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上越教育大学教職大学院准教授片桐史裕です。
2016年3月まで27年間新潟県の高校国語教師を務めていました。
映画のことや,教職のことについて書いています。
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教室『学び合い』フォーラム
第15回(2019年)《海》,《山》は
2019/8/3〜4に福岡県,2019/11/2〜4に長野県でおこないます。
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2018-12-31今年観た映画

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映画館

  • ライオン 25年目のただいま(高田世界館)
  • KUBO/クボ 二本の弦の秘密(Jマックスシアター)
  • デトロイト(ユナイテッド・シネマ)
  • 羊の木(ユナイテッド・シネマ)
  • スリー・ビルボード(ユナイテッド・シネマ)
  • リメンバー・ミー(ユナイテッド・シネマ)
  • クソ野郎と美しき世界(ユナイテッド・シネマ)
  • パシフィック・リム:アップライジング(ユナイテッド・シネマ)
  • ちはやふる 結び(ユナイテッド・シネマ)
  • レディ・プレイヤー1(ユナイテッド・シネマ)
  • ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(Jマックスシアター)
  • 花筐(はながたみ)(高田世界館)
  • タクシー運転手 約束は海を越えて(シネウインド)
  • デッドプール2(Jマックスシアター)
  • あなた,その川を渡らないで(高田世界館)
  • 万引き家族(ユナイテッド・シネマ)
  • 焼肉ドラゴン(ユナイテッド・シネマ)
  • ハン・ソロ(ユナイテッド・シネマ)
  • 未来のミライ(ユナイテッド・シネマ)
  • カメラを止めるな!(川崎,イオンシネマ新潟南)
  • 1987、ある闘いの真実(シネウインド)
  • 続・終物語(Tジョイ万代)
  • ボヘミアン・ラプソディー(ユナイテッド・シネマ)
  • 止められるか、俺たちを(高田世界館)

DVD等

  • シェーン(Amazon Prime Video)
  • 野火(Amazon Prime Video)
  • 帰ってきたヒトラー(BS)
  • お嬢さん(GYAO)
  • 傷物語 Ⅰ Ⅱ Ⅲ(DVD)

今年,高田世界館に行ったのは,たった4回だったのか。上越のJマックスシアターもそれほど回数がなかったな。封切り映画の鑑賞は,今年24本になった。過去最高かもしれない。しかも次男と結構行った。

今年のベスト1は,「カメラを止めるな!」だ。「ボヘミアン・ラプソディー」もいいかもしれないけれど,「ボヘミアン・ラプソディー」の良さは,音楽の良さであり,Queenの音楽の良さだ。これは映画としての良さとは違う。ベスト1の「映画」は「カメラを止めるな!」である。2回も観に行ってしまった。

映像作りの映画であるし,映画としていろんな仕掛けが入っている。しかも,「他人に見てもらいたい映画だけれど,その内容は少しでもしゃべりたくない。先入観念を持たずに見てほしい。」という,今までにない映画だったと思う。2回目は,次男と行って,次男が思い通りの反応をしてくれたので,嬉しかった。

2018-12-28傷物語

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DVD視聴

これで「〈物語〉シリーズ」の全ての映像を観たと思う。Amazon Prime Videoで,「化物語」から見だし,「化物語」の前があるということは,ストーリーの中で触れられていて,どういうものなのだろう?ともやもやしながら見進め,「終物語」をAmebaTV無料期間に観て,映画「続・終物語」も映画館で鑑賞し,残すは「傷物語」のみとなていた。

映画「続・終物語」はお金を払って観た「〈物語〉シリーズ」唯一の作品だったのだが,今回はDVDを借りなければ観られない。そこでゲオ宅配レンタルの無料期間を使い,観ることができた。あ,これもお金を払っていないことになる。(実際は,Amazon Prime Videoでは,年会費を払っているのだが。)

他の「〈物語〉シリーズ」とはタッチが違う。背景はリアルタッチだが,登場人物は漫画的なのだ。その違和感を狙っての作画だと思うが,「この世」感が感じられず,ストーリーにとても合っている。

映画館で上映されたときには,私は「〈物語〉シリーズ」なんて全く知らなかったから,映画に行こうとも思わなかったのだけれど,この3部作,1作が60分程度で,正規料金を払って映画にいったら,「え?これだけ?」と観た人は思わなかったのだろうか?3回映画料金を払わなければ最後まで観られない。実際にはどのような上映形態だったのだろうか?

それはそうと,「〈物語〉シリーズ」の始まりであり,世界観がここに全て詰まっていると言っていい。阿良々木暦の誰も「見捨てられない」気持ちや,羽川翼に恩義を感じる気持ち,本当は死ねないキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの死を恐れる気持ちから阿良々木暦を頼り,恩義に感じる気持ち。

その後続々登場するの人物の劣等感と後ろめたさと孤独感がここに現れていた。そして阿良々木暦の唯一の「友だち」となる羽川翔とのつながり。決して恋人にはならない関係性。羽川翼は阿良々木暦の最初で唯一の「友だち」として現れたから,その後絶対に「恋人」には発展しないと阿良々木暦が決めているようでもあった。これがまた悲劇を生むのだが。

「〈物語〉シリーズ」の阿良々木暦以外の登場人物は,家族起因のいろんな問題を抱えていて,それが怪異と繋がるきっかけとなっている。しかし,阿良々木暦(とその家族)は,家族的には恵まれていると思われるし,友だちを作らないのも,1年生の時のクラスでのある出来事がきっかけで,阿良々木暦に原因があるとも思えないのだ。単に「見捨てられない」という性格,性質により,怪異と関わらざるを得ない宿命になっているとしか思えない。本当のところはどうなんだろう?

実は「傷物語Ⅱ」を飲み会のあとに観たこともあって,記憶がおぼろげで,その後Ⅲをレンタルして観たのだが,どうも繋がらない。結局Ⅱをもう一度レンタルして観ることになってしまった。再度観て,ようやく思い出し,Ⅲとのつながりがわかったという顛末であった。

「傷物語」を観たから,解けた謎もあるし,まだ解けない様々な謎がある。Amazon Prime Videoで最近「終物語」が観られるようになり,「暦物語」以外は全て無料で観られる。また見返せば,疑問点が解消されるだろうか?それは来年の課題にしよう。

2018-12-03止められるか、俺たちを

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高田世界館視聴。

「地獄でなぜ悪い」や,「カメラを止めるな!」,「桐島、部活やめるってよ」など,映画作成現場(「カメ止め」はテレビ番組か)の映画が好きだし,門脇麦が主演ということで観に行った。

2012年に死去した若松孝二監督の映画作成の情熱を描いた映画だが,にわか映画ファン私としては,若松孝二監督の映画は見たことがなかったので,あまりピンと来なかった。70年〜80年にかけての汗臭い,泥臭い,たばこ臭い時代の日本映画をほぼ見ることなく,角川映画ばかり見ている高校生時代だった。そもそも若松孝二監督作品をかける映画館なんて,新潟にはなかったような気もする。

その時代のあの雰囲気というと,松田優作主演の「探偵物語(TV版)」を楽しみに見ていた思いでもある。

門脇麦が主演なのだが,退廃的な,刹那的な,映画に携わりたく,映画監督になって映画を撮りたいのだけれど,どんな映画を撮りたいのかがわからない,そんな助監督をうまく演じていた。門脇麦は,かなり影がある人を演じるのがとても上手い。

NHK朝ドラ「まれ」で高校生役をしているときだって,影がありそうな演技だった。

事実だから,描いたんだろうけれど,妊娠して,退廃的になって,門脇麦が自殺するのだが,そこの描きが弱い気がした。え?なんで自殺?と思ってしまった。

ここを書くのであれば,若松孝二監督の死に至る経緯までも描く必要があるのでは?と思った。

2018-12-01ボヘミアン・ラプソディー

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中2の次男がこの映画公開前から情報を仕入れていて,「ボヘミアン・ラプソディーに行きたい」とお願いしてきた。私はまだこの映画のタイトルを知らなかったから,ピンと来なかったのだが,Queen,フレディ・マーキュリーの伝記映画ということで,理解した。

洋楽にはまったのは一時期で,Queenは,ヒット曲を耳にしているだけだったので,ディープなところは全然知らなかったのだが,フレディ・マーキュリーの数奇な運命はちょっと知っていたから,次男は映画を見てどう感じるんだろう?と思い,連れて行こうと思った。中学の定期テストがあり,連れて行くのが延び延びになったが,ちょうど12/1映画の日と重なってしまった。

ユナイテッド・シネマに行こうと思ったのだが,サイトで券を買おうとすると,指定席の回ではない。公開から数週間経っているから,それほど混んでいないのかな?と思いきや,ほぼ満席の状態。いつもは会場の中央からちょっと後で見るのだが,そこは全く空いていない。前の方の席に2つの空席をようやく見つけた。

しかし,その席にしてよかった。何せ迫力が違う。ああいう音楽系の映画は,前で見るに限るな。

映画はフレディ・マーキュリーの初めて知る経歴ばかりだった。歯が多くて,出っ歯になり,そこにコンプレックスを持っているのか,絶えず隠そうとしている表情とか,自分を応援してくれた女性と結婚したが,実は同性愛者であるということに気づく場面とか,繊細な場面を表現していた。

そしてもちろん随所で流れる迫力ある楽曲がすばらしかった。コンサートにいるような感じがして,思わず拍手してしまいそうになる。新潟県民は「we will rock you」が流れたときは,ビッグスワンにいることを思いだしただろう。

LiveAidの場面で「We Are The Champions」が流れたときは,なぜか泣きそうになってしまった。これは何だろう?

映画で流れるボーカルは,役者が歌っているのか,口パクなのか問題なのだが,役者が歌っているんだったら,すごいなと親子で言っていた。

これは大画面で,大音響で見る映画だと思った。

2018-11-26続・終物語

[]続・終物語 続・終物語 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - 続・終物語 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 続・終物語 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

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Tジョイ万代に観に行ったのだが,Tジョイ万代は,いつも値段が高い。ほとんど割引がない。だからほとんどここで映画を見たことがない。しかし,「続・終物語」は新潟県内はここでしかやっていない。1週間待って,12月1日に行けば,映画の日で,1,000円になるから,迷ったけれど,休日勤務の振替休でせっかく空いていそうな日に行けるから,1,800円覚悟で観に行った。案の定人があまりいない。

約1年前から「化物語」にはまってしまって,平日は必ずシリーズの1本は見るようになった。Amazon Prime Videoで見られるようになって,何でこのアニメ,今まで知らなかったんだろう?と思いながら見始めた。

アニメは,はっきりいって情報過多である。停止ボタンを押さないと読み切れないテロップ,たくさんのセリフ,言い回し,他作品のパロディーがふんだんにありすぎる。それでも見始めたのはキャラクターの綺麗さと,「直江津高校」という舞台の高校のネーミングだ。

「終物語」は,最近amebaTVで無料放映していて,ようやく見ることができた。考えてみれば,「〈物語〉シリーズ」にお金を出したことは今までなかったな。ようやくここでお金を払った。

主人公阿良々木暦が鏡の世界に入るのだが,鏡の世界は左右逆の世界ではなく,裏返しの世界という設定で,今までのキャラクターの「裏」の姿で登場してくる。そして最後の登場人物,阿良々木暦の「裏」は……,という内容だった。

鏡の世界は,左右逆でありながら,実は左右逆ではない。こんなこと,「チコちゃんに叱られる!」でやっていたな。左右逆と思うのは錯覚なんだと思いながら観ていると,混乱してきた。台詞も混乱を引き起こす作りになっているし,まさに,「〈物語〉シリーズ」の真骨頂ということか?

これは,「〈物語〉シリーズ」をほとんど見ていなければ,辻褄が分からない設定の映画で,その設定の説明はほとんど無いに等しい。次男が予告を観て「観に行きたい」とねだったが,絶対に消化しきれないなと思った。

ほとんど観ている私でも,消化しきれない部分は多々あった。テレビシリーズだって,1回観ただけでは消化しきれないんだから,映画だったらなおさらだろう。まぁ,いつか,またこの映画を観ることになると思うから,それまでにテレビシリーズを見入っておく必要がある。

だいたいまだ「傷物語」を観ていないから,この作品世界の「始まり」が分かっていないんだよな。

2018-11-17お嬢さん

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Tポイントがたまっていたので,GYAOで観た。GYAOはTポイントの限定ポイントも使えるから,ソフトバンクユーザーにとっては,お得な感じがする。でも,ポイントを使うのであれば,全てポイントで払わなければならないので,500ポイントたまるまでちょっと時間がかかった。

それはそうと,韓国映画ハンパない。最近韓国映画のぶっ飛び具合に感心する。この映画は,「スティング」と,「赤毛のアン(花子とアン?)」と,「カメラを止めるな!」と,「羊たちの沈黙」の要素が合わさったような印象を持った。ジャンルがめちゃくちゃだけれど,観た人にはわかると思う。

「1987,ある闘いの真実」にも出ていた美人女優キム・テリが出ていた。しかもR18映画である。となると,観ないわけにはいかない。

日本占領下の朝鮮半島で,日本に憧れて,日本人になりたがっている伯父が姪(「お嬢さん」)を日本人らしく仕立て上げ,しかも,発禁本を入手し,オジサン相手に朗読会を開くという,倒錯の世界から,救い出す名目で,詐欺師たちがこの家に入り込む。キム・テリはメイド役として,お嬢さんのお世話をし,信用させ,後から入ってくる男爵役の詐欺師と駆け落ちさせるという計画を進める。

ほとんどわけの分からない設定だ。韓国語と日本語が入り交じる会話になり,わけが分からないという効果もすごいところ。韓国映画の凄まじさには感心するばかりだ。

2018-10-201987、ある闘いの真実

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シネウインドで鑑賞

またもや韓国映画,スゲーと思った。光州事件から7年後,この事件をきっかけに韓国大統領直接選挙を勝ち取った。

「赤狩り」と称して,大学生が拷問の末殺された。当局は真実を隠そうとするが,それを知った役人,ジャーナリスト,活動家たちが真実を暴き,「赤狩り」の部署,南営洞警察を機能停止に追い込む。

1987年と言えば,私は高校2年生。当時,担任(社会科)が「普通,催涙弾は上に向けて放射するのだが,水平放射してそれに当たった大学生が死んだ。」というような話をしていたことを思いだした。それって,これだったのか。そんなシーンがラストに来る。

最初はドキュメンタリーチックな映画だけれど,そのうち人間を描くようになりどんどん引きこまれていく。過激な暴力シーンもふんだんにあるが,それだけで嫌にはならず,あるときはスカッとしたり,あるときはむかっとしたり,感情移入していく。

登場人物はほとんど,「自分の仕事を体を張って全うしよう」としている人たちである。「悪役」も,それに対抗しようとする人たちもだ。

最悪役の南営洞警察所長も,自分の仕事を忠実に熱意を持ってこなしているだけである。もちろんそこに法律違反や反人道的なことはおこなっているのだが。そして,真実を暴くきっかけを作る拘置所の所長も,法律に忠実に警察所長に体を張って対抗する。

所長の暴挙(拷問の末殺した大学生を,解剖せずに火葬させようとする)に対抗した検事も,自分の身分がどうなろうとも,自分の仕事にプライドを持って,脅しに屈せず大儀を遂行しようとしていた。

そんな登場人物がぶつかる勢力争いや,人間模様に引きこまれてしまった。場面をアンダーグラウンドなところに置きかえると,完全に「アウトレイジ」や,「仁義なき戦い」の世界だ。南営洞警察所長が梅宮辰夫似だったからそう思えたのかもしれない。

唯一,ほっとするのが女子大生ヨニ役のキム・テリだ。めちゃめちゃ可愛い。初めは「でもなんてするから,治安が悪くなる」と,関わりたくないような気持ちを持っていたが,そのうち自分事になり,ヨニ自身の意図以上のことを,意図せずおこない社会が動いていく。

ラストシーン,「タクシー運転手」を観ていた人は,胸が詰まるシーンがある。いやぁ,すばらしい映画だった。

韓国の歴史にとって,闇となっているものを,映画化して明らかにし,しかも,どろどろと暗くするのではなく,「タクシー運転手」では,コメディーチックに,「1987、ある闘いの真実」では,人間ドラマとして描く。韓国映画ハンパない。日本映画に,こんなふうに歴史に切り込むものが,あるのだろうか?

2018-10-09帰ってきたヒトラー

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CS視聴。

1945年敗戦間際のヒトラーが2014年のドイツにタイムスリップするというもの。

ヒトラーはテレビ番組企画のためにドイツの様々な街に行き,住民にインタビューする。「今のドイツの不満派なんですか?」住民は,移民問題,経済問題,福祉問題と社会問題への不平不満を口にする。「ヒトラーはそうだ。その通りだ。」と住民の意見に全て同意する。

極右政党の党首に会い,「やっていることが生ぬるい」と批判する。

バラエティー番組に出演したら,大人気になり,国民から指示される。もちろん国民は偽物,お笑い芸人だと思っている。ヒトラーを国民は今の暮らしをよくしてくれるヒーローだと賞賛する。今よりも民意を反映してくれる旗振り役とみんなから見られる。

だからネオナチには敵対され,あるとき暴行を受ける。

ここが面白いところ。ヒトラーは70年前と全く変わっていないのに,国民のとらえ方が全く違う。ヒトラーはエンディング近くで言う。

私が無理矢理戦争をしかけたのではない。大衆が私を選んだのだ。

何でもかんでもヒトラーに責任を負わせて反省がなければ,また同じことをくり返す。これは日本も同じこと。

最後,ヒトラーを見つけ出し,行動を共にしたテレビディレクターが「ヒトラーは本物だ」と気づくが,精神錯乱者として病院に隔離される。

真実を見抜いたものは口を封じられるということか?民意に都合の悪い者は排除されるということか?

2018-09-23「野火」とゾンビ

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大岡昇平原作,塚本晋也監督2015年版「野火」を観た。AmazonPrimeで,「そろそろ見放題終了」と出たので,今のうちに観ておかねばと思った。

とにかく凄惨な映像が続くのだが,フィリピンの昼間の緑の美しさと,生きるために何でもする人間のどす黒さが対比されていたことが印象に残った。

日本軍のフィリピンからの撤収が決まり,生きるためには輸送船が出る地まで行かなければならない。そのためには夜,闇に紛れて平原を抜け,山を越えなければならない。アメリカ軍はそれを待ち伏せし,照明を浴びせ変え,一斉砲撃をする。その映像が生々しい。頭は砲弾でぶっ飛び,血が噴き出し,内臓はだらだら地面にこぼれ落ちていく。腕や足は散らばり,自分のものを探して兵士は拾う。

実は前日ゾンビ映画*1を劇場に観に行ったのだが,「野火」の映像を観ていて,これってゾンビ映画とほぼ同じだなと気づいた。ゾンビ映画やドラマはほとんど見ないのだが,ちょっと観たことがある「ウォーキングデッド」にも,こんなシーンがあったなぁと気づく。

その戦闘が終わり,前にも後にも勧めない兵士たち,そのジャングルで野垂れ死ぬしかない兵士たちの容貌がゾンビにだんだん似てくる。全身が黒くなり,腕や足が無い人がそこら辺に散らばり,死にかけている人に虫が湧く。あの,以前に観たゾンビドラマは,この戦場を模しているのか?とも思った。

どこにも行けず,さまよい歩き,人肉をむさぼり食おうとする。まさにゾンビだ。これが現実の戦場で起こっていたのだ。

「カメラを止めるな!」では,「最近のゾンビ映画では,ゾンビがナイフも持ちますし,機関銃も持ちます。」というセリフがあった。兵士=ゾンビだったら,ナイフも持つし,手榴弾も持つし,銃だって持つだろう。

ひょんなことから極限状態の人間の行動がゾンビ映画のルーツにあったのかと気づかせてくれた映画だった。

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*1:カメラを止めるな!

2018-07-28カメラを止めるな!

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話題沸騰の映画だが,新潟では今のところ上映予定がない。出張で神奈川に行くので,どこか上映しているシアターはないか?と探したら,川崎にあったので,川崎に宿を取ることにした。そして夜の会を観ることにした。

21:15開始の会だが,広い会場がほぼ埋まっていた。人気は本物だったのだな。東京では予約ができない映画館で上映しているから,なかなか観ることができないとラジオで聞いたが,川崎はネットで予約ができて,確実に席が取れて幸せ。

「何の情報もなく観た方がいい」と伊集院光は言っていたが,その通りで,以下に書くことはこれから観ようとする人は,きっと読まない方が100%楽しめるんだと思う。

映画(本当はテレビ番組)は2回始まる。1本目は普通のゾンビ映画で,唐突に始まり,よくわからないまま終わる。しかし,これも,後から考えると役者の役への入り込み方が前半と後半で全く違っていたりする。何でこうなるのか?というと,それはネタバレで,2本目を観るととてもよくわかる。

ただ1人初めから役に入り込んでいる人は,監督役で,どうして当初から迫真の演技ができているのか?というのも,ネタで,2本目を観ると種明かしになる。カメラが回ると普段の雰囲気から一変する役者が多いのだろうけれど,それは役なのか,本性なのか,どんどんわからなくなってくる。まるで「酒を飲むと本性が出る」というのと同じようだ。

1本目を観ていて,「これは,フィクションを撮っているのか,ノンフィクションとして描いているのか?」というのがわからなかった。「ゾンビ映画を撮っていたら本当のゾンビが出てきた」という設定で,それがノンフィクションなのか,フィクションなのかわからなくなったからだ。

何より切り取られて放り投げられた腕がリアルだったからだ。あれが後から出てくるような首を切り取られた胴体並のリアルさだったら,「あ,これはフィクションを描いているのか」となるが,腕だけがとてもリアルだったから,ちょっと欺された。欺されるとどんどん恐くなる。

出演している役者はほとんど見たことがない人たちで,それでもとても味がある。主役(?)の女性は,初めはわざとらしい演技なのだが,どんどん狂気に満ちてきて,どんどん綺麗に見えてくる。1本目のラストシーンは壮絶だ。

実は3本目もあって,この映画のメイキングがエンドロールの時に流れる。カメラを持って撮している監督役を撮影しているカメラマンを撮している映像だ。映像ドラマを作成した人にはわかる「あるある」だが,カメラに映らないところでは,なにが起こっても関係ないというシーンが撮されている。世界は画角のみであって,そこから切れていれば全く関係ない。転ぼうが,××をしていようが,誰かが怪我をしようが関係ない。これが映画魂だったりする。そんな風景もエンドロール時には見られるから楽しい。

そして,この映画が映しだしている「映画魂」は,何を起こしても映像を撮りきる(実は生放送)というもので,初めはばらばらだった気持ちが,どんな手を使っても番組を完成させようというように一つにまとまり大団円を迎える。このカタルシスはすばらしい。

園子温監督「地獄でなぜ悪い」に通じるよい映画だったし,久しぶりにスカッとした映画だった。この映画は400万円くらいで作られて,その何十倍の収益を上げているそうだ。そりゃそうだ。こんなに面白ければ。しかも宣伝費も口コミだけのようなものだし。

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