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Pay it Forward , By gones 片桐史裕 このページをアンテナに追加 RSSフィード

上越教育大学教職大学院准教授片桐史裕です。
2016年3月まで27年間新潟県の高校国語教師を務めていました。
映画のことや,教職のことについて書いています。
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教室『学び合い』フォーラム
第15回(2019年)《海》,《山》は
2019/8/3〜4に福岡県,2019/11/2〜4に長野県でおこないます。
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2018-12-14授業課題の「必要性」について

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授業課題に関して,「その課題って面白いの?」とか,「その課題って役に立つの?」ということをいつも気にする。面白ければ学習者は乗ってくる。役に立つと思えば,面白くなくても学習者は取り組む。

「役に立つ」といってもレベルがある。「自分が将来大人になるため,生きるために役に立つ。」とか,もしかしたら「自分が追求している宇宙の真理を解明するために役に立つ。」となどいうレベルから,「明日のテストの問題を解答するために役に立つ。」という低いレベルまでいろいろだ。

学習者が主体的に「面白さ」や「有効性」を見つけられればいいのだが,あまりそれがおこなわれないから,授業者は苦労して「語り」をおこなう。「この単元で学ぶことが,どんな意味があるのか。」について語る。

しかし,その語りがおこなわれず,授業者も今日の課題の面白さや有効性を見出せなければ,どんなに「みんなが達成することは重要だ」とか,「わからない人に教えることによってじぶんがより解るようになる」などと言っても,学習者はそっぽを向く。

もちろん,「みんなが達成すること」は崇高なことであるが,「その課題に取り組むモチベーション」にはならない。別のことでもいい。教科の学習じゃなくてもいい。「それが重要なんだったら,勉強なんてやめて,運動会や文化祭をずーっとやっていればいいじゃん。」ということになる。学習者はそれを見透かしている。

「あんなに高い山を苦労して,どうして登るの?」

という問いに

「そこに山があるから。」

とジョージ・マロリーが答えたそうだが,勝手に解釈すると,「そこに『高い』山があるから。」という意味じゃないだろうか*1?つまり,「崇高さ」を知っているから,登るのだ。

目の前の課題が崇高なのかなんなのか,さらに授業者さえも意味が分からない(少なくとも同様の他の問題を解けるようになる程度)課題に,どんな手を使っても取り組むわけがない。現在において,フロッピーディスクのドライブへの入れ方と取り出し方,保存の仕方,ガードのかけ方を学ばせているようなものだ。

意味がわかりにくいことに取り組ませるには,

  1. その納得できる意味を伝える
  2. 面白さを伝える
  3. もう既にそれに取り組んでいる人たちが大勢いる「ゲーム」の中に放り込む

この3点くらいしか思いつかない。私が今年マラソンにいきなり参加しようと思ったのは,行きつけの床屋の店主から2番目の「面白さ」を伝えてもらったからかな?

*1:本当は,「そこにエベレストがあるから」と答えたそうだ。