西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

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03/05/20(火)

[]教科書 15:49 教科書 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 教科書 - 西川純のメモ 教科書 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 日本に住んでいると、普通日本教科書しか見ません。そして、世界の教科書も、同じようなものなんだろう・・と勝手想像してしまいます。しかし、欧米教科書は全く違います。まず、大きさはA4版強で、厚さは5、6cmを越え、全ページカラー刷りの豪華版です。さらに、付随する副読本、問題集も充実しています。当然、値段も張ります。しかし、そのような教科書学校備品として扱われ、個人の持ち物ではありません。つまり、ある人が1年間使ったら、次の年は別の人が使うことになります。完全無償配布を基本とする日本教科書制度は、少なくとも戦時中には意味がありましたが、現在においては足枷となっているように思います。教科書会社は、国からの予算の縛りを理由に、アイディアの実現が不可能なことを嘆いています(一部は、それに安住している部分もあるかもしれませんが)。

 私の大学院の授業では、欧米での教科書の特徴は、教師の質で説明していました。つまり、特に米国の場合は、教師の社会的地位も低く、その質が低いため、教師の能力に頼れないため、教科書で全部出来るようにした、というのが説明でした。教科書会社での会議に出ますと、「教科書は詳しく書くべきではない」、「分かりやすく書くべきではない」という驚くべき意見が堂々と議論されます。つまり、教科書は教師が使う道具なんだから、教師不在で存在するような教科書は駄目だという論理です。でも、教室での学習の主体者は学習者です。もし、教師主導ではなく、学習者主導の学習が成立するならば、欧米のような教科書を我が国でも使うべきの様に思います。しかし、わざわざ全く新たに作る必要性はないように思います。現在教師が使っている、懇切丁寧な「教師用指導書」を子どもに与えればいいと思います。強いて加えるならば、自分自身の進歩が評価できる問題集と、その解答集をつければ十分だと思います。