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Pay it Forward , By gones 片桐史裕 このページをアンテナに追加 RSSフィード

上越教育大学教職大学院准教授片桐史裕です。
2016年3月まで27年間新潟県の高校国語教師を勤めていました。
映画のことや,教職のことについて書いています。
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2018-03-03働き方改革と「朝の読書」

[][]働き方改革と「朝の読書」 働き方改革と「朝の読書」 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 を含むブックマーク はてなブックマーク - 働き方改革と「朝の読書」 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 働き方改革と「朝の読書」 - Pay it Forward , By gones 片桐史裕 のブックマークコメント

教員の「働き方改革」が今になってようやく重要視されてきた。スクラップ&ビルドで,効果がないもの,比較的効果の薄いもの,効果が実感されないものをやめちゃった方がいいということだ。

たくさんの学校でやっているSHR前の朝テストをやめて,朝の読書を導入するだけでも,学級担任や,教科担任の負担と負担感は軽減されると思う。

朝テストなんてすると,児童・生徒はその時間(5〜10分程度?)真剣に取り組む(静かにしている)が,その静寂な時間とひき替えに,教科担任は,テストの作成,印刷,配布,採点,集計,返却,点数の評価への組み込みなどがある。学級担任はテストの受け取り,配布,監督(不正をしているかどうかの監視),回収,採点者への引き渡しなどがある。朝テストをやるだけで,これだけの仕事が生まれてくる。

しかも,朝テストの効果はというと,それほどあるとも思えない。児童・生徒にとっては毎朝テストがあり,テストの数分前にテスト範囲をただ詰め込み,紙に書いて,そして忘れる。短い時間で暗記したものは,短い時間で忘れる。これがかなりの児童・生徒の実態である。つまり,朝テストをする効果は,教師の労力に比べてかなり薄いという実感がある。私の接した生徒もそのように言っていた人が多かった。

「本来朝テストはそういうものではなく,計画的に勉強して,定着させるもので,直前に覚えて,テストを受けて,忘れるのは,本人の自覚の問題だ。」

と,「真面目な」(頭の堅い?)教師は言っているが,実際この件で「自覚」をもてる児童・生徒はいかばかりだろうか?一定数の自覚がある子どものための教育活動のような気がする。意地悪な言い方をすれば,自覚のある子どもには,朝テストも必要無いのではないか。朝テストを毎日実施して,どれほど全体の「学力向上」が望めるのだろうか。学校教育でよくある教師側の「指導した気になる」,「指導したというアリバイづくり」になっている。

しかし,朝の読書を導入すると教師の負担感は減る。朝の読書は「ただ読むだけ」だからだ。

朝の読書の時間には,学級担任を初めとする教師も一緒に本を読む。もちろん,教師は朝の読書の時間に,「ただ読むだけ」ではなく,子どもの観察もする。その観察が生徒指導にかなり活かされてくる。朝の読書の時間の生徒・児童観察の時間が必ず確保されるだけで,児童・生徒理解は進む。本を通した「繋がり」も生まれる。繋がりが生まれれば,生徒との会話,対話も生まれてくる。そうなれば,児童・生徒のちょっとした変化にも気付けて,初期対応は早くなる。

問題が起きたとき,後手後手にまわる対応もなくなり,結果的に勤務時間は短くなる。精神的負担も軽減される。

朝の読書を導入すると,遅刻者が減るという実感を持っている先生も多い。どうして減るのかというと,児童・生徒は本を読みたいから,遅れずに来るのだ。遅刻して教室に入るとき,子どもたちはみんなが読書をしている雰囲気を壊さないよう,気まずそうに,済まなそうに入ってくる。これも遅刻が減る原因だろう。

ということは,遅刻指導の時間も減るということになる。

今後は「働き方改革」という視点で朝の読書の有効性を語るのもいいかもしれない。