『学び合い』の文化を教室に このページをアンテナに追加 RSSフィード

私立の中高一貫校で国語を教えています。

2008-01-06

ライティング・ワークショップ二日目。 23:45 ライティング・ワークショップ二日目。 - 『学び合い』の文化を教室に を含むブックマーク はてなブックマーク - ライティング・ワークショップ二日目。 - 『学び合い』の文化を教室に ライティング・ワークショップ二日目。 - 『学び合い』の文化を教室に のブックマークコメント

うーん、充実した2日間だった。

ディベートを始めた頃の知的興奮を久々に思い出した。

これがどんなうねりになっていくのだろう、とても楽しみだ。

そして、『学び合い』の考え方を活かして、日本独自のライティング・ワークショップに成長させて行けるのではないかという手応えを感じている。

だから、余計に楽しみ。

さて、2日目。

今日は午前中でライティングワークショップそのものは終わり、午後は1月からの授業での作戦と、さらに中長期での実践をどうするかを検討することになっていた。

まずは午前中。

最初に行ったのは、『ライティング・ワークショップ』の「はじめに」「おわりに」の文章をプリントしたものをそれぞれが読んで、「作家の視点」で読んでみて、作家がどんな技法を使っているのかを見つけてみようというものだった。

これは読み研の形象よみでいつもやっていることなので、かなりたくさんみつけることができた。

個人の作業の後、新しい小グループで分かち合い。途中で三重から到着した中川さんも加わって、エピソードから入って、まとめをしているといった構成の工夫から、挿入句、会話、引用、脚韻、比喩といった文体上の工夫までいろいろと挙げることができた。

次はフォトランゲージ・オーストラリアの12枚の写真をギャラリーウォークして見た後、自分が「これだ」と思った写真を選び、なぜその写真を選んだのかを交えて説明文を書く、というものだった。10分という制限時間で、とにかく思いついたことをざっと書き出した。修正もなにもしていないので、こんな文章になった。

パッと見て、「ほほえましい親子の様子が描かれている」と思った。腰をかがめ、両手を差し伸べている男性。

 その男性に向かって、同じように両手を差し伸べながら駆け寄っていく幼い少年。このシーンの後、男性は男の子を抱きしめ、そして高い高いをしてあげることだろう。男の子は男性の手に抱きとめられ、幸せそうな笑い声をあげるに違いない。

 しかし、次の瞬間、そうした二人のほほえましい様子を立ち止まってみつめる男女の姿が左脇にあることに気づいてしまった。そこに謎を感じ、この写真を選んだ。

 手前の女性はわずかに顔を前に出すようにし、微笑んでいるように見える。

 しかし、彼女の左手を右手で握り、半歩前に立って、男の子を見つめている、やや浅黒い顔の男性は…。

 その表情は複雑だ。笑っているように見える。しかし口元にやや緊張が走っている。その証拠に、ほほにはひきつったように縦にすじが走っているのが見える。

 ジーパンに皮のジャケットをはおったこの男性は、自分たちのもとから、男の子が走り去り、向こうの男性へと駆け寄っていくことを、隣の女性の手を握ることでじっと耐えているような感じがする。

 男の子の頭上を、二羽のカモメのような白い鳥が舞っている。

 ここは河口に近い川岸の堤の上のようだ。

 芝は枯れており、季節は早春と思われる。

本来なら全体から細部へという順序で書くべき所なのだろうが、なぜ選んだのかを説明しようとちょっと破調の書き出しになってしまった。

10分後、同じ写真を選んだメンバーの中で時計回りに五分ずつ回覧を始めた。

ここで「大切な友達」の手法を使うことを指示される。具体的には

1 よく読む。

2 いい点をできるだけ指摘する。

3 わかりにくい点を指摘する。

4 改善を要する点について質問する。

僕のグループは4人だったので、3人の皆さんがコメントを書いてくださった。

写真の中で、主役ではない脇役の左端の男性や女性の様子表情までしっかり見て、その感情を読み取ろうとする姿勢が素晴らしいと思います。

 私はそこまで注意が行き届きませんでした。

 1枚の写真にも 感動 喜びの裏の表情があって 奥深いんだということに 改めて気付かされました。


 4人の登場人物たちの関係性については 私も同じような推理が働きました。左手の二人の男女に対する細かい観察が鋭いと思いました。 右手の二人が父息子であるとしたら、左の男女は彼らとどんな関係かについてはどう思われましたか?

 写真としての構図のすぐれた点についても言及してほしかったように思います。

 「謎」の二人、特に男性の表情についての描写がすばらしく、説得力を感じました。

 パッと見の印象から立ち止まってしまう点に話がいくところが、読んでいる方も興味をひかれます。舞台設定(さいごの段落)にはどんないみがあるんでしょうね。

10分間で書き足りないところ、書く順番で不満な所など多々あるのだが、良い所を指摘してもらえて非常にうれしかった。

さらに改善すべき所を質問の形で書いてもらうと、最終的にその質問に答えるかどうかは僕が判断すればいいことなので、カチンと来ることもなく、素直に「ああ、関係を書き込んでいなかったな」と受け入れることができた。

他の三人の皆さんの文章は、同じ写真を見て説明しているはずなのに、全くテイストが異なる文章で、人によって観点がこんなに違うのか、ということがよく分かって面白かった。

この後、本当は「石」を使った作文が入る予定だったのだが、時間がなくて取りやめることになった。

しかし、まだ出版まで行きついていないということで、絵本「きみの行く道」(ドクター・スース作、いとうひろみ訳)をK島さんに読み聞かせしてもらってから、今の絵本の内容から触発されたことを手紙に書き、だれか決めた相手に送ろうということになった。吉田さんは便せんを4、5種類に、封筒、切手を用意していた。ここで昼食を兼ねた休憩時間に入った。誰に出すかを決めて、便せんに横書きで書き、封筒に宛名書きをし、切手を貼って吉田さんに渡した。さて、誰に届くでしょうねえ。

午後、またグループが代わり、今回のワークショップで学んだものを生かすための目標を一人4つ考える事になった。

僕が考えたのは

「クラス全員が「自分は作家だ」と納得できるようになる」

「書くことでクラス全員が頭の良い人*1になる。

「大切な友達」を通して、みんながより良い作家になる。

より良く生きるために、より良く書けるようになる。

だった。

これを0から100%の間でどのくらいの達成可能性があるかを考えて壁に貼付けていった。

次にまたグループが代わり、ライティング・ワークショップを導入するとして、「ライティング・ワークショップは面白そうですね、でも〜」という形で疑問をA4の紙にそれぞれが4つ書き出し、グループの中で回覧して解決方法を書き込むという作業を行った。

このとき、ディスカッションで気になったのが、「生徒に個人差がかなりある上に、作文の指導をすると、出来る子はさらにできるようになるけれど、できない子は伸びないので、差がどんどん開いていってしまう」ということを複数の先生方が常識として認識していることだった。

お勤めになっている学校や、地域によってはそのように感じざるをえないような現状があるのだろうか。


最後に1月からの授業での導入を考えるグループ、中長期計画を考える中学部会、高校部会、大学部会に分かれて話し合いを始めた。

僕は中学部会に参加した。4人のうち、公立が2人と私立が2人。全然置かれている状況が違うので本当にビックリした。

話し合う中で設定したゴールが、2つできた。

 1 1年後にクラスの文化として、大切な友達ができるようにする。

 2 1年間の実践を経て、振り返りを行い、バージョンアップさせながら、日本国語教育学会や授業づくりネットワークの全国大会などでワークショップを行い、興味を示してきた教科書会社の教科書の言語の項目の所に、ライティング・ワークショップの手法を生かした内容が盛り込まれるようにする。

さらに具体的なカリキュラムも考えていった。

この作業をしながら、雑談もしながらだったのだが、「そういえば吉田さんに、昨日から否定的なコメントを一度も言われていないよね」という話になった。時間がない、どうするんだというときにも必ず我々に問いかけて、我々が選択するようにしてくれている。

自分が教室に戻った時に、果たしてこんな風に生徒に対することができるだろうか、ということについてひとしきり話が盛り上がった。

その後、それぞれのグループでの行動計画を発表し合った。

これがよかった。

ただ単に「勉強になりました」「ためになりました」ではなく、「今からいついつまでにこれこれをする。そのためにそれぞれがこのように決意し、実行する」という具体的なプランニングまで行きついたので、ぐんと盛り上がり、そして勇気を与えられた。

特に高校部会の戦略が非常にクリアで行動計画やこれからの個々人の課題が明確化されていて感激だった。

ここに集まった皆さんは会が終了した後も集まって作戦をさらに練っていた。

ということで、二日間のワークショップを終え、いよいよここからがスタートだ。

どんな風に学校の中にライティング・ワークショップを根付かせていくことができるか、4月に向けて、いろんなアイデアが今頭の中をぐるぐる回っている。

できれば上條さんや池田さんを巻き込んでいきたいなあ。教員養成の科目にライティング・ワークショップを入れていけたらと思う。

そのためにもしっかりとした実践をして、事例集を出版しなきゃ。

いわせんさん、やりますよ。

S田さん、中学部会、盛り上げていきましょう。

参加された皆さん、これからもよろしくお願いします。

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一日目のワークショップのブレーンストーミングで、ポップを作らせることが案として出ていた。

そうしたら、こんな本が紹介されていた。

カラーで実際のポップが紹介されているらしい。

これは買いだな。

*1:対人関係のよい人と定義する

池田修池田修2008/01/07 06:54筑田さん、本当にディベートの最初の頃のような熱気が感じられますね。初日に続き一気に読んでしまいました。ブログやmixiはたまた、2チャンネルなどの影響で、書くことにたいする抵抗が低くなっている子どもたちが出てきていると思います。

しかし、そういうのではなく学級の集団を「座」としてとらえた、「座の文学としてのライティング」が学校教育には必要だと思ってまいます。また詳しい話を聞かせてください。

言葉で表現する楽しみを、多くの子どもたちに与えたいですよね。

sumi-chansumi-chan2008/01/07 20:27>ikutosuさん
コメントありがとうございました。
思いがけないコメントがつき、私もKさんもびっくりしました。

参観を希望されているということですが、まず第一には、西川先生のブログですでにご案内がありましたが、八幡小の学校公開をお勧めしたいと思います(Kさんも同意しています)。

Kさんはikutosuさんから頂いたコメントに戸惑いながらも、もし参観して頂けたら…とワクワクした気持ちもあるようですが、校内研修での授業なので、外部からの参観が可能かどうか聞いてみますとのことでした。

また後ほどご連絡差し上げます。

ikutosuikutosu2008/01/07 23:59>池田さん
ぜひ池田さんにも体験していただいて、ご意見を伺いたいです。
ライティング・ワークショップと池田さんが出会うことでの化学反応を見たいです。2日間の中で何度も「池田さんが」という声が参加者の中から聞こえてきましたしね。
「座」の文学というより「文学」を超えた「文化」を作り出していけるのではないかという感触を得ています。「大切な友達」という一連のアプローチをお互いにできるようにしていくことが、まずは第一目標です。

>山口さん
唐突なお願いをして、申し訳ありませんでした。
今日時間割がわかり、月曜日以外ですと、午後からとか、時間的にあ制約ができてしまうことがわかりました。
ご迷惑になるようでしたら、ご案内の八幡小の学校公開に参加できるかどうか検討してみます。

sumi-chansumi-chan2008/01/09 22:21>筑田さん
Kさんから返事が来ました。
やはり校内研修なので、外部の方は難しいと言われたようです。

2月1日の八幡小、および、2月23日の高崎でのセミナーには、私も参加したいと考えています。
よろしくお願いします。

ikutosuikutosu2008/01/10 08:22>山口さん
お手を煩わせて申し訳ありませんでした。
2月1日は入試業務があるので、伺えませんが、2月23日の高崎のセミナーは申し込みました。
どうもありがとうございました。

池田修池田修2010/04/04 21:01ということで、昨日私もWWに参加してきました。一年間を通して行う実践の場が持てないので、みなさんとは違う形で関わることになるとは思いますが、どうなるかは実に楽しみです(^^)。

ikutosuikutosu2010/04/05 05:11>池田さん
そうですか、参加されましたか。
私たちのチームも3年目を迎えました。
いよいよ実践のまとめに入ります。
一回限りの研修とは違うところがいいですよね。

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