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イルカたちの夢

 高知県の小学校教員です。 山間の学校の6年生を担任しています。 よろしくお願いいたします。
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2016-12-26

居心地のよい組織と生産性① 08:25

『本当にあった!こんな会社 規則も命令も上司も責任もない! 幸せを運ぶ会社 おふくろさん弁当』という本を読んだ。

面白い会社だ。

「責任もない」とあるが、責任はみんなで取るという感じ。

誰かの失敗を責める雰囲気なく、仲間として快く補い合う。

ちょうどけがをしたら、その部位を修復するために、体の他の部分が反応していって切り抜けるというイメージを持った。


他にも通常の会社ではあまり見られない、「それで、ホントに大丈夫なの?」と言われるような興味深い運営方法がいくつもあるが、実績もかなり高いのは、それが「大丈夫」だということを証明している。


私の中では、『学び合い』が根付いた教室や学校に近い感覚。

仲は良いが、お互いに気にかけ合うという感じで、ガチガチの一体感で縛られた感じではない。

居心地が良いのだ。


スタートは、

「何をやるかよりも、まずは何のためにやるのか、目的をはっきり知ろう」

と、時間をかけてとことん話し合ったそうだ。

その時、どんな業種にするかという話は一切出なかったらしい。

なるほど、本当に目的を重視していることが分かる。

だから、初めから弁当屋だったわけではないのだ。

自分達が目的を失わず、社員全員の幸せを大切にしつつ、人々の役に立てることは何かということで現在たどりついているのが弁当屋ということ。


興味深かったのは、運営につまずいたときのこと。

「何でも話し合って決めるのがいい」

と思っていつも話し合いの時間をしっかりとっていたのだが、どうやら、話し合いの時間を持てば持つほど「仲が悪くなる」という現象が起きてきたというのだ。

そして、だんだんとその話し合いの時間が憂鬱になり、半年くらいで毎日集まるのはやめにしたということ。

この部分は、

「えっ、そうなの?」

と思いつつ、

「なるほど、そうだろうな。」

とも思ったところ。


そこで、その会社はどうしたかというと、「人とはどういうものか」ということを、特に精神面において科学的に研究しているという「サイエンズ研究所」というところに相談に行き、事例提供もしながら意見交換や共同研究をしだしたということ。

特に「話し合えなくなる原因」については、創業当時から研究を重ねているらしい。

そこで研修をしていくわけだが、研修をする時間や費用も会社として保障するが、強制ではないというところもいい。


私は、この本を私自身が『学び合い』の実践をすることを想定しながら読んでいたので、自身が反省すべき点も含め、大変参考になることが多かった。



この会社は、強力なリーダーシップを発揮する人はおらず、社長や店長も、「社長係」「店長係」程度のものらしい。

確かに、そういった上下関係はない。


「ということは、『学び合い』をする時も、教師の存在はいらないということ?」

とも思ったが、やはりそうではないと思う。

会社を立ち上げるときに話し合った「目的」にあくまでもこだわり続け、それをあきらめず主張し続け、全員のものにしようとする存在はいつも必ずいるのだ。

それが、教室における教師の役割に当たるように思う。

そして、だんだん教師がいなくてもそれができるような集団になったとしたら、本当に、いわゆる役職としての教師はいらなくなると思う。


そういった社風によって、辞めずにずっと続けていられる人達がたくさんいる。

ただ、一方で、その社風と自分が求めているものが合わずに辞めていった人がいるというのも事実らしい。


教室でそれが起こってしまうのはつらい。

そのことは頭にとどめつつ、大いに参考にしたい本であった。


…ところで、やめていった人達は、その後、願っていたものや、自身の幸せは得られたのかなぁとも想像してしまう。

幸せで、選んだその道を進み続けるのかもしれない。

あるいは、また、この会社のようなところにもどってくるのかもしれない。