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上越教育大学教職大学院准教授片桐史裕です。
2016年3月まで27年間新潟県の高校国語教師を務めていました。
映画のことや,教職のことについて書いています。
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教室『学び合い』フォーラム
第14回(2018年)は静岡県でおこないます。
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2007-05-31なぜ人を殺してはいけないのか?

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「なぜ勉強させるのか?教育再生根本から考える」(諏訪哲二著 光文社新書)を読んだ。

その中に、1つのエピソードが載っていた。これはきっと有名なエピソードなんだろう。私も聞いたことがある。

あるテレビ番組少年が「なぜ人を殺してはいけないのか?」と質問した。そこに出ていた良識人たちは、誰も少年を納得させる答えを出せなかったというのだ。本では、「きっと、少年も誰も自分を納得させる答えを言わないことを見込んで質問した『確信犯』だろう。」と書いてある。

そしてその後大江健三郎がそのことに関して「そういう質問はすべきではない。倫理性を欠いた質問だ。」とコメントしたそうだ。

本を読みながら、大江健三郎はどうしてこのようなコメントをしたのか?私だったらどう答えるだろう?と考えた。ずーっと頭の中にあったのか、夜中3時頃トイレに起きたときにはっと気づいた。夜中寝ながら考えていたんだろう。何に気づいたのかというと、「この問いは間違っている。」ということにだ。

「人は何のために生きているのか?」という問いを例に取る。この質問に答えは出ない。人は何のためにも生きていず、生きることが目的だからだ。つまり、「生きるために生きている」という答えになってしまう。そういう答えが生み出されると言うことは、この問い自体が間違っているということだ。

「自分は甲子園大会に出場すること)が目標だ。」と野球部に所属している生徒に対して、「甲子園に行けなかったらどうするか?」という問いは可能だが、「甲子園大会)が無くなったらどうするか?」という問いはまさに「倫理観を書いた」問いであるし、してななら無い問いだろう。

生きることが目標」であるにもかかわらず、「生きること」自体を否定する問いはしてはならない問いだし、間違った問いだ。

……と、ここまで書いていて論理的に破綻したことに気づいた。夢の中で考えたことは論理性がないなぁ。でも何かがわかった気がしたんだけれど……。

なぜ人を殺してはいけないのか?」に対する私の用意する明確な答えは「あなたが死なないためだ。」だ。「人を殺してもいい。」となると、「あなたが死んでもいい。」ということになるから、「生きることが目標」を否定するということで、「間違った問い」に繋がったのかな?

なぜ勉強させるのか?  教育再生を根本から考える 光文社新書

なぜ勉強させるのか? 教育再生を根本から考える 光文社新書

jun24kawajun24kawa2007/06/01 10:22私は、例え応えられなくとも、一生懸命語ることは教師の責務だと思います。
様々な語りの中で、伝わるものはあるはずです。
もし、倫理観を欠いた、という理由で問いや、答えを拒否したら、
奴隷制度だって、人権侵害だってOKになってしまいます。

F-KatagiriF-Katagiri2007/06/01 10:50その質問した人を納得させるのには、どのレベル(倫理レベルか、社会レベルか、遺伝子レベルか……)の答えが必要なのかわからなかったんでしょうねぇ。きっと。またその人も、「どんな答えでも納得しないオーラ」があったんでしょうねぇ。

F-KatagiriF-Katagiri2007/06/01 10:53ふと気づきました。質問した人は「学校ではどうして髪を染めてはいけないのか?」と同じレベルで質問したんじゃないのかな?これは倫理観を欠いた質問じゃないけれど、本人を納得させるには非常に難しい質問ですから。

jun24kawajun24kawa2007/06/01 13:43でも、それに対しても語り続ける義務が教師にはあるように思います。
だって、それで給料もらっているんですから。ね。

F-KatagiriF-Katagiri2007/06/01 14:39教師の仕事は「語る」内容、姿から何かを「学んでもらう」ことですね。本人が「納得」しなくても、何かを「学ぶ」ことはできますよね。
そこを「法律(または校則)で決められているから。」なんて逃げてはいけないですよね。

2007-05-16月刊国語教育(東京法令出版)

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2007-05-11文化の伝承

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人間言語を獲得し、代々修得してきた。赤ん坊言語を習得し、使えるようになる過程は、過去何千年も変わらずほぼ同じパターンでおこなわれていたものと思われる。

なぜ言語を習得する必要があったのかというと、同時代の別世代の人とのコミュニケーションを保持するためと、別時代の人とのコミュニケーションをするためと、おのれ自身とのコミュニケーションをするためだ。

世代間、時代間やおのれとのコミュニケーションを保持すること=文化の伝承ということだ。

そのために国語という教科は存在する。

近年になり、通信技術情報伝達技術科学的に飛躍的に進歩をしたと思われるが、言語発明に比べたらたいしたことは無いような気がする。つまり、言語の習得の過程にさほど影響を与えはしないと思われる。根拠は見つけられないけれど。

MizuochiMizuochi2007/05/11 17:28いつだったか小学生と「人類最大の発明は?」という話をしたことがあります。
第1位は「言葉」。第2は「文字」でした。第3位になっていろいろ出ましたが「音楽」ということになりました。
コンピュータも出ましたが、上記3つに比べると次元の違うものであることは
小学生にも明らかだったようです。

jun24kawajun24kawa2007/05/12 00:20国語の陶冶価値は何?
これって、私の研究室で最初に求めた質問でしたよね。
その答えって出た?

F-KatagiriF-Katagiri2007/05/12 07:10日本語の機能を理解し、習得すること。その結果として日本語文化の伝承をすること。

こんなところです。

jun24kawajun24kawa2007/05/12 08:01チャーミングだ(これって数学の世界で、研究に対する最大の賛辞です)
多謝!

2007-04-16喋る喋る

[]科学研究費補助金(奨励研究) 科学研究費補助金(奨励研究) - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - 科学研究費補助金(奨励研究) - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 科学研究費補助金(奨励研究) - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

不採択となりました。残念。

jun24kawajun24kawa2007/04/17 09:16私の場合も科研費は駄目です。
民間はOKが多いです。
科研費の通りやすいテーマで書けば通るのですが(事実、通っていた)、
今更、そんなテーマをやる気が起こらない。
自分に向けて、語ります。
人を見て、法を説け。
そのように書きましょう。
そして、一杯書きましょう。

2007-03-22中村文昭さんの4原則

[]中村文昭さんの4原則 中村文昭さんの4原則 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - 中村文昭さんの4原則 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 中村文昭さんの4原則 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

最近すっかり傾倒している中村文昭さんの講演CDを聴いて、メモします。

  1. すぐに返事をする 損得勘定は二の次
  2. 頼まれごとは試されごと 相手の予測を上回る
  3. できない理由をいわない
  4. 今すぐやれることを探しておこなう

ちょっと気を抜いたら『学び合い』グループ更新ランクが下になってしまった。このグループ更新頻度は高すぎる……。

スパムコメントが数件入るようになってしまった。一応「スパムコメントは受け付けない」設定になっているんだけど……。手作業なのかな?お暇な方がいらっしゃいます。

jun24kawajun24kawa2007/03/22 16:36みっけ~
これからドンドン頼もう!
頼んだら、直ぐに返事をして、直ぐに取りかかり、その結果は予想を上回る!
あ、これってN研の日常だった。

F-KatagiriF-Katagiri2007/03/22 16:41そうでしょう?
私が断ったことは無いでしょう?
って、この間断っちゃった。すみません。
ただいま鋭意努力中です。

OB1989OB19892007/03/22 20:21素晴らしい4原則を私も見つけました!

2007-03-05『学び合い』の有時間性2

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先日NHKニュース全国ネット)で新潟県内の中学校の取り組みが紹介されていた。「勉強のしかた」を学校マニュアルにして、生徒に配布しているそうだ。授業時間減に伴い、家庭学習時間が減っていくことへの危機感から、学校が作成したそうだ。

その配布により、学習時間が増え、学力が向上したと、報告しているが、不思議な感じがした。考えてみれば、私は勉強のしかたを誰かから教えてもらったことはない(と思う)。もちろん勉強方法はいろんな人から聞いたり、自分で学んだりしたが、その中で効果があったものは取り入れ、効果がなかったものはやらなかったんだと思う。

また、自分自身でやり方を考え、ダメだったらそれをやめて新たな方法を考えていった。

学校マニュアルを配るというのは、「これが正しい勉強のしかただ!」とのお墨付きを与えているのと同じだ。つまり、方法に介入しているわけだ。中でも、「英単語を何度も書いて覚える。」というものがあったが、たくさん書いたら単語や漢字を覚えられるという人間は6割しかいないということをその学校マニュアルを作った人は知っているのだろうか?(私は残りの4割の方です。)方法を示して、それに効果がなかったら、学校はどう責任をとるのだろうか?(まぁ、とらなくてもいいけど。)

江川達也の「東京大学物語」で、主人公家庭教師子ども世界史を教えているとき、「世界の勢力図ぱらぱら紙芝居」を作っていた。この漫画を読んだとき、「おお、そういうやり方もあるのか!」と感動した。きっと江川達也さんが高校時代にそのように勉強したんだろう。

しかしこのやり方は、絵の得意な江川達也さんだからこそできるもので、全ての人に効果があるわけではない。

自分で取捨選択をして、最も自分に効果があることを選ぶには時間がかかる。つまり、有時間性をはらんでいる。しかし、マニュアルは手っ取り早く効果を出したいという無時間的な人が飛びつくものである。

なんだもかんでもマニュアル化していこうという学校は、世の趨勢にうといんじゃないかなぁ?「これからはマニュアルが役にたたない世の中です。」という意見を言う人に、「それじゃあ、どうやって生きていくんですか?」と質問する人間しか生み出していけないんじゃないかなぁ?

2007-03-02『学び合い』の有時間性

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教室内で『学び合い』が起こると、それぞれの子どもたちが何を学んでいるのかわからない。当たり前である。「学ぶ」ということは、学んでいる人によって全く内容が違う。同じ活動をしたとしても、学ぶ内容は人それぞれである。

その「人それぞれ」の学びが有機的におこなわれるのだから(子どもの人数)^2 分の学びがおこなわれることは想像できる。1人の教師がとうてい把握できるものではない。

教師は目標に対する到達度でしか測るしかない。ということは、『学び合い』の効果必然的に『学び合い』開始から時間がかかることになる。脊髄反射的に効果を求めるのは不可能である。

このことから、グループ活動をしてみたいが*1、踏み出せないでいる教師の不安「話し合わなかったらどうするんですか?」というものは、無時間的な考え方から出ているということがわかる。「話し合わなかったらどうするんですか?」というのは、何かをしかけたらすぐにその効果が現れなければその仕掛けは失敗だという考えだ。そういう考えでいる場合は、教育上何をやってもうまく行かないということになる。

*1:『学び合い』をしてみたいということではないが……

ことこことこ2007/03/04 00:16難しいことはよく分かりませんが、、、、。答えがすぐ出ることだけが、教育じゃないってことも、この文章から読み取れるような気もしますが、、、。違いますか?

F-KatagiriF-Katagiri2007/03/04 07:11そうですね。人が成長するには、「こうすればこうなる」という単純な公式は無いということだと思います。

2007-03-01消費型と労働型

[][]消費型と労働消費型と労働型 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - 消費型と労働型 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 消費型と労働型 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

「消費型」とは、「無時間モデル」である。つまりお金を払えば商品はすぐ手にはいる。そこには時間のブランクはない。「もしかしたら手に入れられないかも……」という商品に対してお金を払うことはしない。今ではまだお金を払ってもいないのに、商品が届く場合がある。

労働型」とは「有時間モデル」である。今、労働しているが、その報酬はまだもらえない。ある程度働いたらようやく獲得できる。しかも、その報酬は必ずもらえるとは限らない。

教育勉強学習は本来「労働型」である。今ちょっとやったことに対しての成果は全く出ない。継続的に根気よくやることによって「これが身に付いた」ということになる。そして人によって何が身に付いたのかは、それぞれ違うので、統一的なデータで表すのは難しい。

しかし、今までにない活動をする場合は、消費型のようにすぐに成果を示さないと、その活動は認められないことはよくある。一方で、活動と成果の結びつきがはっきりしない場合(むしろ、逆効果である場合)でも、とりあえず今までと同じようなことをしていれば、「きっとこの成果に結びつくんだろう」というように大目に見てもらえる。

労働型」である『学び合い』(全ての教育活動は労働型であるが……)を「学び合いをやったらどうなるんですか?」という消費型(=このお金を払ったら何を獲得できるんですか?)の論理に当てはめて論ずるのは非常に難しい。難しいどころか、ノウハウ本(消費型=「この実践をやると、すぐにこんな効果がある」)しか信じない教師に対しては不可能と言ってもいいだろう。

この項、思考途中のメモです。