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Pay it Forward , By gones 片桐史裕 このページをアンテナに追加 RSSフィード

上越教育大学教職大学院准教授片桐史裕です。
2016年3月まで27年間新潟県の高校国語教師を務めていました。
映画のことや,教職のことについて書いています。
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教室『学び合い』フォーラム
第14回(2018年)は静岡県でおこないます。
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2016-12-16国語教職実習(詩)

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国語は小学校1年生から受けている教科だから,大学生が授業を考えるとなると,今まで受けてきた授業の流れを無批判的に踏襲してしまう。

その活動にどんな意味があるのかを考えずにやり,「今までそうだったから」,「みんながそうだから」ということで,無意味な活動の連続にしてしまう。

音読一つさせるにも意味がある。全体での音読,ばらばらでの音読,立って音読,交替しながら音読と,それぞれに意味がある。しかし,その意味を考えないままやらせては,効果も何もない。学習者が効果が出ない行動をしても,教師がスルーしてしまい,活動して終わりとなる。

詩の一部分をブランクにして,その内容を「当てる」という授業プランをした場合,そのブランク部分の内容を考えることで,何を考えさせるのかという意図を持ち合わせていないと,単なるクイズになる。結局当てずっぽとなり「読み取り」に結びつかない。そして学習者はいろいろと出して,教師は「答えはないから……。」とお茶を濁す。いやいや,答えはあるでしょう?

詩の一部分をブランクにする場合,多くは詩の最終部分の単語にする。どうしてそこにするのか?と問うた場合「そこが一番重要そうだから」と答えが返ってくるが,詩としては重要なのかもしれないが,「問い」として重要とは限らない。そこを考えてほしい。

それに,ブランクにして教材として成り立つ詩と成り立たない詩があるということにも気付いてほしい。「文脈」から類推できる詩のブランク化は成り立つが,類推できないものは単なるクイズとなってしまう。

個人的には詩(だけではなく,全ての文章も)ブランクにしてそこを考えさせる問いは嫌いだ。作者に対して失礼だと思う*1

「知識問題」ではなく,小学生でも,大学生でも深く考える課題として出てきたものは「作者は何を伝えたいか。」という安易なものだった。ここに何の読み取りもない。「あなたの感想は何ですか?」と聞いて,それを出し合って,それで終わりじゃあ,国語の時間じゃなくてもいいでしょ?友達同士で映画を観に行って,そのあとお茶しながら感想を言い合うのは国語の時間にすることじゃない。

そして最後には伝家の宝刀「答えは一つじゃないから。」

言い換えれば,それまでそういう国語の授業を受けてきたということになる。国語の授業を仕事として受け持つまでに,国語とは何なのかをちゃんと考えてほしい。

そこで,次のような授業プランを考えた。

  1. 今まで受けてきた国語の授業の流れ(音読,ワークシート記入など)をピックアップする。
  2. それぞれにどんな意味があったのかを考える。
  3. 意味が思いつかないものは取りやめていいか考える。
  4. 一編の詩の全ての語に関して,ブランクにした場合,教材化できるかどうかを検討し,ブランクを変えることによって,読み取るものがどう変化するかを考える。
  5. そもそも,ブランクにしなければその読み取りが成立しないか考える。

*1:個人の意見で,全ての効果を証明するわけではありません。

2016-09-18学習者の学びをどの程度まで把握しているか

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実習生の授業を参観する機会が最近になってとても増えた。もちろん教育実習期間だからだ。参観していると,あー,この実習生は学習者はここまでしかわかっていないから,こんな問いかけをしなければならないと思っているんだな,とわかる。

簡単にいえば,レールを敷いてそこを走らせようという授業だ。

教師は学習者の学びをどの程度まで把握しているのかというのは,授業プランを作る上で大切なことになる。例えば,

過去の助動詞「き」の活用表を黒板に書いて,文法問題をプリントにして配り解かせる

という活動をおこなった時,教師は

学習者は自分で過去の助動詞「き」の活用表の活用表を文法書から見つけることができない,もしくは時間がかかるから,手っ取り早く黒板に示して置いた方がいい

という学びの把握がある。さてその把握は正しいのか?またはあるべき学びを引き起こすプランなのか?ということを検証できるようになりたい。

教師は「時間内に収めなければ」という強迫観念のもと授業プランを立ててしまう。そうするから,学習が作業的になり,プリント学習だったら穴さえ埋めればいいということになり,教師は穴が埋められているから学習が進んでいると思ってしまう。作業進行と学びの深度は違うが,同じということにしてしまう。

授業実習だが,これは今の思いつきで,もっといい案を考えなければならない。

  1. 15分程度の授業案を考える。授業案はその15分で完結するようなもの,問題演習や調べ学習のようなもの。
  2. 授業案をグループでそれぞれ検討し,ツッコミを入れて行く。例:「この板書計画は,この内容を書かないと学習者がわからないということだね。」とか
  3. ツッコミを再検討し,授業者が学習者の学びの実態をどの程度に設定しているのかということを明らかにする。
  4. その結果,授業者が説明しなくてもいいこと,示さなくてもいい情報をそぎ落として授業案を再構築していく。

まだまだ曖昧なところがあるけれど,ワークシートやら授業実習プランを再検討して,これからやっていきたい。

2016-09-13課題の設定

[]課題の設定 課題の設定 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - 課題の設定 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 課題の設定 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

どんなに生徒を引きつける力を持った魅力的な先生でも,授業において課題の設定が曖昧だとその授業での学びは生じにくくなる。

穏やかな口調で,いつも笑顔で,子どもたちの様子をたえず観察し,困っている姿があればすぐそこに駆け付けアドバイスをする。子どもたちのいい(と自分が思う)姿を見取り,全体にフィードバックする。

しかし,課題の設定が曖昧だということを知らないから,子どもたちへのアドバイスは,目の前の課題をこなして完成させるためのアドバイスになる。つまり,課題の完成のテクニックを教えるのであって,どうなれば学びに繋がるのかは気づかないし,自分の課題設定の曖昧さにも気づかない。

私は国語だから国語で例をあげてみると,文章を読んで,作文を書かせるということを目標にしたとしよう。まずは

文章を読んで書く

という活動の意味づけがしっかりしているのかどうかを問い直す。読むことと書くことは別のことだ。読めたからと言って書けるとは限りない。両者の間にはかなりの隔たりがある。

文章を読んで,文体をさぐり,その文体通りの文章を書いてみよう

となるとすっきりする。読んだ文章は「良文」とされるものなのだろう。子どもたちに文章の型を示し,それを真似させることは必要だ。

文章読み取りの時点で,どの文章からどの型が導き出されるのかをきちんと踏まえる必要がある。型は言語化して示すことができるから,チェック項目としてあげられる。

より良い文章になるようにアドバイスをもらおう

というような曖昧な目標だと,「より良い文章」とはどんなものなのか子どもたちには伝わらないし,この目標は「アドバイスをもらう」ことがゴールとなる。

そこで授業実習だが,

  1. 1人20分の持ち時間
  2. 事前に教科を決め,課題設定をしておく
  3. 課題を説明し,活動させる
  4. 教師役は活動を観察し,自分の課題設定の良し悪しを観察する
  5. 時間が来たら教師役と生徒役で意見交換

ということをやってみよう。

2016-09-12タイムマネージメント

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授業をうまくやっていくポイントの1つはタイムマネージメントだろう。

理科の実験の授業では,タイムマネージメントの力がかなりシビアに反映される。

実験に必ず何分間必要なのか,片付けの時間は何分必要なのかを考えると,前時のふりかえりの時間,実験計画の時間は自ずと決まってくる。

しかし,ふりかえりの時間,実験計画は必ず実験の前にあるから,「まだ時間があるや」という余裕から,冗長になる。ということは,この時間の授業の中心であり,時間が最も必要になる実験の時間が圧迫されてしまう。

ということは,かなり実験に目的意識を持たせないと,実験が意味のないものになる。ただ実験をやるだけになってしまう。子どもたちは実験の流れだけを追って,実験の意味を考えられない。教師が「時間が無いから早く」とせかすと,さらに悪影響になる。

ということで,タイムマネージメントの力を養うにはどんな授業を仕組めばいいのか?

  1. 15分間の時間設定
  2. 説明,実習,ふりかえりを考える
  3. 教師役が実際におこなう
  4. 生徒役はどの時間帯が足りないか,冗長だったかをふりかえる

という授業をやってみよう。