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   g-chanの日記

中学校保健体育科教員です。 大学院で長期研修中です。 「開発的生徒指導につながる教科学習」をテーマに『学び合い』を学んでいます。 多様な校種で『学び合い』の実践を重ねたいと思っています。 メールは gchangchan555とgmail.comを「@」でつないでください。

2015-12-16

『学び合い』キャリア教育 出前授業より

03:37

「涙が止まらない。」

過日,ある高校3年生のクラスでキャリア教育の授業をさせていただきました。

授業の課題は,

「将来自分が幸せであるために,就職希望の人は3年後の自分,進学希望の人はその学校の卒業の時の自分はどんな自分でありたいか」を考え,200字程度にまとめ,3人に説明して納得してもらったらサインをもらう。納得してもらえなかったらどこが納得してもらえないかを聞き,改良してサインをもらう。」これを全員が達成すること。

初めの語りは「集団の自己肯定感,自己有用感の自覚を促すこと」と「雇用のこれからを知ること」を目的にしました。

担任の先生から聞き取った「クラスのよさ」を代弁し,写真で振り返りました。「コラボレーションリテラシー」の具現の結果であることを再確認。

そして,これからの雇用について次の二つを紹介。

「今年入学した小学生の6割は 今はない職業につく」(2011.8 キャシー・デビッドソン,アメリカ)

「人間にしかできないと思われていた仕事がAI(人工知能)ロボットなどに代わられようとしている」「10年後に90%の確率でなくなる仕事の例示」(2014.11 マイケル・A・オズボーン,イギリス),

生徒たちは一斉に驚きの表情を見せました。不安そうな顔の生徒もいました。それはそうでしょう。「10年後に90%の確率でなくなる仕事」はいたってありふれている仕事ですから。

さらに語ります。

この変化に正面から向き合うとき,私たちに必要な,普遍でありベースになる力は,「コラボレーションリテラシー」つまり,人とつながり,人に力をかりたりかしたりして成果を出せる力。周りの人みんなを自分の同僚にする営みを続ける力じゃないだろうか。これまでクラスの仲間とやってきたことそのものだろう。

そして忘れちゃいけないのは,20年後も100年後も,仕事でやることは問題を発見して解決することだ,ということだろう。

そして課題に取りかかりました。

教室のあらゆるところに議論の輪ができました。椅子,床,机,友の膝(笑),などに座り,立ち歩き,お互いのワークシートやタブレットPCをのぞき込みながらの議論。「にわかラーニング・コモンズ」の様相。教室が熱い。高校生の『学び合い』は迫力があります。

私は幸せな感じに包まれて見ていました。本当に頼もしい。人くさいかわいらしい表情も見せる。自分から説明に行くことが苦手だと聞いていた生徒のところには入れ替わり仲間たちが訪れていました。

名残惜しいほどの盛り上がりの中,授業終了。

終わりの語りとして用意していたのは「応援しています。頑張ろうな。風邪ひくなよ。」ということ。高3の冬ですから。でも私の口から出たのは「ありがとう」でした。リスペクトする学びの姿でした。授業の終わりには拍手をいただき私からも拍手をお返しして教室を後にしました。

ワークシートに目を通すともちろん全員達成。

内容を少し紹介します。

<こんな自分でありたい>

・以前(職業講話で助産師の)先生から聞いた。「普通の病院は一人で入院して一人で退院していく。助産師が携わる人は一人で入院して二人で退院していく。そこにやりがいがある。」を聞いて目指す気持ちが一層強まった。そこにむかっていたい。

・自分らしく働いてお客さんに支持してもらえる人材になっていたい。英語力を磨いて時間があったらそれ以外の語学も学んでいろいろな場面に対応できるプロフェッショナルになっていたい。

・母と妹が不自由なく暮らせる生活を送れるように,立派に働くこと。

・幅広く国際学,地域学を学んでその知識を地元に結び付けて問題解決する人になりたい。広い教養を身につけて社会で活躍する人になる!人とのコミュニケーションを大切にして笑顔を振りまいて周囲の人を幸せにしたい。

・協調性や建築の発想力,想像力を学び自分が建てたい家を設計できるようになっていること。

<授業感想>

・自分がどうしてその職につきたいのか改めてわかることができた。将来についてもしっかり考える機会になった。

・いろいろな人の意見を聞けて自分にプラスになる時間だった。

・周りの人が声をかけてくれて助けてくれた。私自身の力ではないが嬉しい。

・みんなのを読んで自分の刺激になった。楽しい授業だった。

・最初はめんどくせーと思っていながらも結構楽しんでいた。


高校卒業という岐路に立ち不安もあろう3年生が,仲間と意見交換をしながらつくったワークシートには,将来に確かな夢をもっていること,そしてその夢が人の役に立つためにどうありたいか,自分の弱点をどう克服するか,どのように自分や周りの人の生活を豊かにするか,ということが生の言葉で書いてありました。

本当にうれしい。若い人たちが将来を真剣に,ロマンを持って考えてくれていることは心を揺さぶります。人として正しく,世のため人のために生きようとしている自分を友に語っていたのが読み取れました。授業での生徒たちの姿と文章が重なり,涙が止まりませんでした。「日本は大丈夫」と思いました。また一つ「子どもは有能である…子ども観」を体感することができました。

そして,教師としてもっともっと子どもを認めほめることを「創造」すべきと思いました。そのモチーフとして「キャリア教育」をとらえなおしたい。その親和性ある授業の在り様としてアクティブ・ラーニングがあり,理念として『学び合い』が合致すると考えています。

生徒たちと素晴らしい学級を作ってこられた担任の先生に心より感謝です。

ゲスト



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