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上越教育大学教職大学院准教授片桐史裕です。
2016年3月まで27年間新潟県の高校国語教師を務めていました。
映画のことや,教職のことについて書いています。
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教室『学び合い』フォーラム
第14回(2018年)は静岡県でおこないます。
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2018-01-09ライオン

[]ライオン 25年目のただいま 2016 ライオン 25年目のただいま 2016 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - ライオン 25年目のただいま 2016 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 ライオン 25年目のただいま 2016 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

今年1本目の映画は,高田世界館で観た。夕方の会だったが,観客は合計4人かな?高田世界館は改装工事でしばらく昼間の上映がなくなるそうだ。

インドのとある貧しい田舎町で5歳の主人公サルーが,駅で兄が仕事から帰ってくるのを待っている途中,何の気なしに乗り込んだ列車が発車してしまう。回送電車だったから,途中駅には停まらない。約1万キロ移動して都会のカルカッタで列車は止まった。

5歳だから自分がどこにいるかわからない。言葉も通じない。自分が住んでいる街の名前を伝えても伝わらない。浮浪児になり,人さらいにさらわれそうになるのをくぐり抜けて,歳出駅には児童保護施設に入居する。新聞広告を出してもらっても,引き取り手はいない。

オーストラリアの夫婦がサルーを引き取ると申し出て,サルーはオーストラリアで養子となり25年間過ごし,大人となる。

あるきっかけでGoogle Earthで探せば故郷を見つけられるということに気づき,しらみつぶしに探していく。養父母に気兼ねしながら,やっぱり産みの母親,5歳まで育てくれて,何も伝えられずに分かれてしまった母親や兄に会いたいという一心で,探し,故郷の地を特定することができた。

これも,自分とは何者か?自分はどこから来たのか?というアイデンティティを確かなものにしたいという物語だ。5年間一緒にいた母親と,25年間一緒にいて育ててくれた両親。たった5年間だからといって忘れることはできない。「自分はどこから来たのか?」というのは想像以上に重要なことなのだ。

この物語は事実をもとにしているというのも驚きだが,このタイトル「ライオン」の意味が最後にわかり,衝撃の事実とともに泣けてくる。

いい映画だったな〜。

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2017-12-31今年観た映画

[]今年観た映画 今年観た映画 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - 今年観た映画 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 今年観た映画 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

  • 本能寺ホテル
  • ドント・ブリーズ
  • 沈黙-Silence-
  • ラ・ラ・ランド
  • チア☆ダン
  • GHOST IN THE SHELL
  • キングコング 髑髏島の巨神
  • 名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)
  • メッセージ
  • ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
  • 哭声(コクソン)
  • ワンダーウーマン
  • ナミヤ雑貨店の奇跡
  • アウトレイジ最終章
  • ブレードランナー 2049
  • ギフテッド
  • スター・ウォーズ/最後のジェダイ

今年劇場で観た封切り映画は17本だった。昨年は13本だったから,少しは増えたが,それほど行かなかったな。

高田世界館の会員になったのに,結局行ったのは1本のみで,「哭声(コクソン)」を観た。これは壮絶な映画だったな。ほとんど話題にはならなかったが,韓国映画の凄さを観た。ここで韓国映画の「新感染」も観たかったが,都合がつかず,行けなかった。「観よう!」と思ったその日にいろんなものをかなぐり捨てて行かなきゃだめだな。反省。

「ブレードランナー 2049」や,「GHOST IN THE SHELL」,「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」なんかもそうだけれど,「自分は何者なのか?」という人間存在をテーマにした映画をよく観たきがする。共通するのがSF映画なんだけれど,未来,科学技術の進歩により,いろんな人間の形態(アンドロイドなども含む)が生まれることにより,「人間とは何か?」と言うことが問われる時代になるんだろうと思う。今も問われているけれど,様々な形態が現実のものになることによって,初めて考えられるようになるのだろうな。

そこで,今年の私のベスト1は,

「ラ・ラ・ランド」

だった。それを観た当時の私の状況も含めて,それから映像美と,描かれている気持ちの切なさも合わせて,すばらしい映画だった。これは映画館で観なければきっとわからないものだと思った。映画館で観て良かった。

今,新潟市の映画館ではリバイバルで上映している。

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2017-12-25スター・ウォーズ/最後のジェダイ

[]スター・ウォーズ/最後のジェダイ スター・ウォーズ/最後のジェダイ - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - スター・ウォーズ/最後のジェダイ - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 スター・ウォーズ/最後のジェダイ - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

次男が冬休みになったので,休みを取って一緒に観に行った。午後から部活だというので,その開始時刻に間に合うよう,上映館を探したら,イオン新潟西だった。平日だから,観客は10人程度だった。冬休みなのに,これしか入っていない……。

ほぼネタバレ

町山智浩さんがラジオで「今までのスター・ウォーズの伝統を壊すものだから,かつてのスター・ウォーズファンからはこき下ろされている。」と伝えていたんだけれど,私はかつてのスター・ウォーズは見ていたが,それほどコアなファンではなかったから,印象としては,今までのスター・ウォーズを踏襲しているんじゃないかな?というものだった。

「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」では今までのオープニングらしくなく,「今までのあらすじ」が割愛されていたけれど,今回は復活した。やっぱりあのファンは多かったのだ。しかも,スター・ウォーズのロゴが,とってもアナログ的。今のCGだったら,もっと綺麗に映せるんだろうけれど,わざと昔のロゴを使用していたんじゃないかな?ちょっとぶれている。それもいい。

テーマ的には「師匠は超えるためにある」というもの。これもかつてのスター・ウォーズのテーマだったんじゃないだろうか?スター・ウォーズは,親や師匠を乗り超えるのがテーマだから,しっかり踏襲している。ヨーダも出てくるし。

会話には「今までのものは関係ない,新たなものを作ろう」というメッセージがちりばめられていた。あと1作で完結するのかな?と思ってしまう。いろんな謎はまだ謎のままだし。

気になるところは沢山ある。どうやって宇宙船に乗ったのかとか,どうして死なないんだろう,とか。まぁ,それを言ったらきりがないけれど。

今回,BB8が大活躍で,とっても面白かった。ファースト・オーダーのドロイドがあんまり活躍しないのは,なぜ?C3POのようなユーモアのあるドロイドは作らないのかな?

来年夏には「ハン・ソロ」が公開されるそうだ。ハン・ソロの若い時代を描いた映画。これも楽しみ。

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2017-11-27ギフテッド

[]ギフテッド (2017) ギフテッド (2017) - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - ギフテッド (2017) - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 ギフテッド (2017) - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

7歳のメアリーは叔父のフランクに育てられている。天才数学者の母親は自死したのだ。メアリーもその才能を引き継ぎ,数学的才能が飛び抜けている。

フランクはメアリーに他の子どもと同じように友達を作り,思いやりを持ってほしいと,近くの小学校に通わせる。ところが授業での勉強は退屈でしょうがなく,問題もたくさん起こす。

クラスの担任の先生,校長先生がメアリーの才能に気づき,校長は“ギフテッド教育”で名高い学校への転校を勧める。メアリーの噂が祖母のイブリンまで届き,イブリンは親権をかけ訴訟を起こし,メアリーにギフテッド教育を受けさせようとする。

学校の意義を考えさせる作品だった。(こんなことはあまり他の人は考えないのかもしれないけれど。)学校は子どもの才能を引き延ばすところであるのは当然だ。優れた才能だったらどんどん伸ばすべきだ,それが社会のためになる。

しかし,それが本人のためにならないこともある。7歳で親(代わり)の存在と引き離され,英才教育を受けさせられる。これがメアリーのためになるのだろうか?

学校は子どもの才能を引き延ばすところであると同時に,社会や親権者からのエゴから守らなければならないところでもある。

冒頭,フランクが小学校に通わせようとする初日の場面で,近所に住んでいるメアリーをずっと世話していたおばさんのロバータが反対する。どうして?と思っていたが,メアリーの特別な才能が発覚してしまい,今までの穏やかな生活ができなくなってしまうことを恐れていたんだと思う。

他の子どもと同じように外を知る経験を持たせたいという思いと,外に出れば,危険があり,安心な生活が壊れてしまうという怖れのジレンマは,幼い子を持っている親として常に抱いている。わかるな〜。

主人公のメアリー,かわいくて演技もうまい。話題になるんじゃないかな?

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2017-11-06ブレードランナー 2049

[]ブレードランナー 2049 (2017) ブレードランナー 2049 (2017) - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - ブレードランナー 2049 (2017) - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 ブレードランナー 2049 (2017) - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

ユナイテッドシネマで観る。平日だが結構な入りだ。

前作から30年後の設定で,街並みがちょっとスマートになっていた。前作は本当に今の新宿とか,新橋とか,あんな感じだった。それから,廃墟になっている街も舞台となった。何があったかは語られてはいないが,天災か戦争か……「大停電」というキーワードはあったけれど。

人間とレプリカント(人造人間)とバーチャル人間と,人間とレプリカントから生まれた子ども

確実な肉体と過去を持つ「人間」

確実な肉体と植えつけられた過去を持つ「レプリカント」

肉体を持たず,過去も持たない「バーチャル人間」

確実な肉体と過去を持つ「人間とレプリカントの間の子ども」

4者4様の悩みを抱えて生きている。でもその中で一番人間らしく生き生きとして見えるのが「バーチャル人間」であるジョイなのが不思議だった。ジョイはブレードランナー である「K」のために作られたホログラムの恋人で,いつもKに寄り添い,勇気づける。アドバイスを与え,悩みを聞いて癒してくれる。ジョイもKに恋心を抱いているかのように振る舞うが,そのようにプログラムされているのか,レプリカントも感情が芽生えてきているのだから,バーチャル人間も感情があると捉えた方がいいのか,そこがよくわからない。

ただ,肉体がない。空間に浮かんで見えるだけだ。その肉体に触れることはできない。その肉体がないということを残念に思っているかのような振る舞いをする。

レプリカントは自分が人間であった方がいい,人間でありたい,今持っている小さい頃の記憶は本当にじぶんの記憶であった方がいいと願ってあがく。そこにアイデンティティのよりどころを求めている。

自分が自分であることは,自分の過去があるからである。人間が人間であることは,自分の過去があることである。その過去は切り離してしまいたい過去かもしれないけれど,その切り離してしまいたいという思いがあるからこそ自分であり,人間である。

「攻殻機動隊-GHOST IN THE SHELL-」では,アイデンティティのよりどころとして「過去は関係ない,今,どう行動するかだ」というとらえ方だったが,「ブレードランナー 2049」ではそう捉えていなかった。

人間は「今」だけでは自分を保つことができず,「過去」から続く「今」から,「未来」を臨む(望む)ことで生きていけるのかな?と思わせてくれるのが,この映画のラストシーンなんだと思った。

写真は「バーチャル人間」のジョイ

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2017-11-03ブレードランナー

[]ブレードランナー (1982) ブレードランナー (1982) - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - ブレードランナー (1982) - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 ブレードランナー (1982) - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

ブレードランナー 2049が上映中なので,観に行くために第1作を観た。なんと,Amazonビデオで100円で観られる。画質が低い方は100円だが,iPadを接続し,うちの大型テレビでも十分に観られる画質だった。なんていい時代なんだ。ただし,ダウンロードしてから観ないと,動きがカクカクしてしまう。これはうちのWi-Fi環境のせいなんだろうな。

いろんなメディアで紹介されていたのだが,とにかく映像がすばらしい。CGなんて一切使っていない。使っていないがとても綺麗で精密だ。

1982年から見た2019年が舞台だが,2019年にはまだまだ実現できそうのない技術(空飛ぶ車など)は描かれているが,でもとてもリアルだ。実は,このブレードランナーを元に,日本の未来の街並み(特に東京中心部)が作られていったというのだ。いつも雨が降っていて,ゴミゴミしていて,広告がどぎつく,最先端のICT技術も混在しているという東京の姿。今とそう変わらない。舞台はロサンゼルスみたいだけど。

まさに「攻殻機動隊」の世界だった。

レプリカントは人造人間で,過去を持たないし,寿命もシステムによって限定されている。人造人間だから感情は持たないはずだが,あまりにも精密なので感情を持ってくる。自分の過去が本当のものなのか疑い,寿命が近づくことを恐れ,生き延びようとあがく。

アイデンティティとは何かということを描いている。そしてそれを排除しようとするブレードランナーがいる。人間の脅威になるからだ。生まれながらにして人間から排除されようとするレプリカント。

人間とは何か,人間は排除するために生み出しているという人間の「罪」が読み取れる。

レイチェルのファッションはまさに平野ノラだったな。ここにバブル時代の日本の女性のファッションの原点があったのか。

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2017-10-26アウトレイジ最終章

[]アウトレイジ最終章 2017 アウトレイジ最終章 2017 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - アウトレイジ最終章 2017 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 アウトレイジ最終章 2017 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

ここ数週間のメディアに北野監督が出まくって,出演者も出まくっていて,北野監督とピエール瀧が共演ということでとても楽しみにして観に行った。

ピエール瀧の「凶悪」並の残忍さがアウトレイジの雰囲気とどう結びつくのか,恐い気がしたし,アウトレイジ ビヨンドの椎名桔平ぐらいの「悪い男」に描かれていたらいいなぁと思ってワクワクして観に行った。

観客は私を含めて2名。割引の日でも無いからそんなものなのかな?

以下,ネタバレと残虐表現もあるため,読みたい人のため。

しかし,期待を高めていったせいか,ちょっとがっかりした。アウトレイジ ビヨンドのコメディーとホラーが結びついた不思議な感じがほとんど観られなかった。アウトレイジ ビヨンドで椎名桔平が殺されたシーン*1のような残虐シーンはほぼ皆無であった。

大杉漣の殺され方は少しはそれに近かったかもしれないが,アウトレイジ ビヨンドほどでもない。全体的にクールなテイストになってる感じがする。ほとんどがピストルか自動小銃での殺し方。日本のホテルで自動小銃をぶっ放すというのはちょっとリアリティに欠ける。

ピエール瀧はというと,完全にコメディーで,殺され方もコントで残念。「凶悪」の悪い男という感じもなく,調子のいい男。大森南朋は人のいいオジサンだった。

今回は,そういう残忍さを出すのでは無く,男同士の議論バトルといった感じだ。そちらの方は楽しかった。西田敏行の神経質なタイプの悪人面が光っていた。「ナミヤ雑貨店の奇跡」も観たけれど,それとは真逆だ。西田敏行,すごい役者だ。

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*1:自動車の後部座席に乗せられ,頭に袋をかぶせられ,縄を首に巻き,その縄をガードレールに結びつけ,自動車を疾走させる。

2017-09-24ナミヤ雑貨店の奇跡

[]ナミヤ雑貨店の奇跡 2017 ナミヤ雑貨店の奇跡 2017 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - ナミヤ雑貨店の奇跡 2017 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 ナミヤ雑貨店の奇跡 2017 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

妻と次男で観に行った。ユナイテッドシネマで,日曜日に行ったにもかかわらず,クーポン券で中学生の次男は900円,ユナイテッドシネマ会員は1,000円だった。ずいぶん安かった。キャンペーン中だったのかな?

山下達郎が主題歌の映画は,いくつか行ったが,単に主題歌を作ったのではなく,劇中にキーとなる曲を作った。ラジオで曲をよく聞いていたせいか,劇中にその曲*1が流れるごとに,ぐぐっと来てしまっていた。

山下達郎の歌うバージョンはもちろんいいのだが,門脇麦バージョンもとてもいい。CD買おうかな?

公開2日目だったが,それほど混んではいず,観ている年齢層はかなり高めだった。Hey! Say! JUMPのメンバーが出ているにもかかわらず,そのファンは見当たらない。次男が最年少だと思う。きっと山下達郎ファンばかりが観に来ていたんだろう。

次男は絶えずティッシュで涙をぬぐったり,鼻をかんだりしていた。見終わってから,「君の名は。」の手紙バージョンだねと言ったら同意してくれた。

以下,ネタバレなのでクリック

手紙のみのタイムスリップネタ映画だったが,それほど矛盾を感じさせない作りだった。もちろん矛盾はあるんだけれど,観ていてすんなり受け入れられた。

2012年と1980年とたまに1960年代が交錯して,観ていた次男は,すぐには切りかえられなかったようだ。でも,何となくわかったと言っていたけれど。我々は家や置いてあるものなんかで時代が切り替わったと分かるんだけれど,中学生はそうは行かないだろう。

それでも,あの手紙がどう繋がっているのか?とか,どこから来た手紙なのか?誰がいつ書いた手紙なのか?というのは,かなり入り組んでいて,映画を見終わった後からカミさんと話して分かるということもあった。なかなかそれも面白い。

1つ,西田敏行と駆け落ちした女性が出てきたけれど,その役割が唐突すぎてよく分からなかった。きっと原作には書かれてあるんだろうけれど,映画ではカットされたのか。次男が図書館に原作本があるので,借りて読んでみると言っていた。その報告を待とう。

門脇麦は,上手くて,あやしくて,いいのだけれど,さすがにセーラー服の高校生の役はちょっと無理があったな,とも思った。しかたがないことなんだけれど。

尾野真智子が出るとは知らなかった。もうちょっとたくさん出てほしかった。

ちょうど「がまくんとかえるくん」の朗読をNHKドラマ「この声を君に」で聞いたので,シンクロしてしまった。「思い」があり,「手紙」という実態が届く。実態が届くことで実感を得られるということ。「思い」は早く届くかもしれないけれど,実態を伴っての実感なので,早く届けばいいということでもない。「実感を得るには時間が必要」ということだ。

「ナミヤ雑貨店の奇跡」でも,「手紙」という現物が届くことに意味がある。「ネット」で言葉だけを届かせることができるけれど,わざわざシャッターの郵便受けに手紙を投入することに意味があり,本人が書いた言葉を受取人が読むことに意味がある。そこで実感できるということなのでは?

メールだと文字だけが届く。文字だけだから,心が埋まらない。埋まらないから文字を送り,要求する。しかし埋まらない。大量な情報をやりとりしても埋まらない。

劇中に文字が書かれていない手紙を西田敏行が受け取る。それを西田敏行は読み,返事を送る。ここに「実感」は情報ではないということが現れている。

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*1:3種類あって,ハーモニカバージョンと,門脇麦バージョンと,山下達郎のエンドロールで流れるバージョン

2017-08-29ワンダーウーマン

[]ワンダーウーマン 2017 ワンダーウーマン 2017 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - ワンダーウーマン 2017 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 ワンダーウーマン 2017 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

アメリカで大ヒットだったそうだ。私は詳しくないので,MARVELもDCも同じだと思っていたので,これもマーベルコミックなのかな?と思っていたら,バッドマンの方のDCだった。

町山智浩さんのがあったので,公開されてすぐに観に行った。

評を聞いていてワクワクしていて,なるほど,これは観に行きたい。アメリカの世相を反映しているから観客動員数が多いんだなと思って,どんな世相を反映していたか,ほとんど忘れて観に行った。あれ?この程度の映画だったの?なんて思ってしまって,改めてを読んだら,なんと,字幕が大変なことになっていた。

ネタバレ続き↓

女性だけが島に住んでいるアマゾン族は,どうして女性だけで住むようになったのか,どうしてアマゾン族以外の人間を助けるのを女王以下主人公ダイアナ以外の人たちは反対するのか。これが全く字幕を読んでいるだけではわからない。

町山さんの解説では,大昔,男性から差別を受け,女性だけの国を作ったというのだ。だから,字幕では「人間なんて救う価値がない」と言っているところは,実は「男なんて救う価値がない」というのが本当のところだったんだろう。日本ではすっかりそこをぼやかしているから,設定が曖昧で,矛盾だらけとなってしまっている。

人がどんどん死ぬ戦争を悲観して戦争を終わらせるためにイギリス軍側で戦う主人公なのだが,ドイツ兵はばしばし殺している。日本の字幕で映画を見ているだけでは,完全に矛盾なのだ。

しかし,アマゾン族では男は自分たちを差別,迫害していた存在だから,どれだけ殺しても罪の意識は無い。そういえば,主人公は子どもや女性が死に瀕していることに対してはとても悲しがっていた。

何でこんな字幕にしたかな〜。英語がわからないのがとても悔しい。

それでも,これらの矛盾が解消されたから,今考えると面白い映画だった。テーマは解放。男性からの解放とか,思い込みからの解放とか。ダイアナも綺麗だった。

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2017-06-14哭声(コクソン)

[]哭声(コクソン) 2016 韓国 哭声(コクソン) 2016 韓国 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - 哭声(コクソン) 2016 韓国 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 哭声(コクソン) 2016 韓国 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

高田世界館で鑑賞。せっかくだから300円を払って会員になった。そうすると,200円引きで映画が見られる。しかも,今月は誕生月だからさらに200円引きになり,1,100円で見られた。早く知っていれば良かった。

哭声(コクソン)は,韓国映画で,國村隼が裸で野山を駆けまわって鹿の生肉を食らう映画。どんな映画なんだろう?と思っていたが,ジャンルはホラー映画。上映期間が2週間で,あっという間に終わってしまうから,急いで観に行った。

観客は私1人。確か他にも1人女性がいたはずだが,いつの間にかいなくなっていた。

ある村に移住してきた日本人として國村隼は描かれている。國村隼がその村に来たから,不可解な猟奇的な殺人が起こり,國村隼は悪魔なんじゃないか?という推測の元,人のよいちょっと抜けている警察官が捜査していく。

単に日本人への排斥への気持ちを映画にしているのか?と思いながら見ていたが,そうでもない。途中國村隼への感情移入をしてしまう場面もあるが,また,それだけでも無い。映画を見ている観客が,様々な登場人物に対し,様々な感情を抱いていく。さっきまで警察官の言っていることを信じていたのに,今度は悪魔祓いの言うことを信じている。この心理変化を体感できる映画だった。こんな映画日本にあったか?

よくある映画は,ある登場人物(主に主人公)に初めから最後まで感情移入させ,その登場人物の感情の変化を観客が体感するというものだ。ほぼ初めから最後まで主人公の味方(見方)で映画を観ていく。

ところが,この映画は何が本当なのかわからない。そこで「信じる」ということのもろさを体感できる。いやぁ,韓国映画すごい。絶対にテレビで放映されない映画。映画作りの強さを感じる。

以下はネタバレなのでクリック


最後の最後までわからないのは,悪魔祓いが本当に悪魔祓いなのかどうか。國村隼とつるんでいるのか,國村隼の敵なのか,本当に悪魔を祓って女の子を助けようとしたのか,苦しめていたのかがわからない。

キリスト教徒の青年が十字架を持って國村隼と対決しに行ったのだが,「お前は誰だ?」と聞き,國村隼が「それを聞くことに何の意味がある?お前はもう俺が誰かという結論が出ているのだろう?」とにらんでくる。「悪魔ではないと言ったら,信じて俺はそのまま帰る。」と言うのだが,「そのまま帰らせられるはずがないじゃないか。」とにらんだ顔が鬼(悪魔)に変化していた。あの凄さは脳裏にこびりつく。國村隼怖ろしすぎだ。

いろんなホラー映画のシーンを想像させる場面が随所にちりばめられていた。全部わかったら面白いんだろうけれど,それほどホラー映画観ていないから,残念だった。

エクソシストはもちろんあったけれど,自動車に乗って急いで走っていて,フロントガラスに蛾がバシバシ当たって自動車を降りるっていうシーンは,何の映画だったかな?おりて後ろから走ってきたトラックに轢かれたような気がするんだけど,哭声(コクソン)では轢かれなかった。

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