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2009-05-23
■ 現状に焦りや苛立ちを感じたとき
「教師が見ている時にはまじめな態度をとっていて、教師が気付いていないと思うところではまじめにしなかったり意地悪をする裏表のある子がいる。」
「教室になかなか入りにくく遅れて入って来る子が、一人でなく数人いるので、ついイライラしてしまう。」
そんな悩みを持った先生と話をした(もう一人別の先生も加わって3人で)。
・所詮物事の善悪なんて絶対的なものじゃない。
・人はそれぞれの解釈で世の中の現象を見るもの。
・その子の悪いと思っている部分も、取り除く必要のない、それどころか、むしろうまく使っていくべき特性。その特性に悪いラベルを貼ると、邪魔な、害悪を及ぼすものになるが、良いラベルを貼ると、その特性を善用しだし、明るくいきいきとしてくる。
・人でも集団でも悪い部分に目を付けてそれを取り除こうとし、戦いのモードになるととんでもない労力が必要になる上に、雰囲気も暗~くなる。そして、ほとんど(私は絶対と思っているが)失敗する(表面上は落ち着く場合もあるかも知れないが、「人格の完成」からは遠くなると思う)。
そんな会話をしていった。
そして、提案した具体策。
・それまで遊んでいて、先生の視線に気付いて行動を変える子を見かけたら、大きな声で、
「素晴らしい!すぐに気付いて友達のために反応できる力がある。見ていてうれしくなります。」
と、にっこり。
・授業時間になってもなかなか帰って来ない子達がいたら、きちんと帰ってきている子達の善意に訴えかける。
「帰ってくるのに、なかなかしんどい思いをしている人達がいるね。みんなと一緒に学び合う時間が少なくなってとても損していると思うんです。その人達が帰ってきたとき、教室に入りやすい雰囲気を作ってほしいのです。授業を始めますが、それはその人達を見捨てるんじゃなくて、その人達が帰って来たときに、すぐに教えてあげられるようにみんなでしっかり学び合っておいてほしいんです。」
そして、遅れて入って来た子ども達には、
「お帰り~。よかった、帰ってきてくれて。」
と、にっこり。
(これって『学び合い』をしていないと説得力が激減する言葉です…いや、少なくとも私の実力では。)
もちろん、ここが肝心なのだが、この言葉を、「子ども達を操作してやろう」なんて気持ちで言うと失敗する。心底そう思いながら言うこと。
話に加わっていた先生が、
「教師も、先生(イルカ)がいつも子ども達に言っているように、友達や仲良しなんかでなくてもいい、こんな風に必要な時にそれぞれが持っている力をうまくつなげていける集団だったらいいですよね。」
と、おっしゃった。
悩んでいた先生は、
「いつもこんなふうに話ができることが、何よりうれしくて、元気が出ます。こんなに時間をとらせてすみません。」
とおっしゃった。
私は、
「あやまってもらう必要は全くないです。『学び合い』をする子ども達と全く同じです。私は、先生に役立つことができて、学校の子ども達も教師達もよくなって、私が嬉しくなるからしているだけです。私の場合は、私利私欲で動いています。そうでないと長続きなんてしませんから。お互い私利私欲を善用しましょう(笑)。」
と言った。
そして迎えた翌日の朝。
「うちに帰って、いいラベル貼りしてきました。」
とその先生。
そして、その一日。
それが功を奏したらしく、前日とは違ったいい話が聞けた。授業もいい感じで進んだそうだ。
遅れて来た子達ももう始まっていたので、すぐに取りかかったらしい。
その先生のいい表情がもどってきた。
私は同僚と子ども達に恵まれていて幸せだー。
ありがとうございます。
いい学校にどんどんなって行きそうですね。
munehiroさん、ありがとうございます。もったいないお言葉!でも、器については、小心者でとてもとてもでかいとは…しかも、呆れるほどできないことばかりなんで穴だらけの器です(これ、まったく謙遜ではなく、他の人が当然知っているような会話にもついていけないことあるんです)。だからいろんな人にあちこちふさいでもらって、やっと器として成り立っているというか…。まあ、だから、つながることの大切さを力説できるのでしょうね。欠点と思われることの善用(笑)。