西川純のメモ このページをアンテナに追加 RSSフィード

西川純です。新潟県上越市の上越教育大学の教育実践高度化専攻(教職大学院)で『学び合い』を研究しています。諸般の事情で、このブログのコメントは『学び合い』グループのメンバー限定です。メンバー登録は、いつでもOKです。ウエルカムです。なお、メールはメンバー以外にもオープンですので、いつでもメールください。メールのやりとりで高まりましょうね。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。西川研究室はいつでも参観OKです。 詳細は http://www.iamjun.com/をご覧下さい。
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16/08/31(水)

[]スキルチェンジ 08:59 スキルチェンジ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - スキルチェンジ - 西川純のメモ スキルチェンジ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 教員養成系大学の教員はスキルチェンジを求められています。今まで設置審、免許法で守られていた自分自身のベースとなる学術で生きていけなくなります。そして専門職大学・専門職大学院に移行するとき、学校現場の実務とのつながりを持てなければなりません。その時、決定的に欠けている経験は何か?を考えてみました。

 それはチームプレーです。小中高の教員は職員室を経験しています。否応なく、チームプレーを学ばなければ生きていけません。ところが大学の教員は個人商店です。特に教員養成系大学の場合は、教授-准教授-講師-助教というユニットはありません。その人の専門を評価できる人はその人しかいなくなります。結果として、その人の専門に関してはアンタッチャブルになります。大学教員には個室が与えられ、その中でずっといます。全員では無いですが、多くの教員は、隣の部屋の人と話すとき、電話を使うのです。(これにはビックリしました。)

 これではチームプレーを学べません。もちろん、チームプレーを出来る大学教員もいます。その違いを判断するのは容易いことです。チームで獲得した論文や科研の業績が有るか無いかです。

[]私学 08:59 私学 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 私学 - 西川純のメモ 私学 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私立の中等学校の「偉いさん」向けに講演をすることのオファーがありました。その時の講演のためのメモです。つまり、多くの方には意味が無く、私の備忘のためというのが主たる目的です。

 まず、マクロに考えます。

 「公立学校に比べて私立学校の学費は高い」、「子どもの数は減る」、「進学率は上限に達している」という事実を前提にするならば、現状の私立学校の半数以上は遠からず経営が行き詰まるであろうことは明白のように思います。

 その中で私立学校、そしてそこに勤務する教員が生き残るためには何が必要か?

 大都市圏の場合は、ニッチェを見いだし、そこに特化することですね。例えば、群馬県の太田市の外国人労働者は多いです。そこに勤めたことのある人から聞くとかなり大変のようです。しかし、それを売りにすることもあり得ると思います。そのような外国人労働者の師弟に関して公立並みに安く学べるようにするのです。(そのために、国及び会社に働きかけて予算を獲得する)そして、インターナショナルな環境で育ち、海外大学への進学をメインする私立学校なんかが、ぱっと思いつきます。出来ない理由、難しい理由はあるでしょう。でも、それぐらいのことをやらねば生き残れないと思います。

 もう一つあります。

 子どもを3年間、もしくは6年間の顧客とするのではなく、一生涯の顧客にするのです。卒業後のアフターサービスはもちろんのこと、OBOGの師弟の教育相談にものるのです。在学中のその学校の教師との信頼関係を武器にします。これは異動がない私立の強みを活かすものだと思います。そして、そのような信頼関係を結べる教員が生き残れます。

 そんなことを「ふと」思いました。メモします。

16/08/30(火)

[]困ったな 21:43 困ったな - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 困ったな - 西川純のメモ 困ったな - 西川純のメモ のブックマークコメント

 愚痴です。

 ネットサーフィンをしていると、「『学び合い』=アクティブ・ラーニング」であると「『学び合い』の人たち」(この言葉の意味するところが分からないのですが、まあ、私も含まれるのでしょうね)と主張しており、それを非難する意見が流れています。

 困ったな~、と思います。

 少なくとも、私はそんなことを主張したことがないのに(そう疑われる発言や記述があったら教えてください。修正します。)

 私は中央教育審議会の用語集をもとにアクティブ・ラーニングの定義を示しています。少なくとも、現状での定義はそれですから。

例えば、文部科学省が『主体的・協働的に学ぶ学習(いわゆる「アクティブ・ラーニング」)』という言葉を使っています。しかしこれは『「主体的・協働的に学ぶ学習」≒「アクティブ・ラーニング」』を意味しています。イコールだったら『主体的・協働的に学ぶ学習(「アクティブ・ラーニング」)』と表記します。

 今のところアクティブ・ラーニングの公的な定義は平成26年の「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」の用語集だと理解しています。ただし、その用語集に書かれているアクティブ・ラーニングの定義は多義的に理解できます。おおよそ3つに解釈できることを本では書いています。その上で「認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。」が根幹であると私は思っていると書きました(唯一の解釈ではありません。ただし、平成20年の「学士課程教育の構築に向けて」の用語集に書かれたアクティブ・ラーニングの定義の中で唯一変更を加えた部分であり、意図的な変更であります)。そして、各種の答申や提言を元に、その背景には社会的な背景があり、子どもの未来を考えると、「認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。」が根幹であるべきだとは書きました。しかし、だからといって『学び合い』のみが、その根幹であるとは書いていません。

 その上で、『学び合い』はそれにフィットしていることは色々な表現で書いています。しかし、唯一であるとは書いた覚えはありません(そう書いている部分があれば、教えてください。修正します)。ましてや、先に述べたように、アクティブ・ラーニングの定義の別な立場、その中には「何でもあり」という解釈もなりたつことを書いているのです。

 それなのに、「『学び合い』=アクティブ・ラーニング」であると主張している」という誤解が生じるのか分かりません。

といいつつ、その理由は分かります。

 理由は簡単です。ちゃんと原典を当たっておらず、それを吟味して批判されているわけではありません。おそらく自分の頭の中で作り上げているのでしょう。つまり、根拠に基づいて否定しているのではなく、そもそも否定したいという結論があり根拠を後付けしているのでしょう。

 困ったものです。

 数学や自然科学の場合だったら、最初に前提とするものを確認し、それが違っているならば、「そこが違うのですね」で終わりです(残念ながら、数学の人でもそれが分からず自分の前提が絶対だと信じ切っている方もおられるようですが)。

 前提が同じであるならば、数学の場合は論理のみ、自然科学の場合は理論と実証データで議論すればいい。当人は認めなくても、第三者は蓋然性の相対的な高さを評価することが可能です。非常に楽ですし、弁証法的な発展も可能です。

 ところが、社会科学の場合、上記のような根拠のない主張にもつきあう必要があります。なぜなら、社会科学の是非は、優れてそれが社会を変えたか否かで評価されるからです。それが面倒ください。

追伸 もちろん、感情的な議論につきあうつもりはありません。私は私の主張の根拠を明示しました。これに比肩する根拠を出せばいい。そして、第三者が判断すればいい。と思っています。ま、多くの人には、どうでもいいことですが・・・・。論理的な議論が出来ればいいのにな。

[]スキルチェンジ 17:21 スキルチェンジ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - スキルチェンジ - 西川純のメモ スキルチェンジ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 回り道と思わず、まずこの記事を読んで下さい。読み終わった後に、ずっと下の文章をお読み下さい。是非、これは守って下さい。そのほうが面白く、私の文章を読めます。

http://blog.btrax.com/jp/2016/08/28/designer-skills/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 未来の話しです。タイトルは「教師に必要なのはスキルアップではなくスキルチェンジ」です。

 

●コアの部分を学校、それ以外を外注

別にそれらの職業が必要とされていなかったり、世の中に無くなったりする事は無いが、テクノロジーの進化と社会における教育の重要性の高まりに合わせ、教える”だけ”の限定的なスキルの教師はよりコストの低い、もしくは無料のネット上の動画を利用したりする事でまかなっているケースが多い。

 以前だったら分厚い参考書を使っていたが、授業のちょっと分からないことをネット上の動画で解決している子どもは少なくは無い。と言うのも、教師は有限の時間しか無く、クラス全員のニーズに個別に対応できないからである。

●教師にとって職能の“コア”とは

では学校教育にとって”コア”となる教師の仕事はどんなものであるのであろうか?それは何かを教えるということを超えた、子どもの人生全体に対する教育的アプローチをし、社会と子どもの幸せを創り出す仕組みを設計する事である。

抽象的な表現で分かりにくいが、教育的思考のアプローチから子どものニーズを割り出し、求められる体験を学校教育での教科学習や課外学習に反映する事や、その教育を世の中に広げブランドを構築する事が今教師に最も必要とされている役割である。

 具体的な役職としては、カリキュラムデザインをする教師や、地域社会のコアとなる教師、などが教育におけるコアを設計する教師職となる。教えるだけの教育はネット上の動画の域を超えず、これまで通りの”Nice to have”的存在で、無いなら無いでも良い、と思われてしまいがちである。

●複数のアクティブ・ラーニング型教師を面接して分かった事

 ここ数週間でアクティブ・ラーニング型教師の募集及び面接を進めた。全国には教員養成系大学及び教員免許を出す大学があり、民間の研修団対もある、加えて、教科や学校段階に特化した短期集中型コースを提供している大学や研修団体も多く、”アクティブ・ラーニング型教師”の肩書きを持つ教師は少なく無い。

 このポジションに応募した人の数は100を超えた。その中で良さそうな候補者数名と最終面接を行なった。最近大学を卒業した人もいれば、10年近くの教師経験のある人もいた。そこで気づいたのは、最近卒業した人は大学でアクティブ・ラーニングの勉強を行い、アクティブ・ラーニングのプロセスとメソッドを一通り身に付けている。

一方で数年以上の教師経験のある候補者の場合、元々教科職人型教師やエンターテーメント型教師からの”職替え”のケースがほとんど。他の指導領域で活躍していたが、最近アクティブ・ラーニングの勉強を始め、今後はアクティブ・ラーニング型教師をキャリアとする事を目標としている。

 この場合、今まで何かしらの教職の経験がある候補者よりも最近学校を卒業している人の方が格段に”アクティブ・ラーニング型教師”としてのスキルが高い。なぜなら彼らはまっさらな状態からアクティブ・ラーニング型のプロセスを一通り身に付けているから。

 実際、”良いな”と思った候補者の何人かは採用通知を出そうと思った頃には他の学校への就職が速攻決まっていた。一方で、他のフィールドでの経験豊富な候補者の場合はそうではないらしい。

●教師としてのスキルチェンジの必要性

 教師としての経験が豊富なのに何故簡単に就職出来ないのか? それは恐らく新しいタイプの教師職のスキルへのアップデートが完了していないからだと感じた。以前の指導スキルに頼りすぎて、アクティブ・ラーニングなどの新しいフィールドのスキルが100%身に付いていない。もしくは”アクティブ・ラーニングなんてちょろい”と思っているのかも知れない。

 これはかなり残酷だと感じた。今まで教師としてコツコツと身につけてつたスキルが時代の変化に合わなくなり、経験の少ない若手の方が適切なスキルを身につけている。今までのスキルの向上だけでは間に合わない。新しいスキルにいちから”変換”する必要がある。

 もちろん教科の背景となる学問や学習者理解の基礎となる心理学や学校制度などの教育の基礎となる知識とスキルは普遍的なものであり、とても重要だ。必要とされる知識、理論、考え方などは変わらない。

●参考: 教師という人達の仕事

 しかし、その重要性が高まるにつれ、教師に求めれる役割がどんどん広がり、変化してきている。ポジションによっては同じ”教師”と付いていても、その仕事内容と求められるスキルが大きく異なるケースも少なく無い。

 例えば教科職人型教師は数年前までは需要の高かったスキルであるが、最近そのニーズは下降している。教科職人型教師からアクティブ・ラーニング型教師に”転職”したいのであれば、スキルの入れ替え=スキルチェンジが必要になるだろう。

●航空パイロットから学ぶ既存スキルの危うさ

 以前に元パイロットの方からも似たような話を伺った。パイロットの仕事は安全に飛行機を操縦する事であるが、同じ”飛行機を飛ばす”というスキルでも、20年前と今とでは大きく異なる。なぜならテクノロジーの進化によりその操縦方法が大きく変わったからである。

 20年前はアナログ中心だったコックピットの計器はほぼ全てデジタル化され、液晶タッチパネルに。当然その操作方法も大きく変化した。ベテランパイロットは新しいコックピットで操縦方法を”学び直す”必要がある。さもなければこれまでのスキルでは操縦不可能になる。

そして、パイロットしての”感覚”が重要だった時代は終わり、複数のセンサーから得られるデータを活用する事の方が重要になっている。そうなってくると職人的なベテランパイロットよりも、パソコンやスマホを触って育って来た新米パイロットの方がより新しい機体の操縦に向いているという。

●現在のスキルセットで通用するのはあと5年

 航空機の場合は機材のアップデートはそこまで頻繁に行なわれないため、この変化は20年の年月を経て訪れたが、教師への変化はいままでは殆どなかった。しかし、時代は変革期である。教師の職能に関して、恐らく現在のスキルセットで通用するのはあと5年程ぐらいで、継続的なスキルチェンジをする覚悟が無ければ教師として生き残って行くのは難しいのかもしれない。

 こらかの教師は常に新しいスキルを身につける必要があり、それは現在のスキルの延長線上には無い可能性が高い。スキルアップではなく、スキルチェンジが必要になる。そのプロセスは厳しい。なぜなら新しい事を学ぶ事よりも、今知っている事を一度リセットして学び直す方が何倍も労力がかかるから。

 そんな点でも教師は残酷な職業である。

16/08/29(月)

[]福島の会 21:43 福島の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 福島の会 - 西川純のメモ 福島の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 10月1日に福島県郡山市で『学び合い』の会があります。お誘いします。http://kokucheese.com/event/index/422698/

[]高校数学 15:32 高校数学 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 高校数学 - 西川純のメモ 高校数学 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 「直ぐ実践できる!アクティブ・ラーニング高校数学」(学陽書房 https://www.amazon.co.jp/dp/4313653163)が重版になりました。ご愛顧感謝いたします。

[]奨学金破産の解消法 07:24 奨学金破産の解消法 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 奨学金破産の解消法 - 西川純のメモ 奨学金破産の解消法 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 奨学金破産を解消するために無利子の奨学金を増やすそうです。いいことです。しかし、焼け石に水だと思います。なぜなら、無利子だろうとなんだろうと、五百万円の借金を背負うことは同じで、卒業しても非正規になる時代なのですから。給付型を増やせばいいのですが、同年代の半数が大学に進学する時代です。国家予算を傾けても無理です。

 奨学金破産の解消法は以下のようなものだと思います。私のアイディアではなく、大学進学率が高い諸外国でやっていることです。

 奨学金破産の原因は奨学金ではなく、大学を卒業しても正規採用にならない点です。その原因は正規採用に値する能力、つまり、採用後直ちに給料分稼げる能力を大学が与えていないからです。

 現在、専門職大学を設置しようとしています。専門職業大学では、教員のうち4割以上を、当該分野の実務経験が5年以上ある「実務家教員」にする。卒業単位の3~4割以上を実習科目にし、企業での実習(4年制なら600時間以上)も義務づけられます。この方向性は正しいと思います。が、おそらく大学人はありとあらゆる方法で逃げるでしょう。だって、我が身のクビを縛ることです。そして、文部科学省は外形的に整えられていれば何も出来ないのです。

 じゃ、どうするか?

 大学進学率の高い国では、高校卒業後に直ちに大学に進学するのはトップ大学に進学する一部だけです。多くは就職します。日本もそうなればいいと思います。

 大学で学びたい人は数年間働いて、お金を貯めます。つまり、借金で大学に学びません。それだけの覚悟と意欲を持つ人だけが大学に進学します。働いてから大学に学ぶのですから、働いたことのない高校生とは選択の視点が違います。似非ジョブ型には厳しい目を向けます。結果として本当の専門職大学に学生は集まりますが、似非専門職大学には集まりません。

 じゃあ、我々教師(特に高校教師)は何が出来るか?

 偏差値60を下回る子にはジョブ型大学を薦めるべきです。

 偏差値55を下回る子には大学進学は勧めず専門学校を薦めるべきです。そして、それを上回ることを学びたいならば、お金を貯めて大学に進学することを勧めてください。借金するとどうなるかを教えてください。

 中学教師は何が出来るか?

 偏差値60以上の子どもには、海外進学を視野においている高校を薦めるべきです。今後の大学入試は海外と同じような試験をするようになります。

 それ以下の子どもには、職業科高校、もしくは就職指導がしっかりしている普通科高校を勧めるべきです。なお、大学推薦の枠があることを売りにする似非普通科高校の職業科高校を見分けましょう。

 では、小学校教師は何が出来るでしょうか?

 高校、中学での進路指導が機能するには、小学校段階でキャリア教育が「完成」していなければなりません。全ての子どもが同じ中学に進学し、多くの子どもが普通科高校に進学するという単線型の教育システムの日本の教師は意外でしょうが、歴史の古い欧州の学校は中等教育で職業科と普通科にハッキリ分かれます。そして、多くは職業科に進学します。そして、日本もそのような方向に進みます。進みきれないから、奨学金破産のような問題が起こっています。

 だから、小学校では「仕事に就きたいな」ではなく、「どんな仕事に就きたいか」であり、その子どもの指向性にあった中長期の職業体験をさせるべきなのです。

 だから、中学校、高校の先生はもちろんですが、小学校の先生に「学歴の経済学」、[アクティブラーニングによるキャリア教育入門]を読んで欲しいと思っています。お願いだから、「それは中学校、高校でやること」と先送りしないでください。そんな余裕はないのです。

追伸 私は「日本を変えよう」とゼミ生や同志に語ります。多くの人は「まあ、西川先生はね」と思っているでしょう。ある同志が、NHKの奨学金破産の特集を観て「日本を変えよう」と思ったそうです。ありがたい。私は25歳の時に、最悪の状態の子どもを嫌と言うほど見てきました。それはトラウマであり、原体験です。おそらく死ぬまで逃れられない。だから、難しくても、もしかしたら不可能だとしても、もがきます。

 今の時代、多くの学校の教室にいる子どもの3割から4割は確実に、私が定時制高校で教えた子どもと同じ状態に陥ります。

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16/08/28(日)

[]メダル 18:18 メダル - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - メダル - 西川純のメモ メダル - 西川純のメモ のブックマークコメント

 オリンピックの熱も冷めたところで、ちょっと気になることがあるので書きます。専門家としてではなく、一市民として違和感を覚えたので書きます。

 選手に公費が費やされ結果を出さないことを非難する人に対して「私たちには国から教育費が支払われる。結局のところ、教育した人が成熟し納税をすることで、国家が円滑に回っていく。当然それらはポートフォリオとして捉えられ、すごく優秀でMBAを取得したくさん納税してくれる人もいれば、生活が苦しく生活保護をもらう人もいる。」と為末さんは書かれているようです。(http://www.huffingtonpost.jp/2016/08/15/tamesue_n_11536166.html

 しかし、教育に対して国が予算を付けるのはリターンを期待してではなく、日本国憲法第26条に基づくものだと理解しています。その他、福祉等に税金が使われるのは基本的人権に基づくものだと理解しています。そのような公費はリターンがなくても、やらねばならない予算です。だから、それを理由にするのは論理のすり替えのように思います。

 逆に為末さんの論理が正しいならば、世の中にある「税金の無駄遣い」と言われるものは全てOKになります。公費が投入されたならば、一定以上のリターンをする責任があると思います。

 なお、教育で例を出した点に違和感を覚えましたが、その責任を個人に押しつけるのは私も反対です。だって、選手派遣を決めたのは当人では無く組織なのですから。おそらくアスリートだった為末さんは個人に対して責任を問う声に対して義憤を覚えたのだと推察します。その気持ちはよく分かります。

追伸 言うまでもないですが、教育に対して予算を付ける事に関してリターンは求めるべきでは無いです。しかし、その予算に見合った結果は求めるのは当然です。非効率な予算執行は非難されますものね。

[]教師 15:17 教師 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 教師 - 西川純のメモ 教師 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今の授業を野球に置き換えれば、キャッチャーが教師です。授業というプレーを一緒にしながら、全体を俯瞰し指示を与えます。『学び合い』では教師は監督です。プレーはしません。子ども達というプレーヤーをまとめ、最高のチームにするのが仕事です。さて、どちらが教師の仕事でしょうか?

16/08/27(土)

[]イノベーター・アリーアダプターの方へ 10:21 イノベーター・アリーアダプターの方へ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - イノベーター・アリーアダプターの方へ - 西川純のメモ イノベーター・アリーアダプターの方へ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』のテクニックはほぼ完成されていると思います。あれだけ超シンプルで、幼小中高高専大学のどの学校段階でも同じで、どの教科でも同じです。そして二十年以上、数千人の人が実践しているのです。起こるような問題は出尽くしており、それに対して多くの先人が実践し、解決策を積み上げています。それを整理したものを私は本に書いています。

 しかし、うまくいかないことがあります。『学び合い』のテクニックが不備であるためではありません。『学び合い』のテクニックを本に書かれている通りにやっていないからです。しかし、仕方がありません。人は既存の知識理解によって物事を理解する。そのため、文章を読んでもそれを既存の知識理解に押し込めてしまいます。

 以上を避けるには、テクニックの背景、理論を理解する必要があります。そのために本を書きました。2種類の「手利き」です。

 これから『学び合い』を実践される方も、もちろん、実践している人も読むことを薦めます。私の本に書いている「1行」の裏に、どれだけ膨大な過去があるかが垣間見れます。

 ちなみに、「おばかな」私の若い頃の姿も紹介しています。今思い出すと、赤面するほど、お馬鹿で、変な男でした。

http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/interview/?id=20160564