通して、我々の「学び合い」の重要性と強力さを感じ取ったようです。その彼らが話し合っている姿を見ているうちにグッと来てしまいました。そして、最後には我慢できずウルウルしてしまいました。教育実習を通して、より一層パワーアップしました。おそらく、卒業研究において子どもの生の姿を丹念に見るという作業をすることによって、より一層、パワーアップするはずです。ワクワク。これがあるから大学教師はやめられないんです。嬉しかった。