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Pay it Forward , By gones 片桐史裕 このページをアンテナに追加 RSSフィード

上越教育大学教職大学院准教授片桐史裕です。
2016年3月まで27年間新潟県の高校国語教師を勤めていました。
映画のことや,教職のことについて書いています。
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教室『学び合い』フォーラム
第15回(2019年)《海》,《山》は
2019/8/3〜4に福岡県,
2019/11/2〜4に長野県でおこないます。→長野の会は中止になりました。
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2017-11-06ブレードランナー 2049

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ユナイテッドシネマで観る。平日だが結構な入りだ。

前作から30年後の設定で,街並みがちょっとスマートになっていた。前作は本当に今の新宿とか,新橋とか,あんな感じだった。それから,廃墟になっている街も舞台となった。何があったかは語られてはいないが,天災か戦争か……「大停電」というキーワードはあったけれど。

人間とレプリカント(人造人間)とバーチャル人間と,人間とレプリカントから生まれた子ども

確実な肉体と過去を持つ「人間」

確実な肉体と植えつけられた過去を持つ「レプリカント」

肉体を持たず,過去も持たない「バーチャル人間」

確実な肉体と過去を持つ「人間とレプリカントの間の子ども」

4者4様の悩みを抱えて生きている。でもその中で一番人間らしく生き生きとして見えるのが「バーチャル人間」であるジョイなのが不思議だった。ジョイはブレードランナー である「K」のために作られたホログラムの恋人で,いつもKに寄り添い,勇気づける。アドバイスを与え,悩みを聞いて癒してくれる。ジョイもKに恋心を抱いているかのように振る舞うが,そのようにプログラムされているのか,レプリカントも感情が芽生えてきているのだから,バーチャル人間も感情があると捉えた方がいいのか,そこがよくわからない。

ただ,肉体がない。空間に浮かんで見えるだけだ。その肉体に触れることはできない。その肉体がないということを残念に思っているかのような振る舞いをする。

レプリカントは自分が人間であった方がいい,人間でありたい,今持っている小さい頃の記憶は本当にじぶんの記憶であった方がいいと願ってあがく。そこにアイデンティティのよりどころを求めている。

自分が自分であることは,自分の過去があるからである。人間が人間であることは,自分の過去があることである。その過去は切り離してしまいたい過去かもしれないけれど,その切り離してしまいたいという思いがあるからこそ自分であり,人間である。

「攻殻機動隊-GHOST IN THE SHELL-」では,アイデンティティのよりどころとして「過去は関係ない,今,どう行動するかだ」というとらえ方だったが,「ブレードランナー 2049」ではそう捉えていなかった。

人間は「今」だけでは自分を保つことができず,「過去」から続く「今」から,「未来」を臨む(望む)ことで生きていけるのかな?と思わせてくれるのが,この映画のラストシーンなんだと思った。

写真は「バーチャル人間」のジョイ

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