信濃の国からこんにちは このページをアンテナに追加 RSSフィード

三崎隆です。
長野県長野市の信州大学教育学部で『学び合い』を研究しています。
「信濃の国からこんにちは」は私たちの『学び合い』研究室の研究室通信です。
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研究室の全体ゼミはいつでも参観OKです。
全体ゼミは毎週月曜日18:00-19:30に行っています(本年度も始まりました。お待ちしています)。
研究室の『学び合い』ライブ出前授業もいつでもOKです。
詳しくは,私たちの『学び合い』研究室をご覧ください。

明日から使える『学び合い』の達人技術
はじめての人のためのアクティブ・ラーニングへの近道

2017-04-30   ご縁つながり

[] 07:18    ご縁つながり - 信濃の国からこんにちは を含むブックマーク    ご縁つながり - 信濃の国からこんにちは のブックマークコメント

本学部の理科教育コースの学生の中には,

 保護者が長野県内で教員をしているという学生がいます。あるとき,うちの研究室所属ではないうちの研究室所属ではないそんな学生と話をしていたら,家でひょんなことから保護者と『学び合い』の話になったことがあるそうです。それによると,保護者の勤めている学校では学び合いではなくて,「二重括弧の学び合いをやってますって言ってました」とのことです。わざわざ二重括弧とつけるくらいですから,それは本物です。その保護者の学校の校名を聞いたら,さもありなん。それは『学び合い』をしている学校であることが判明しました。世間は狭いと感じた三度目の瞬間です。

そんな話をしていたら,

 「三崎先生,そこの学校の研究主任が○○校に異動したそうです」「・・・!?」。○○校は私のよく行く学校です。世間は狭いです。その研究主任は,その学校で『学び合い』に取り組み始めた当初から在籍しているので二重括弧の学び合いをよく知っているとのことです。狭い世間の中で絡み合えるほど,二重括弧と言える学び合いのご縁つながりが増えてきた長野県が嬉しい限りです。もっともっと!です。

2017-04-29   模擬授業をやる意義

[][] 06:49    模擬授業をやる意義 - 信濃の国からこんにちは を含むブックマーク    模擬授業をやる意義 - 信濃の国からこんにちは のブックマークコメント

今朝は少し長いです。最後までお読みいただければ幸いです。

 授業で学生に対して模擬授業を課すことがあります。模擬授業ですから,学び役は学生や教員です。模擬授業を通して彼らの力量は高まっていくように見えます。実際,私たちの理科教育コースでは卒業直前に,認定試験と呼ぶ模擬授業による授業実践を課していますが,そこでの実力は見事なように見えます。児童生徒役は,理科教育コースを担当する理科の教員と長野県教育委員会から理科担当の指導主事を招聘して,担っています。この認定試験は理科教育コース所属の4年生全員に課しているので,模擬授業の時間は一人20分です。模擬授業を行う校種・単元はくじ引きで決めます。どの単元であっても力量が発揮できるはずだからです。

その認定試験で

 とても優秀な成績を収めた4年生に,卒業後に出会ったときに聞いたことがあります。「現場はどう?」「大変です」「どうして?だって認定試験の時は実力発揮してたでしょ」「模擬授業と学校現場は全然違います。模擬授業でできたからといって現場でできるとは限りません」。そこに自分で気づいてくれるのですから有能です。模擬授業をどの単元で何回繰り返してやっても,それはあくまでも模擬でしかありません。認定試験も模擬授業ですから。模擬授業をやることで力が付いたなどと思うことは,子どもたちに失礼です。自分たちはモルモットではないという声が聞こえてきそうです。模擬授業は先生役をする人間はもちろんですが,児童生徒役をする理科の教員も指導主事も,場合によっては理科の学生や理科を専門としない学生がなることもありますが,模擬授業をする単位時間の目標もゴールも流れも教材も知っています。知り尽くしていると言っても過言ではありません。

こうやればこうなるし,

 こうすればあんなふうになる,ということは百も承知で実施する練習です。こう言えば,児童生徒役の人間はこう答えるだろうと想定します。児童生徒役をする人間は,こう聞かれたらこう答えることが求められていると承知の上で,手を上げて答えます。手を上げないと先生役が困窮することが分かっているからです。ときには,先生を困らせようとして敢えて期待していないようなリアクションをとることもありますが,それも練習の一つです。模擬授業は先生役をする人間も児童生徒役をする人間も演技をしているだけなのです。

それではなぜ模擬授業をするのでしょうか。

 模擬授業をするのには,理由があります。私は理学部卒業ですから,模擬授業など経験したことがありません。もちろん,リハーサルなどと呼ぶような練習も一度もしたことがありません。いきなり学校現場に出たものです。困りました。何をどうやってどんなふうに授業をしたら良いのかが全く分からないからです。教育実習は高校でしたから,小中学校での授業は全くの初めてです。どうやって導入し,子どもたちに疑問を持たせてそこから学習問題を設定し,問題解決の道筋を立てていったら良いのかが皆目見当が付かないのです。目の前には子どもたちがいますから,逃げるわけには生きません。毎単位時間が冷や汗ものでした。教卓上に置いたノートから目が離せず,子どもたちの方さえ見ることができなかったことを苦い思い出として捨てられないままでいます。

何も見ず,誰にも頼らずに

 導入から完結までの問題解決の一連の流れをどうやったら淀みなく子どもたちの思考を一貫させて組み立てられるのか,それもその場その場の児童生徒の反応に応じて組み立てていくのかを学ぶ機会はありません。まさか,実際の子どもたちで練習することなど,それこそ本末転倒です。経験を積んでいくことによって,失敗を繰り返すことによって,その場の児童生徒の様々な関心や反応に応じて展開していくことのできる心の余裕と寛容さ,引き出しの多さ,臨機応変の指導の多様性が確立していきます。何も見ずに誰にも頼らず心の余裕を持って教室での授業展開に臨むことができるようになるまでの間に積む経験として,模擬授業の価値を見いだせるのです。模擬授業の繰り返しが間違いなく心の余裕をもたらします。授業というのはノートに書いて丸暗記しただけでできるほど甘いものではありません。

学び合い』授業も同じことです。

 うちの研究室のゼミ生は,3年間『学び合い』を学びます。しかし,それは紙上だけのものです。『学び合い』授業参観にも行きますが,それはあくまでも見ているだけのことでしかありません。自分で授業をしているわけではありません。目標を作ったわけでもなく,評価をしてリフレクションを子どもたちを前にしたわけでもありませんから。よく,百聞は一見にしかずといいます。しかし,百見は一実践にしかずかもしれません。見るだけでは何もできないからです。百回『学び合い』授業を見たからといって,『学び合い』の授業ができるわけではないことは自明です。だから,ゼミ生は全員が卒業までに自分で1回は『学び合い』の模擬授業をやってみます。それが『学び合い』長野セミナーです。1回では絶対的に量が足りませんが,それでもやらないよりはやった方がまし,です。『学び合い』の模擬授業をいやというほど繰り返して,体に覚えさせてこそやっと,”三崎先生の言う”『学び合い』授業の初心者になれることでしょう。模擬授業をやる意義はそこにあります。

2017-04-28   ご縁

[] 06:46    ご縁 - 信濃の国からこんにちは を含むブックマーク    ご縁 - 信濃の国からこんにちは のブックマークコメント

先日の学部教員と附属学校教員との

 連携協力の情報交換会のときの理科の情報交換会で隣に座ってくれた理科の研修教員の卒業生との会話。「三崎先生,去年,学び合いしました。」「学び合い?いつ?」「7月です。」「学校の研究授業で?」「はい」「学校で学び合いしてるの?」「はい」「それはすごいね」「校長先生が進めてます」「校長先生は何という方?」「○○先生です」「えっ!?もしかしてその校長先生,前の学校は□□じゃなかった?」「そうです」「・・・!?」。その卒業生のいた学校の校長先生は,一緒に本を書いてもらった方です。世間は狭いなあと感じます。

彼との会話はこれで終わりません。

 「三崎先生,そのときに”たけむら”先生から指導してもらいました。」「えっ!?たけむらって,もしかして武士の武に村って書くんじゃない?」「そうです」「年配で弁の立つ方じゃないの?」「そうです」「・・・!?」。間違いありません。昨年8月に信大で行った一般社団法人日本理科教育学会第66回全国大会のときの懇親会で乾杯をお願いした先生です。直接お電話いただいて熱く語られたことを忘れません。どんなご縁があって彼の地で指導されたのかは分かりませんが,当県に思いを寄せていただいていることに感謝しています。これまた,世間は狭いと感じるものです。有能な卒業生を介して,ご縁のあるお二人の方とつながったことに驚きと喜びを感じた瞬間です。

2017-04-27   学部と附属の連携

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本学の教職大学院は

 学校を拠点とした方式を採用しています。キャンパスに来て集中的に学修する機会も1ヶ月に一度ずつくらいの割合でありますが,それは土日に限られていて,平日は拠点となる学校での学修です。主たる学修の場も院生のテーマの礎となる教育課題やニーズも拠点となる学校現場にあります。その教職大学院に進学する院生の多くが附属学校の現職なので,附属学校が拠点となって教職大学院が動いているという状況が見られます。全国でも珍しいシステムです。それだけに,教職大学院と附属学校との連携協力は欠かせないものとなっています。

一方で,本学部の教育学部の

 教育実習はおよそ99%の学生が附属学校園で行います。一部は長野市との協定に基づいて市立校で行われますが,ほぼ全員が附属学校園で教育実習をするといっても良いくらいです。教職大学院同様,その意味では教育学部と附属学校との連携協力は極めて重要であり,その役割がますます大切になってきていると言えます。ほぼ全員が附属学校園で教育実習を行うだけに,学部と附属学校園との情報共有とともに附属学校園同士の情報共有の場としても貴重な機会となっているものです。年に一度,学部と附属学校との教員が一堂に会して,相互の情報交換とともにその年度の活動について共通理解したり情報を共有したりする機会を持ちます。その機会が昨日ありました。各教科・領域や環境教育,国際理解教育等の部会に分かれてそれぞれの話し合いを持ったところです。今年も共に歩んでいこうと改めて思う1日です。

2017-04-26   OM

[] 06:26    OM - 信濃の国からこんにちは を含むブックマーク    OM - 信濃の国からこんにちは のブックマークコメント

とうとうオーバーマスターという

 造語を作りました。マスターだからもうマスターでもない,でも研究生でもない,かといってドクターでもない,そんな人材のために,うちの研究室で使うことになった表現です。うちの実験室のドアには,県内で活躍するOBが作った「今どこ表」というのが貼られています。今どこにいるのか,それを在室,校内,帰宅の3つから選んでマグネットで動静を表す用紙です。「今どこ表」と言って理解できるのは,思わずほほえんでしまうような,ほんの一部の人間です。その「今どこ表」のいちばん上,そうM2の上に「OM(オーバーマスター)」の表示が登場したのです。

実験室に来たら,

 しっかり自分のマグネットを「在室」の位置に動かしていましたから,その存在意義は明らかです。マスターの現職が毎週,17:30になると実験室にやってきて,個人ゼミを1時間30分やっていきます。毎週です。1週も欠かさず。来週も月曜日と火曜日しかありませんが,火曜日17:30にアポを取りました。『毎週,査読付きの学会に投稿する論文を修正して持ってくるけど,論文を修正する時間なんて学校現場に勤めていてあるのだろうか?それも毎週』と不思議に思って,尋ねてみました。「いつ書くの?」と。返ってきた答えは「休憩時間です」。「・・・!?」,絶句。少なくとも,自分には学校現場でそんな余裕はありませんでした。頭が下がります。オーバーマスターはこれからも続きます,どこまでも。