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Pay it Forward , By gones 片桐史裕 このページをアンテナに追加 RSSフィード

上越教育大学教職大学院准教授片桐史裕です。
2016年3月まで27年間新潟県の高校国語教師を勤めていました。
映画のことや,教職のことについて書いています。
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教室『学び合い』フォーラム
第15回(2019年)《海》,《山》は
2019/8/3〜4に福岡県,
2019/11/2〜4に長野県でおこないます。→長野の会は中止になりました。
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2018-07-28カメラを止めるな!

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話題沸騰の映画だが,新潟では今のところ上映予定がない。出張で神奈川に行くので,どこか上映しているシアターはないか?と探したら,川崎にあったので,川崎に宿を取ることにした。そして夜の会を観ることにした。

21:15開始の会だが,広い会場がほぼ埋まっていた。人気は本物だったのだな。東京では予約ができない映画館で上映しているから,なかなか観ることができないとラジオで聞いたが,川崎はネットで予約ができて,確実に席が取れて幸せ。

「何の情報もなく観た方がいい」と伊集院光は言っていたが,その通りで,以下に書くことはこれから観ようとする人は,きっと読まない方が100%楽しめるんだと思う。

映画(本当はテレビ番組)は2回始まる。1本目は普通のゾンビ映画で,唐突に始まり,よくわからないまま終わる。しかし,これも,後から考えると役者の役への入り込み方が前半と後半で全く違っていたりする。何でこうなるのか?というと,それはネタバレで,2本目を観るととてもよくわかる。

ただ1人初めから役に入り込んでいる人は,監督役で,どうして当初から迫真の演技ができているのか?というのも,ネタで,2本目を観ると種明かしになる。カメラが回ると普段の雰囲気から一変する役者が多いのだろうけれど,それは役なのか,本性なのか,どんどんわからなくなってくる。まるで「酒を飲むと本性が出る」というのと同じようだ。

1本目を観ていて,「これは,フィクションを撮っているのか,ノンフィクションとして描いているのか?」というのがわからなかった。「ゾンビ映画を撮っていたら本当のゾンビが出てきた」という設定で,それがノンフィクションなのか,フィクションなのかわからなくなったからだ。

何より切り取られて放り投げられた腕がリアルだったからだ。あれが後から出てくるような首を切り取られた胴体並のリアルさだったら,「あ,これはフィクションを描いているのか」となるが,腕だけがとてもリアルだったから,ちょっと欺された。欺されるとどんどん恐くなる。

出演している役者はほとんど見たことがない人たちで,それでもとても味がある。主役(?)の女性は,初めはわざとらしい演技なのだが,どんどん狂気に満ちてきて,どんどん綺麗に見えてくる。1本目のラストシーンは壮絶だ。

実は3本目もあって,この映画のメイキングがエンドロールの時に流れる。カメラを持って撮している監督役を撮影しているカメラマンを撮している映像だ。映像ドラマを作成した人にはわかる「あるある」だが,カメラに映らないところでは,なにが起こっても関係ないというシーンが撮されている。世界は画角のみであって,そこから切れていれば全く関係ない。転ぼうが,××をしていようが,誰かが怪我をしようが関係ない。これが映画魂だったりする。そんな風景もエンドロール時には見られるから楽しい。

そして,この映画が映しだしている「映画魂」は,何を起こしても映像を撮りきる(実は生放送)というもので,初めはばらばらだった気持ちが,どんな手を使っても番組を完成させようというように一つにまとまり大団円を迎える。このカタルシスはすばらしい。

園子温監督「地獄でなぜ悪い」に通じるよい映画だったし,久しぶりにスカッとした映画だった。この映画は400万円くらいで作られて,その何十倍の収益を上げているそうだ。そりゃそうだ。こんなに面白ければ。しかも宣伝費も口コミだけのようなものだし。

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