『学び合い』の文化を教室に このページをアンテナに追加 RSSフィード

私立の中高一貫校で国語を教えています。

2009-02-17

ドアーズ」Janet Lee Carey 浅尾 敦則 18:15 「ドアーズ」Janet Lee Carey 浅尾 敦則 - 『学び合い』の文化を教室に を含むブックマーク はてなブックマーク - 「ドアーズ」Janet Lee Carey 浅尾 敦則 - 『学び合い』の文化を教室に 「ドアーズ」Janet Lee Carey 浅尾 敦則 - 『学び合い』の文化を教室に のブックマークコメント

「指先がむずむずする」感覚ってわかるでしょうか。

ゾーイは絵が書きたくなると、そんな感触を覚えるんです。

でも、彼女は自分が書く姿も、書いた絵も人には見せません。なぜかって?

それは、小学校1年生の時のいやーな思い出があるからです。

だから、ゾーイは子供部屋の中のクロゼットの中に潜り込みます。

クロゼットにはネルおばあちゃんがくれたガラスのドアノブがついてます。ここは彼女の「夢の部屋」なんです。

この中でなら、ゾーイは思いっきり絵を書くことができます。

オズの魔法使い」のドロシーの家が竜巻に巻き上げられた所とか。

心の中のスクリーンに映し出される映像を、ゾーイはスケッチブックにクレヨンで書き付けます。

ところが、6年生を間近に控えた7月のある日、ゾーイの夢の部屋のある、大事な家が売られてしまったのです。

失業中のお父さんは、職を見つけるため、一家四人と家財道具をワンボックスカーに詰め込んで、北を目指して出発します。

ドアーズ
ドアーズJanet Lee Carey 浅尾 敦則

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全部で41章からできてます。1章の長さはバラバラです。目次がついてないし、章ごとに小見出しもないので、勝手に小見出しをつけながら読み進んでみました。

1 世界が跳び上がった日

2 ティラーマン

3 ガレージセール

4 ガラスのドアノブ

5 マーリンとの別れ

6 空想映画館

7 ネルおばあちゃん

8 コロラド

9 スカウトリバー

10 アリーヤ

11 追跡

12 アルバイト

13 ナンニのパラタ

14 最高にすてきな部屋

15 アシフ

16 10月

17 ケレンからの手紙

18 ハロウィーン

19 バーグストロム警官

20 一難さってまた一難

21 トラブル・トラブル

22 もう限界…?

23 「あ・た・り」!!

24 100ドル、じゃない

25 マロリー

26 9グレープフルーツと6ダイエットソーダ

27 帰ってきた!

28 幽霊のように

29 侵入者

30 マンディ

31 火事!

32 ほこりをかぶった黒馬

33 再び北へ

34 宿題の山

35 黄金の家

36 誠実さ

37 クリスマス

38 引っ越し

39 マーリン

40 金星ベジバーガー

41 終業式

もとミュージシャンで、その後英文学の博士号を取り、大学で教える傍ら、書店も経営していた父さん。大学をリストラされ、書店も倒産し、面接に行っても落とされるばかり。自慢のポニーテールが仇となっているようです。

そんな父さんを支えて、ハウスクリーニングのアルバイトをして家計をやりくりする母さんは、薔薇の花を育てるのが趣味。

3年生のジュークは、思ったことをすぐ言ってしまうケンカ友達みたいな弟。

父さんの失業と、大家さんが家を売り払ってしまったことで、突然ホームレスになってしまった多感な少女が、自分の家(ホーム)を見つけるまでの半年の物語です。

ハラハラドキドキのシーンが何回もあって、楽しみながら読むことができました。

自分の育った家というのは愛着があるものです。

そんな家と別れ、親友のケレンとも別れ、夏休み中800キロも移動しながらの求職とキャンプの日々が続きます。新しい土地で新しい友達アイーヤとの出会い、新しい町になじめないままアリーヤとケンカ別れをしてしまいます。そして一人で決行したバス旅行。しかし変わってしまった家、変わってしまったケレンをゾーイは目にします。

ところがリフォーム中のかつての自分の家が、大工タバコの火の不始末で火事になる所を、ゾーイの通報が救います。

そしてゾーイは自分もまた変わっていたことに気づきます。

家族とともにスカウトリバーに戻り、クリスマスも近づいた日、クラスのみんなが馬鹿にしているトレーラーハウスへ引っ越すことになります。「絶対いやだ」と思いつつ、家族の笑顔を見て、ゾーイは引っ越しを受け入れます。その新しい家で、自分の夢の部屋を取り戻します。

そしてアリーヤとの仲直りに成功したゾーイは、アリーヤを夢の部屋へ招待します。

今まで誰にも見せなかった自分の絵をアリーヤに見せ、今までのこと全てをアリーヤに語って聞かせます。

アリーヤは言います。「やっと自分の家にたどり着いたんだね」。

「そうだよ」「やっと家(ホーム)に戻ってきたんだ」

読後感の爽やかな一冊です。

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